早嶋です。
かつてのサムスンのように、化粧品でも韓国勢が日本を真似て攻勢をしかけています。この一連の動きは非常に興味深く、日本のメーカーの動きと、その後追われる立ち位置になる韓国勢(現在のサムスンのように)の事業の進め方など非常に興味深いです。
韓流ドラマ、K-POPが少し前まで世界を席巻していました。それに相乗させた化粧品の展開のようにも思えます。ただ、左記のブームはどちらともやや下火、化粧品の盛り上がりが後に続くか、注目です。家電と違って、化粧品の品質とブランドイメージは女性に取って重要な要素だと思います。従って、韓国勢が仮に国内に入って来るとしたら、品質とブランドイメージの構築が課題でしょう。
ベトナムでは資生堂を抜きL/G生活健康がシェア首位になりました。その源泉は、日本のノウハウとのこと。同社が買収した銀座ステファニー化粧品や健康食品会社エバーライフ(福岡市)などの日本企業のノウハウ、技術力をベースに躍進しているのです。
韓国コスメはブランディングや商品開発の手法は日本の化粧品から多くを学んでいます。一方、商品ライナップやサンプルマーケティングのとりいれなどは独自のノウハウを構築していると思います。
日本の場合、基礎化粧品は3から4品に対して、韓国化粧品は6から7品程度はあると思います。種類が非常に多いのが特徴です。家電業界でも、顧客が理解でいる品質レベルを維持しながら、顧客が見た目でわかるようにラインナップを増やしています。この商品ラインナップの手法は韓国のお家芸かもしれません。
そして、サンプルマーケティングの手法も特徴です。とにかくサンプルをこれでもかというくらい配布します。ある品物を買うと必ず「おまけ」がついてきます。たくさんのサンプルとその他ポーチなどの雑貨、時には韓流スターのブロマイドまでもらえます。この手法は店舗のみならず通販でも同じです。
国内メーカーの方から聞いた話では、実際の使用感として、基本的に香料がきついということ。日本人女性は無香料を好む人も多いので好き嫌いがあると言っていました。そして品質は良いと言っています。香料に関しては、無香料にするラインナップは用意なので、ある種の脅威を感じているコメントもありました。
韓国化粧品のサンプルマーケティング
http://www.syogyo.jp/column/2012/03/post_003036.php
韓国コスメの実力
http://diamond.jp/articles/-/14519
2013年11月 のアーカイブ
韓国コスメの台頭
新薬と後発品
早嶋です。
後発品の基本的な算定ルールの変更案が政府調整に入りました。現行の新薬の7割がけから5割がけにする案です。
医療費抑制のために、後発品の更なる普及を進める一手としては有効だとは思います。この案は、今後の後発品メーカーの収益にどこまでの影響を及ぼすのか。新薬メーカーにどのような影響をもたらすのか興味があります。
国が後発品メーカーと新薬メーカーのトレードオフを無視しているとは考えにくいです。しかし、後発品メーカーは保護され、新薬メーカーに負担を強いることは容易に想像ができます。
今回の経済財政諮問会議では、医療費削減の方向性を打ち出す流れでした。
●後発品の推進の仕組み作り
●新薬開発を含めたイノベーションの推進
上記のような2つの異なる方向軸の話題が薬を取り巻く環境にはあります。製薬メーカーにしてみると、今後、どのような意思決定をすべきか?非常にタフな課題だと思います。
今後は、「新薬メーカーは画期的新薬を開発し利益を得ると同時に、国家にも貢献してください。ただしそれは医薬品の特許が切れるまでであって、特許が切れたらその医薬品には固執せずに、後は後発品メーカーに任せて、次の新薬を開発してください」
ということになるのでしょう。つまり、同じ製薬企業でも、新薬メーカーと後発薬メーカーの役割分担を明確にしていくのです。
顧客の目線から考えると、後発品のジェネリックが新薬と同等としたら、価格のやすさから非常に魅力的です。一方、それによって新薬メーカーの収益が悪化して、新しい薬の開発投資に影響が出るのであれば、将来的にマイナスと考えます。
例えば、特許が切れたら後発メーカーは自由にその特許を用いて薬を利用でき価格も設定できる。として、でもある一定のコミッションを新薬メーカーに払い続けるなどの仕組みはできないでしょうか。そのような単純な話では無いのでしょうね。
デジタル機器
早嶋です。
デジカメの売上が減少しています。ニコンとキャノンの決算説明会資料を確認すると、コンデジの販売が大幅に減少していることに加え、レンズ交換型も落ちています。CIPAのデータを参照してもレンズ交換型は国内では伸張ですが、海外では前年比8割り程度の結果です。
ニコン2Q決算
http://www.nikon.co.jp/ir/ir_library/result/pdf/2014/14second_all.pdf
キャノン2Q決算
http://www.canon.co.jp/ir/conf2013q3/conf2013q3j.pdf
CIPA
http://www.cipa.jp/data/pdf/d-201309.pdf
レンズ交換型に参入しているメーカーにとって、レンズ交換型はここ数年伸びる事業と認識していたと思います。従って、実に嫌な兆候でしょう。今後は、カメラに関する認識やコンセプトを変える必要があるのでしょうね。実際、ニコンの社長も新たなコンセプトの商品を発表したいと言っています。同様に各社も新しいコンセプトを打ち出しています。
Nikon President Eyes Smartphone Users as Compact Sales Fall
http://p.tl/Magq
サムソン
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1306/21/news054.html
ソニー
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201309/13-0912/
デジカメも機能を重視して、レンズ交換型を購入するような本物志向のユーザーを狙って機能重視の商品を展開してきました。特にレンズ交換式は本物志向というキーワードをベースに、今でもやり過ぎ感を出した商品展開を行っています。また、ミラーレスの登場に女性ユーザーの獲得を狙いターゲット層を広げるという題目のもと、様々な商品ラインナップを展開しています。
が、この本物志向のユーザー層は企業の規模に対してニッチすぎる市場です。勿論、市場がゼロになることはありません。意味していることは、大企業にとっては本物志向のユーザーが少なすぎるということです。大企業が利益を得れる規模としては、普通の人が使うくらいの市場がある必要があるからです。
その普通の人の写真を撮る行為が、スマフォの内臓機能の一つとなったのです。改めて専用の機材を持ち運んで撮るなどのシーンが徐々に薄れ、多くの人はスマフォなどのデバイス一本にまとめたい、結果的に無意識にスマフォや代替デバイスを選択することになったのです。
この動きはビデオカメラも同様です。従って、これまでの売上はますますスマフォに奪われていくことでしょう。
写真や動画を撮る機会は圧倒的に増えたが、その機器が毎回異なるのではなく、撮りたい瞬間に意識せずに上手に取れる。というコンセプトが受け入れられる、というか自然にそうなったのでしょう。スマフィオやそれに代替されるデバイスに内蔵されるカメラやセンサーの技術はぐんぐん良くなる。それがそのうち、もっと身につけるモノで身近なもの、例えばメガネや時計など。そのようなデバイスにもカメラなどの機能が当たり前についてくる。
結果、専用の機器はプロや一部の本物志向の顧客以外は、やはり興味を失せる商品になるでしょうね。となれば当然市場のパイはグッと小さくなる。大企業が活動できる営利の規模ではなくなるので、小さくても行うか、その部分を切り離した運営にするか、撤退するか。そんな選択肢になると思います。
方向性
早嶋です。
戦略の議論をしていて、目標達成のために何をするか?の議論を中心に繰り返す組織や個人が多いことに気が付きます。しかし、そもそもその目標を何故達成するの?という目標や向かっていく方向性そのものの議論があまりなされていないように思います。
戦略とは先のことを決めること。しないことをきめること。などと言われるように、方向性を決める。しないことを決めることで、はめて、現状とその方向性とのギャップを把握することができます。これらを埋めるためにどうするか?がようやく考えられます。従って、戦略があやふやな企業は大いに、方向性が定まっていないのに、戦略をどう実現しているか?を議論している傾向が強いのです。
企業経営において、方向性を定めることは非常に重要です。経営者の最も重要な仕事の一つでもあります。戦略立案の醍醐味は、大きな軸をどう設定するか、ということに尽きるかましれません。
そのために経営者は、自社のリソースを正しく把握する。そのために現場や経営幹部以外にもスタッフや現場の社員と定期的に情報を共有することが大切です。また、自社のリソースが活用できるのは、顧客や欲している市場のお困り事を解決することができるときですので、常に市場に対してのアンテナを張っておくことも大切です。そして、それらに対して顧客が比較購買する相手がどのようなアクションを行っているかも注目します。
上記はミクロ的な視点ですが、企業の経営は加えて、政治や経済の動向、社会の動きや技術革新にも影響を受けます。また、自分たちの事業を管轄している官公庁の動きも重要です。従って、日常的にニュースや経済にフォーカスをした継続的な情報収集と、それらに対してアイデアを常に考えておくことは大切です。
継続
早嶋です。
形は重要。だからこそ、形を整えてからではなければ事を興すことが出来ない。確かに、形は重要だと思います。しかし、下手でも形を意識しながら、或いはちょっとやって見ることも重要です。合理的な考え方、昔からのやり方、洗練された形、意味があれば自然とその方に収束するのでしょう。
バットを降らないと、ボールに当たらない。バットの振り方を覚えても、マウンドに立たなければ、塁に出ることは無い。負けを繰り返したことで勝つ喜びがわかり、負けた悔しさを学習する。自分が出来ないから、相手ができない時の悔しさを理解できるようになる。
学習と経験。経験を補うものが学習だけど、実際にやることでしか得れないものが必ずある。失敗した時にしか学べないこと、経験できないこともあります。勿論、成功しなければ、学ぶことが出来ないことも沢山あるでしょう。
基本的なルールや形は重要だけど、「正しく身につけてから!」では遅いと思う。また、「もう自分は大丈夫!」ということもないかもしれない。出来なければ数をこなすことも重要。できていることは定期的に棚卸をしながら技を磨くことも重要。
我武者羅にしても意味が無いという人もいるが、その中で、初めてそれが意味がないことを気づいた人でなければ、考えながら行動を起こさないし、行動を起こしながら考えない。人が持っている素晴らしい特権、ずっと学び続けることができること。
メガネ
早嶋です。
人は、「自分はこうだ!」「自分が正しい!」というメガネ(視点、判断軸、拠り所となる考え方)を通じて考えているかもしれません。企業コンサルをしていて、自分が伝えたいことを一方通行で話をしても、多くの場合、理解が乏しいです。伝える本人は、自分のメガネを通して相手に理解していただこうと考えていますが、相手は自分のメガネを通して考えようとしているからだと思います。
そこで一方通行の伝え方から、双方向の伝え方に切り替えました。私が一方通行で伝えるのではなく、相手に多くを話もらうようにするのです。そのためにはコミュニケーションのあり方には工夫が必要でしたが、一方通行から双方向になることで、双方の理解度がグッと高まりました。
やはり、人は自分のメガネでモノゴトを観察することを無意識にしていたのです。ですから、「伝える方か相手のどちらか、或いは両方が双方のメガネはどのようなものか?」を意識的に考えながら話を理解することができれば、理解が深くなり、短時間で通じ合えるようになると思います。
対立の構図があれば、メガネの違いを考えるとスッキリします。双方がかけているメガネが異なっているため、双方の見かたが異なってくるのです。これは「目的の違い」「文化の違い」「捉え方の違い」等、様々なメガネの違いが考えられます。
例えば、上司と部下。上司は期日までに目的を遂行するために結論を急ぎたい。部下は遂行する立場として、じっくりとその背景を議論したい。双方の大きな目的は同じですが、この場合、互いがズームインする内容が異なってきます。そのため、双方にメガネの違いが出てきて対立の関係が生まれます。
例えば、営業と製造。営業は販売のことを考えて在庫の確保を望みます。製造はコストを下げることを望むため在庫を確保しないことを望みます。しかし双方は会社経営全体を良くしたいと考えているかも知れません。ですが、やはり双方が異なっているメガネをかけて異なった方向にズームインしています。対立の関係が生まれるのです。
一度成功した人は、中々たの人の考え方や手法を「理解しよう」「取り入れてみよう」とはしません。これも成功することによって、自分がかけるメガネを固定してしまった結果だと思います。ですが、時間の経過や状況の変化によってかけるメガネを変える必要があると思います。しかし、既にそのこと自体が脳裏にないので、まずは自分が正しくて、相手は間違っているだろう、となるのでしょう。
様々なメガネをかけて考える。そのためには、相手の意見を受け入れる。そして、全体の目的、自分の目的を達成するためにはどのメガネが最適かを考える。結果、よければそのメガネを受け入れる。悪い時にはじめて受け入れない。というココロの余裕と咀嚼する余裕が必要だと思います。
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