早嶋です。
仕事ができる個人や組織は共通の特長があると思う。検証、改善、標準化等だ。その根底にあるものは目標達成のための好奇心だ。
自分たちの業務で、同じような取り組みや似たような取り組みが複数回あった場合、その仕事内容を抽出して検証する。その際のステップとしては、自分の中で同じような仕事を何らかの方法で視覚化する。絵や図や言葉で表現するのだ。同様に、自分以外の他者が行っている業務を集めて視覚化する。状況によっては、他部門や他社が行っている仕事の事例も集めて視覚化する。
同じような業務でも、人や組織や部署によって異なる場合もあれば、全く違う場合もあれば、同じ場合もある。大切なことは、実際に頭で捉えた内容を一度整理して比較してみることだ。通常、全く同じことはなく、何らかの違いや、取り組み方、工数の変化を確認することができる。そして、最終的な成果もバラバラな場合が多い。
そして自問する。自分のやり方と他のやり方で違いはあるか?成果はどうか?なぜ、他者のほうが良いのか?もっと楽な方法やないか?半分の時間で同じ成果を出すことはできないか?等々だ。
上記の取り組みは、皆頭の中では一度や二度は考えたことがあると思う。が実施に取り組む組織は100社あれば、1社か2社しかいないと思う。これは検証であり、ある意味仕事の研究開発に相当する。メーカーはものづくりや技術の研究開発はあるが、それ以外の業務に対しての研究開発は稀だ。
混沌とした今、圧倒的な新規事業を探すのも良いが、自社で最もよく行われている業務を10個くらい抽出して、圧倒的な業務効率を上げる取り組みを考えてみるのはどうだろうか。その際は、既存の業務から3ヶ月くらいの期間離れて見てもらい、ひたすら検証と考察を行う部隊を作ることをおすすめする。詳しく取り組みたい方は、いくつかノウハウがあるのでお気軽に問い合わせ下さい。
‘問題発見・課題整理・問題解決’ カテゴリーのアーカイブ
振り返りの大切さ
「○○○」は見えますか? 〜ビジネスチャンスが見える人〜
◇ビジネスマンの注意力テスト
原田です。
まずはビジネスマンに必要な注意力のテストを試してください。
下のリンクの動画に、6人の男女が登場します。この6人は2チームに分かれています。それぞれ黒い服、白い服を着ています。彼らは、バスケットボールを持って、パスを交換しはじます。
白いチームが何回パスを交換したか?その回数を数えてください。黒いチームと白いチームの人の立ち位置が入れ替わるので、結構難しいです。正解したらビジネスマンとしてかなり優秀な注意力です。
ビジネスマン注意力テスト
◇テストの結果
さて、この動画ですが、まず答えです。パス交換は15回です。しかし、ここでは答えはどうでもいいのです。何より重要なことは…。
ゴリラは見えましたか?
実は動画の途中から、ゴリラ(着ぐるみ)が登場します。一瞬だけ出てくるのではありません。画面の中央でどうどうと胸を叩いたりしています。長い時間しっかりと画面に映っています。
なんと多くの人がこのゴリラに気がつきません。正式なテストの結果では、おおよそ半数から3分の2が気がつかないそうです。気づかなかった人は安心してください。
ゴリラに気づいた人、テストをやらなかった人は、そんなバカなと思うかもしれません。なので誰か他の人に試してください。たぶん多くの人が気がつかないと思います。
ただし、あまりやると嫌がられます。マウントになる恐れがあります。ゴリラ扱いされますよ。
◇人の知覚はアバウトで優秀
人の知覚システムは、かなりアバウトにできています。一方で、人には、特定の注意を払っていることに意識が集中すると、他の情報はフィルタリング(排除)されるという便利な機能がついています。
視覚の情報処理は、やはりかなりアバウトです。我々が何か見たと認識するとき、その情報を一時的に保存する脳の容量はとても少ないです。だいたい3〜5程度の情報しか保持できないようです。また、我々が目にしている景色のかなりの部分は脳が勝手に解釈して作っているものです。さらに我々の知覚システムには、必要がない情報をフィルタリングするという素晴らしい機能があります。
人の知覚システムを考えると、このゴリラのテストは特別なシチュエーションではありません。我々は日々のビジネスの現場で同じことやっています。バスケットボールのパス交換を目で追って数えるように、特定の数字やKPIなどを追っていないでしょうか?組織から与えられたタスクを果たすだけで精一杯ではないでしょうか?
こういうシチュエーションで、新たなビジネスチャンスの発見や、イノベーションのヒントを得ることができるでしょうか?
◇イノベーションの機会と「予期せぬ成功」
有名な経営学者のドラッカーは、イノベーションの一番の機会は、「予期せぬ成功」(あるいは予期せぬ失敗)だと看破しました。昨今のビジネスの世界で、イノベーションは盛んに論じられています。しかし、そのなかで「予期せぬ成功」が取り上げられることはほとんどありません。僕が思うに、多くの人がこの「予期せぬ成功」についてピンときていないのだと思います。イノベーションとは天才のひらめきで世界を変えるものだという思い込みがあるのではないでしょうか?
この「予期せぬ成功」は端的に言うと、「イノベーションの舞台となるマーケット(市場)を自らの力で変えるのは難しい。しかし、マーケットの変化に気づくことはそこまで難しくない。マーケットは日々変わっている。それに気づいて対応するだけ」ということです。以上は、あくまで原田の解釈です。
多くの創業者が、マーケットの些細な変化をとらえ、成功に結び付けています。SONY、松下電器、ケンタッキー、マクドナルド、スターバックス、IKEAなどなどいくらでも出てきます。また、ビジネスの世界だけでなく、科学的な研究の世界でもこうした些細な変化、あるいは予期せぬ出来事に気がつき、成功へつながった例は、枚挙に遑がないです。
◇ゆく河の流れは絶えずして
我々が「室見川」だと名付け、そう認識している自然の構築物は、常に変化を続けています。そこに流れる水も、海底の砂も、生息する生き物も決して同じではありません。水面に反射する光もナノ秒単位で変わっています。
でも我々は、昨日の「室見川」も、今日の「室見川」も同じものとして認識します。当然、20年前の「室見川」でも同じです。しかし、その「室見川」を構成する様々な要素は逐一変化しています。同じものはありません。
ビジネスの世界でも、よく〇〇市場、○○業界、〇〇層などと捉えますが、その内容は逐一変化しています。それでも我々はその○○市場が同一普遍性を持つことを前提としています。概念上の〇〇市場を分析の対象として、何やら答えを捻り出そうと賢明になっています。これではビジネスチャンスに気づくのは難しいです。
ドラッカーは、「予期せぬ成功」を見逃さないために、通常の報告システムへの組み込みなど、いくつかの解決策を提案しています。しかし、現代の組織で、実行されることはほとんどありません。代わりに、KPIはあっという間にビジネスの世界に広まりました。
◇些細な変化に気付く人
勉強もせず、訓練もせずマーケットの些細な変化に気づける人がいます。それは誰でしょうか?
それは創業者です。多くの場合、マーケットの些細なシグナルを捉え、成功に結びつけるのは、創業者(あるいは実質的な創業者)です。なぜ創業者がこうした変化に気がつけるか? それは「ビジネス=自分自身」だからだと思います。
ビジネスが自分の分身であるからこそ、自分のビジネスそのものに非常に興味を持っています。常に頭の中で自分のビジネスのことを考えています。自分のビジネスが広がることが世界をよくすることだと信じています。さらに、そのビジネスについて絶対的な権限があります。なので、マーケットの些細なシグナルに気づき、すぐにアクションへ移すことができます。
◇組織はどうか
一方で、組織の勤め人のなかで、自分のビジネスそのものに興味を持っている人は極めて少ないです。これは間違いなく、びっくりするくらい本当のことです。しかし、面白いことに、多くのビジネスの現場で前提となっていることは、組織のメンバー全員が自分のビジネスに興味があるということです。これが不思議といえば不思議です。まあ、「実は私は、自分のビジネスに興味がないんですよ」、「興味あるのは私の待遇だけですよ」と言ったら、大変なことになりますね。
多くの場合、人は、自分のビジネスそのものにほとんど興味がありません。それよりも、組織における自分自身の評価と待遇に興味を持っています。これは社会的な人間として仕方がない特性だと思います。そして、評価を得るために、バスケットボールのパスの数を性格にカウントするような仕事を遂行することが求められます。
ビジネスそのものに興味を持っているマイノリティ(少数者)が、それなりの地位に就くことは少ないです。多くの場合、とんちんかんな言動をする空気の読めない人扱いになっています。多数決を良しとする日本社会では日の目を見ることは少ないです。
◇予期しない出来事にきづくために
ここで私ごとです。一昨年に、アニメーション動画制作の会社を立ち上げました。2年が経ち、少しずついろいろなものが見えてくるようになった気がします。もちろん僕の目などまだまだ節穴です。それでも昔にくらべ様々な変化に気付くようになりました。今も新たなビジネスチャンスを発見し、自分のビジネスを組み替えています。もちろん検討外れかもしれません。それでも、体感としてマーケットの些細な変化を察知できるようになった気がしています。
マーケットの些細な変化、予期しない出来事が見えるようになるためには、自分のビジネスを持つことが一番の処方箋だと思います。自分のビジネスとは、まず自分でアイデアを出している、あるいはそのビジネスに参加することを自分の意思で選択していることです。そして、そのビジネスに裁量があり、権限があることです。
全体像が見えない組織の業務ではなく、小さなプロジェクトで十分なので、何か自分でやっている、あるいはチームでやっているという実感が持てる仕事を持つことが重要です。その仕事が組織の部門、あるいは企業の垣根を超えていればなおいいと思います。それがビジネスにおいて知覚システムのフィルタリングを払い、世界のあるがままを見るための方法だと思います。
大切にしたい第二領域
原です。
タイムマネジメントでは、重要度と緊急度の2つの軸から4つの異なる領域を考えます。
多くの人は、重要度と緊急度の両方が高い第一領域に集中し、バタバタした時間やストレスの高い人生を過ごしているように思います。
一方、緊急度は低いけれど重要度の高い領域を第二領域と言います。
第二領域は、将来を考えると重要なことだと分かっているけど、緊急なことを優先してしまいがちなため、実行しないまま日々が過ぎていく傾向があります。主体的に計画的かつ優先的に実行しないと人生を変えることができなくなります。
私は、30代後半で働きながら経営に関するビジネススクールに入学しました。当時、ビジネススクールで学ばなければ生活できないわけでもなく緊急なことではありませんでした。
しかし、成熟化やグローバル化していく経済環境を考えると安定に対する将来の不安もあり、30代後半からでもビジネスに関しての学びは必須であるのではないかと真剣に考えました。つまり、私にとっては緊急ではないけど重要な領域だったのです。
当たり前なのですが、自分自身で学費を支出し働きながら早朝と深夜、休日、隙間時間を有効活用して2年間を過ごすことで第二領域の目的を実行しました。
その後、この2年間の学びをベースに多才なビジネスパートナーにも恵まれ、経営コンサルタントや研修講師として微力ながらも企業や組織の問題解決に取り組んできました。
今後は、社会の問題をビジネスで解決する仕事。自然との調和のある生活。経済的価値だけでなく社会的価値に労力と時間をシフトして、私が目指すべき第二領域を進んでいきます。
コロナ禍、複雑かつ曖昧な社会だからこそ、目的を明確にして生活や仕事の第二領域を考え実行することで、誰でもより豊かな人生を過ごすことが可能になるのではないでしょうか。
皆さんの緊急ではないけれど最も重要な第二領域とは何でしょうか。
そして、その第二領域の内容は、今年のスケジュールに記載されているでしょうか。
そして、スケジュールに記載されていることを実行されるでしょうか。
1つでも良いから、自分の第二領域を見つけ労力と時間の使い方をシフトみてはどうでしょうか?そこから、人生の変化が起こります。
欧州一イノベーティブな国エストニアに学ぶ
原です。
北欧に位置する人口130万人のエストニアは、年間起業数が2万件、欧州一イノベーティブな国です。国土面積は、九州と同じくらいなのですが、人口が約130万人で福岡市より少ないです。日本と同様に少子高齢化も進んでいて、過疎地域も多く、全ての行政サービスを、人(窓口)で対応していくのが困難でした。その解決方法がITを活用した効率化です。ITの人材育成とIT産業の集積に取り組み、 ID化(国民ID制度)でイノベーション大国となっています。
日本の国民ID制度の導入は、エストニアのように成功するでしょうか?制度は似ていても、エストニアとは導入の目的やコンセプトが違うように感じています。
近年、日本では地方創生という言葉を良く聞くようになりました。地方創生への施策制度補助金なども複数で発表されています。私も小さな町で生まれ、地方都市に住んでいますので、地方創生は大賛成です。しかし、1300兆円の債務国(コロナ禍の特別支出によりもっと増加していることも考えられます。)、人口動向による税収の減少と高齢化率向上による社会保障費支出の増加を考えれば、心から喜ぶわけにもいかない部分もあります。
今まで多額の補助金が活用されてきていますが、地方の経済は成長しているのでしょうか?あるいは、日本は成長しなくても良いのでしょうか?今の日本の場合、経済成長が止まることは、即、国債デフォルトにつながる可能性があります。
日本の地域政策は従来の政策の延長ではなく、クリエイティブな発想で新しい地域イノベーションを構想していく必要があります。そのためには、発想の転換が必要となります。例えば、九州を一つの地方とみるのではなく、「もしも、九州がエストニアのように国だったら?」と。皆さんなら、どんな構想を描くでしょうか?
自分の考えを上手く人に話すことが出来ない場合!
早嶋です。
自分の考えを上手く人に話すことが出来ない。という悩み、本人が気づいている場合もあれば、本人は気づいていないが周囲は、少なくとも当人の話す力は無いと思っている場合があると思います。
今回、自覚症状がある場合は、そもそもどのような因果が考えられるでしょうか?自覚症状があり、話せない場合、大きく、1)自分に問題がある場合と、2)周囲に問題がある場合の2つに分けることが出来ます。
1)自分に問題がある場合
自分に問題がある場合、そもそも話す内容、つまりコンテンツやアイデアそのものが無い場合は、いくらひねり出したって、無いものは出せないでしょう。この場合は、いかにアイデアを出すか。ということが論点になるので今回は無視しましょう。
自分に問題があり、話す内容やアイデアはある場合。それでも上手く話すことが出来ない場合。何らかの要因で不安で、緊張して話せない場合も在るでしょう。ここに対しては、後に少し触れますが、周囲による影響と、自分自身の鍛錬の問題があると思いますが、ここもマインドの話等に集約される割合が多いので無視しましょう。
では、自分に問題があり、話す内容やアイデアはある。しかし上手く話すことが出来ない。一方で、マインドはOKの場合です。この場合、アイデアやコンテンツは在るのだけれども、そもそもその内容が整理出来ていない場合は、理路整然と他社に話すことは難しいでしょう。この場合は、論理思考を軸に、どのように思考やアイデアを構造化して相手に伝えるかを学べば、ある程度吸収することは可能です。
更に、上記の条件でアイデアも整理出来ている場合です。この状態ではアイデアを何らかの形で視覚化できており、その状態も整理されています。それでも上手く人に話すことが出来ない。となると、これは思考の整理の問題ではなく、整理したコンテンツをいかにプレゼンテーションするかということが論点になると思います。
この場合は、バーバル、つまり口頭で自分以外の第三者にいかに話をするのか?というプレゼンテーションの知識不足か、経験不足か、あるいはテクニック不足ということになりますので、訓練するとほぼ完璧にできるようになります。
2)周囲に問題がある場合
自分の考えがあり、アイデアが整理されており、相手のことを鑑みて、筋道をつけてプレゼンが出来ている。にも関わらず、理解されない場合は、相手を疑る必要もありますね。単純に、相手の理解力が不足しているという点も在るでしょう。たた、ここに対して、相手を慮り、相手がわかるように伝える。というのは、整理の話とプレゼンテーションのテクニックの話と重なるので、今回は無視しましょう。
基本、何かがあった場合、相手のせいにしても解決しません。解決する際の方向性は、自分でどうにかできることにフォーカスするのが最も手っ取り早いと思います。そのため上記の2)周囲に問題がある場合でも、それを前提条件としていかに自分でコントロールしながら相手に理解いただけるかを考えてトライすることが大切です。
とある企業の役員が端的に論点を話しすることが出来ずに社長が激怒し、しかもそのことを改善したいと思っている。というニュアンスの悩みを立て続けに聞いたので、何が論点なのだろうと自分なりに整理したのが本日のブログのきっかけでした。
花咲くビジネス
原です。
花などの植物が育つには、光、水、栄養が必要です。
もしも、花が咲かない場合は、光や水や栄養が足りないか与え過ぎ、土地が花に適さない、植える時期が違う、害的にやられるなどの何らかの原因が考えられます。大切なことは、花が咲かない原因を調べ解決すべき本質的課題を発見し解決方法を考えることが必要です。
「花よ咲け」と声をかけ気合いを入れても、育て方が間違えば花は咲きません。頑張って育てている人や咲かない花が可愛いそうなだけです。
ビジネスでも同様です。「頑張れば何とかなる!」と考えることなく安易なことを言う人がいます。例えば、業績不振なのに、「現状維持で大丈夫!」と成長時代の仕事内容を繰り返している企業や組織があります。本当に大丈夫でしょうか? ビジネスを取り巻く環境の変化が早く大きい時代。成熟化した日本経済の中では、既成概念からの答えの出し方では、成果や未来に期待できません。 大切なことは、問題から目を背けるのではなく、柔軟な考え方により、業績不振や地域低迷の本質的課題を発見し、解決の方向性とアイデアを発散し、自分たちで答えを創り出す能力が必要なのです。
問題解決の考え方により仮説を考え意思決定した後には、「勇気をもって、思いっきりやりましょう!」。
一歩先を踏み出す行動と検証の繰り返しにより、ビジネスの花は咲くのです。
思いつきの強化と諸々
早嶋です。
思考は思いつきから始まる。とした場合、思いついた概念を自分が見えるようにすることができる。その内容を自分に説明することができる。そして、はじめて自分以外の他人に説明することができる。その際、相手が理解するか否かは、自分の概念の説明能力に加えて、他人の理解度を把握して、相手が理解できる概念に置き換えて伝える必要がある。
当たり前のことですが、上記を仕事や学問で行うのは結構大変ですね。そのため、日頃から何らかの訓練をすることをおすすめします。例えば、日記です。アナログでつけるもよし、デジタル空間につけるもよし。毎日自分が思いついた概念を文字や図形に落としながら視覚化する作業を繰り返していく。すると、自然と表現の幅や自分の思考の癖が見えてくると思います。
もちろん、思い付くために必要な作業は継続的なインプットです。大学生の時に講義で大学の先生が言いました。”garbage in, garbage out”と。意味の無い入力をコンピューターにしても意味のない出力しか出ないという概念です。人間の脳みそにも当てはまりますよね。脳みそに定期的に良い刺激をし続けることで、いい具合に脳みそが発火して、何らかの出力をする。そんなものでしょう。
その際に、なんとなく考えるよりも、目的を持って考えるとなおよし。となると思います。自分が思考したいアウトプットを意識して、そのためのインプットを継続する。そして定期的に思いついた思考の概念を視覚化し続ける。
ただこれだけのことで、人よりもちょっぴりと評価されるようになると思う。って結構たいへんですかね?
更に、書く能力と話す能力の両方が備わると、もっとパフォーマンスが上がりますよね。そのため、コンサルの訓練には、必ずと行って言語化する能力の強化と口頭でプレゼンする能力の強化が求められます。日々自分が考えたことを何かに書き記し、そのことを誰かに常に伝え続ける。そしてその誰かが理解したかを常に確認する。このルーティンを繰り返すと、きっと多彩な才能が芽生えるはずなのです。
「知る」「好む」「楽しむ」
早嶋です。
儒教の創始者である孔子を祀る霊廟は、全国各地にあるが実家がある長崎にも孔子廟がある。昨日帰省のついでに家族で訪れた。長崎の孔子廟の見どころは何と言っても、等身大の孔子と72人の賢人の大理石像と回廊に掘られた論語だ。
「之れを知る者は之れを好む者に如かず。 之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず。」
仕事や遊びにおいて、多数の知識と経験を持つ人は多数いるけれども、実際に好きな人には敵わない。同様に、好きな人は多数いるけれども、楽しんで行っている人には敵わない。そんな内容だ。
2022年、新たな年を迎えて働き方、自分の能力の活用の仕方に対する記事を多数目にした。起きている時間の半分以上の時間を費やして行う仕事。もし、「僕には向いていないのかも?」と思ったら、「そのことを好きになる努力をしているか?」と自問することを勧めたいです。好きになるための方法は「知ること」ですが、僕の経験上、何かを嫌になり投げ出したい人ほど、その取組についての知識が無いのです。仕事に対して「やらされている」と感じている人ほど、その組織がどこに向かい、何故、その仕事が発生しているのかについてのメカニズムを知らない。そのために取組についても「意義」を感じることが出来ず、「好きになる」ことができないでいるのです。
取組が「好き」になれば、その後は「楽しみ」に変わるかも知れない。不思議なことに、あれだけいやいやに行っていることに対して、「知る」ことによって「好き」になることは誰でもできると思うのです。ただ、その後、「好きになるか、ならないか」は若干人によってことなりますが、「知る」ことで、大概のことは「投げ出さずにすむ」と思います。
「学は及ばざるが如くせよ。猶之を失わんことを恐れよ。」
その知識ですが、常に自分はまだまだ十分ではないと謙虚な気持ちを持って学ぶのがポイントです。それから学んだことを失わないように心がけることも大切です。
「知る」ことを「楽しむ」ためには、継続して学び続けることだと思います。「自分は既に十分に学んでしまった。」と捉えると、その瞬間から知識に劣化がはじまります。そのための「謙虚さ」は大切なのでしょうね。そして「得た知識」は、実際に活用してはじめてなんぼの世界。そのためには、その世界で実際に使って試してみて、自分なりの技を磨き続けることが大切なのです。きっと、その取組を行っているうちに自然と「楽しさ」につながってくるのでは無いでしょうか 。
「知る」ことからはじめ、「好き」になり、そしてその事業や取組を繰り返して試行錯誤している中に、気がついたら「楽しんでいる」。このような取組ができるためにも、何でも良いので自分の興味を持って取り組むことを遊びでも、音楽でも、書でも、歴史探求でも、アートでも良いので持っている人は、安易に諦めて、安易に投げ出さないのではないかと思います。
思考の整理
早嶋です。
思考の始まりは思い付くことだと思う。何かしならないけれども、ふわーと、アタマの中に何かが浮かんでくる。浮かんできた時に、そのことを記憶して、正確には必要な時に再度脳みそから取り出せる人の割合は実は少ないと思う。そこで、重要になることは、その浮かんできた内容を、脳みそから引き出せなくなる前に視覚化して残しておくことだ。
視覚化する方法は、後でその人がその視覚化された内容を見て、思考を再現できれば問題ない。そのためには、2つの方法がある。一つは言語化、残りは構造化だ。言語化は、様々な言語はあれど、通常は母国語として活用している言葉で残すことだ。日本人ならば日本語で残せば良い。構造化は、自分の思考を図や絵を活用して残すことだ。できれば言語化と構造化を併用することで、必要なタイミングでそれを見た時に思考が再現されやすいと思う。
とここまで書いてみたが、実は、思考を視覚化する作業って、結構難しいと思う。アタマの中で考えたことを文章や絵にする取組を日々行っている人は良いが、意外とかけないものだ。なので日頃からのトレーニングが必要になる。私の場合は、ブログに書いたり、本の脇に絵やメモを残している。絵にする場合はPPTなどのデジタルツールを使っているが、ここ2年はそれらに動画を加えるようになった。いずれにせよ自分で考えた内容を視覚化する作業は慣れとコツが必要だと思う。
視覚化する作業を継続して良かった点は、1つは自分の思考が自分で整理でき、そのことがきっかけで更に発散する、あるいはその逆で収束させることができることだ。つまりアタマの中を視覚化する時に、自分の中で不明瞭な点がわかり、そこに対しては再度深堀りして考えるか検索してファクトを収集することができる。この作業を都度行うことで、おそらく脳みそがちょいとバージョンアップされるのだと思う。この繰り返しを行うことで、本人の意識と関係なく結構価値在る脳みそに仕上がっている。
視覚化する作業の2つ目のメリットは、他社に解説がしやすくなる点だ。先程、価値という言葉を使ったが、思考が価値になる瞬間は、事業の世界では、それを原資に金銭を生むことだと思う。となると、自分の思考を自分以外の第三者に共有して理解頂けなければ価値にならない。あるいは、自分の思考を何らかの方法で第三者に知ってもらう必要がある。そのためのツールは、視覚化になる。
時間と場所と言語が共通であれば、それはその瞬間に言葉によって、その対象の人に話せば良い。がこれは制約が大きいし、後から検索することなどが難しい。そこで、文章や映像に残してデジタル空間に残す作業をしておくことをおすすめする。その内容が価値になるか、ならないかは正直不明だが、これまで継続した中では、それで生計を立てているから価値になっていると断言できる。
何よりも良いことは、その瞬間に考えたことを、将来の自分に簡単に共有することができるという価値だ。テキストの場合は、書籍や記事や原稿など、人から依頼されて書く場合は、流石にフルに公開しないが、自分のために活用する内容は、ブログに都度公開している。その際は、早嶋です。という書き出しを行っている。すると、将来調べたいキーワードと早嶋とセットに検索すると、過去の僕の知識が検索画面に現れるのだ。これは便利だ。
動画の場合は、Youtubeと有料DBに保管していて、検索をかける量がまだ無いし、どのように活用するのが良いのかはよくわからない。が、経営者や管理職の方々と議論していて、その方が不足している知識や関連する事例などを紹介する際に、URLの共有と共に、自分が撮った動画のリンクを一緒に提供することもある。これが直ちに価値を生むかはわからないが5年ぐらい継続すると活用方法が見えて来るかも知れない。
思考の勘所
早嶋です。
(帰納と演繹と推定)
思考のツールは、モノゴトを観察し事実や事例から導き出される傾向をまとめて結論を出す帰納。その逆で、一般的、普遍的とされる前提条件を用いて、より個別な、特殊な結論を出す演繹。この2つがベースになり、何かの観察事項から推定することができるようになるのだと思います。その程度にもよりますが、全体感を持って将来のことを考える力は大前さんは、構想と呼んでいます。
帰納と演繹はやや言葉が難しいので、私は具体と抽象と言い、これらを行き来する中で思考が温まり、徐々に転用できるようになると考えています。そして常に全体感を持って考えることで、気がついたら構想力が過去の自分よりは少しはマシになっているのです。
既に5年、10年以上も繰り返し同じような事業モデルで収益を上げている取組は、思考を抽象化して過去をベースに演繹的に考えることで構想することが可能でした。しかし、今の世の中のように、大きな変化があり過去の延長ではどうにもならない場合は、今起きている個別具体なユニークな現場の事象を具体的に観察してその意味を考える、いわゆる帰納的な思考をベースに構想することが大切だと思います。
(ゴールイメージを持つことが構想の始まり)
事業を行っていく際に最も大切な思考は、ゴールイメージを持つことでしょう。しかし、これはいきなり難しくて、この思考をつくることこそが構想です。そのため、はじめのうちは自分でゴールをつくるのではなく、誰かを模倣したり、とりあえず数字や規模を代替的にゴールと捉えて始めることをおすすめします。
自分の中で今を基軸に一定時間経過した後の在りたい姿があれば、現状との自分を比較するとギャップが生じます。これは問題です。そして再度その問題を定義した後に、その問題って、つまりどんなことだろうな?具体的には何を意味するのかな?と整理していき、問題を解決するための鍵はどこに在るのだろうか?と整理します。その後に、ここかな?と思った分に対しては、なんでそれが出来ないのか?あるいは、どうしてそのようなことが起きているのか?と因果関係を特定します。そして最終的に、問題を解決するために解決すべき需要な課題を1つから複数特定して課題とします。そして、最後にその課題を解決するための大きな方向性を整理して、それぞれの細かい具体的な取組を考えるのです。
解決策を示した後は、当然にその取組をどのようなスケジュール感、どのような資源(ヒト、モノ、カネ、時間、情報)を活用して行うかを考え、計画を作り、実際に実行しながら行動と結果を検証します。目的は在りたい姿の実現ですから、この時点で細かくKPIを設定して、そのKPIを達成することが目的にならないように、常に今考えている行動は仮説なんだよね。という意識が大切になります。
経営を行う場合、様々なケーススタディは、自分の思考を整理する際の事例になるので、直近では帰納的、演繹的な思考を強化する勘所になるし、業種業態に関係することなく、様々な失敗成功事例を見ておくことは将来の構想力を強化することにつながります。
そのために、経営戦略、マーケティング、経済、組織論、財務会計などのベーシックな学問があり、それらをツールとして思考を強化する論理思考、問題解決、創造思考などが整備されています。ポイントは、これらをそれぞれ独立の学問で終わらせるのではなく、自分が構想するために、そしてその構想した取組を実現するためのツールなんだという意識のもと、学習したら少しづつ試して自分の武器にすることが大切なのです。
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