早嶋です。
多くの企業は成長戦略を掲げ、数字のスローガンだけが一人歩きしています。例えば、1,000億の企業が2020年に1,300億の売上を掲げる。現状の利益率は5%よりも低く、かつ偏った地域での売上が9割を占める。今後、伸ばしていくエリアは確かに成長市場であるが、規模が5倍から10倍の企業がひしめく。その市場に対してどのようなシナリオで確保するのかが全く議論されていない。
合理的に考えると、成長戦略において数字を作る場合、市場の伸びに応じて売上を拡大する、競合の市場を横取りする、新しい市場に進出して売上を作る。という選択肢しか無い。しかし日本市場全体が成熟を迎えると、市場の伸びに応じて売上を伸ばすという考えは到底かなわない。するとオプションは、競合の売上を横取りするか、新しい市場に進出して売上を作るという2択になる。
このオプションに対して自前で行うか、資本を入れて行うかという議論になる。伝統的な企業の多くが前者のオプションで対応してきたが、それだけではスピードが出せないということで後者を掲げ始めている。戦略の基軸にM&Aを掲げ始めてきたのだ。
が、実際はM&Aに対しての経験が不足しているため、どのようにすすめるのかということで二の足を踏んでいるのが現状だ。また検討段階に入ったとしても、目標である300億の売上を確保するためには、どのような企業をターゲットにして、その資金調達をどのように行うべきかなどの議論が皆無な場合が多い。更に戦略に対しては常に登場人物が自社と市場のみで競合の存在が抜けている。競合がどのような発想で戦略を描いているかの考察が乏しいため自社が資本を入れられる場合の対策や打ち手についての議論が殆ど行われていない。
自社が置かれている業界が成熟で、他社も同じく成長戦略を立てている場合、自社の売上と利益率と株価のバランスを見て、他社が欲しいと思えばM&Aを仕掛けられる可能性は十分にある。成長戦略でM&Aを考えるのであれば、買い手の視点、売り手の視点、双方で十分に選択肢を検討しておくことが大切だと思う。
2015年12月 のアーカイブ
M&Aを考える場合、両方の視点が大切
0から1を作るには
早嶋です。
伝統的なビジネスモデルで長年食べてきた大企業が躍起になって新規ビジネスを生み出そうとしている。先日、とある企業の取組についてブレストする機会があった。
新規ビジネスのアイデアが中々出てこないから、その部分を外部の組織に委託しているという。具体的にはその地域の自治体が主体となって取り組んでいるスタートアップの支援機関などに集まってくるビジネスに支援するというもの。
が考えてみると、かなりズレている。例えば、なんぼ新規ビジネスと言っても全くのゼロからでのアイデアベースであればそれをカタチにする事は難しい。そもそもその程度のアイデアは大企業であっても、まじめに集めれば出て来ると思う。
仮に、出てこない組織であったとして、それでもアイデアが集まったからといって、それを立ち上げてカタチにするのは難しい仕事だ。大企業はそもそも0を1にする取組が極めて弱い。常に100を200にするなど、既に出来上がっているビジネスモデルに修正や改善をすることに勤めてきたからだ。
ということでアイデア探しに躍起になってもそもそも、カタチにするところでギブアップするのが関の山だ。では、どうすると良いか?
方向性としては、既に何らかのビジネスをカタチにしているが売上や何かがくすぶっていて伸びていない零細、小企業に資本を入れるのだ。既に何らかの取組があり歴史がある事業であれば、何故その状態からブレークしないのか、大企業の社員は分析ができる。何も無いところから何かを生み出すことはできないが、既に行っているものに対しての支援は得意だ。そこに対して大企業の資本を入れて、人やチャネルや技術やプロモーションなどの補充を行うことができれば、ゼロからの立ち上げよりも遥かに効率的に早くカタチにできるのでは無いかという仮説だ。大企業は1を作る人材よりも既にあるビジネスを伸ばすことにたけた人材が集まっているのだ。
そのような企業は通常、どこか探せば見つかるものでもないが、小規模のM&Aを行っている企業に提案を持ってこさせれば、これまでと違ったルートで確実に大企業のシナジーが埋めそうな取組が見つかるはずだ。少なくとも、わけのわからんスタートアップお祭りで騒いでいるアイデアベースよりも、その企業にとっては意味のある事業を見出すチャンスが増えると思う。
答えを出す考え方
原です。
仮説思考という考え方があります。
仮説とは、現時点で最も答えに近いと思われる「仮の答え」のことです。
業績の良い経営者やビジネスマンに共通している特徴は、一般の人よりも答えを出すのが早いことです。
なぜ、一般人よりも答えを出すのが早いのでしょうか?
知識や経験、対話、手元にある少ない情報から、仮の答えとなるストーリーを描くことに長けているのです。そして、仮の答えを実験する失敗を恐れない勇気と行動の速さ、行動の結果を振り返る謙虚な姿勢があります。
一方で、答えを出すのが遅い人は、無駄な情報収集に時間をかけ、情報の洪水に悩まされています。つまり、答え探しに時間をかけているのです。答えのない時代に答え探しに時間をかけたところで、出る答えは現状維持または他事例を真似するだけです。
答える力を身に付けるコツは、答え探しではなく、少ない情報の中から自分の頭で仮の答えを考え、失敗を恐れずに行動して振り返りながら答えを創りだすことです。
理科の実験のように、仮説⇒実験⇒検証を繰り返すことで能力は向上していきます。
一般人が9割を既存情報に頼るのに対し、仮説思考型は2割程度しか情報に頼らないとも言われています。
答えを出すには、不正解を気にせずに仮の答えを早く考え、フィードバックにより揉まれながら答えに近づくように進化させることが必要です。
そのためには、行動と検証の技が成功の鍵となります。
仮説思考により、経営者やリーダーに欠かせない先を読む力、少ない情報で意思決定する判断力決断力が身につけられます。
ストレスチェック制度を職場改善にどう活かすか
安藤です。
12月1日から「ストレスチェック制度」開始しました。
「労働安全衛生法の改正により、平成27年12月1日から、従業員が50人以上いる事業は、毎年1回、従業員を対象にストレスチェックを実施することが義務付けられました。
※「ストレスチェック制度」とは、従業員に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)や、検査結果に基づく医師による面接指導の実施などを事業所に義務付ける制度です。平成27年12月より施行のストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげる取組です。
職業性ストレス簡易調査票についてはこちらを参考くださいませ。
http://www.tmu-ph.ac/topics/stress_table.php
厚生労働省指針では、『ストレスチェック結果』の通知を受けた労働者に対して、相談の窓口を広げ、相談しやすい環境を作ることで、高ストレスの状態で放置されないようにするなど適切な対応を行う観点から心理職(産業カウンセラーなどの心理職の相談体制の整備をうたっています。『ストレスチェックだけではメンタル不調者が増えることで企業側にもリスクが増大し、そこで働く方々にも負担がますなか、ただ単に「ストレスチェック」を実施だけでなく「労働者の心の健康の保持増進のための指針」にもあるように、4つのメンタルヘルスケアの促進の中の1次予防として活用が必要です。
なぜなら、本人が『ストレスチェックを本音で書く』保証はありません。ストレスチェックだけでは労働者のストレス状態が把握できません。面談=カウンセリングをすることで第一予防に繋がっていくのです。また、集団チェックは各部署での問題点を発見し、職場改善につなげることができ企業にとっても休職者を減らす等、職場の改善に活かす取組みが可能です。
メンタルヘルス研修(ラインケアー、セルフケアー)相談窓口も含めた総合的なメンタルヘルス対策に「ストレスチェック」を活かし、組織とそこで働く方々の職場改善に役たつようにバイバスとしての役割を産業カウンセラーが担っていきます。
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
賃金介入のインセンティブ
安倍政権で最低賃金に関しての発表がありました。「年間に3%程度を目処に引き上げ、全国加重平均で時給1000円を目指す」という表明(参照1)です。
現在、全国の最低賃金は、厚生労働省によれば690円から900円程度の開きがあり加重平均で798円です(参照2)。これを加味し、地方は600円後半から都内で1000円程度の開きがあることがわかります。仮に加重平均で1,000円と考えると、地方の時給を200円以上引き上げなければ達成出来ません。
となれば現在10人を700円で雇用している企業の1時間あたりのコストは7000円(その他を一切含まず)。それが時給が900円になるので9000円になります。時間あたりのコスト上昇が2000円アップということを考えると企業の行動としては、1)人数を減らして最適化する、2)そもそもの雇用を見なおしてやはり海外に仕事をアウトソーズする、3)この手の仕事を再度合理化して機会化、コンピューター化する、4)止める、という選択肢が発生すると思います。もちろん0)単純に従うというオプションもありますが、難しいでしょうね。
仮に、雇用を維持するとしても上記のオプションの1)を選択するでしょうから、これまで7000円で10人雇用していた企業は、追加の2000円を払うことはなく、7.7人で仕事をこなせるようにインセンティブが働くと思います。結果的にバイトやパートの仕事が2割程度、あるいはそれ以上世の中からなくなることを意味します。
参照1:http://www.asahi.com/articles/ASHCS766THCSULFA03C.html
参照2:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
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