シニア産業カウンセラー・THP心理相談員・キャリアカウンセラーの安藤です。
今回のテーマは、「ストレスチェック実施の活かし方」についてです。
2017年7月27日付け日本経済新聞に「ストレスチェック実施82%:厚労省調べ 義務化後も徹底されず」の記事をご覧になっていらっしゃいますか?
詳しくはこちらを →http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172107.html をご確認くださいませ。
業種別としては、金融・広告業が最も高く93.2%。全事業所の従業員のうち、78.0%が同時的までにストレスチェックを受けていました。医師による面接指導は32.7%。また、努力義務となっている集団チェックの実施は8割です。元々このストレスチェックの目的は、1.個人においては第一次予防として自身のセルフケアーに活かすこと、2.集団チェックは結果を踏まえて部署による多い・少ないなどストレスの現状を分析し、仕事の割り振りなども含む職場環境の改善取り組むことでした。
ストレスチェックは、メンタルヘルス対策の一環として実施されているのはご存知のことかと思います。そのメンタルヘルス対策の意義には、1)労働者の健康の保持促進 2)リスクマネジメント 3)労働の質の向上と事業場の生産性向があります!。
特に3)には、良好なコミュニケーションでの生産性向上、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が挙げられています。
組織分析の目的は、あくまでも職場改善、働きやすい職場づくりにありますが、どう活用したらいいのかわからないという声もあります。そこで、厚労省はやりっぱなし、分析で終わらない為に職場環境の改善方法や医師の面接指導に関するマニュアルを作成するとしています。現時点では、職場環境改善のためのツールとして、「職場環境改善のためのヒント集」や「メンタルヘルス改善意識調査票」、「従業員参加型の職場環境改善ワークショップ」が紹介されています!。
ストレスチェックは使い方次第で職場環境の問題点(仕事の量・質・職場でのコミュニケーションのあり方等)が明確になります。私自身も企業でのカウンセリング時には「ストレスチェック」を活用しています。「メンタルヘルス研修」においては、管理者(ラインケアー)研修で部下との面談にどう活用するか等指導させていただいています。それはメンタル不調の低減、そして生産性を上げるための風土づくりに活かすことができます。どちらにしても、何の為に、ストレスチェックを実施しているのかを周知し、これから ”職場改善” をするには、何を目指して、どんなスケジュールで目標と計画を策定していくことが必要ではないでしょうか。ぜひ、”ストレスチェック” を ”職場改善” に活かし生産性向上に活かしていただきたいと思います!
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
【個別相談】
「日ごろから攻撃的なタイプの部下がいます。苦手なこともありどう指導していいかわかりません」という
管理職の方からの相談です。部下の方は何方に対しても攻撃的でしょうか。まずは、その方の行動・態度を観察してみてください。攻撃的になっていない相手もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合その人はどのように接していらっしゃいますか。次に攻撃的になっているのは自己防衛、または、不安・不満を抱えている場合もあります。その方に“傾聴”の姿勢で聴いてみてください。
第一歩として、お互いの関係性を変えることからスタートしましょう。
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2017年7月 のアーカイブ
「ストレスチェック実施の活かし方」
仕事の目的を考えてみる。
早嶋です。
入社3年目、5年目の社員の意識って企業によってかなりの格差がある。次のような質問をするとおよそその会社の雰囲気やトップの考えやマインドがみえてくる。
「あなたは何のために働いているのか?」
最も多いのが「お金のため」、「家族のため」、「生活のため」。一方で、伸びている企業や活気がある企業は、これに加えて「自分がやりたいことを実現するため」と何らかの目的がある程度明確に帰ってくる。或いは、前者の答えであったとしても、それは何のため?と深掘りをするとかなり普段から考えている形跡が見て取れる。
当然、前者のような回答が多くあがる社員は、企業のミッションが何で、企業がどのような方向性に向けって仕事をしているのかを把握していない。それも当然。トップ自身や経営マネジメントも、それに対して方針がないからだ。中期的なビジョンを示すことなく過去の延長で生きている。なんとかなった時代は終わり。今後は、淘汰される。そう思った2000年頃から17年。実際はなんとななっていると何処かで今でも思っているのだろう。
大手企業の子会社や中堅の会社に加えて、非上場企業である程度のサイズ感の会社でも、この手の社員やマインドは多い。そしてその傾向は入社数年の社員の離職率の高さに現れてくる。ある程度仕事の全体がつかめる3年、脂が乗り始める5年目前後で経営方針がはっきりしない。かと言って自主的に活動をするとストップがかかる。意味がわからない。このまま自分の人生を見た場合、この会社にいても腐るだけ。そう考え、優秀な社員やマインドの高い社員は去っていく。残された社員は、そのことにも気が付かず、疑問を持たず、気がついたらゆでガエルになってしまう。
そのような会社が生産性の成果を全く考えずに、近年は働き方改革という標語を抱えて、定時に変えることを美徳とする。従来の仕事の仕方や考え方や効率はそもままなので、インプットの時間が短くなると当然ながら成果は下がる。そのヘッジを子会社や系列、外部の会社に丸投げする。従って、本質的な仕事のキモは内部からどんどんと外部に流出していき、いつの間にか仕事を取って、左に流すことが仕事になる。
まぁ、最終的にそのような会社は存在意義がなくなるので、崩壊する、或いは規模が小さくなる、或いはその業界で戦略的に伸びている企業の資本傘下になり、何も考えてこないで退化した社員は一気に淘汰される日々がやって来るのだろう。
時間管理の3つの落とし穴
早嶋です。
若手社員の時間の使い方について議論する機会があった。基本的に、1)工数の読みが甘い、2)リストアップ型の仕事に依存、3)目的が不明確で仕事のゴールイメージや完成形がない、という3点について課題が浮き彫りになった。
1)工数の読みが甘い。例えば、時間の管理についてどのような悩みや問題を抱えているかを議論した。多く上がったことが①「仕事以外に組合の取り組みや、女性活躍委員会への参加があり予定が読み辛い」、②「仕事を計画的に進めていても予測外のことが起きてしまいスケジュールがずれ込んでしまう」、③「仕事を進める上で、上司マターの事が多く途中で中断してしまう」、④「繁忙期があり、1月から3月はコントロールが一切できない」、⑤「問合せの仕事が多く、どうしても自分の仕事が後回しになってしまう」と言った具合だ。
例えば、①や②は初めての取り組みであれば致し方無いが、それを数年続けているのであれば、そのことを加味した計画が必要だ。通常の仕事を10と考え、予測外の仕事を過去の経験則から割り出して+3くらいあるのであれば、仕事の分量を13と捉えて始めから計画に加味しておくのだ。人の計画はかなり楽観的で、不足の自体が起こることを知っていても中々計画に入れないものだ。自分は大丈夫だとどこかで思ってしまっているのだ。
③のような現象に対して、突っ込んでヒアリングを重ねると大概が上司に投げるタイミングが遅いのだ。従って、上司も判断に困り、既に他の社員や外部の組織を頼って解決する方向性にいるかもしれない。予め業務の流れを理解していれば、上司の判断が必要な事象に対しては事前に耳打ちして仕事をするのが常識だ。が、若手社員となればそのようなことを自ら考えず1人で悶々と抱えこなそうとしているのだ。
④に関しては、これは完全に会社がコントロールする問題がおおい。明らかに仕事の負荷バランスが異なる場合は、ある意味諦めるか、そのようなものだとして受け入れるしかない。しかし、一定期間、そのようなサイクルが続く場合は別で、根本的な解決策を探す提案をしたり、相談を会社に上げるのが当人の役割と言うものだ。
⑤に関しては、多くの場合棚卸しや、問合せ対応に対しての標準化などをせずに、毎回もぐらたたきの様にただひたすらとこなすことに躍起になっている。クレジットカード会社のように、定期的に問合せ内容を整理して、大半の似たような問合せについては標準的な手続きを決めて置けばよいのだ。更に、そのような取り組みが一定期間続くのであれば、根本的に問合せがあることに疑問を持ち、そもそもの上流の仕事について改善を提案することも重要だ。
2)リストアップ型の仕事に依存。例えば月曜のはじめに机に座って、今日、或いは今週の仕事内容をリストアップする。そして、それらの仕事をやりやすい順番や好きな順番などでこなすようなスタイルだ。一見、何も問題はなさそうだが長期的な取り組みが無視される傾向が強い仕事のやり方になる。
リストアップすると、全ての仕事が同列にみえて来るので、どうしても直近の時間に縛られる、納期が迫っている仕事を優先的にこなし、長期的に時間をかけて取組まなければ成果が出ない仕事はついつい明日からということで後回しになるのだ。結果的に、その仕事は毎日、或いは毎週繰り上げられて、気がついたらリストアップすること自体を忘れてしまうのだ。そう、この手のスタイルで仕事を続けると、処理能力だけがあがり、将来的な伸びが全くなくなるのだ。
この手の仕事に対しては、先ずはリストアップする期間を1週間とか1ヶ月とか短い期間ではなく、半年から1年と少し時間の間隔を伸ばして行う。そして、リストアップした仕事に対して重要度と緊急度の2つの視点から評価を行い次の4つに仕事を仕分けする。
①重要度高い、緊急度高い
②重要度高い、緊急度低い
③重要度低い、緊急度高い
④重要度低い、緊急度低い
仕分けを行ったら、自分の仕事がどのような分布になっているかを観察してその意味を考えると良い。例えば、③や④の仕事が多いとしよう。もし入社歴がかなり浅い場合は仕方ないが、ある程度会社に属しているのであればこれらの仕事は見直しの対象だ。特に④の仕事に対してはする、しないを明確に決めてしまわないと時間なんていくらあっても足りなくなる。③のしおとに対しては、ルーティンでくるから、そもそもの仕組みを見直すべきなのだ。
①の仕事ばかりこなしている人も注意が必要だ。このような人は成績はそこそこだが将来の伸びが心配だ。いつも目の前の仕事に対して一生懸命過ぎて、先に対しての投資や準備を一切行っていない状態だからだ。考えてみると緊急性の高い重要度の高い仕事とは、過去に発生した仕事を現在進行系でこなしているだけで、今は良いが、将来に全くつながらないのだ。
そこで意図的に②の仕事を複数行いながら①に時間を割くのが私は良いと思う。ただ、②の仕事は先に説明したとおり、どうしても先送りしてしまうので、この仕事こそ1年分スケジュール帳を開いて先に予定を確保するのだ。そして、いざその瞬間がきた時に①や④の仕事が舞い込んでも先ずは無視して②の予定をこなすのだ。そして改めて①や④を行う。緊急度の高い仕事は、1時間や2時間遅れたところでどうにもならない事が実際多い。一方、②の仕事を計画しても行動を行わないとすると次から全く行わないことが習慣化して結果的に将来も今も仕事の能力や伸びが変わらない人材になるのだ。
3)目的が不明確で仕事のゴールイメージや完成形がない。例えば、上司からこの資料を来週の月曜までに纏めておいてくれ。とかいう仕事が振られた時に、目的や使途を全く尋ねないで安請け合いしてしまう。なんとなくイメージで浮かんだやり方が脳裏に残り、しばらく放置。そして月曜に近づく金曜の午後に、思いついた様にリストアップして猛烈に資料を整理していく。しかし盲点はここにある。そもそもの目的やゴールイメージがないため、最高に高度な、とっても手の込んだ資料を作ってしまうのだ。結果的に金曜の夜に残業をすることもある。そして自己満足を十分に満喫した後にメールで提出しておくのだ。
上司の反応は代替こうだ。良い資料だね。でもこの程度で良かったんだよって。そして、おいおい、早くそれを言っておいてくれよ。と。が、上司はそんなもんだ。指示をする際に、その理由や程度を明確に伝えて仕事をフル上司がいることは稀。従って、指示を受けた時点で目的や成果物のイメージを考え、取り掛かる前に上司に確認して置くことだ。するとどの程度の工数をかけるべきかの判断が出来るのだ。当然、その程度に応じて成果物にかける時間は異なってくるので無駄が削減されるのだ。
人間は、将来に対して楽観的になりがちで、自分の能力を過信してしまう。従って計画は常に甘くなることが常だ。そのため、いつも厳し目に納期を見て、スケジュールにバッファを持たせることが重要だ。そして仕事は長期的な仕事から先に計画してスケジュールを埋める。重要な緊急度の高い仕事に騙されてはいけない。最後に、常に作業については目的やゴールイメージや使途などを確認して、どの程度行えば良いのかを確認してから取り掛かることが重要だ。
レゴの商売
早嶋です。
週末、お台場にあるレゴ・ディスカバリーセンターに息子を連れて遊びに行きました。子供は大喜びですが、大人の視点、客観的な視点で見ればリピートはないし、年間パスのバリューも感じなたっかたです。商売としては成功でしょうが、ミッションとしてはどうなのかな?と思うばかりです。
理由は、入場料の割には、1)施設の老朽化を整備していない、2)子供だましの感がやはり否めない、3)営利目的に走り過ぎている感が否めない。です。
レゴのミッションは、『「Inspire and develop the builders of tomorrow(ひらめきを与え、未来のビルダーを育もう)」』ですが、お台場の老朽化した寂れた施設から、そのミッションが感じられることはありません。いたるところでキャッシュを得ようとする発想しか感じません。得たキャッシュを、再投資して子供の創発に投資するアイデアは皆無で、むしろ自社が利益を得て満足しているとしか思えません。
そもそもレゴのラインナップで、完成した商品が多すぎます。創造性を養う、閃きを与える、という本来の趣旨からして、かなりずれています。例えば、キャラクターとタイアップして、その世界観を創り出すことはよいのですが、子供は決められたモノしか作れなくなります。説明書を見て、そのとおり作り終了。本来のレゴは、基本的なパーツを組合せることで無限大の制作物が作れる商品です。であれば、基本的なパーツのバラ売りをもっと強化しても良いと思うのですが、一部の店舗でしかバラ売りはありません。むしろ出来上がった半完成品に近い商品のオンパレード、そしてその企画展開に力を入れて収益を上げています。
これでは、ミッションで言っている『私たちの究極の目的は、子どもたちが創造的に考え、体系的に論じ、潜在能力を引き出して未来の自分を形づくれるように、ひらめきを与えて育むことです。子どもたちには終わりなき可能性を追求してほしいと考えています。.』の思想から相当ずれている感覚を感じます。
レゴが、子供のことを考えることから利潤を追求しすぎているのは、名古屋のレゴランドからも見て取れると感じます。こちらのプライシングですが、とにかくキャッシュ化を急いでいるように思えます。現在の経営状況が苦しくてキャッシュをとにかく前倒しして得たいのでしょう。前売りと当日券の価格差があまりにも大きすぎます。このようなプライシングをするぐらいであれば、始めから当初の料金をもっと子供に優しい、ファミリーに優しい金額に設定すべきだと思います。
5G世界統一通信規格
早嶋です。
世界で5Gの通信規格統一の方向性がまとまりました。日本、米国、欧州、中国、韓国で2020年を目処に周波数などの仕様を合意を取り世界中の市場で共通のプロトコルで機器やネットワークにつながる世界がやってきます。
IoT、あらゆるモノがネットにつながる概念が、5Gの実現によって更に加速されます。また、共通化することで新興企業含めた市場への自由競争が激しくなり、サービスの向上やアイデアの創出も楽しみです。
1990年代に携帯電話が普及はじめ、当初は毎秒10から100キロビット程度だった通信速度が、2015年頃から始まる4Gでは数百メガビットまで加速。これが2020年の5Gでは10ギガビットのスピードが実現されます。30年程度で通信速度が100万倍速まったことになります。
近年のプラットフォームの概念が今回のような技術の仕様にも当てはまったことは素晴らしいことです。携帯機器や基地局は、これによって地域や仕様に合わせて部品を変える必要がなくなり、製造コストや導入メンテナンスコストも抑えることが可能です。当然、機器の開発が大部分が標準化できるので携帯機器も単価が下がることが見込まれます。この標準化は我々使用者にもメリットがかなり大きくなりますね。
一方、考えられる問題は、速度の増加に伴い通信料が膨張することです。これによって遠隔地を繋いでいる光ファイバーの容量が2030年前後に限界を迎える可能性が浮上しています。土管屋さんとしては、この投資のタイミング、資金の出処を今から探っている状況だと思います。
食品ロス
早嶋です。
キューピーは食品ロスの対策としてマヨネーズの賞味期限を2016年1月から従来の10ヶ月から12ヶ月に延長する取組を行っています。まだ食べることができる食品を廃棄する社会的な問題を「食品ロス」と称します。世界では毎年13億トンもが廃棄され、日本でも毎年500万から800万トンもの食品ロスが発生しています(※1)。
食品ロスがそもそも発生するメカニズムは、提供側と受領側の2つにわけられる。提供側は利潤の追求から新商品を矢継ぎ早に開発して、常に市場に対して供給過剰な状態を結果的に作りました。結果、純粋に需要以上の分がロスになります。加えて過度な安全品質やリスクを恐れるあまり、通常の賞味期限の2/3を目安に表示基準の消費期限としていることもあります。
裏を返すと、これは全て消費側の過度な要求や真理を汲み取った結果とも言えます。消費者も本来は食べることができる食品に対して、自分で判断することなく提供された情報を100%過信する結果、食品ロスは増加しているのです。
従って、キューピーが企業努力で賞味期限を2ヶ月伸ばしたとしても、消費者が完全に使いきれるか?という点以外にも食品ロスの根本が隠れています。これを根本的に変えるための方向性としては食に対しての教育があります。
実際、一般消費者の消費期限に対しての異常なまでのこだわりが根本原因の1つになっています。購買する際は、出来る限り正味期限が先のものを選び、棚の奥から商品を引っ張り出してかごに入れます。結果、小売では消費期限が1日でも短くなると売れ残ることもあります。上述したように冷蔵庫や食品庫の中で消費期限が来たり近づくと躊躇なく捨てます。見た目に対しても過剰で、弁当のフタにマヨネーズや調味料が少しついていても買わない、食品がやや包装時に偏っていても買わない、容器の経常が変形していたら返品と実質的な部分以上のこだわりを求めることにも食品ロスの原因はあります。
教育レベルで食品ロスが現状、なぜ起こっているのか?それは世界的にどのようなインパクトなのか?その行為は世界と比較してどう捉えるべきなのか?義務教育の時代に真剣に議論する機会を是非つくって欲しいと思います。
※1:農林水産省「食品ロス削減にむけて」より引用(H23年の推計値)
世界一の小売業
早嶋です。
アマゾンはジェフ・ベゾス(Jeffrey P. Bezos)が1995年にスタートさせた会社で、今では誰もがお世話になっている会社の1つだと思います。当時から、世界最大の小売業になるというビジョンを掲げビジネスを展開しています。
書籍の販売は、eコマースの導入として位置付けられました。完全に商品番号が一致すると全く同一のモノが届くので、ネット販売に最もフィットした商品として位置付けたのでしょう。しかし、その他のファッション商品ははじめ失敗に終わりました。感覚的な訴求に訴えても現物を見て試着すると違う。ということで購入に至らなかったのです。
そこでアマゾンが飛躍した1つにザッポスの買収がありました。ザッポスは1999年にニック・スウィンマーン(Nick Swinmurn)により創業された会社で靴のネット販売に強みを見出しました。特徴は、返品を自由にして配送関連の作業を全て自動化したことです。26cmの靴がほしいけど、サイズはどうだろうか?リアルの店舗では、その前後のサイズを試着して、黒だけでなく青も茶色も履いてみたくなります。ザッポスは、そのような消費者の行動をネットに上手く乗せることができました。全て注文してもらい、欲しい靴だけ購入、その他は返品するという仕組みです。
ここにアマゾンは目を付け、2009年にアマゾンの参加に入ります。これによって本のように注文した商品に違いがないものから、感覚的なファッション商品までを手広くネットで販売するノウハウを獲得してビジネスを急拡大していきます。
近年、アマゾンはアメリカで自然食品、オーガニックフードの品揃えで定評のあるホールフーズマーケットを参加に入れました。世界一の小売業を展開するアマゾンに取って、この買収はすごく意味があると思います。ホールフーズマーケットの実店舗は約300店舗あまり。米国国内で自由にリーチするための店舗数としての目安は3,000店舗と言われるので、この部分のギャップをアマゾンのネットに乗せるというのはすぐに思いつく発想です。
しかし、アマゾンは更に一歩進んだ発想を持つと思います。例えば、アマゾンで家族分の牛肉を5枚購入した後、次からは同様に肉の固まりを好みの厚さで5枚分注文出来るような仕組みが出来上がると思います。スーパーであれば、牛肉300gとか、豚肉をスライスして下さいとか、そこそこテーラーメイドが出来るのが特徴です。実店舗とネットを融合することで、ネットで注文するのだけど食品に対してもリアル店舗で注文する感覚でテーラーメイドで商品を購入できる仕組みが出来上がるでしょう。こうなると、他の実店舗からすると徹底的に驚異的な存在になると思います。
一方で、一般消費者からすると、ますますロケーションシフト、タイムシフトした生活がより自由になるということで便利性が高まるのです。ど田舎でも、都会でも、同じような自由度で好きな商品が手に入る。アマゾンが世界一の小売業になった時は、一般的な生活のスタイルがより自由になっていることでしょう。
中国企業の不正9割
早嶋です
中国国有企業の9割が何らかの不正をしているという報道がありました。中国審計署、日本の会計検査院に相当する組織が主要大手20社に対して調査した結果、9割の18社に不正が発覚しています。売上高の水増しでは、過去数年で約3.4兆円規模もあるとのことでした。
習近平氏の政治は、徹底的な不敗の排除ですが、5年に1度の党大会が迫るこの時期にこの調査と結果を発表したのは政治的な意味があるのでしょう。
中国には特有の仕組みがあります。中央企業は政府直属の国有資産監督管理委員会が管理して非上場です。従って外部の目が入りにくく、経営陣であっても党内の思惑で人事が決定します。当然、経営トップは当初の目標よりも成績が下回れば報酬削減などの責任を求められます。上場企業と違ってガバナンスを守ることよりも、我が身のことを思うばかり不正に走りやすいのです。
習近平氏からして今回の調査結果はいかんとし難い状況でしょう。国有企業改革の推進を掲げていたにも関わらず、フタを開けたら不正が蔓延。主要企業の中には海外の大手企業と提携や合弁を行う企業も多数ありました。当然、外資企業からするとそのイメージは最悪です。
今後も腐敗不正をなくすための取り組みは続けられると思いますが、人民の既得権階層への不満も今回あらたな火種を生むことにもなり兼ねません。実に頭がいたい悩みだと思います。
情と挨拶と接点
早嶋です。
営業出身の大企業の社長講和をコンサル前に聞く機会がありました。複数の企業をグループに持つ社長の話で記憶に残っています。対象はグループ会社の幹部営業職で、同社はグループシナジーを最大化することを経営課題の一つに掲げています。
ポイントは3つでした。九州は他のエリアと違って情がある。挨拶は、担当者だけではなく、全員に平等に。業務以外の接点を作る。です。
◼九州は他のエリアと違って情がある。
九州は、他のエリアと違って人情というのがビジネスの世界にも生きています。単に価格や競争の世界に加えて、貸し借り、或いは恩義を受けた。という感情が強く長期的なビジネスを左右します。そのためには日頃から我々グループや社員や当人が出来ることがあったら惜しみなく手伝い、力を貸し、何か提供することが重要です。その際に、恩を売るという発想をして、相手のために、相手が喜ぶことを考えて動くことが大切です。我々の商品は他社よりも良いと自負していますが、それだけで商売は成り立ちません。こと九州は、そこに何か見えないパワーが働きます。その要素の一つが情です。情は1日で出来るものではなく、時間をかけて懇切丁寧に作り上げるものです。皆さん自信、そしてグループ会社や部門の長にもそのことを示すために、みなさんがまず行動と態度で示して下さい。
◼挨拶は、担当者だけではなく、全員に平等に。
挨拶と聞いて、それは当たり前だと思うでしょう。しかし、営業において当たり前のことができていない人が多いのです。特に挨拶は基本中の基本でありながら、最も重要な営業ツールです。具体的には、営業先の当事者に対しての挨拶は当たり前ですが、需要なのは関係者や脇にいる方々に対しても挨拶をすることを心がけて下さい。良く、調子の良い営業マンは自分の担当者がいたら、まわりをお構いなしにズカズカと進んで、その人に挨拶して調子の良いことを2,3言ってスタスタ戻ります。この際に、周りの人や関係がないけれどもその組織の人間であれば、同じように挨拶をするのです。もし、特定の人だけ挨拶をするようになると、他の人の中に、あの人は調子がいい人だな。こっちにも声かけたらいいのに。という念が生まれてくるのです。
◼業務以外の接点を作る。
大会社の役員や社長になると出ごとが多いです。そして公式の出ごとなので、断ることもできない。はじめはイヤイヤ行っていたこともあります。しかし出てみると、ポツリ寂しそうにしている人と賑やかにおしゃべりしている人がいるではないですか。私は、普段からワイワイしている方で、特に出ごとまでも同じ人と話す必要はないと思って、たまたま1人寂しくしている他の会社の方のところに挨拶にいきました。すると、取引会社の総務部長で役員の方でした。営業の接点で事業部長などはありますが、総務部長など裏方を支える方とは中々お会いすることがありません。また、その方もこのような出ごとで1人で飲んでいたのが、急に若い(参加者の役員や年齢から比較すると)のが来たから喜んでいました。このような経験から、普段の役員会に出ていてあることを思いました。事業部長の票も総務部長の票も、ボード会議では同じ1票。我々のような大きな仕事はシガラミがあります。もし、事業部長が押していても、あの会社は普段俺のところにも挨拶に来やしない。ということで総務部長が反対したら、話がこじれることは自社で起こっている。ということは、同じではないが他社でも起こる可能性はあるよね。そこで、出来る限り、自分が直接関係のないところでの接点にも目を配り、日頃から自社の名前を売って、相手のために尽くすことがやはり重要と思います。
ということで3点とも営業を個人で行わないで組織であることを意識させられる話でした。企業は何かの意思決定をする際に、当事者が1人で決めることはありません。それぞれのプレーヤーがそれぞれの思惑を持って仕事をしています。従って、理想は全てのプレーヤーの思惑を把握した上で取引や交渉を進めることができればスムーズにいきます。が、実際は全てのプレーヤーに面会して議論することはできません。そこで、日頃から組織の周りにも目を配り、将来の商談が少しでもやりやすくなるように場を作っておくことが重要なのです。
同社の支社長はこれまで本体出身からの人間で固められていましたが、同社長は支社の生え抜きです。だからこそ地元の情や人間関係を重視するのかも知れまえん。いや、それだけ実力があるからこそ、人の情やつながりの重要性を知っているとも解釈できます。いずれにせよ仕事は人が絡みますので、情、挨拶、関係性は常に重要な取組だと思います。
IメッセージとYouメッセージ
早嶋です。
成績が悪かった自分の子供が、ある時、100点を取ってきた。あなたは子供にどんな言葉をかけますか?
・・・
考えているヒマはないですよね。普段のやり取りでは、瞬間的に言葉を発してコミュニケーションをすると思います。それでも。
「凄いね!」
「やったー」
「よくやったね」
「天才だよ!」
等々声をかけたと思います。
人に声をかける場合、2つの方法があります。一つは、上記のように本人を褒める場合です。そしてもう一つは、その行為をみて本人がどう思ったかを伝える方法です。前者は、Youメッセージで後者は、Iメッセージと呼ばれます。
記憶に残る言葉は、実際はYouメッセージで、「あなたは頑張ったね」よりも、「そうか、頑張ったね、パパ嬉しいよ!」と表現したほうが本人の記憶に残るようです。
そう言えば、貴乃花だったか相撲で優勝した時の小泉さんの言葉は「「痛みに耐えてよくがんばった!感動した!」」でしたね。これは人々の記憶にづっと残っていますよね。
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