
新規事業の旅43 思考と行動
2023年4月8日
早嶋です。
三菱商事の自社倉庫シェアリングサービスは興味深い。ウーバーが飲食を運びたい人と食べたい人をマッチングするように、倉庫を貸して良い人と倉庫を利用したい人を三菱商事グループでマッチングするのだ。実業は子会社野ガウシーが行う。デジタル技術を活用することで、緊急な1日単位の利用から長期間まで自由に双方設定でき、eコマースや諸事情で物流や商品の保管が必要になる利用者に取っては選択肢が増えて良いサービスだと思う。
事業の背景には、自家倉庫という形態があり、倉庫業法により国交省の登録が必要で、企業が商品を預かり保管する営業倉庫と自社商品のみを保管する自家倉庫がある。営業倉庫は名前の通り、ECモールや他社の商品を扱うが、自家倉庫は他社製品を預かることができない制約があった。また国の手続き業務が伴うので営業倉庫の登録は手間で、メーカーや規模が大きな企業は自家倉庫を選択することが多いことに気がついたのだ。
ガウシーの推計では、国内倉庫面積、約1.86億平方メートルの中で7割が自家倉庫だという。しかし昨今の少子化、過疎化、経済低迷等で地方を中心に事業縮小や見直しを考えている企業は多い。自家倉庫は自社商品のみしか扱うことができないので倉庫があいたからと言って自由に活用ができていなかったのだ。ガウシーの凄さは、3年間かけて国と交渉したことだ。自家倉庫の余剰は4割程度あり、営業倉庫の3割未満と比較してポテンシャルが十分にあったのだ。結果、ガウシーが損害保険などに入るなど安全性を担保する前提で、空きスペースの貸し出しができるようになったのだ。倉庫を貸したい企業がガウシーと業務委託を結ぶ。そして倉庫を借りたい利用者と再び業務契約を結び直すという流れで倉庫を1日の期間からでも賃貸できるようにしたのだ。
新規事業を行う場合、アイデアは意外と出る。しかし、様々なハードルがあり断念することが多い。こと規制が大きければすぐに諦めることは考えられる。三菱商事がすごいと思うところは、それらを踏まえて国と交渉をはじめているところだ。2023年3月7日。国は「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案」を閣議決定した。デジタル庁のプレスリリースを引用すると、
””「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」(2022年6月デジタル臨時行政調査会決定)を踏まえ、デジタル技術の進展を踏まえたその効果的な活用のための規制の見直しを推進するため、①デジタル社会形成基本法、②デジタル手続法(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律)、③アナログ規制を定める個別法の改正を行うもの””
ということだ。しかし3年前は、まだまだコロナが始まる前後で、そのような兆しはなかった。アイデアを出して実行に移す。一方で国益や多くの企業にとってもメリットがある大義があるからこそ、今回の取組が進んだと思う。思考と行動はセットにして、はじめて事業が成り立つ。ガウシーの事例はそのようなことを教えてくれていると思う。
著書の購入
実践「ジョブ理論」
「M&A実務のプロセスとポイント<第2版>」
「ドラッカーが教える問題解決のセオリー」
新規事業の旅(44) デジタルバッジ
新規事業の旅(43) 思考と行動
新規事業の旅(42) グループ企業の試練
新規事業の旅(41) 3つの財布
新規事業の旅(40) サービス業の苦悩
新規事業の旅(39) 金融リターンではなく事業リターン
新規事業の旅(38) システム化された社会
新規事業の旅(37) 会社を居場所に置き換える
新規事業の旅(36) デジタルの弊害を受け入れる
新規事業の旅(35) 人間は機械の一部になる
新規事業の旅(34) 複利の効果
新規事業の旅(33) ストレッチ目標
新規事業の旅(32) 需要と供給
新規事業の旅(31) ジョブと障害とキャズム
新規事業の旅(30) OEは最早役に立たたない
新規事業の旅(29) 売り手のトラブルは売り手の無知から
新規事業の旅(28) 動画サブスクの落とし穴と処方箋
新規事業の旅(27) 仲介会社のビジネスモデルと買い手の事情
新規事業の旅(26) M&Aの勘所を押さえる
新規事業の旅(25) キャズムを超えるまでのKPI
新規事業の旅(24) 敵のコトを知りつくそう
新規事業の旅(23) 道具の使い方
新規事業の旅(22) 売ってから始まる事業
新規事業の旅(21) 現場とトップのギャップ
新規事業の旅(20) 自前主義の呪縛とイデオロギー
新規事業の旅(19) モノからコトへ転身できない企業
新規事業の旅(18) アンゾフ再び
新規事業の旅(17) 既存事業の市場進出の場合
新規事業の旅(16) キャズムを超える
新規事業の旅(15) 偶然と必然
新規事業の旅(14) 経営陣のチームビルディング
新規事業の旅(13) ポジションに考える
新規事業の旅(12) 山の登り方
新規事業の旅(11) 未だメーカーと称す危険性
新規事業の旅(10) NBとPB
新規事業の旅(9) 採用
新規事業の旅(8) 自分ごとか他人ごとか
新規事業の旅(7) ビジネスモデルをトランスフォーメーションする
新規事業の旅(6) 若手の教育
新規事業の旅(5) M&Aの活用の落とし穴
新規事業の旅(4) M&Aの成功
新規事業の旅(3) よし!M&Aだ
新規事業の旅(2) 既存と新規は別の生き物
新規事業の旅(1) 旅のはじまり
5月病の予防対策
2023年4月6日
安藤(公認心理師)です。
今回は、「5月病の予防対策」です。
ゴールデンウイークが近づいてきました。 ゴールデンウイークが明けると、やる気がでない、出社したくないといったメンタル不調でカウンセリングを受ける方も増えてきます。いわば『五月病』といわれています。
新入社員の場合は、入社前と入社してみたら描いていたイメージと現実が違うというギャップに戸惑う、苦しむ『リアリティ・ショック』の状態に陥っています。観察していたら、表情、態度、行動面に表れています。そのままケアーをしないでいると、休職・離職にもつながっていきます。
五月病は、リアリティ・ショックの状態が多くあります。その場合は、カウンセリング時には、『適応障害』と診断されて面談にこられる方が多いです。詳しく、リアリティ・ショックを説明すると、思い描いていたことと現実が乖離していたと感じたときの心の動きを指す言葉です。1985年にアメリカの組織心理学者・E.C.ヒューズが提唱しました。
4月に入社した新入社員が1カ月を過ごし、入社前に描いていたイメージと実際の仕事との乖離によってリアリティ・ショックを受け、GWをはさんで、仕事を続けられなくなるケースが発生します。
そこで、企業としては、メンタル不調の状態の社員の早期発見・対処法が必要となってきます。
まずは、どのようなリアリティ・ショックを受けているかと把握することです。新入社員に興味・関心をもって態度・姿勢・行動面(遅刻、言葉数が減った他)の変化を観察することです。その変化に気づいたら、すぐに
“声かけ” をおすすめします。上司に素直に自己開示をしてくれるのは日ごろの関係性にも影響してきますので、入社してからの “挨拶” は必須です。 次に、”1対1” の面談です。リアリティ・ショックは業務内容だけでなく、同僚や上司との人間関係、企業風土などが考えられます。
最近の事例では、ジェンダ問題もあります。男性社員は名前で呼ばれるが、女性社員は名前を呼ばれないなどもありました。名前を呼ばれないということは、一人の人間として、承認されていないとう心理に陥ります。職場風土として、男性優位な職場であり、チームで仕事をする場合も上司から男性社員には指示があるが、女性社員には指示がない等、そのようなことが重なり自己肯定感が低くなり、本来なら、報告・連絡・相談が必須ですが、それができなくなりミスが増えメンタル不調になったりすることもあります。
前回の投稿にも記載しておりますが、新入社員の方は、まずは、新しい環境の中で馴染んでいくのに時間はかかるかと思いますが、良い生活習慣を続けること(睡眠・食事・運動)が必須です。体調面・メンタル面に不調を感じたら、生活リズムを見直してみてくださいませ。
お気軽に弊社にご相談くださいませ。
潜在化したニードを顕在化するセールスコミュニケーションスキル
2023年4月6日
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「潜在化したニードを顕在化するセールスコミュニケーションスキル」です。前回のメルマガでは、お客様は「私」をわかってくれて、「私」にピッタリの提案や解決策を提案してくれる営業マンを求めていると書きました。今回は目に見えているモノ(顕在化)だけではなく、潜在化したお客様のニードや問題をくみ取るスキルについてお伝えします。
結論から申し上げると、お客様ご自身も気付いておられないニード「本当はこんなのがあったら(出来たら)いいのになぁ」を営業マンがくみ取るためには、お客様にお尋ねするしかないのです。答えは全てあちら側(お客様)にしかないからです。
「本当はどうしたいんですか?」と率直に尋ねても、お客様から回答を得られません。そこでお客様の内面を深堀する質問を順番に重ねることにより、潜在意識の深いところを探っていきます。
まずお客様が現在置かれている状況、状態、背景をお尋ねします。営業マンがお客様の事を詳しく知ると同時に、お客様ご自身にもご自分の状況を再確認していただくプロセスです。
住宅のトップ営業マンならまずは「どちらにお住まいですか?」「現在どのような家にお住まいですか?」「持家ですか?賃貸ですか?」「家賃はおいくらですか?」「通勤、通学は?」「年収は?」「貯蓄は?」など、モデルハウスの来場アンケートにもあるような内容をお尋ねします。
そこから徐々に本質に迫る質問でさらに突っ込んでお尋ねします。「休日の過ごし方は?」「これからどのようなライフスタイルを送りたいか?」「子供をどのように育てたいか?」「それはなぜですか?」「その結果、何を得たいですか?」、そして「どのような人生を送りたいですか?」といったお客様の人生哲学や夢、理想ともいえる内容にまで及びます。
次に、お客様のその夢をかなえるために障害になるであろう問題を、質問によって明らかにしていきます。 お客様に理想と現状のギャップに気付いていただくプロセスです。
引き続きトップ住宅営業マンで例えるなら、「ご家族との時間を大切にしたいとのことですが、今は通勤に時間がかかっておられるようですね。会社に近ければご家族との時間も増えるのではないですか?」「お子さんを伸び伸び育てたいとのことですが、そのための環境が必要ですね」「お子様の通学路は大きな国道を横断しないといけませんね。沿線はトラックも結構走るようですが?」「ガレージがあれば、休日の趣味の時間が充実するのではないですか?」など、お客様がもっと満足する生活をイメージしていただく問いかけです。逆に言うと、現状に不満や不足をはっきりと感じていただく質問と言い換えることができます。
現状ではご自分の理想や夢を実現できないと気付いていただくわけです。
そうなると、お客様の心理としては「今のままでは嫌だ」「何とか理想に近づけたい」「できることなら夢を実現したい」となります。
「何か良い方法はないものか?」と営業マンに提案を求めてくだされば、営業マンは「これならどうですか?」と自社の商品やサービスの提案をするだけです。
深層レベルでお客様のご要望をしっかり聞取りができていて、その要望を満たすスペック(性能や価格)の商品やサービスなら契約に至る確率は相当高いはずです。特に売り込む必要もなく、いわゆる商品売りでもなく、本当にお客様にご満足いただけるセールスです。
このように、お客様にお尋ねすることで、お客様自身がご自分の潜在的な願望に気付き、それを実現したいと行動してくださる。その結果、ご契約に至るというセールスプロセスを私は住宅会社、保険会社で実践してきました。
ご自分の営業の進め方に取り入れていただける部分があれば幸いです。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
新規事業の旅42 グループ企業の試練
2023年4月3日
早嶋です。
企業規模が大きくなるとグループ企業の数も比例して大きくなる。多くのグループ企業は既存事業の流れから分社化され、周辺事業を手伝う目的で設立されている。そのため本店の事業ポートフォリオの影響を大いに受ける立場にある。
90年代から2000年代頃は、本店からほぼ100%の売上を得てきた。グループ企業は年度末に本店からの次年度の予算が確定され、事業年度の1年間は正しく予算を執行することで利益を得てきた。本店からの売上がベース故、営業部は存在するが、実質本店からの天下り人事で部長を固め、確実に業務フローを回す流れが定着した。従い、営業力は基本的に無い、もしくは著しく低いのだ。
グループ企業の役割は、本店からの営業オーダーを決められた予算でこなし、決められた利益を出すことだ。もし創意工夫してコストをカットしても次年度の予算を本店から絞られることになるので、ある意味公務員のように工夫もしないでただこなす文化が定着する。仮に、予定よりもコストが掛かりそうな場合は、本店に相談をして追加の予算が計上できるので、予実管理も他の企業と比較するとズブズブだ。というよりもその発想すら乏しい。
2010年頃より景色が変わる。本店のキャッシュカウに相当する事業が衰退しはじめ、経営状況が低迷したのだ。当然、グループ企業の売上も低迷する。従い、グループ企業の利益も減少する。利益を確保する必要があるグループ企業は、新規事業を連呼するもスローガンに終わり、結局、創意工夫も無く、人件費を無理くり削減することでかろうじて利益を出す。結果、人材投資も縮小し、金の卵を産むガチョウの如く、将来のポテンシャルを潰してしまうのだ。
そんな時、突然、本店は自社の売上や利益目標を切りに良い数字にして、成長することを宣言する。そのしわ寄せは、グループ企業にもやってくる。結果、本店売上比率を100%から50%程度まで下げ、代わりに自分たちで営業を取りに行くシナリオが既定路線になる。しかし、法人営業部隊は、いわゆる民間企業への営業経験はなく、いつまで立っても新しい売上や新規事業が立ち上がらないで苦しむのだ。たまたまグループ企業のトップが何らかの繋がりで仕事を取る場合もあるが、戦略性が乏しいため思うような継続が出来なかったり、効率が悪い仕事が増えて、利益がますます出ない体制になってしまう。
民間企業のように、管理会計を導入して細かい仕事単位で利益と効率の追求などしていない。終了した案件を見直し、次の仕事にフィードフォワードする発想も無い。過去の仕事の資料は残っているものの、本店に報告することが目的の資料で、今後の効率化や新たな事業を創造する材料としてもほとんど役に立たない状態になってしまっている。
この状況を脱するためのウルトラCは存在しない。きっちりとこれまでの仕事を整理して、業務フローを整理する。各々が保管している資料やデータの交通整理を行いデータを一元化する。管理会計は経営を見直すためのツールと認識して、どこで利益が出ていないのかを細かく正しく把握して、仕事を進めながら検証する。民間企業では当たり前に行っている仕事の進め方をまずは半年から1年できっちり行うことができれば、無駄な仕事や作業、報告書の作成や営業など、様々な伸びしろが見えてくる。一足飛びにすすめることは難しいが、伸びしろは結構あるのだ。
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新規事業の旅(32) 需要と供給
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新規事業の旅(30) OEは最早役に立たたない
新規事業の旅(29) 売り手のトラブルは売り手の無知から
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新規事業の旅(27) 仲介会社のビジネスモデルと買い手の事情
新規事業の旅(26) M&Aの勘所を押さえる
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新規事業の旅(24) 敵のコトを知りつくそう
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新規事業の旅(20) 自前主義の呪縛とイデオロギー
新規事業の旅(19) モノからコトへ転身できない企業
新規事業の旅(18) アンゾフ再び
新規事業の旅(17) 既存事業の市場進出の場合
新規事業の旅(16) キャズムを超える
新規事業の旅(15) 偶然と必然
新規事業の旅(14) 経営陣のチームビルディング
新規事業の旅(13) ポジションに考える
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新規事業の旅(11) 未だメーカーと称す危険性
新規事業の旅(10) NBとPB
新規事業の旅(9) 採用
新規事業の旅(8) 自分ごとか他人ごとか
新規事業の旅(7) ビジネスモデルをトランスフォーメーションする
新規事業の旅(6) 若手の教育
新規事業の旅(5) M&Aの活用の落とし穴
新規事業の旅(4) M&Aの成功
新規事業の旅(3) よし!M&Aだ
新規事業の旅(2) 既存と新規は別の生き物
新規事業の旅(1) 旅のはじまり
新規事業の旅41 3つの財布
2023年3月21日
早嶋です。
新規事業を促進する際の予算の考えとして、社長の財布、事業部の財布、VCの財布に分ける取組がある。どうだろうか。
新規事業はすべての企業に対して大きな課題だ。既存事業が収益を上げ、育てる事業、維持する事業、縮小する事業、整理する事業など、収益の配分と将来のポートフォリオを考え、その組み合わせを決めるのが経営者の仕事だ。ローマ帝国しかり、組織は永続しないから新規事業の検討と取組は常に必須なのだ。
新規を実現するための手段は、自社で行うゼロイチ(0⇒1)と資本を取り入れて行うM&Aがある。その間に、業務提携や資本業務提携があり、この3つを並行的に進めるのが理想だと思う。その際の投資の意思決定についてだが、トップダウン、事業部から議論して取締役会で承認、そしてVCや金融機関やM&Aブティックなど社外からの提案の3つがある。
すべてを自前で行う場合、つまりゼロイチを主体に行う企業は、結果的に時間ばかり経過して成果が出にくい。M&Aに対しても、自分たちから積極的に発掘してアプローチする際も、限られたネットワークの中での行動に限られる。業務提携やマイノリティ出資についても同様で、たまたま知っているネットワーク内での出会いが多く、劇的に自社の事業を補う企業、成長を促す企業との出会いは稀なのだ。業界や進出する特定のエリアについて情報を得る目的でVCにLP出資する場合もあるだろう。しかし、はじめから複数社のLPがいれば、GPの意思決定は事業リターンよりも財務リターンを優先することになる。複数のLPに向けての合理的な出資先の選定が極めてややこしくなるからだ。
これらを加味した取組は自社独自のVC、つまりCVCを立ち上げることだ。そしてそこで運用する額をVCの財布として扱うのだ。当然、自分たちから動く場合は、従来通り社長の財布と事業部の財布を使う。トップダウンで、持ち込み案件をベースに突然にM&Aや出資を決めたい場合は社長の財布の予算内やルールで行う。事業計画の中で予算を確保して行う場合は事業部の予算で事業部の財布として資金を配分する。こうすることで外部のネットワークと自社の取組を分散して新規に対しての取組ができるのだ。
CVCを通じたアプローチは、投資の意思決定や業務提携をする前から複数のベンチャーの社長に面談して、自社とのシナジーや不足する領域を双方で埋め合いながら取り組むアイデアをぶつけていく。このような議論の中で互いの化学反応を考える。そしえその中から納得したベンチャーにマイノリティ出資を行い、業務資本提携を結び新規事業を生み出していくのだ。金融機関やM&Aブティックからの持ち込み案件を検討するのも良いが、短時間で複数の買い手をチラつかせる案件は、常に最速で意思決定をする必要がある。もちろんDDなども基本合意を結んだ後に本格的に取り組むが、そもそもの時間が短いため思うように対象会社を理解することは難しいのだ。
対して、CVCのアプローチをした後、マイノリティ出資して一緒に取り組むベンチャーは実務を通じてその企業のDDが可能になる。しかも100%の株式の取得ではなく、ベンチャー企業が必要な1年分程度の運転資金を出資する代わりに数%(ステージにもよる)の株式を取得する。そして人やノウハウを交換しながら互いの実力を確認するのだ。この取組を続けて成果が出始めた場合、それ以上資本割合を増やす必要はない。既に事業リターンを得られているからだ。仮に積極的に資本比率を高めたければ、互いの関係構築はできていて、対象企業の特徴も把握できている。そのため腹わった交渉ができやすくなるのだ。
ゼロイチは事業部の財布と意思決定を中心に行う。
提携や業務提携は理想はCVCを作ってVCの財布と意思決定を中心に行う。
社長やトップの判断で迅速に動く場合は社長の財布を中心に行う。
どうだろう、結構しっくりくると思うのだが。
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新規事業の旅40 サービス業の苦悩
2023年3月20日
早嶋です。
コロナ後の日本、サービス業、特に人流を伴う業態で現場が回っていないシーンが観察できる。鉄道、空港、宿泊施設などだ。
2019年12月、武漢より広まったパンデミックは、2020年5月頃より国内に本格的な影響を与えた。構造的に打撃を食らった産業は人流を軸とする鉄道、空港、宿泊、海運等でどうにもできない状況が続く。数年で収まるだろうが、止血を押させるには現場を維持するコストを止めるしか無い、そしてそれは人員カット以外の選択肢は無かった。コロナの期間は1年以上続き、カットされた人材は別の仕事につき新たな生活を取り戻している。そして「コロナが終わりますよ」、「マスクは個人の判断ですよ」、となり、「再び戻ってきてほしい」と言われても、最早、2年前の環境とは違い、戻ろうにも戻れない状況が出来上がったのだ。
ということで、2019年12月と同じ、或いは少ない人流でも現場が上手く機能せず混乱が続いているのだ。そのような業界では、新人を多く採用して対応しようとするだろうが現在、3月。4月から入社式を迎えて、トレーニングをしても半年そこらはトレーニングに必要で有ることを鑑みると、この状況は年内は続くと見て良いだろう。
更に突っ込んで考察すると、DXならぬデジタル化が中途半端に進んでいることも因果があると思う。例えば鉄道。ここ数年、スマフォを使って事前に乗る列車の予約ができる仕組みが定着した。しかし、主要駅はどこも発券機で行列ができているのだ。従来の予約から乗車までの業務フローは、予約⇒発券⇒改札⇒乗車だった。
スマフォを使って、時間と場所をずらして予約ができても、結局は券売機相当の機械に並んでアナログの紙の切符を発見しないと電車に乗れないのだ。前述した人手不足と重なって窓口も券売機も発券機も混雑しており、昔のように予約無しで新幹線に乗るなど非常に勇気のいる技となったのだ。
ここに対しての解決は、きっぷそのものを無くして、スマフォで予約したら、そのスマフォを改札機にかざすなりすることで改札できるような仕組みを見直すべきなのだ。ただ、改札機を改造するためのコストなどは投資になるので、すぐにできない状況もわかるので、なんとも大変な状況なのだ。
空港の場合は、予約と発券は紙ベースと同時に、スマフォをかざして搭乗する仕組みは既に整っていた。しかし、業務フローの中で混雑が緩和できない流れは、手荷物チェックだ。手荷物検査の流れはここ数十年変化していない。基本は、レントゲンマシンのような機械に手荷物を通して、モニタに映し出された荷物を人間の目でチェックして、その後かかりの人がそれらを再度確認する。人は、ゲートを潜り、金属探知機にかけられる。
混雑のポイントは、手荷物検査だ。検査前に、手荷物の中を取り出しトレーに置く。検査が終わると再びトレーから荷物を取り手荷物に収納する。バック毎そのまま機械に通す作業であれば、手間はかからないのだがいちいち出さなければならない。これらは機械の工夫等でなんとか改善できるものだと思う。ただ、ここに関しても一定の資金が必要で、コロナで傾いた業界にはとても酷な話なのだ。
最後は、宿泊施設。ここもまたチェックインの時に行列が出来ている。ビジネスホテル。シティホテル。リゾートホテルなどのジャンルで、リゾートホテルなどは、待ち時間にもいろいろなエンタメがあるので良いとして、ビジネスホテルやシティホテルは考えものだ。多くの場合、受付は機械に変わりつつあるが、人が行っている業務フローをそのまま機械化しているだけなので、効率が良いのか不明だ。スマフォ等で予約した後、チェックインの際に再びデータを登録する場合が多いのだ。チェックインした際にコードやQRコードを発行し、それらを読み込む等してデータを反映する仕組み等だとよいのだが、独自のハウスカードを持たないとそのような機能は望めない。鍵の受け渡しも、宿泊予約期間は、そのコードかQRコード等を鍵の代わりにすれば、受け渡し機能そのものが不要になる。一部オフィス等は実現できている仕組みなので具体化するのは難しくない。が、やはり投資が必要なのですぐには難しい。
鉄道、空港、宿泊施設。全て人手をベースに考えられた業務フローだった、その一部は機械化されたが、じつは大量の人材で何となくカバーできていたのだ。それが3年間の空白期間を明けて、いよいよトランスフォーメーションできていないことが露呈された。今後、思うように人では戻らないだろう。従い、上記のサービス業は電子化を更に進めるしか対応ができない。外国の労働者を期待しても世界中で人手が不足しており、国力が低下している日本よりも他の国を選ぶという行動が既に起き始めている。
ということで今年は、全てがようやくトランスフォーメーションする1年目になると思う。流石に、この状況を1年以上も続けることは無いだろう。その間に単にデジタル化を行うのではなく、根本の仕組みを見直して人が介在しないでも従来以上の顧客体験ができる仕組みが出来上がることだろう。
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新規事業の旅(3) よし!M&Aだ
新規事業の旅(2) 既存と新規は別の生き物
新規事業の旅(1) 旅のはじまり
新規事業の旅39 金融リターンではなく事業リターン
2023年3月13日
早嶋です。
SVBファイナンシャルグループ傘下のシリコンバレー銀行が3月10日に金融破たんした。10年に及ぶ金融緩和局面の終了とともに金融システムに変化が出ているように見える。投資家はこれらの影響が他の金融市場に飛び火しないように警戒を強めている局面だろう。
そのシリコンバレー銀行が破たんに至った背景はざっと次の通りだ。
・設立目的は、シリコンバレー界隈のテック企業への融資
・が、テック企業は株式調達による資金調達でカネ余り
・その資金をシリコンバレー銀行に預金
・テック企業への融資は思うようにいかないが預金が増える
・そこで、その資金で長期国債や住宅ローン担保証券を中心に債券投資
・テック企業の経営悪化に伴う預金の取り崩しが始まる
・預金利回りとFRBの利上げで利ざやが縮小し負債と資産のミスマッチが起こり思ったよりも稼げなくなる
・信用不安が起こり、一気に預金流出が加速し破綻
本来のビジネスモデルでは稼げなかったが、一連のカネ余りで資金が調達でき債権投資で利ザヤを得てしまったことがいけなかった。事業が成り立たないのに、カネだけが集まっている状況だったのだ。
シリコンバレー界隈ではここ10年くらい、とにかくお金が集まりお金が余る状況が続いて、その資金を元本に本業ではない事業で儲かってしまい、判断軸が失われた状態が続いたのだ。
多くの大企業は、次の成長のために新規事業への投資枠を掲げている。既存事業は決して潤沢ではないが、両利きの経営を目指し、新規資金を準備するのだ。一方で、その資金をどの領域に投資し、どのような事業を次の稼ぎ頭にするのか、どのような事業モデルが良いのかの議論はあいまいなまま、資本政策を続ける企業も多い。事業の成長よりも、投資した資金のキャピタルゲインに目が行き本質を失っているのだ。
通常の事業会社は、財務リターンで収益を増やすことが目的ではなく、事業を通して、その事業リターンで社会に貢献をしながら収益を得るのが本来だ。事業の目的や存在意義は確認しながらの資本政策、当たり前だが今一度確認したいところだ。
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新規事業の旅(27) 仲介会社のビジネスモデルと買い手の事情
新規事業の旅(26) M&Aの勘所を押さえる
新規事業の旅(25) キャズムを超えるまでのKPI
新規事業の旅(24) 敵のコトを知りつくそう
新規事業の旅(23) 道具の使い方
新規事業の旅(22) 売ってから始まる事業
新規事業の旅(21) 現場とトップのギャップ
新規事業の旅(20) 自前主義の呪縛とイデオロギー
新規事業の旅(19) モノからコトへ転身できない企業
新規事業の旅(18) アンゾフ再び
新規事業の旅(17) 既存事業の市場進出の場合
新規事業の旅(16) キャズムを超える
新規事業の旅(15) 偶然と必然
新規事業の旅(14) 経営陣のチームビルディング
新規事業の旅(13) ポジションに考える
新規事業の旅(12) 山の登り方
新規事業の旅(11) 未だメーカーと称す危険性
新規事業の旅(10) NBとPB
新規事業の旅(9) 採用
新規事業の旅(8) 自分ごとか他人ごとか
新規事業の旅(7) ビジネスモデルをトランスフォーメーションする
新規事業の旅(6) 若手の教育
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メンタルヘルスについて
2023年3月2日
安藤(公認心理師)です。
今回は、「メンタルヘルスについて」です。
よくある相談で「ここのところ忙しくて…。眠れなかったり身体がだるかったりするのですが…」という事例が多数あります。
その場合、自律神経が乱れているのかもしれません。 自律神経は、内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールするために、みなさんの意思と は関係なく 24 時間働き続けているものです。昼間や活動しているときに活発になる「交感神経」 と、夜間やリラックスしているときに活発になる「副交感神経」の 2 種類があります。
自律神経、聞いたことがあるかという方も多いのではないでしょうか。自律神経が乱れるとどのようになるのでしょうか。 自律神経が乱れると、不安や緊張感が高まり、吐き気や多汗、全身のだるさ、頭痛、肩こり、手足 のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠など、様々な症状が現れます。
これらの症状は、人によって大きく異なります。 そして、自律神経がバランスを崩すと、臓器にも悪影響を及ぼします。胃酸が過剰に分泌され、 胃の痛みや胸やけを感じる「神経性胃炎」や、腸のぜん動運動に異常が生じて腹痛を伴う下痢や 便秘が起こる「過敏性腸症候群」がこれに当たります。また、突然浅く速い呼吸を繰り返す「過 呼吸症候群」になると、息苦しさの他、めまいや手足のしびれが現れます。
メンタルヘルスにとっても自律神経はとても重要ですね。整える方法としては、生活スタイルを見直すことが大切です。生体リズムは、5つ(食事、睡眠、休養、労働・勉強、運動)の要素で構成されています。
これらが毎日規則正しく行われていれば、生体リズムの調子が整うと言われています。忙しくても、できるだけ一定の時間に食事を摂り、睡眠時間をたっぷり確保するよう心掛けること。 睡眠の質を良くする食べ物には、眠りを促す成分トリプトファンを含む乳製品や米、ごま、バナ ナの他、副交感神経の働きを高めるマグネシウムを含む豆腐やナッツ類などがあります。
その他、ストレスの緩和や、自律神経のコントロールに効果が期待できる成分を摂取するもの効果的です。例えば、カルシウムは神経の伝達に重要な役割を果たす成分です。神経細胞の興奮を 抑える働きがあり、不足すると怒りっぽくなると言われています。牛乳や小松菜などカルシウム を含んだ食品を摂ると良いでしょう。ストレス対策には、ビタミン C を含むパプリカやレモンもおすすめです。 また、自律神経のコントロールには、ビタミン A を含む鶏レバーやうなぎ、ビタミン E を含むアーモンドやオリーブオイルなどが効果的でしょう。
まずは、自律神経を整えるにはより良い生活(食事、睡眠、休養、労働・勉強、運動)が基本です。
お気軽に弊社にご相談くださいませ。
最高だと感じた営業担当
2023年3月1日
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「最高だと感じた営業担当」です。皆さんもこれまで多くの営業マンと会ってこられたと思います。どのような営業マンを最高だと感じられましたか?その営業マンの何が最高だと感じさせたのでしょうか?
ここに、マクロミルパネル利用のインターネット調査(2017年11月、※自由回答を集計・編集(n=309)TORiX調べ)があります。(出典:高橋浩一著「無敗営業」)
「あなたが過去に出会った中で、最高だと感じた営業担当者の特徴を、具体的に教えてください」というアンケート調査を実施しています。どのような結果が出ているのでしょうか。
一番多くの人があげた最高の営業マンの特徴は、「わかってくれる・意図を把握してくれる・的確・明確」という回答でした。
ここから読み取れることはお客様が営業マンに求めているのは、「私」のことをわかってほしいということです。言い換えると、「私(お客様)が言わんとする(しかし上手く口に出して伝えることができないモヤモヤとした悩み)ことをくみ取ってくれる」営業マン、「私(お客様)がてかかえている問題をハッキリと指摘してくれる」営業マン、「私(お客様)ご自身も気付いていない問題を引き出すことができる」営業マン、だと理解しています。
そのような営業マンをお客様はお待ちなのです。
多くの営業マンが勘違いしていることがあります。それは、商品サービスの内容や性能、価格であったり、商品サービスに関する知識や情報量で、営業の成果が決まると考えていることです。いわゆるスペック競争ですね。
アンケートの結果を見ると一目瞭然です。お客様から見ると、知識が豊富だからと言って最高の営業マンと評価されるわけではないのです。先ほどのアンケート調査では「豊富な情報・知識」は8項目中最下位でした。
(ちなみに、第2位「提案力・説得力」第3位「迅速・早い・即答・機敏」第4位「誠実・誠意・真摯・正直・約束を守る・嘘をつかない」第5位「柔軟・機転・トンチ・融通が利く・臨機応変・スマート」第6位「粘り強い・努力・熱意・諦めない」第7位「気が利く・プラスアルファの答え・痒い所に手が届く」第8位「豊富な情報・知識」でした)
昔はお客様と営業マンの間に情報格差がありました。例えば冷蔵庫を買うにしても、お客様はどのメーカーの商品が、省エネ性能が良くて、どんな特徴があるのか、いちいちお店に行って売り場の営業担当に尋ねなければわかりませんでした。
しかし、今やネット検索すれば分からない情報はありません。しかもどこのお店が安いのか全国区で最安値も検索できます。
このようにお客様と営業マンの間に情報格差がなく、お客様はあらかじめ全て調べた上でご購入される時代、営業マンが知識武装しているのは当たり前です。その上でお客様が求めていらっしゃるのは、もっとパーソナルな事、つまり「私の問題解決」なのです。
「私」をわかってくれて、「私」にピッタリの提案や解決策を提案してくれる営業マンになるため、われわれはお客様を知る努力をしなければなりません。目に見えているモノ(顕在化)だけではなく、潜在化したお客様のニードや問題をくみ取るスキルが必要です。それを可能にするのが、私が研修やコンサルティングでお伝えしているセールスコミュニケーションの技法です。
次回は潜在化したニードを顕在化するセールスコミュニケーションスキルについてご紹介します。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
【動画】デジタル化PJT
2023年3月1日
※本動画は、デジタル化PJT推進チーム専用のページです。
デジタル化PJTを推進する際に、DXの基礎的な概念や考え方を共通言語とするために、以下の動画を視聴下さい。
視聴は任意です。パスワード等は、別途事務局の指示に従ってください。
DXの基礎 DXとは
DXの基礎 DXの必要性
DXの基礎 顧客体験価値
DXの基礎 DXの創造
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