早嶋です。
豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザによる世界的な広がりがあると言うことでWHO(世界保健機構)は警戒水準をフェーズ5に上げました。
WHOのサイトによれば、パンデミック(世界的な大流行)の最後は1968年から69年。そして現在は、最もインフルエンザ・パンデミックが起こりやすい状況であると説明されています。
紙面で報道されている警戒水準は地球を巻き込むパンデミックの脅威の深刻さを受け、事前に各国が対策準備を行う必要性を知らしめるためにWHOが設けた制度で6つのフェーズがあります。
警戒レベルがフェーズ4になったころから紙面に登場しましたが、2006年12月時点で既にフェーズ3でした。フェーズ3から5までがパンデミックアラート期という位置づけでその予兆は早くからあったのです。アラート期は、「新しい亜型ウィルスによるヒト感染発生」の時期で現在のフェーズ5は、「かなりのヒトからヒトへの感染の証拠がある」というレベルです。
国内の動きを見てみましょう。邦人の感染者がこれまで全くいませんでしたが。日本は鎖国かな?と思っていた方も多かったと思いますが、ぼちぼち出始めています。感染は指数関数的に増加するので、今の数でも防ぐことは難しい!ということを前提に対策を講じた方がよさそうです。
地元の薬局を見てみるとうがい薬とマスクの売れ行きが尋常ではないようです。既に品薄感が出ていると言います。イソジンを製造販売する明治製菓は昨年4月と比較して10倍の出荷量を超えています。マスクの企画販売を行っているユニ・チャームも生産委託する工場をフル稼働させ、最盛期の冬場並みの体制を整えています。
ワクチンについて見て見ました。現在、国内でのインフルエンザワクチン製造は4組織しかなく、それぞれの組織が事業規模が小さいため短期間での大量生産は実質不可能なようです。財団法人阪大微生物病研究会、財団法人科学及血清療法研究所、学校法人北里研究所、そしてデンカ生研。仕組みは、厚生労働省の支持で国立感染症研究所からウィルスの標本を受け取り製造に入ります。
規模が小さい理由は、ワクチンの市場規模が年間600億円程度と、医療薬品全体の1%以下で、流行による需要の変動が大きいため生産予測が難しいこと。さらに、使い切れなかったワクチンはメーカー側が廃棄することになるため製造リスクが高いのです。従って、製造大手はワクチン開発に対して一般的に消極的になるのです。ここは、企業と国が連携を取る必要がありますよね。
ところで国内の株式でダイワボウの株価が急騰しています。この企業はインフルエンザ予防用の高機能マスクを販売している企業です。世の中の変化が直企業に反映する時代がやはり目の前の現実にありますよね。
2009年4月 のアーカイブ
フェーズ5
エコポイント
早嶋です。
グリーン家電の購入は5月15日以降に!という家庭は多いと思います。長田もその一人で、おうちの照明をすべてLEDに変えよう!と計画していますが、エコポイントが始まるまで控えています。
エコポイント(エコ・アクション・ポイント)は、消費者が地球温暖化対策型の製品やサービスを利用した時にポイントが獲得でき、そのポイントは様々なメニューと交換できるというプログラムです。今月10日に政府の経済危機対策において「エコポイントの活用によるグリーン家電普及事業(仮)」の実施が決定しました。
エコポイントの目的は、地球温暖化対策の推進と経済の活性化、そして地上デジタル放送対応のテレビの普及です。対象となる家電製品は統一省エネラベルで星4つ以上を取得していることで、エコポイントの付与率は地デジ対応テレビで10%、他の家電については5%程度に設定されるようです。
温暖化対策が求められる背景は地球温暖化を防止するための京都議定書の約束期間が2008年から始まったことをあるでしょう。2012年までに1990年と比較して6%の温室効果ガス削減を約束しています。しかし、1990年と比較して現在では6.2%増加していることから実際は12%以上の削減が必要です。
そこで特に増加傾向にある家庭部門やオフィスなどの業務その他の部門における排出量を削減しなければ追い付かない!というわけです。エコポイントは国にとってはリーサルウェーポン、切り札なのです。
Web制作企業の今後
早嶋です。
Web制作会社の進むべき方向性は、ポーターが示す3つの競争戦略にしっかりと当てはまります。すなわち、1)コスト・リーダーシップ戦略、2)差別化戦略、もしくは1)2)をニッチな市場に絞った3)集中戦略です。
企業におけるWebサイトの存在は最早、名刺や看板と同程度の存在です。しかし、その実態は全く新しい概念で最もmROIの高いマーケティング・ツール(ホンダのネット戦略を参照)でもあります。この概念を理解しているWeb制作会社は差別化の軸において優位性を示すため、価格勝負に陥る可能性は未だ低いです。一方で、ビジュアルの追求のみを行い、実質的なWebの活用を進めない企業は価格競争に陥っています。
これはWebが一通り世の中に浸透してきた事を意味しています。つまり、ある側面においてWeb制作を生業にしている企業も成長後期に入り、価格競争の時代に突入して、大きな再編を迎えるのです。つまり、淘汰が始まり生き残る企業は差別性を強調する企業家、コストメリットを打ち出す企業に2極化するのです。
加えて、コストメリットを全面的に打ち出している企業も大きく2種類に分かれます。クライアントの言いなりになりとにかく安くWebを仕上げる企業。しっかりとしたコンセプトを持っているが価格を安く提供しても利益を得れる体質を構築している企業です。そして言うまでもなく、前者の寿命は限りなく短命になるでしょう。
現在、企業のWebに対する認識は決して高いとは言えません。業界の言葉でいうところのリテラシーの低さです。Webはとにかく名刺や看板のような存在という言葉を鵜呑みにしている経営者はとにかく安く仕上げることに重きを置きます。そして、このような企業に対して真面目に相手をしていても利益を得ることは難しいです。
Webを持つことは看板を出すような感覚は確かにあっています。しかし、Webを持つことが目的であってはならないと思います。Webはツールです。従って目的に応じてWebの仕上がりや程度が異なります。ただ出せばよいというのは余りにもお粗末なのです。
ブログを読んで頂いている方々は、何かあったら必ずググると思います。この時点で検索サイトにかからなければ交渉のテーブルに着くこともできないのです。これは恐怖ですよね。Web制作において差別化を図っている企業は確実に小手先のSEOだけでWebの可能性を実現している訳ではありません。しかし実態は、こて先で終わっているWeb企業があまりにも多く点在しています。
戦略と戦術は異なります。SEOで順位を上げることは重要ですが全てではありません、戦術です。しかし、リテラシーの低い経営者は戦術の重要性を説得され、悪く言えば、IT用語をまくし立てられてカモにされる確率が高いのです。
しかし盲点があります。残念なことに多くのWeb制作企業はこてこてのエンジニアかデザイナーがほとんどです。そのようなバックグランドを集めて起業して数名で運営している場合が多いです。それなのに、自分たちを百戦錬磨のビジネス戦士のように見せ、ビジネスの重要性を説いています。
Webは間違いなく今後、経営において重要な位置を占めます。しかし、経営者の認識が低い、提供する側のビジネスに対するバックグランドも乏しいと来ています。Webを使って売れるしくみを作りますよ!とはいうけれども、実態経済でのビジネス経験が無いのが実情です。
従って、一方では経営者のWebに対するリテラシーが低いと言いながらも、経営者はWeb企業をビジネスマインドが低いと揶揄するのです。この悪循環が結構な間続いています。そして、そこに気づいた企業がWebを目的から手段に切り替えた動きを見せるようになるでしょう。
考えられる方向は、経営コンサル系の企業がWeb制作企業をM&Aして、ツールの1つとしてWebを提案する。Web制作で伸びている企業が経営を分かる人材を確保して経営のツールとしてアプローチする、です。どちらにしてもWeb制作はエンジニアとデザイナーの集まりだけではどうにもならないというのが結論です。
生活の変化に世の中の縮図
早嶋です。
生活の変化に世の中の縮図を見ることができます。母親との会話の中で2つの事を教えてもらいました。1つは、果物の一盛りが減ったこと、1つは駐車場の話。
果物の一盛り。八百屋さんで販売している果物の盛り方が以前より少し減っていると、母。価格を維持するために籠の中身を少し減らしているのでしょう。価格を維持するために容量を少し減らす。缶コーヒーや袋に入ったお菓子も価格を維持するために、量を少し減らすことがあります。ポイントは見た目に分からない量を減らすことによって、何の変化も与えないこと。つまり、消費者は実質的に値上げにきずくことはない手法です。しかし、八百屋さんの1籠は、主婦の目には実に明確にそして、正確に見抜かれているのです。
駐車場の話。実家に戻るときに、公営の賃貸住宅の近辺の駐車場に黄色いコンクリートブロックが置いているところが目につきました。父に問います、あれは何?曰く、駐車場代の未払いが続いた結果、講じた策の一つと。
どちらの話も経済が回っていないことを象徴しています。昔はこのような黄色いブロックの塊を見ることはありませんでたから。
国際化
早嶋です。
長田とヨット仲間で集まり、朝からヨットのセール張りを行っています。ヨットの上ではそれぞれ自分たちができる作業を見つけて取り組んでいます。
面白いな!と思ったことがあります。ヨットの整備には専門のエンジニアにお願いしてもらっているのですが、彼らの中にはフランス国籍、パナマ国籍の方がいます。そのため、船の上では英語が飛び交います。しかし、たまに日本語、たまに博多の言葉と非常にユニーク。
何か将来の縮図をあらわしているようです。つまり、日本の生産性を維持するためには、1)時間当たりの効率をさらに向上する、2)日本人以外の生産力を確保する、必要です。
1)2)のオプションとしてのロボットの活用は今に始まったわけではなく、常にベストパフォーマンスを求めているので急激な生産性の向上は望めません。
2)のオプションの他の解決策として、労働者年齢の引き下げと引き上げがあります。年齢の引き上げは既に行っていますが、インパクトは大きくありません。また引き下げた所で人口構成が逆三角形になっているので、こちらも期待できません。では、地理的な国外からの労働力の確保です。
ヨットのエンジニアは国内に少ないのでしょう。既に、海外からのエンジニアが福岡にも来ています。日本以外の方々は、国籍が様々です、そこで共通の言語として選択される確率が最も高いのが英語です。そして、その状況の縮図が今ここにあるのです。
BizNavi’s Way
早嶋です。
ビズ・ナビ&カンパニーのコーポレートサイト再構築に向けて着々と準備を進めています。今年で4年目に突入している我々は、次のステージに向かうべくWayを見直しました。
■■BizNavi’s Way■■
ビズ・ナビ・ウェイはビズ・ナビ&カンパニーそのものです。
ビズ・ナビ&カンパニーはビズ・ナビ・ウェイを基に考え行動します。
豊かさ。
ビズ・ナビ&カンパニーは社会に「豊かさ」を提供します。
ビズ・ナビ&カンパニーは企業に「豊かさ」を提供します。
ビズ・ナビ&カンパニーは個人に「豊かさ」を提供します。
ビズ・ナビ&カンパニーは「豊かさ」を追求します。
心の豊かさ、教養の豊かさ、時間の豊かさ、発想の豊かさ、感情の豊かさ、視点の豊かさ、ライフスタイルの豊かさ、精神的な豊かさ、交流の豊かさ。もちろんお金の豊かさも。
■ミッション・ステートメント
各員の意味ある貢献
個と集団の誠実
個々人の目標の認識
能力の絶えざる向上
そして楽しいこと
1995年、国際的ヨットレースであるアメリカズ・カップでUSAチームのスターズ・アンド・ストライプスを破って優勝し、カップを手に凱旋したNZチームのブラック・マジック。その時のスキッパー(船長)、ピーター・ブレーク(Sir Peter Blake)のミッション・ステートメントをビズ・ナビ&カンパニーも継承しています。
■バリュー
Often Imitated, Never Duplicated
本物しか出せない価値があります。アート、建築、自然。もちろん、我々の仕事も然りです。「常に真似される存在」であり、しかし「決して同じではない」
ビズ・ナビ&カンパニーはそんな存在であり続けたい、その想いを胸に進化し続けることをお約束します。
隠れ家の隠れた課題
早嶋です。
ビズ・ナビ&カンパニーの本社の周辺には隠れ家的な存在の飲食店が多数集まっています。ここでいう隠れ家的とは、えっ!こんなところにこんなお洒落なお店があると?と言った店舗を指します。
その中でも、何件かは顔なじみのお店があります。お店に行く時、大体はカウンターに座ってお店の人と話しながらご飯をします。隠れ家的なお店において1つ共通点があります。割と予約客からの場所の問い合わせ対応が多いこと、です。
店の仕事ぶりを見ているのがとても好きなのですが、電話口でのお店の案内、ほとんどの隠れ家が個人任せの電話対応のようです、つまり人によって店舗までの道案内の仕方がバラバラなのです。店舗自体が目立たないところにあるので、普通に探すのは難しい、しかし、近くまで来ているのに分からない。このような状況が頻発しているのに、あまり対策を取っていないようです。
いつもお店の人に、上記の解決策として、1)迷いそうなポイントを皆で共有して、そこからの道案内の仕方を分かりやすく提供する、2)電話口に近隣のマップと目印を示したものを貼り、それを見ながら店舗までナビゲートする、3)実際に、お店から道案内のシュミレーションをする、などアイデアを出しながら考えてみました。
しかし、数日後、また同じように電話口では個人任せの道案内をしている。何が問題なのか?と言えば、道案内をしている時、店舗のスタッフが一時的に数が足りなくなりサービスが低下しているのです。中には、親切心からお客さんの携帯を聞いて、店舗を出てお客さんを迎えに行くお店もあります。この場合、極端にお店の回転が低下しています。しかし、店舗を運営している人はその事にも気づいていないようです。
1つの事象に対してその場の機転で対処することはとても重要です。しかし、繰り返し起こる事象に対しては、なぜか?と問いただしながら事の根本を解決しなければ改善しないでしょう。
お客さんの話も話半分程度しか聞かないのかな?でも、そんなお店が好きで結構通ってしまうのでした。
再現性
「再現性」を定義すると、“もう一度やろうとした時に、期待通りにできるか”ということです。経営者や管理者の方々から耳にするセリフに、“こいつは何度言っても分からない”、“何度教えてもできない”、“何度教えても同じ失敗をする”というのがあります。
これは部下に「再現性」が身についていないことを表しています、指導・育成する上で大切なことは、部下が“自分でできるようになる”こと、つまり何度も教えなくても自分で判断して適切な行動をとれるようになることです。その為には、物事の全体像を理解することが必要です、個々にやるべきことを教えたのでは、この全体像は見えてきません。
カーナビ上司という言葉があります、何から何まで指導する上司です。上司がカーナビである限り、部下がこの能力を身につけることは難しいと言えます。カーナビに頼る人は、カーナビがなければどこへも行けない、もちろん毎日通う通勤路は覚えるでしょう。問題は時々起きることです、そのたびに上司に「どうすればいいですか?」と聞かなければ自信が持てません。
先月からイギリスを視察しましたが、約2週間弱は全てレンタカーで移動しました。もちろんカーナビは付いていません、一枚の全国地図だけを頼りにエジンバラからロンドンまで9都市と他に小さな街々を巡りました、知っている街も知らない街もありました。
はじめての街でホテルを探す時や、小さな町を探す時など、何度か道に迷うことはありましたし、そのために時間がかかることもありました。しかし、もし同じ場所にもう一度行くとすればどうでしょうか、もう迷う心配は全くありません。今回迷ったことで十分に考え、その過程で「再現性」を身につけたからです、時間が掛かることもありません。
仕事も同じです、その時の時間を節約するために答えを教えることは、部下が考える機会を奪ってしまいます。その結果として、考えることをしなくなり、“何度言っても・・・”に繋がります。それが長い時間の中では、たくさんの時間を損なうことになるのです。
迷って考える過程で成長する、教えたい気持ちを少し我慢してみませんか。
長田
企業とは何か
早嶋です。
2か月ぶりにドラッカー学会に参加しました。今月からのテーマは、「企業とは何か」です。本作は、ドラッカー氏が1946年、36歳の時の第三作で、マネジメントの体系化が始まった本です。
内容は極めて難解です、彼の往年の作品は概念やイメージがスーッと入ってきますが、本著は哲学的な要素がたっぷりのような気がします。メインメッセージは企業は経済的な機能に加え、社会的、政治的な機能を果たすこと、です。では社会的な機能や政治的な機能とは?この質問に対する彼の考えが体系的にまとめられています。
出版決定
早嶋です。
1-Day-MBAアソシエ編と言うことで、日系ビジネス・アソシエ・オンラインに投稿していた記事、戦略編とマーケティング編を日経BP社の出版している雑誌、日経ビジネスアソシエ(日経BPムック)から出版していただけることになりました。
6月26日号の日経BPムックで、約20ページくらいになりそうです。また、発売が近づきましたらお知らせいたしますので、是非ご覧下さい。
—-1-Day-MBAとは?—
ビジネスパーソンの資格として人気の高い経営学修士(MBA)。だが、2年間の授業料は、日本国内の大学で200万円以上、海外に留学すると生活費などを合わせて最低でも1000万円がかかります。EQパートナーズでは、MBAで学ぶカリキュラムからエッセンスを取り出した「1-Day MBA」(1日1科目を学ぶMBA、商標登録申請中)という研修コースを作り、企業に提供しています。このコラムでは、「1-Day MBA」で取り上げているMBAの最も重要な部分を解説します。
※ビズ・ナビ&カンパニーの長田、早嶋は1-Day MBAの講師として戦略編、マーケティング編、ロジカルシンキング編を担当しています。なお、企業研修以外にも首都大学などでも1-Day-MBAが採用されました。ちなみに、8月29日と来年の1月30日は戦略編を早嶋が担当しています。ご興味がある方は参加下さい。こちらの詳細もWebにアップされましたらブログで紹介いたします。
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