早嶋です。
私が小学校の時頃から個性が大切だと聞かされた。が、実際に個性が際立つ人は、先生に目をつけられ個性を潰された。それでも自分の違和感やみんなと違うことに対しての息苦しさを誰かに気づいてもらいたかったのだろう。彼ら彼女らなりに表現をした。その方法は周りからすると「なんで?」となるが、彼ら彼女らからすると、それ以外の方法を他に知らなかったのだろう。髪を赤く染め、ちょっとだけ丈が短い、あるいは長い学ランを羽織り、ちょっとだけワタリが太い、あるいはちょっとだけ足首が細いズボンを履いて主張するのだ。明らかに寂しく、根底は誰からか注目してもらい、自分をわかってもらいたかったのだろう。
個性って、基本的に人と人を隔てるなにかとすれば、それは自然に自分に身についたモノだから、その個性は自分ではコントロールできないものだと思う。
私の髪の毛は、今日のように湿度が高くなると、ありえないくらい巻き出す。小さい頃は、この髪の毛が嫌で嫌で仕方がなかった。高校生の時にお金をためてストレートパーマをかけて登校したことがある。周りのみんなが直ぐに気づいた。「かけたの?」って。自分の中ではまっすぐ伸びた髪の毛をみて嬉しかったが、2日、3日もすれば髪が巻き始めた、相当強烈なくせ毛なのだ。
ある日先生に尋ねられた、ストレートパーマが取れたくせ毛がいい感じにパーマを掛けた風に見えたのだろう。当時の校則はありえないくらい個人の人権を無視していたので髪を自由にする権利など高校生にはなかった。「パーマをかけたろ?」と先生。「はい」と私。「だって髪の毛がクネクネしていてまっすぐしたかったら」と私。そして先生は笑った。なぜかと言えば、逆に捉えていたからだ。元々真っ直ぐな髪に、あえてのパーマをかけていると思っていたのだ。じみにパンチを食らったようでショックだった。実際は大したことでは無いが、髪の毛の話は当時の私に取っては大きな悩みだった。
しかしそれは私にどうにもできることが無いことで、一度それを受け入れることができればどうなるだろう。今のように、むしろ髪がクルクルしていると手入れをしなくて楽になるし。セットしてもしなくても、そもそも変わらないのだし、手間がかからなくて楽なのだ。
個性って人と人を隔てるなにかなのだから、当然に自然に身についたモノで、その個性は本人にもコントロールできないのだ。そこで個性を受け入れて、自分の特徴を理解することができれば、かなり楽になる。加えて、それは自分にだってどうすることもできないことだから受け入れる態度を取った瞬間に世界が変わりはじめるのだ。
しかし、次の困難がやってくる。他人が自分の個性を受け入れることをしないのだ。個性が大切といいながら、個性を潰す行動をとるからだ。その理由は、組織を管理したい大人が沢山いるからだと思う。自分の都合の良いように人を束ねて何かを成し遂げたいと思っているのだ。
例えば、世の中、個性を大切にしようと言っているが、実際に個性の集まりは管理することが難しいし、みんなの意見を聴いてなにかを進めようものなら、基本的に話がぐちゃぐちゃになってしまうから、何らかのタガにはめて丸め込みたいと思っている。と思う。ということで、ある程度の合理性っぽく見せた、見せかけのルールを作り、縛り、管理したいのだ。
そのため比較的おとなしい(このおとなしいのは静かだとかいう意味ではなくて、強烈ではない程度の意味で)個性の持ち主であれば、その枠の中にたまたま収まり息苦しさ等は感じないものとしよう。でもちょっとだけ他と比較したら強烈な個性を持っている人からすると、その枠の中に入ることすら耐えられないのだ。そして、その感覚は個人でもどうすることもできない。それが個性だからだ。
その時に、本人が本人の個性を知っていても、それを他人が見た時に、意図的にその枠から出ているのだと勘違いする場合が現時点では圧倒的に多いと思う。その他人はたまたま、枠の中に収まった個性の持ち主で、自分が当たり前で、他のみんなも同じようなものだと思っているかもしれない。その場合、ちょっとだけ枠から外れた他人をみると理解できなくなる。なんで枠の中に「収まらない」のだろうと疑問を持つのだ。ポイントは、収まらない人は意図的に、本人の意思で敢えてはみ出ているに違いないと推定してしまうことだ。
しかし枠から出ている当人は、それが個性の為せる技で、自分で意識してもどうにもできないことなのだから、結構大変なのだ。この困難を乗り切るためには、自分の個性を受け入れ、周りと自分が違うことを受け入れることにあると思う。
しかし、またここに困難が待ち受ける。それはみんなは同じだというところに属していると勘違いしていることで、何らかの安堵感を持っている人が多いからだ。米国の心理学者のマズローは言う。人は生理的欲求、つまり腹減ったとか喉乾いたとかを満たせば、次に安全の欲求を求めるという。家の中や敵から守られているなどだ。すると徐々に社会的欲求が芽生えてくる。何らかの組織や社会に属しているという欲求だ。ここで、人は自分は他と同じだと勘違いするようになったのでは無いかと私は思う。社会的欲求を満たすためには、自分の個性を殺して他と或いは他の組織の中に属しやすいような理想の勘違いの自分を想定して、そこになりきろう、収まろうとするのだ。そして、今たまたまその取り組みができた人が多数で、その取り組みができなかった人がアウトローと言われているのかもしれない。
だけど実際は違うのだ。その証拠は、人は常に幸せをもとめたり、常に他人と比較して自分の存在を認める節があることだ。ガリバーの話は秀逸で、小人の国に行ったときは自分が大きな人になり、巨人の国に行ったときは自分が小さな人間だと勘違いして性格まで変わってしまった。しかしガリバーはガリバーなのだ。
本当は、個人は個人で相対的な存在である必要が無いのに多くの人は絶対的な個人を持つことを苦手としている。だから常に自分自身と比較することなく、他人と比較してしまうのだ。ここが根本で息苦しさの理由になるのだ。
個性とは人と人を隔てる何かで、それは自分ではコントロールできない。自然に宿っているものだから。だから個人でもそれを理解して、個人の個性を受け入れる。そして他人に対しても他人の個性を理解して、次に受け入れる。みんな同じと考えないで、当たり前だけど違うんだよと受け入れることを始めたら、きっと世界はちょっとだけ行きやすくなるものだと思う。
ルール1:自分の個性を理解する(クルクルパーマを受け入れる)
ルール2:自分の個性はどうにもできない(ストパーをかけても基に戻る)
ルール3:他人も別の個性を持つことを気づく(ストレートヘアの人もいる)
ルール4:他人の個性を受け入れ、皆違うことを理解する(意図的に剃っている人もいれば、生えない人もいる)
ルール5:比較しない。みんな違うのだ。バカボンのパパのそれでいいのだ。は実に奥深しい。。
2021年5月 のアーカイブ
個性を伸ばせと言う前に、受け入れる社会を創ろう。
【動画】令和3年度長崎県市町村「地域づくりコーディネーター養成研修」マーケティング編
本ページは、令和3年度長崎件市町村で実施する「地域づくりコーディネーター養成研修」のマーケティング研修・収録動画研修のページです。
2021年7月7日に実施される研修に参加される方は、事前に以下の動画を視聴して下さい。
パスワードは別途事務局から連絡します。
【マーケティングの基礎動画】
漠然としたマーケティングについて整理を行います。はじめは、マーケティングの基本的な流れや考え方を整理する目的でBtoC(一般消費者向け)を中心に整理します。7月7日のワークショップでは、基本的なマーケティングの考え方を基に、地域づくりを考える上での演習をとうして理解を深めていきます。
①マーケティングの流れ
マーケティングのイメージやワクワク感を持って頂くために、これまでの変遷や定義についてインプットします。また、マーケティングには一定の型(R-STP-4P-CRM)があるので、その整理と理解を行います。こちらのインプット講座は、早嶋が熱を入れて語りかけています。マーケティングのスイッチが入ることでしょう。
URL:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ea25885-e894-4fc0-a324-12f4a0106aeb
②顧客価値
顧客の価値を理解するために、ニーズとウォンツの整理。価値についても機能、感情、社会の視点を取り入れます。それから顧客視点で物事を考えることが結果的に事業の成功につながるかを整理してマーケティングの取り組み自体が顧客価値の追求であることを理解します。前回同様、早嶋の熱量たっぷりの動画です。
URL:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ea270c6-95c8-419c-a811-3429a0106aeb
③顧客のゴール(R)
マーケティングと想像すると調査や分析と答える方が一定数います。こちらではマーケティングにおける環境分析やリサーチの目的や考え方について整理しています。
URL:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ea7a0c6-bde0-4cc9-b5d8-138ba0106aeb
④顧客の決定(ST)
市場を定義するセグメンテーションと顧客ターゲットを選択するターゲティングについての説明です。従来は人口属性などをベースにセグメント分けしていますが、4つの属性グループを意識的に組み合わせたセグメンテーションが効果的です。
URL:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ebe6205-939c-4a80-856d-2058a0106aeb
⑤提供価値の決定(P)
商品独自のドメインを決定して、独自の提供価値を決めるポジショニングについての説明です。ポジショニングは、マーケティング活動を行う中でも非常にワクワクする取り組みの一つです。
URL:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ebe622d-f75c-4588-9abc-0b18a0106aeb
⑥実行策の構築(4P)
これまでのR-STPを踏まえて、商品や価格、そして流通やプロモーションについての大きな方針を立てることについて説明しています。4Pのフレームワークは非常に重要ですが、ポジションを意識しながら全体の4Pの整合性をつくることがマーケターの醍醐味です。
URL:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ebe710a-9e94-4a5f-a8ee-0b15a0106aeb
⑦顧客のマネジメント(CRM)
成熟市場では新規顧客の開拓よりも既存顧客と関係性を深めて、生涯にわたって顧客のあったらいいなを解決することが大切です。そのために顧客を管理してマネジメントする考え方について整理しています。
URL:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ebebcf9-6708-4ba0-8b60-0b18a0106aeb
マーケティングが面白いな!という方は、更に次のジョブ理論の動画も参考下さい。なお、こちらの動画は必須ではありません。
早嶋聡史の実践「ジョブ理論」の動画はこちらをクリック下さい。
小さなサブスクビジネスの可能性
◇サブスクリプションビジネス百花繚乱
原田です。
現在、動画のサブスクリションビジネスはまさに百花繚乱です。圧倒的に強い「Netfilx」、Amazonの「Prime Vido」、ディズニーの「Disney+」、アップルの「Apple TV」など、世界に冠たる企業が運営しています。
日本でもTV局系列の「hulu」、「UーNEXT」、「FODプレミアム」などが、一気に立ち上がりました。その他にも多くの企業が参入しました。種類もアニメ専門、スポーツ専門など沢山あります。
資金とブランドがあれば、新規参入は簡単なので、続々と大手企業が参入しました。しかし、現状を見ると動画系サブスクリプションは、「Netfilx」の一人勝ちのようです。この競争が激しい業界で、「Netfilx」は世界的に値上げをしました。現時点では、初回の期間無料のキャンペーンもやっていないようです。続々とオリジナルの作品をリリースして、ヒットさせています。
◇「Netfilx」の「強み」の源泉
「Netfilx」一人勝ちの背景には、コンテンツ作成能力という「強み」があります。2019年のコンテンツ制作費用は約1兆5千億円です。NHKの年間製作費の5倍です。もちろん今は、更に多額の費用をかけていると思います。
制作費用が潤沢なので有名な監督、俳優、様々なクリエイターなど優秀な人材が流れ込んでいます。日本のお家芸のアニメでも、アニメーター「丸抱え」の仕組みを作っています。日本の制作会社と提携し、アニメーターの育成費から、その生活費まで負担しています。
お金が潤沢なだけでなく、監督にはかなりの裁量が任されているようです。TV局が敬遠するような際どい内容の作品を作ることもできます。日本のテレビ局のように過剰な自主規制に縛られません。アップルやディズニーのように今まで積み上げてきた守るべき企業イメージもありません。この制作の自由度も大きな魅力です。
現場はお金があるだけでなく、才能のある人が集まり、いい作品を作りたいという意欲に溢れています。
「Netfilx」のコンテンツ作成については、膨大な利用情報をAIで解析してユーザー層に合わせて好みの映画を作れる云々と、本や記事に専門家が書いてあることが多いです。圧倒的な量のデーターベースとその解析で、ユーザーをいくつかの層に分けて、ヒットするコンテンツを企画できるようです。しかし、何より現場の意欲の高さが強みの源泉だと思います。
◇ニッチビジネスの可能性
「Netfilx」一人勝ちの構図が形成されるなかで、ニッチなサブスクリプションのビジネスチャンスが広がっています。
注目しているのがダンスのDリーグです。プロのダンスチームが、1年間複数のラウンドで順位を競い、最終的なチャンピオンを決めます。2020年8月に発足したばかりですが、すでに名だたる企業が、スポンサーやオーナーに名を連ねています。
専用のアプリをダウンロードし、1年間6,600円の有料会員になると様々な特典がつきます。そのなかで面白い取り組みは、有料会員が、ラウンドの審査ポイントを得られることです。
Dリーグでは、100点満点の計算で順位を競います。その得点は、プロの審査員による得点と、有料会員による得点を合わせたものです。単に視聴するだけでなく、有料会員が得点を付与することができます。その勝敗に関わることができます。インタラクティブなエンターテイメントができています。
今の若い人たちはダンスがより身近になっています。ダンスは中学体育の必修科目です。若い人は、自分たちのダンス動画をTikTokに投稿しています。ダンスは単なる娯楽ではなく、コミュニケーションツールであり、自己表現のツールです。これからも競技人口は増えていくと思います。周りを気にせず大音量で音楽をかけてみんなでダンスが自由に踊れる場所のニーズはあると思います。そしてアマチュアチームの発表の場もニーズがありそうです。そう考えると、ダンスは、さらにインタラクティブにリアルとネットを融合できそうです。これはコンテンツが一方通行の「Netfilx」ではできないことです。
◇スモールサブスクリプションビジネスの可能性
魅力的なコンテンツがあり、コアなユーザーがいて、インタラクティブなエンターテイメントが実現できれば、小さな企業でも優良なプラットフォームが構築できます。更に、リアルのサービスと組み合わせて収益を上げる仕組みができれば、その優位性は確固たるものになります。
実際に、タレントやビジネス系の有名人がそのようなプラットフォームを作っています。しかし、これはファンクラブの発展形のようなものです。今後、個人のネームバリューに頼らない、一つのビジネスのカテゴリーとしての、小さな確固たるプラットフォームが生まれてくると思います。
今はアプリの開発も多額の費用はかかりません。アイデアと熱意があれば、ビジネスを立ち上げることができます。そして、その後の工夫と努力の積み重ねが重要です。もちろんサラリーマン感覚ではダメです。動画系サブスクに参入した大手企業の死屍累々たる状況を見れば、それがよくわかります。みんな同じような内容だし、同じようなキャンペーンをやっています。何かびっくりするような新機軸のアイデアはありません。何か斬新なアイデアがあっても、組織内(巨大なグループ)の稟議や調整でなかなか実現できないでしょう。
何より大切なのは、関わる人のチャレンジ精神や意欲です。それがなければ人の知恵と工夫は生まれません。テクノロジーが発展しても、ビジネスの成功を決めるのはやはり人の感情です。
【動画】中小M&A推進計画
早嶋です。
中小M&A推進計画。今後5年間にM&A関連に関して官民が行うべき方針をまとめた資料です。国の目的は中小企業の貴重な経営資源を将来につなげることを目的にM&Aアドバイザー等、推進する側の話をまとめています。基本的にはM&Aを業として提供する方々を何らかの方式で管理し増やしたい意向ですが、具体的な取組はこれからでしょう。
一方で、買い手と売り手がM&Aを行う際に、アドバイザー等の不備があり整備しなければならないという記述があります。しかし、本来は売り手も買い手も自社での戦略を明確にしながらM&Aを活用するか否かの判断なので、もっと覚悟を持って経営しなさいよ!的なメッセージがあっても良いのかな?と思います。
例えば、後継者不在や債務超過で経営が大変になったよとか、確かに大変だと思いますが、もっと早めに準備しとこうよ。という内容です。当然、有事等でどうにもならないこともありますが、後継者が不在というのは現在進行形で分かっている話。世論としてはあたかも少子高齢化が悪いような感じを受けますが、ただ単に経営者の準備不足なのです。
M&Aの業者、つまりM&Aアドバイザーに対しての不備も多数指摘がありますが、業者に丸投げする側もいかがなものかと感じます。今回の中小M&A推進計画は、主にM&Aアドバイザーや業として今後M&Aを推進する組織に対しての話です。しかし今後は経営者として、経営の読み書きそろばんの1つにM&Aに対してのナレッジを身に付けていくことは必須のような気がします。
自然は描くことができない
早嶋です。
ふと、小学校の美術の授業の時に「自然を描く」というテーマの中で私だけコンクリートの壁を熱心に描いたことを思い出した。他の小学生は、もちろん教科書通りに山と空と近くの林を描いた。私なりにコンクリートの壁を描写することで主張したいことがあったが、当時はそれを表現できなかった。
自然とは。国語辞典等を引いてみると、「人為が加わっていない、ありのままの状態や現象」とあり、その対に人工とある。
これらをベースに考えると山、海、空など人工物の少ない環境は自然環境と呼ばれる。また人為が加わらないという解釈だけだと、人を除く生物全般も自然になる。一方で人は人為を加えて創造した生物では無いとすれば、人もまた自然と捉えることができて、天地や宇宙の万物を示すと考えることができる。
ちょっと考えただけで面白い。
今44歳で確かに小学生の時に紙一枚に目の前のコンクリートの壁を丁寧に描写した。実に30数年前だ。その頃の山は、当時私が通っていた学校からの景色だから岩屋山だ。すでに誰かが登っており、頂上には何かの観測のための設備と、電力を送るための送電線らしきものが山の中腹に見え隠れしていた。人為が加わっていると捉えると、その山は自然ではないし、あるいは一部は自然ではないということもできるし、人もまた自然の一部としたらそれもまた自然ともいえる。うーん。
もちろん、それは山は自然ですよ。そして早嶋少年の目の前のコンクリートの壁は人工物でしょう。という話は先生もしなかったと思うが、幼いときの早嶋少年はどこか偏屈な考えを持っていたので、概念的には同じではないかと考えていたのかもしれない。しれないというのは、その記憶が今朝、突如出てきたので、その記憶が正しのか、今作っているのかがわからないからだ。ただ、当時の絵はおそらく実家の押し入れの中のダンボールの中にあるはずだ。ただその作品はおそらく自然を書いたつもりだが作品は自然ではない。
古代ギリシャでは自然はピシュスとされ、世界の根源とされ絶対的なモノとして把握されている。その対立は人工ではなくノモスで法や社会的な制度とされた。その理由は自然と頃なり相対的な存在で人為的なモノであるから変更が可能というところで、対立の概念に置かれているのだ。このような対立を立てて考えるアンチテーゼはいかにも古代ギリシャらしいと思う。そんなに沢山の書物は読んでいないが。。
中世ヨーロッパのスコラ哲学の中にも自然の記述がある。「神は2つの書物を書いた」それが聖書と自然だ。聖書を読むことで神の考えを知り、万物のベースになっている自然を理解しようとするのだ。面白い思想だと思う。数学者で知られるガリレオ・ガリレイは神は多数の言葉で聖書を書いて「数学の言葉で自然という書物を書いた」と述べているらしい。
この話は英語の語源にもある。法則や法律を意味するLAWがそうだ。Lawは置くを意味するLayの過去分詞で、「神によって置かれたもの」が由来だそうだ。今教育やビジネスでも熱く議論されているリベラルアーツも聖書を理解するための文法、修辞学、弁証法と自然を理解するための算術、幾何、天文、音楽の7科としている。まさに自然、数の言葉で書かれたほうの書物を理解するために身につけるべき視点なのだ。
日本では「しぜん」を「じねん」とよぶ場合もある。万物のありのままの存在を示し、因果によって生じるものではないとする考えのとき「じねん」という。全てに因果があると考える仏教の因果論の対局で、無因論ともいうべきものだ。そう捉えると自然は外からの影響なく本来持つ性質や、その一定の性質から派生してできたものと捉えることができる。そこには偶然やたまたまもあり得ると思う。少なくとも今と違って、古来の日本的な考えの中には、今の自然と違って、人と自然の間に隔たりを持つことなく、ただ自然(じねん)にあるもの。という精神風土が少なくとも日本にはあったのだろう。
養老孟司さんは、自然は常にあるもので意味は無い。とする。前述した感覚所与の話と同じで人は得られた感覚を脳みそを通して意味を考え、最後はその意味が無いものを無視してしまう傾向にある。
現代社会の人が自然を見たときは、おそらく感じることではなく、その感じた結果に対して無理くり意味を見出して自然を楽しみ、慈しみ、懐かしみと、とにかく自然という本来意味の無いものに対しても意味を感じているのだ。そのため、人が意味を感じなくなってしまえば、その空間や概念は目の前にあったとしても、その人からは存在そのものを消されてしまう。物理的に存在するものは、その人の目の前から物理的に破壊され消去されてしまうのだ。
結果的に感覚所与を意味のあると思うものに限定して、最小の世界を作りだしたのが現代の思想で、最小の世界に閉じて世界を満たしている人の特徴が都会人だと養老孟司さんは主張している。実に面白いと思う。
小学校の授業で自然を描きなさい。というお題は、感覚所与で感じる自然、つまり意味の無いものに対して、人のアタマを通して考えさせ、その人のアタマの中での意味に解釈しなおした作品を表現する。というのであれば、当時の早嶋少年が書いた目の前のコンクリートの壁は、それまでは確実に自然だったと言える。少なくとも当時の早嶋少年は、そこにコンクリートの壁があることを議論することも考えることも疑問に持つこともなかったのだ。そこに自然を描きなさいという究極に問答のようなお題によって、結果的に意味のあるものを創造したのだから。
つまるところ、禅の問答のように自然を描くことはできないのだ。自然は意味がないもので、その意味が無いものを書いた瞬間に、誰かがアタマの中で考え始める。その瞬間から、描いた対象やその作品自体に意味が出来上がってしまうからだ。
ルネ・マグリットの作品の中にイメージの裏切りがある。パイプの絵の下にフランス語で「これはパイプではない」と書かれた作品だ。
当時の早嶋少年を後押ししたい。目の前のコンクリートの壁を書いても、本来の自然を描くことができたとしても、それは見た人が意識した瞬間に自然ではないはずだ。もしそれができるとしたら、それはすなわち神になる。これまで神しか自然を記述することができなかったのだから。
すなわち、自然を書いてとするお題自体が確実に矛盾であり、できもしないお題なのだ。それだったら、教科書をじっと見て、パクって、似たような自然の絵を描きなさい。もっと言えば、先生が描いて欲しい構図を予測して、小学生らしい作品を仕上げなさい、と先生は言うべきだったのではと。
ふと、小学校の美術の授業の時に「自然を描く」というテーマの中で私だけコンクリートの壁を熱心に描いたことを思い出した朝だった。
【動画】ハイブリット研修
早嶋です。
企業研修のスタイルを大きく変えています。インプットを動画で提供し、事前に課題等を提供。研修時間を短くして、対面、もしくはオンラインを活用して課題を中心に議論やQAや深堀をするスタイルです。何となくハイブリット研修と呼ばれるようになっています。
従来の研修は、およそ9時から17時の間で、
9:00 目的共有やアイスブレイク
9:30~12:00 ※研修
13:00~16時30分 ※研修
16時30分~17:00 まとめ、振り返り
でした。
そして※研修は通常、知識や事例のインプット、ミニワークや事例を理解いただく解説、ワーク、振り返り、QAという内容を繰り返す立てつけです。※研修の内、インプットや考える時間は全体の6割、考えた内容をベースに議論や深堀やQAのセッションが3割です。残りの1割がイントロとアウトロ。
ということで、全体の6割の部分を事前に動画と事前課題で行っていただくことで人員を同時に拘束する時間を全体の研修の3割程度にすることができるようになります。あるいは、少しだけ前説や内容の説明を行ったとしても研修時間を半日で従来の1日の提供をすることが可能です。
更に、演習や課題のフィードバックをオンラインで行うことで、テレワークが今後常態化しても研修を提供しやすくなる。また、動画を活用することで研修の振り返りもできて効果が高まります。
これまで、インプット部を長らく書籍で行っていました。あるいは、ブログを書いて文章で行っていました。しかし、実際多くの参加者は事前に読んでいない!というのが通常でした。現金な話、図書を購入頂いているので印税は幾分か入ってきて良いのですが、やはり中身を読まれないというのはもったいない。。
特に、階層型の研修は事前課題を課しますが、行っていないことを前提に当日のファシリテーションを進めていかないと上手くいかない。という実態でした。だったら課すなと思われるのでしょうが、クライアントの意識的に出したい場合が多くてしかたなく。というのもありました。
これを動画に切り替えることで、見て頂けるようになりました。動画であれば、事前に見ているか否かが分かるし、動画でインプットを提供した場合の研修の反応の方が明らかに高い議論が出来るようになったからです。それから研修終了後の動画の視聴も一定数あるため復習等を行っている方も存在も確認できました。
実際、文字を読める人は少ないのでしょうね。一方で動画であれば1.5倍から2倍程度で見ることが可能ですし、当日の午前中に午後の研修の内容を確認できるなど、実は便利だったりします。
おそらく、この流れが当たり前になるのではと勝手に考えています。となると、他社から動画を仕入れて研修を提供する予定の企業や講師にとっては、動画の作成や仕入れはコスト高になると推測できます。そのためひょっとしてPPTを作る程度の感覚で動画を整理できる能力を磨いておくことが必須になるかもしれません。実際は、どうか知りませんが。。
後、階層教育は基本、全て動画になるのでは?とも思います。動画を見て、レポートを提出という流れにシフトする。集まって議論するという体験や提供は企業側にとってコストになりますし、それ以上にリスクを伴います。講師も同じ内容を正確にリピートする必要が無くなって楽になるのです。一方で、選抜トレーニングやマネジメントのトレーニングはもっと密にコストをかけて行うようになるでしょう。また、選抜トレーニングでは、どうしても知識レベルのバラつきがあったためにインプットをしなければならなかったのですが、今後は不足する参加者は事前に動画で補足を理解してもらいながら、研修に臨んで頂けるので能力に応じたトレーニングがカスタマイズできるなど非常に便利になるし、参加者も楽になるでしょうね。
ハイブリット研修の概要は動画にリンクを張っています。超マニアックな内容です。
(ハイブリット研修 概要編)
(ハイブリット研修 活用編)
決めれない
早嶋です。
組織内で仕事をしている方の特徴で、何かを決めることができる方とそうでない方に別れます。
例えば、新たなプロジェクトを開始する場合。そのしえんで相談があった場合は、その目的やゴールの確認から始めますが、そこを決めて欲しいという。一瞬、んっ?それは本来我々ではなく、プロジェクトのオーナーが決めることだと思うのです・・・
そもそもどうして、今回のプロジェクトを依頼されたのか、そこを紐解くと整理できいると思うんですが。そのプロジェクト自体は社長からの指示で、誰もその意図をつっこんだり、確認していない。さらに事業部長はそれをうけて伝言ゲームのようになんとなく、できそうな若手に降りてくる。そして若手はPJTを作る。何のため、とか関係なく会議隊が出来上がっているのです。
実に不思議でしょ?普段はコンサル費用や研修費用に対して、とりあえずネゴってくるのに、最も大切な分に対しては何の議論も行っていないのです。まぁ、我々が食べて行くためには、その当たり前のことをご指摘差し上げ、そこを作りだす、或いは確認することから始めるので納得度が高くなるのでしょうが、それって当たり前なのでは、と思うのです。
一例にしか過ぎませんが、なんか上から言われたのでプロジェクトをおこないます。というかたが大きな組織には一定数あると思うのです。すると当然ながら、なぜ、この取り組みを行うのか?なんて考えないので、どのような形式でこの取り組みが終わったらいいのか?なんて見ないのです。
ゴールも目的も成果物もイメージせずに、プロジェクトは予算をかけて動き出します。そこで何をして良いかわからないヒトは、それっぽい会社に丸投げして、それっぽいことを行ったふりをして仕事をするのです。
なんか無駄ですよね。
これはM&Aの世界でも観察することができます。歴史を持つ企業は、ある程度既存の事業モデルで安定した収益を稼ぐことができます。しかし、今後のことを鑑みるとやはり今の事業モデルが心配になり、新しい事業が必要だという判断をする。正当な議論です。
しかし、これまで既存の枠組みに乗っかって事業を行ってきたので、社内に新たな取り組みを始めるマネジメントや役者が少ない、あるいはいない状態になっている。それに気がついたからゼロからやってみようという議論になっているのに、どうしたら新しい事業ができるんだ?という。それはやって見ないとわからないでしょ。と突っ込みたくなるが、思考は既存の事業の延長なので、新規事業も3年後に◎十億と設定するとできると主ちゃうのです。
そうなると、次は新規事業の部隊が創設されます。そしてメンバはいつものメンバ。というのも大きな組織であれ、小さな組織であれ、その取り組みに対しての目的や条件を考えた上での人選をしているフリで、実は常に同じ役者に声をかけます。そしてそのメンバが常にてんてこ舞い状態で、さぁ、どうやってやるんだ?と、目的のWhyや新規事業の領域などを考えることなく、Howである具体的な手法を探し出そうとするのです。
そして、机上で計画して、Webでリサーチしてあっという間に1年、2年。それなりの予算を使っているとおもうのですが、誰も行動していないから新規事業の勘所も種も生まれません。
そこで煮えくり返って、もううちはそんな時間が無いからM&Aをするぞ!とどこから流行っているキーワードが飛んでくる。お決まりのパターンでいつものメンバがM&A部隊として部署名を変更する。パターンは同じなので皆考えずにM&Aアドバイーにまるなげするのです。。
なんだかな。
根本は何も決めないことが理由なのでは無いか。とつくづく思うのです。わからないなりに、このよなことをやってみた方がよいのではないか。だったら、仮にそれが正しいか、いま時点でわからないから1ヶ月程度行ってみようよ。そして、その結果から再度自分たちが向かうべきところを決めよう。それがあってそうだったら、もっと資源を費やして一気に行ってみよう。そんなことも決めきれないのです。
だから戦略コンサルという仕事があるのでしょうが、なんとなく、その決めれないヒトの集まりが今の日本にはたくさんあって、将来の可能性をツビしているのではないかと思うのです。
マクドナルドはなぜ強い
1.コロナ渦で強いマクドナルド
原田です。
コロナ渦の中、外食業界全体が大きな打撃を受けています。しかし、その中でマクドナルドは成長を続けています。
日経MJによると、既存店売上高は、4月まで10ヶ月連続で前年を上回っています。2021年12月期の連結営業利益は、前期比2%増の320億円です。2期連続の最高益を見込みます。
単に数字がいいだけでなく、デリバリーへの対応、アプリの開発、新たなキッチンシステムの開発など、様々な革新的な取組みをしています。
2.マクドナルドが強い理由3つの理由
マクドナルドが、この非常事態に強い理由は、1)明確な戦略と業界地位、2)生真面目な日本風土への適合、3)危機を乗り越えた過去の3つが挙げられます。
まず1)の明確な戦略と業界地位です。マクドナルドは、ハンバーガに特化しています。もちろんロープライスです。そして顧客は、ファミリー層から、学生、ビジネスパーソンまで、幅広く対応しています。飲食業の中で、典型的なコスト集中戦略を実行しています。
業界地位を見ると、マクドナルドは、外食産業の中で、売上は3番目の規模です。1位はゼンショーHDの6,304億円、2位はすかいらーくHDの3,753億円です。マクドナルドは、3位で2,817億円です。しかし、マクドナルドはハンバーガーというカテゴリーに特化しています。幅広い客層が利用できます。特にファミリー層に強いです。一方で、ゼンショーHDは、その柱は牛丼ですが、このカテゴリーは熾烈な競争です。すかいらーくは、ファミリーレストランで、商品のレパートリーが豊富で、扱う食材も多いです。そして両方とも、複数の飲食ブランドを抱えています。
マクドナルドはやることが明確です。まず一番の優先事項はローコストオペレーションの確立です。なので、店舗、製品、人材、IT技術などへ集中して投資ができます。今回も急増するテイクアウト、デリバリー需要へ迅速に対応することができました。さらに生産性の高い新たなキッチンシステムも開発しています。今後、外食産業のDX化が進むなかで、この投資が集中できるというメリットはより大きくなります。
次に、2)の生真面目な日本風土への適応です。特定のカテゴリーに集中して、ローコストオペレーションを確立する戦略は生真面目な日本の風土に適合しています。コスト集中戦略の成功例は、マクドナルドだけでなく、ユニクロ、ニトリなどの製造小売業があります。コツコツとオペレーションを改善していくのは、日本人の気質にあっていると思います。
最後に、3)の危機を乗り越えた過去です。マクドナルドは長い歴史の中で、何度か危機に見舞われました。店舗急拡大、極端な安売り路線後の業績の大幅な落ち込みがありました。鶏肉スキャンダルの時も、ショッキングな写真がテレビ、ネットに流れ、大きく業績を落としました。
しかしその中でも、ブランドを陳腐化させず、リニューアルして復活してきました。こういうクライシス(危機)を組織一丸となって乗り越える風土があります。
3.クライシスの中でリーダーに必要なこと
クライシスの中、組織には明確なビジョンと戦略、そして強いリーダーシップが必要です。それがあれば、生真面目な日本人は、一丸となって働くと思います。
多くの企業が「新たな強み」を得るのは、クライシスを乗り越えるときです。コロナ禍のなか、苦境に立たされている企業がたくさんあります。しかし、この不遇な時代に培ったものが、また次のステージで活かされていくと思います。
社会で働く多くの人がコロナ禍の中で、何をやればいいのか途方に暮れていると思います。一方で、多くの人が何らかの形で社会に貢献したいという気持ちを抱いていると思います。明確なビジョンと戦略を掲げる、そしてみんなに伝えるというリーダーの役割が、何よりも重要になります。
以上、最後までご精読ありがとうございました。
意味は無い
早嶋です。
養老孟司さんの話の中で、感覚所与の話題が出てくる。これが実に興味深い。例えば、学校の黒板にチョークで青と書いた状況を想像してみてください。「青」と、まぁこんな感じでしょうか。
おそらく、このブログを読んでいる人は僕と同じ40代前後の方々でしょうから、青という言葉のイメージをアタマの中に取り入れたと思います。一方で、ヒト以外の動物と何らかの方法でコミュニケーションができたら、彼ら彼女らは、白いチョークで書かれているだから感じの意味はさておき、白い何かというイメージをアタマの中に取り入れるでしょう。
白い文字でも、赤い文字でも感じで「青」と表現すると、ヒトはアタマの中で解釈して青という概念を想定します、少なくとも日本の教育を受けていれば。しかし、動物はアタマの中で解釈することが出来ないので見た情報そのものを捉えるのです。これが感覚所与です。
例えば、震災直後の地震が来ると、多くのヒトは恐怖を覚え、避難経路の確認や情報収集といった行動を取ったと思います。これは感覚所与を受けてすぐに行動をしているのです。その際、脳に刺激を与えながら得たインプットを処理して判断して行動を起こします。しかし10年経過して、たまに地震を感じると、その行動のフィードバックを整理すると、そろそろ大丈夫ということで慣れてしまい、結果、10年前のような行動をしなくなるのです。
自然界では常に想定外の刺激が外部環境からやってくるので、アタマで考えて処理するのでは遅く、取り入れたインプットから意味を考えずにすぐにアウトプットを繰り返します。しかし、そのような行動を繰り返し行うとヒトは学習し始めて、インプットとアウトプットの差分を比較するようになるのです。ITにおけるいわば、フィードバックループのようなものです。そして、そこにギャップが生じていれば、つまり得たインプットを解釈してアウトプットしたけれども効果が薄かったなとなれば、徐々にそのインプットに対してはアウトプットしなくなり結果的に慣れてしまうのです。
つまり変化があれば人は行動をするでしょうが、その変化がづっと続けば慣れてしまい、何もしなくなるのです。この感覚所与はありとあらゆる感覚に生じます。つまりヒトが持つ五感です。
大学1年生、2年生の夏、富士山8合目の白雲荘という山小屋で長期のバイトをしていました。当時のバイトの仕事の中で辛かったのがトイレ処理です。今では信じられませんが、トイレはそのまま山の斜面に垂れ流していました。バイトの仕事は、たまにその現場に言って人工物を取り除くという仕事です。はじめは最悪だと思おっていましたが、実際行う中で慣れてきてその強烈な変化に対して慣れてしまったのです。
田舎で用を足すときのぽっとん便所。あれも今は無いのでイメージできないひともいるかも知れませんが。はじめのうちは匂いがきつくて出来ませんでしたが、徐々に慣れてきて鼻が鈍ってしまいます。これもヒトの慣れなのでしょう。
チョークで書いた青の話に戻ります。自分を振り返ると、小学校や中学校や高校と記憶優位の勉強を進めていたときは、先生が言ったこと、すなわち正解と無意識に捉えていました。しかし、今同じようなことを聴いた場合は、すぐに「ん?」それって本当なのか?片方の意見のみの情報で反対する側の意見はどうなっているんだ?と何らか受け取った情報に対して違和感を覚えるようになりました。昔は、先生が神様、正解と思っており、その情報が慣れてしまったら、全てを受け入れるようになったと思います。今は、受け入れても異なる世界が無数に有ることを知りました。したがって意識的に外部からの刺激があった場合、あまり考えないで行動していることに対しては時々振り返りをしています。
養老さんの話の中に、このような話題が出てきて、「感覚所与は意味あると思うものに限定して最小の世界を作り出す、そして世界を閉じ世界を満たす」という表現を使って話されています。非常に納得できることです。自分の興味があるものに関して意味を捉え、それ以外の外部からの刺激は無視するということです。その結果、自分で小さい世界を作り出し、無限に広がる世界の中で起きていることはそのヒトにとって全く関係なくなるのです。
話は飛躍しますが、結果的にヒトは概念の世界を作り出し、ヒトの世界を自分たちで限定し始めました。それが文明の世界で、今では都市の世界になっています。そして、ある時意味の無いものに触れた瞬間に、その意味を考え始め、自分が理解できないことに苦しむのです。
でも、本来は、意味があるか否かの意味さえもなく、意味が有るものを勝手に自分の中で意味があると思いこんでいたに過ぎないのです。自然の中を有るきまわれば、すべてのものに注意を向けて考え込むかと言えばそうでは無いと思います。しかし都市の現代社会の中に、ぽつんと大きな岩があったら、ヒトはその岩を排除する方向に動くでしょう。交通の妨げになるからです。でも自然の中を歩いていても、そのような行動をしないのです。
それは、最終的にヒトが定義した意味のあるもの以外の排除によって、自分たちの世界を作ったつもりになったからです。でも実際は、世の中のすべてのモノが意味があると捉えるよりも、意味は無いと捉えた方が自然なのです。すると九に、思考がすーっと楽になることが多々あります。
ソクラテスの無知の知。知らないことを知っていれば、全てにおいて興味がわく。勝手に脳が働いて楽しいことに満ち溢れる。意味がないことを前提に排除するのではなく、自分たちで意味付けをする世界を知る。することで常に考えて動き始めることができる。
ただ、上記の度がすぎると脳に対して負荷がかかり始めるので、意味を見出して考えなくなるという選択肢をヒトは選んだのかもしれません。
【動画】新出光リテール販売部特約店課様向けページ
こちらのは、新出光リテール販売部特約店課向けのページです。
6月15日の研修日までに、以下の動画3本を視聴ください。その後、既に策定している特約店様の事業計画のうち、新規事業として生み出す必要のある売上、利益等のギャップを把握してください。合わせて、特約店様の環境分析(SWOT)を行ってきてください。特約店の特定に対しては、事務局の指示を受けてください。
1)新規事業の基礎(40分)
特約店様において、今後減少する売上分を新規事業で行う場合、どのような流れで新規事業を開発するかの基本的な考え方を整理します。視聴する際は、特定の特約店をイメージしてビジネスアイデアの発想、ビジネスモデルの組み立て、そしてビジネスプランに落とし込む考えの流れを把握いただけます。
2)イノベーションの基礎_2_開発(40分)
こちらの動画では、新規事業のアイデアを創発するためのポイントを理解頂きます。アイデアの基本は事業チャンス✕強みです。コンサルタントがどのように創発するのかの考え方を整理しながら、特定の特約店へ寄り添うイメージを持ちながら視聴ください。なお、イノベーションの基礎は3本の動画がありますが、今回はその中の1本を抜粋しています。
3)戦略思考の基礎_5_環境分析(27分)
こちらの動画では、事業チャンスの見つけ方や自社の強み、市場の分析、競合の分析についての基本的な考え方を整理します。特定の特約店をイメージしながら、動画を視聴ください。ワークショップの1日目に、こちらの動画の内容に沿っって、特定の特約店の現状を確認します。なお、戦略思考の基礎は6本の動画がありますが、今回はその中の1本を抜粋しています。
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