早嶋です。
先日、父の会社を訪れた帰りの出来事です。父は会社の前の道路を挟んだ斜め前にある駐車場を月極で利用しているのですが、駐車場に着く頃には車がスタンバイしていました。その駐車場は立体駐車場です。通常であれば、顧客が駐車場についてから車をまわしますよね、しかし、その駐車場は違います。
なぜか?父の会社の電気が消えたのを見て、車を出すだろう!と推測して車を動かしているのです。これは、例えば通りの向こうに父の顔が見えた瞬間にもやはり車を動かしてスタンバイしてくれるそうです。
父の会社は駅前にあり、立体駐車場はいくつかありますが、このようなサービスを提供している駐車場は他には無いでしょう。まさに、スイッチングコストが高い例だといえます。
スイッチングコストは、顧客が現在利用している製品やサービスを仮に他社の製品やサービスに乗り換えた場合に顧客が負担しなければならないコストです。このコストには金銭的なコストの他に心理的なコスト、手間コストなどが組み合わさります。
ウィンドウズのPCからマックのPCを買い換える場合、デザインはマックがいいけどOSに慣れるのが大変そう・・・、といった理由で買換えを控えるのが手間コストです。この場合、スイッチングコストが高いと表現します。仮に、マックのOSもウィンドウズのOSも不自由なく相互に使えるのであれば当然、スイッチングコストは低くなります。
このように、通常、顧客は利益やメリットなどとスイッチングコストの大小を無意識のうちに判断して購買活動を行っています。となれば、継続的に製品やサービスを利用していただきたいのならスイッチングコストが高くなるように努力をする必要があります。一方、買換え需要を狙う企業は、買い換える場合の顧客のスイッチングコストをいかに低くして差し上げるか?がポイントになるでしょう。
駅前の駐車場の例は、父のスイッチングコストを心理的な価値を高めることによって高く維持している例だと言えるでしょう。
2008年3月 のアーカイブ
スイッチングコスト
adidas RUNNING HELP DESK
早嶋です。
今日は、久々に長崎の実家でのんびりしていました。さて、adidas RUNNING HELP DESKの報告です。実に、素晴らしい体験でした。
まずは、「Running Personal Record~アディダス・ランニング科学的診断プログラム・カルテ~(写真左)」に基礎的な情報を記入します。ここでは、結構正確な自己情報(目標タイムやベストタイム、練習の頻度や過去の故障歴等々)を記入する欄がありました。記入後、専門のトレーナーの方(写真中央)からヒアリングをしていただきます。
次にFootscanを使って走行バランスを確認していただきました(写真右)。センサーの上を走りながら、右足、左足と踏みつけていきます。すると、両足の圧力分布がサーモグラフィーのように表示されます。これによって、実際の走行時におけるは知り方の癖や体重移動の推移、負荷のかかり具合、指の使い方などが分かります。
左足と比較して、右足のヒールにインパクトが強いことが分かりました。どうりで、普段から右足のかかとが擦り切れるのが早いわけです。更に、走っているときの体重移動が左足と比較して右足の方がブレがあることも分かりました。
そして、フォーム分析。ジムにあるランニングマシーンの上を普段のトレーニングのスピードで走ります。走っている様子をカメラで撮影します。その後、録画した動画を見ながら走り方の分析を行って頂きました。先ほど、Footscanで確認したとおり、右足の体重移動のブレがフォームにも影響しています。この原因は、右足を着地させてから蹴り出すときにネジレが生じているためでした。普段のトレーニングで少し走りすぎたと感じたときに右ひざの外側に痛みを感じる原因がこれだったのです。
では、このフォームの修正を行うべきか?トレーナー曰く、「無理に強制するのではなく、道具を使い分けましょう!」と。実際は、色々事細かく説明していただきました。短時間でフォームを強制した場合、逆効果が出てかえってフォームが崩れる場合が多いそうです。専門のコーチを付けながら時間をかけると出来るそうですが。そのため、市民ランナーには余り勧めることは無いと。既に、Footscanの結果とフォーム分析の結果、それから的確な説明に信頼度100%です。
最後に、的確なシューズを勧めてもらい、再度フォーム分析を行いました。最適モデルをチョイスしていただき、同様にランニングマシーンを前回と同じスピードで走り、その様子をモニターに表示しながら録画。その後、持参したシューズの動画と比較しながらその様子を見て見ました。「すばらしい!!!!」素人の目でも一目で分かる違いがあります。確かに、選定していただいたシューズを履いた後のフォームは、右足のブレが少なくなっています。走っている感じも足がしっかりホールドされている間隔でシューズの重さも苦になりませんでした。
これまでのシューズの選択は、見た目、値段、軽さでした。走っているときのフォームや自身のクセに対するサポート性や安定性などは意識したことがありません。しかし、決定的な事実(診断結果と分析)を教えていただいた今、このシューズの価値は私にとって特別なモノになったのは言うまでもありません。
ということで、アディダスの虜になっています。因みに、アディダス、2010年にランニングカテゴリでNo.1を目指して活動中とのことです。
確率とビジネス
早嶋です。
明日の長崎の天気予報は、「降水確率90%」です。さて、ここで使われている確率ですが今では当たり前のように使われていますね。この言葉が今のような意味合いで使われたのは17世紀中ごろからです。
上記の「今のような意味合い」には3つの側面があります。
1)数学的に正しく扱えること。これは、確率に関する諸条件が数学的に明確に規定されることを意味します。
2)経験科学における確率。この経験科学の代表例が学校のテスト等で良く使われる偏差値です。偏差値を使うことでテストの成績が大きな集団の中でどのように分布するかが分かりましたね。もっと広義な捉え方では、経験側によって将来起こり得る出来事のあたりをつけているという考え方です。これに関しては、統計学者のI・J・グットの言葉が良く当てはまります。「確率論は人類よりはるかに古い」です。不確実性の評価を殆どの生物が経験から学習するという考え方が包括されていますね。
3)日常生活を含めた実践的な決定の場で確率が果たす役割。確率の歴史はフランスの数学者パスカルとフェルマの往復書簡に始まるといわれます。そして、そのきっかけを作ったのは以外にも賭け事。当時フランスの社交界で名を馳せていたシュヴァリエ・ド・メレという賭け事に精通していた人物が、友人のパスカルに賭け事について質問をしたことが確率論のルーツだそうです。
確率は、不確実性を数的に測定する基準といえます。不確実なできごとが発生する可能性に関する確信の強さを伝えるための数字が確率です。不確実な出来事、これはビジネスにおいても個人の人生においても溢れていますね。確率は、それらの不確実性に対して起こり得る確信の強さを数字で示すことが出来るので意思決定のツールとして有用でしょう。
確率は0と1の値の範囲内で、確率が大きいほど、起こりえる出来事(事象)が生起する事に信頼度を持てることになります。例えば0.95の確率は、事象の発生に対する非常に高い信頼度を意味しますし、0.05の確率は、その事象が怒りそうに無いと考えるといった具合です。
日常的には確率についてはあまり厳密に考えていませんが、統計の正解では95%と5%を良く用いています。これは、以前説明した2SDルールとのつながりが密接に関係しています。
確率や統計、高校や大学では習ったけど、ビジネスにおいて役に立つの?と疑問をお持ちの方、今一度、昔の教科書のホコリをはらって読み返してみることをお勧めします。ハードディスクやメモリ容量、CPUの処理能力が極めて安価に性能が向上している世の中、統計と確率はビジネスパーソンの新たな武器になるでしょう。
物より思い出
早嶋です。
今朝、アディダスジャパンから次のような電話がありました。「アディダス・ランニング・ヘルプ・ディスクです。・・・」
実は、明日行われる「足の診断」の事前確認の電話でした。「adidas RUNNING HELP DESK」とは、アディダスジャパンが早嶋の足を診断してくれるという素晴らしいイベントです。先日、天神のアディダスショップに立ち寄った際に、情報を入手し、その場で予約しました。
イベントの内容ですが、フットスキャンと呼ばれるマシーンを使って、個人の走り方のくせや体重移動の推移、負荷のかかり具合から指の使い方までを事細かく診断してくれるのです。その後、的確なシューズの提案をしてもらい、再び走行チェック。ここまでしてもらえれば、たぶん、シューズをその場で買うのでは?と思います。
ところで、これまで全身ナイキで揃えていたので、当然、アディダス・グッツは1つも持っていません。イベントに申し込みするときに、「僕、全身ナイキですが構わないですか?」と。すると店員さん、「もちろん、大丈夫です。普段、走られる格好で診断していただきます」と。なんと寛大な。
しかし、既にその日からアディダスのことが気になっていました。「流石に、全身ナイキはまずいかな・・・。」たまたま、近くのランニング専門店でセールをしていて、ふと立ち寄り、手に取ったアディダスのトレーニングウェアが激安価格、そこでの行動は容易にに想像が付きますね。
個人のブランドロイヤリティは、以外にもろいものだと思いました。これまではナイキ一色だと思っていましたが、場合によってはアディダス全身もありなのではと。この心境の変化は、アディダス・ランニング・ヘルプ・ディスクへの申し込みがきっかけです。そして何よりも店員さんの一言、ナイキでも何でもOK!という気前の良さがストレートに響いたと感じます。
近年、モノが売れない!と嘆く方が多いですが、ヒトはものを求めているのではなく体験や経験を購入しているのです。モノは、その経験や体験を行うための一つの手段にしか過ぎないのです。そのように考えると、アディダスの店員さんの一言も商品の一部で、たぶん、診断後にシューズを購入するであろう消費者の一連の体験の序章だったのではと思います。
既に、何か買う気満々ですが、全身ナイキから全身アディダスの変身もあるかもしれない明日のイベントが楽しみです。
ビジネスと統計
早嶋です。
統計の教科書のはじめに以下のような物語が書いています。
マルコム・フォーブスの話。彼は気球で飛行中に道に迷い、何マイルも漂ったあげくの果てにトウモロコシ畑の真ん中に着陸しました。フォーブスの気球に気づいた男が気球のところまで走ってきました。
そこでフォーブス、「ここが何処なのか教えておくれ」と。男曰く、「そこはトウモロコシ畑のカゴの中だよ」と。フォーブスは「あなたは統計学者ですね?」と尋ねると、男は驚いて、「なぜ分かったの?」と。フォーブス「簡単なことさ、統計学者がくれる情報は簡潔で正確でその上全く使い物にならないからね」と。(参照:American Statistican 44, no.2 May 1990,p122)
統計と言ってもビジネスで活用する統計は、大まかに正しい結論を高い確率で導くことです。このような統計の使い方によって、ビジネスや経済、消費者行動などの分野において、意思決定の制度を高めることができます。また、統計学がビジネスにおいて不可欠なツールであることは、世界のどのビジネス・スクールにおいても統計学はMBAを目指す者の必修科目になっていることからも分かります。
近年、コンピューターの処理能力や記憶能力が向上して膨大なデータが蓄積されるようになりました。そして、そのデータを元にあらゆる分析が盛んになっています。しかし、その根底の考え方や想定される状況、データ分析の限界を理解していないと痛い目を見ることがあるでしょう。
なぜならば、コンピュータの処理能力が向上しても、コンピュータはそのような計算やモデルの問題点についてまではヒントを提供するに留まるからです。このヒントを元に解釈して最終的な意思決定を行うのは人間の仕事です。そのために、統計の知識は不可欠なのです。
顧客の顧客
早嶋です。
Putting the client intereset first.(顧客の利益を優先せよ)。これはマッキンゼー・アンド・カンパニーの価値観で、ベテランであれ新人であれ、徹底させられるそうです。世の中、顧客第一主義といっても顧客の顔は見えにくいので、大いにして自分や自社の利益に基づいた意思決定が行われているように思えます。そこを徹底的に戒めているマッキンゼーは流石だと思います。
顧客の話なると、消費財メーカでは実際に製品・サービスを利用するエンドユーザーが想像しやすいです。しかし、多くの企業は直接のエンドユーザーの間に小売企業や中間業者を介在します。そして、エンドユーザーのニーズに応えることと、中間業者のニーズに応えることが相反する場合も生じます。ただ、しかるべき策は、両方のニーズに応えるように努力することだと思います。
また、B2Bの場合、直接その製品やサービスを導入する部門が顧客になります。しかし、T・レビットが半世紀も前から唱えているように顧客の顧客についても考える事が重要です。仮に、B2Bの会社でマーケティングの概念がほぼ無い場合、顧客の顧客にまで目を配る社員は皆無に等しいと想像できます。
そのような企業では、法人の営業パーソンは相手先の直接の顧客に気に入られることのみを考え、顧客の顧客を考える事は無いでしょう。ゴルフや接待を行って仕事関係を継続する事に注力する方も多いですが、顧客の顧客を考えた場合、この行動が全く顧客の顧客のためになっていないことは一目瞭然です。
企業の末端までが顧客の顧客を考えるようになれば、業界を広がったところまで意識が広がるようになり、従来の方法を見直す、或いはイノベートするきっかけになるのではないでしょうか?そして、顧客の顧客、つまり、エンドユーザーにとって独自の価値を提供する事になるかもしれません。
真に顧客第一主義が徹底されれば突出した企業がもっと出てくることでしょう。
ビジネスモデル
早嶋です。
高齢化社会を迎えるとそれに応じたビジネスが派生します。
例えば、生前計画を提案する葬儀屋さん。シャキシャキ人生を生きている人は臨終の後まで自分でコントロールしたいのでしょう。Googleで「葬式 生前」と入れると、結構出てきます。
例えば、相続税を専門に扱う税理士さん。多くの日本人は不動産を所有して他界するケースがあります。故人の不動産所有が多ければ、そしてその評価額が高ければそれなりに相続税を払わなければなりません。しかし、もし国に税金を払いすぎていることが分かったら?取り返したいけど、どうすると良いか?そこで相続を専門に扱う税理士さんが登場です。例えば、1000万円余計に税金を払っていることが証明されるとそっくり戻ってきます。その役割を行った税理士さんに30%~40%は取られるでしょうが、一応、Win-Winのモデルが成り立ちます。
このようなビジネス、急速に普及すると思います。そうなると、もともとの顧問税理士さんはどのような状況になるか?上記の例では、1000万円手元に残るはずが、色々考えて、されに300万円~400万円を損失したことになります。もともとの税理士さんがしっかりしてくれていれば、何も考えないでよかったのに・・・。そうです、元税理士さんは訴訟の対象になるのです。実際に訴訟沙汰になるケースは未だ少ないようですが、確実に増えてくるでしょう。
人が他界すると保険金が入ってきます。しかし、保険金は請求してはじめてお金を受け取ることが出来ます。逆を言えば、その権利があったとしても請求されなければお金は手に入らない。そこに目を着けたビジネスがあっても良いと思います。例えば、クレジットカード。お金を持っていれば、クレジットカードの1枚や2枚は保持していることでしょう。仮にその人が亡くなったら、生命保険はともかく、その人が保持しているクレジットカードのことなんか考えないでしょう。
ここに目を着けて、生命保険等、何かあったら請求出来るものを全て一元管理して、他界したタイミングで受取人の代りに一括請求するサービスです。これも、成功報酬といえば怒られますが、保険の受取額からマージンを取れば、Win-Winのモデルが成立しますね。
と考えるとキリが無いのでここら辺で。さて、皆様はどのようなビジネスモデルを思い浮かべましたか?
ガソリン暫定税率
早嶋です。
ガソリンの暫定税率の期限切れが濃厚になってきました。しかし、ガソリンスタンドにとって、思わぬ混乱が生じるのでは無いでしょうか?この混乱の要因を2つ示しましょう。
1つ目です。4月1日からガソリンスタンド各社が即座に値下げする対応が難しいと言うことです。
現在の暫定税率は、ガソリン1リットルに対して25円、軽油1リットルに対して17円が課税されています。これが無くなるのですから、ガソリンや軽油はその分安くなりますよね。では、何が問題なのでしょうか?
それは、上記の暫定税率が課税されるタイミングを考えると良く分かります。ガソリン税は製油所から出荷された時点で課税するため3月末までに各ガソリンスタンドが仕入れたガソリンは暫定税率が上乗せされています。この課税方式は、蔵出し課税と呼びます。つまり、4月になって暫定税率が無くなったからといって課税された蔵出し在庫がなくならない限り、ガソリンスタンドは安く提供できないのです。課税分を値下げするのは大変な話ですからね。
簡略化すると、125円/ℓで仕入れたガソリンを100円/ℓで販売するイメージですからね。しかし、一般消費者にとって、そんなことは分かりません。つまり、「ガソリンが安くなってないよ!」と苦情が殺到するのではないでしょうか?
また、大手のガソリン小売店はここぞとばかり、4月1日からガソリン価格を下げて、上記のカラクリを度外視して他の顧客シェアを一時的にでも奪おうとするかも知れません。これが1つ目です。
そして、2つ目の要因。これは、飛込み需要です。3月の今の時期、感覚的にガソリンを入れるのを控えていらっしゃると思います。だって、4月から安くなるのですから。そうです、4月になって急にガソリンスタンドに需要が殺到するのではないか?と言うことです。
新日本石油会長で石油連盟の渡文明会長は、通常、1日当りのガソリン販売量は全国で約15万キロリットルと言っています。これが4月1日には、瞬間的に約200万キロリットル程度に急増するのではないか?と。実に13倍もの需要・・・。
ガソリンスタンド側も3月末の店頭在庫を減らす動きを見せています。3月末に過剰に仕入れると、上記で指摘したカラクリで4月の等分、高いガソリンを販売しなければならないからです。しかし、4月になって大量のガソリンの注文が入ったとしても、タンクローリーの数は限られているので、販売店への配送が間に合わずに、場所によっては品切れや販売規制も予測されます。これが2つ目です。
と言うことで、3月末にとりあえず、高くてもガソリンを満タンにしておいた方が無難でしょうね。
北京オリンピック
早嶋です。
昨日の天気は何処へやら。週末の日曜はいかがお過ごしですか?
2008年北京オリンピックのテーマの1つにグリーンオリンピックがあります。グリーンはグリーンITでもおなじみで、いわゆるエコロジーを指す言葉です。北京ではオリンピック期間中に「環境に優しい、快適な環境」を提供するだけではなく、都市自体を「環境に優しく、生態環境を重視する都市」に変化させる狙いのようです。
楽天リサーチの調査レポート「2008年北京オリンピック・中国環境保護産業」によれば、北京オリンピックの投資総額は現在までに2,800億元、およそ4兆2000万円。中でも環境保護関連産業はそのうちの約4割の1,200億元、およそ1兆8000万円の投資だと言われています。
中国のイメージに大気汚染、環境汚染、水質汚濁は否めません。しかし、オリンピックは今後の中国の環境保護関連産業にとって、きわめて大きな発展チャンスとなるでしょう。また、北京をはじめ中国の人々にとっても環境保護の概念を根付かせるまたとないチャンスです。
環境保護型の建築材料や自動車、電化製品や環境に優しいエネルギー。これらに関連する企業は中国国内外にかかわらず大きなチャンスですね。
スタグフレーション
早嶋です。
本日は、福岡郊外、宗像にあるグローバル・アリーナで施設見学&打合せでした。
ちょうど、2008サニックス杯国際ユースサッカー大会が開催されており、中国選抜U-17、韓国代表U-16、日本代表U-16、東京ベルディユース、鹿児島実業高校、FC東京ユースなど全16チームの精鋭が技を競い合っていました。(※写真は施設の片隅で選手たちがボールと戯れている様子)
さて、紙面でもよく登場するキーワード、スタグフレーション。これは、インフレとリセッション(景気後退)が同時に起こる状況です。通常の概念では、インフレ時にリセッションは起こりません。リセッションならば、逆にインフレになりません。しかし、景気が後退しながら物価も上昇するという矛盾したような現象が同時に起こるのがスタグフレーションです。
過去を見てみると、第一次オイルショックが起きた1970年代。トイレットペーパーや洗剤が陳列棚から姿を消しました。当時は、第4次中東戦争を引き金に原油価格が4倍になり、コスト高から企業の生産能力が低下し、失業率が増え、日本経済は急速に下降、そして戦後初のマイナス成長を経験するというスタグフレーションに陥りました。
では、現在は?ガソリンから小麦粉の価格高騰によって、カップ麺から食パン、牛乳とありとあらゆる日常品の値上げが起こっています。かたや、景気を見てみると株価をはじめとして芳しくありませんね。うーん、まさに、スタグネーション(不況)とインフレーション(物価上昇)が両方起きています。
インフレは通常、好景気にともなる需要拡大のタイミングで起きます。しかし、今回のインフレはコストプッシュインフレで書いたとおり外的な要因が大きいです。例えば、中国・インドに代表される振興国の需要拡大、投機マネーの市場流入、バイオ燃料ブームが引き金となり原油や穀物価格、銅や亜鉛、アルミなどの原料価格が上昇して結果、最終製品の価格がつり上がるのです。
景気のほうを考えると、日常品や食料品価格の上昇で家計簿にも影響が出ていますね。景気の根源である個人消費は頭打ちが続いている、世界経済の牽引役の米国経済はサブプライムショックの今後が見えないまま。
さて、皆さんの肌感覚はいかがでしょうか?
最新記事の投稿
最新のコメント
カテゴリー
リンク
RSS
アーカイブ
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年5月
- 2011年4月
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年11月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2009年2月
- 2009年1月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年9月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年6月
- 2008年5月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2008年1月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年8月
- 2007年7月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月
- 2007年3月
- 2007年2月
- 2007年1月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年9月
- 2006年8月
- 2006年7月
- 2006年6月
- 2006年5月
- 2006年4月
- 2006年3月
- 2006年2月
- 2006年1月
- 2005年12月
- 2005年11月
- 2005年10月
- 2005年9月
- 2005年8月
- 2005年7月
- 2005年6月
- 2005年5月
- 2005年4月