早嶋です。
本レポートは、2014年2月25日から28日の間に現地での視察、現地でのビジネスパーソンとの情報交換をベースに記述している。私見をふんだんに盛り込んでいるため事実と異なる部分もある。
【マレーシア】
現在、大量消費の経済からサービスビジネス、付加価値ビジネスに価値観が急激にシフトしている。ハード面は充実してきているが、それを補うソフト面がまだまだ追いついていない。5年、10年後には3次産業が占める割合が高まるだろう。
現地のビジネスパーソンは、基本は資源の豊かさで成り立った国であるため、効果や効率を求めるスタイルが定着していないという。例えば、パームヤシのオイルを絞るビジネスで、絞る効率を改善するよりは、資本を入れて工場を追加したほうが楽という考えがある。つまり価値の中に効率やスピードの概念が少ない。日本人は同じインプットでより多くのアウトプットを求めるが、資源国はアウトプットを増やすにはインプットを増やせば良いと考える。同時に、一人あたりのスピードを早めるよりは、複数の人間を使って作業を行えば良いと考える。この価値感の違いは、彼ら彼女らとビジネスを行う場合、非常に重要だと考える。
マレーシアの経済状況、社会環境、文化面はざっくりと言えば30年前の日本と同じ。超金持ちと普通に生活ができるレベルの人が急増している。上流層の日本に対する感情は非常に良い。例えば、3月の日本行きの飛行機はほぼ取れない状況。マレーシアのネイティブが日本に行ったときのおみやげの平均金額は18万円という統計があることからも彼ら彼女らのバイイングパワーが高いことがよく分かる。
消費者向けのビジネスを行う場合、多民族国家なので、ビジネスのポジションを明確にしてもターゲットの絞り込みは極めて難しい。超尖って一部にフォーカスをしてニッチを目指す以外は、ある程度ゆるやかなターゲットにフォーカスするマーケティングがまだまだ重要と考えられる。差別化を実施するにはまだまだ経済が豊かになっていないため、他との違いにプレミアムを払う人々の割合が圧倒的に少ないからだ。仮に行うとしたら、超金持ちモデルか大衆モデルのどちらかにポジションを明確にふること。日本で言う差別化戦略が受け入れられるのはまだまだ先で、早くとも5年くらいの時差があるとおもう。
例えば、飲食業では一つのメニュー、単一民族に絞るのではなくフュージョンのような幅が広いメニューが受け入れられる。日本の進出で失敗しているのはうどん専門店のような店。和食で成功している企業も、和食をうまく現地にアレンジしている企業が目立つ。
大衆層にフォーカスするビジネスであれば、まずは見た目から入ることが重要。機能や感情部分は国やそこで生活している国民のレベルが追いついてから。まずは徹底的にコストを考えながら、雰囲気が味わえる「なんちゃって」で参入した企業がシェアをとっている印象。余りにも凝り過ぎて研ぎ澄ましたビジネスはまだまだ受け入れられる余地が少ない。ライフサイクルを考えながら企業のポジションを変えていく必要がある。
一方で、ライフスタイルに西洋文化が浸透してきている過渡期であることを感じる。モールなどにも日本でも流行りそうなベーカリーやケーキ店が人気を出している。ベーカリーやパン屋などは今後、屋台がひしめく街並みにも徐々に増えていくことでしょう。
【国による大きな特徴】
今回の視察で改めて感じたこと。それは、国によって得手不得手があるということ。
例えば日本。間違いなくはモノづくり、サービス精神の国であることを感じる。従って日本はモノづくりやサービス精神を追求して、その他の部分は徹底的に外注するか他の国のスタッフに一任することが重要だと感じる。
例えばアメリカ。この国はなんといってもビジネスモデルを構築したり、混沌とした考えやアイデアを分かりやすく体系化する能力は超一流。また、イノベーションの国でもある。誰もが考えたことがない技術やアイデアをゼロから一に形づくるのが得意。日本は、これらのアイデアや思索的な技術を更に洗練させていくことが得意。
例えばユダヤ。これはなんといってもファイナンス。資金の調達から運用のセンスはセカイでも郡を抜く。
例えば欧州。欧州は感情やデザインやブランドの国。モノやサービスを洗練させるには彼らが一番。品質はそこそこなのに、何故か彼らがプロデュースすると物質的欲求が高まりワクワクする。
例えば中国。なんといっても架橋の商売上手を見たら彼らは既にあるビジネスモデルを現地や地域になじませて実際に利益を得るモデルを実効する行動力とノウハウと人脈がすごい。逆に言えば、彼ら彼女らとうまく組んで、架橋に多めのインセンティブを渡したパートナーシップが結べれば一気にそのビジネスのシェアを取れるとおもう。
近年、コリアンは文化をうまく表現してポップに語り、コリアイメージを特に若い層に上手に構築している。
グローバルビジネスを展開する場合、全てを一人で行うのではなく、得手不得手をよく理解しながら強力できると理想的な組織が作れるかもしれない。これは理屈のセカイで、実際にその協調をとる作業は非常に難しいと創造するが。
日本のパルコがタイ、台湾などから撤退した理由は、見た目のみのファションを韓国や中国からパクられたことに起因する。仮にアパレルで模倣の困難性を構築するには、ユニクロのように確固たる機能を持つことが出来なければ直ぐにパクられる。一度パクられるとモノの違いがなくなり後は自然とコスト勝負になり、安く提供できる仕組みを持つ韓国や中国がジワジワと力をつける結果となる。もしこの勝負に勝ち目をつけるためにはユニクロのように圧倒的な機能繊維を全面に打ち出すか、H&MやZARAのように徹底的にイメージを構築するかが必要。従って、パルコは撤退を余儀なくされている。これは上記の考察を見てもよく理解できる。
【ブキット・ビンタン地区】
飲食、小売、サービス業の出店としてブキッ・ビンタン地区を視察。こちらはクアラ・ルンプール随一の繁華街。ホテル、モール、レストラン街、屋台街と忙しい。ブキッ・ビンタン通りには、Starhill Gallery、KL Plaza、BB Plaza、Lot 10、Sungei Wang Plaza、Pavilionなどの巨大ショッピングセンターが立ち並ぶ。
パビリオンデパート。福岡で言えば、リバレインのイメージ。高級店舗を集めたモールですが、価格をハイエンドに振りすぎているせいか、人通りもまばら、この価格帯でお買い物ができる人がまだまだ追いついていない印象。モールに入っている飲食店を中心に視察、老舗の日本料理店である勘八(現地では高級)かフードコートが人気で中途半端な価格設定の店舗の客足はまばら。
パビリオンデパートの6Fにある日本を彷彿とさせるコンセプトショップ街であるTokyo Street。イメージは羽田空港の国際線ターミナルにある江戸小路のマレーシア版のようなもの。行く前の口コミでは現地人を含めて大人気の場所とのことでしたが、コンセプトがまだまだクアラ・ルンプールに馴染んでいる印象がない。売っている商品や食べ物も現地価格からするとやはり割高。ハレの日のデートにちょっと見学する程度の利用が目立つ。当然、こちらには日本でもなじみの店舗が出店している。
この地区には更にスーパーブランドを集めているモールがある。そこには最高のレストランも揃っている。リッツ・カールトンなどの一流ホテルも併設している。平日はまだらな客足だが、休日になると買い物客で賑わっている。一部はシンガポールから車を飛ばして食事と買物がてら楽しんでいる顧客もいるという。通常の見方であれば成り立たないような空間と商品ラインナップであるが、超金持ち層のお買い物ニーズを満たすにはちょうどよいサイズでもある。
【飲食事情】
宿泊したパークホテルの周辺は、地元で人気のモールがあり、その裏には昔からの屋台街が広がる。当たり前ですが、モールと屋台街、その周辺の飲食レストランの価格差が面白い。モールと違って周辺のレストランはどこも現地の人や観光客、ビジネスパーソンで賑わっている。
マレーシアでモールが充実しているのは、元々はウエットマーケットで食事や買物のをする風習があるからだろう。フードコートと言っても、様々な料理を楽しめ、味はモールの上層階のレストランとほとんど大差はない。レストランは、着飾ったハレの場でフードコートは日常的に食事を取る場所という印象。モールを離れた場所では今でも市場と併設した屋台が折り重なっている。こちらで日常的にご飯を食べている姿はアジアを彷彿とする。面白いと感じたのは、食事をテイクアウトするさい、普通のビニール袋に入れて終わり。ん?残飯!なんて思ってしまったが、それは考え方の違いでしょう。食事という機能に徹底的にフォーカスされた結果でしょう。従って、今後は食事を目で楽しむというプレゼンテーションが徐々に受け入れられるにつれ、食事の容器などに変化が出てくるのでしょう。
マレーシアは宗教的な理由から、お酒の提供が出来ないお店が多い。お酒の提供をしているお店で人気なのが街角にある立地でテラス席を多めに有している店舗。メニューもアラカルトを増やしてビールや他のお酒に合わせて提供する店は現地の人、ビジネスパーソン含めて賑わっている。一方、同じお酒を提供する店でも、メニュー1つの商品が割高で、しっかりとした食事のニュアンスで提供している店舗は賑が少ない。
基本アジア圏はどこも外食文化がある。アジア圏かつイスラム圏の特徴は、お酒がNGといところか。マレーシアではお酒を飲みながら食事をする習慣はローカルの人にはない。従って、お酒をのみながら少しづつご飯を食べる作法はこのまれなのでしょう。日本食、フレンチのようにコースという概念は余り一般的ではないようです。一方で、プレートにご飯やおかずなどが一緒に盛られた食事はいたるところで見かけます。また屋台ではいわゆる焼きそば、焼き飯、串焼き、鍋の類が多く、皆、あまいジュースを片手に食事を楽しんでいます。
従って、ローカルをターゲットにするには食事を中心に、一気に提供できるようなお店が無難。ローカルでも人気店は23時から24時頃には閉店。一方、チェーン店やどこでも見かけるような大衆向けのレストランは24時間あけていて、ローカルの胃袋を満たしています。後者のポジションは明確で、24時間、ローカルの食事がお酒は無いけど、格安で楽しめる、といったところ。ただし、ローカルと言っても様々な人種が入り交じっているのでターゲットを絞るのが難しそうな印象。
ローカルにフォーカスするのであれば、同程度の価格で少しだけ味のテイストを上げる。24時間オープン。飲食が集まる立地条件。差別化をするのであれば、モールやローカルフードが集まる立地条件に、ハイエンドの価格で勝負をする店舗。ただし、その国の味をそのまま提供する本格はではなくあくまでマレーの味付けに変更したフュージョンが受け入れやすい。中途半端なショップは貧富の差が明確なのでまだまだ受け入れられない印象。日本食で勝負をするなら、ラーメン、カレー(豚はハラルで要注意)、焼きそば、たこ焼きなど濃い味で一度にお腹が満たされるような食事、これらのような単品で勝負して回転を上げる業態の出店は未だ少ない。が、左記の商品をプレミアムを付けて価格をあげた瞬間、単品だけでは顧客を集客できないのでポジション、ターゲットと価格帯の整合性は非常に重要。
ドリアンの専門店や屋台が目立つ。街なかを歩いている時に強い臭いを感じることがある。何度かトライしたが、玉ねぎが腐ったような強い香りと後味がなんとも言えない。このような腐敗臭の強い果物は旨味成分が詰まっているため徐々にやみつきになるのだろう。ちなみに一度ドリアンを食べると、胃の中からしばらくその香りと隣り合わせになることになる。場合によっては大衆や汗からもその香りがして、なんとも言えない感覚に陥る。
南国文化か、朝のスタートはゆるく、夜遅くまで賑わっている。夜の時間帯でフードコートやレストラン賑わい始める時間は19時過ぎころからでピークは21時頃と日本と比較すると2時間程度は遅い印象。
【人材事情】
ローカルフードを提供している店員の印象。非常に親切。こちらが注文したメニューを良く覚え、メニューにも精通した印象。一方アナログの処理をまだまだ行っているので、個人個人のスキルや接客対応に大きなバラツキがあり、それを問題視するような経営者はまだ少ないと感じる。
店のスタッフは価格帯、提供している立地や場所、扱っているメニューによって、ここの対応がバラバラ。ここに日本式のちょっとしたサービス、いわゆるちょっとしたおせっかいのサービスを提供する発想はありだと感じる。ローカルに出店した場合の社員教育はどのお店でも苦労している話を伺った。日食の店舗では数年かけて毎週1回、社員を集めて日本語に加えて、サービスのあり方や考え方を徹底的に教育していると言います。
これを外注して、他の飲食業に提供するというサービスはあってもよい。これから1次、2次産業の割合が徐々に3次産業に移るいまの時期、上記のようなコンテンツを展開するBusinessの成長は考えられる。
日本と比較した場合、圧倒的に他の国でのサービス業の基本が低い。クアラ・ルンプールでの水族館、モール、高級レストラン。どこに行ってもハードは充実しているがソフトは一切ついていっていない。人口が3000万人で日本の土地の0.9倍の国。今後、労働力不足が出てくる可能性は高い。マレーシアでも内地の人材派遣ビジネスは徐々に認知されていっている。
マハティール首相は、90年代はこぞってマレーシアの優秀な学生を国費留学させていた。現在は現地の普通の人材に対しても日本のサービス業やスピリッツを学ばせたい需要が強い。マレーシアの労働者や学生を短期間受け入れる企業があれば、マレーシアからの補助金を取ることも可能。
【街歩き】
2日目の朝は、ローカルの野菜、肉、魚などの市場を訪れる。規模としては中位だが、通勤前の社員が朝食を食べているそばで市場が開催されている。ものを運搬する道具にサイドカーが目立つ。日本式の後ろから引くタイプが普及しなかったのは、荷物を横で見えれるという安心感からか。
屋台で食事をしている方が、テイクアウトをする時。たんなるビニール袋に入れて終了。日本のきれいなパッケージのような発想はなく、あくまで食という胃袋、栄養を満たせばよいという機能にフォーカスされている。今後、サービス産業が盛んになってくれば、見た目の美しさ位にお金をはらう文化が定着するか、少し疑問に感じる。
しかし、街を歩いていると屋台には朝の10時ころから賑わっている。日本のように朝は出社前、昼は12じから13時が賑わうがその他の時間は主婦。という景色ではない。いったいいつ仕事をしている?と言わんばかりに人があふれている。南国の雰囲気を十分に感じられる。聞くところによると、公務員ではまずはじめにスタンプカードで行動を管理したとか。夜が遅い国のため出社がなんとなくルーズ。そして16時頃には交通渋滞がはじまるので、皆、早めに帰っていっていたそう。そこで、例えば9時から17時の時間を縛るためにタイムカードを活用したと。実に国民性を表すお話だと思います。
【ホテル・宿泊・不動産事情】
クアラ・ルンプールのように一人あたりのGDPが1万ドルを超えるくらいから、国内外の移動者が増加し始める。しかし多くのホテルはリゾート系でレストランとウエディングを併設する。旅行者やBusinessで利用する人に対してホテルが不足している。ここに対して清潔と安全が保証されるBusinessホテルの需要は高まる。長期滞在者向けにはホテルよりもサービスアパートメントやコンドミニアムなどが重宝するが、圧倒的に少ない。
ジョホールバルでは学生が帯味する施設が不足している。それも単なる学生ではなく、イスラム圏、オイル資源を持つ国からの留学生を受け入れる施設。多くの学生用の施設がプレイベートの確保が無い苦学生用の建物。しかし上述した学生はお金はもっている。従って個室が確保され、かつ学生が集まる施設や建物を誘致することができれば、ここにはビジネスチャンスが生まれる。親がカネを持っているので契約も年間契約で予算化できるため、今後も学生の受入を増やし、大学施設が多いジョホールバルでは伸びていくビジネスになると感じる。
継続的に建設ラッシュが続いている。クアラ・ルンプールや郊外を中心に高層マンションの建築を至ることろで観察できる。
クアラ・ルンプールは土地が狭く経済圏として栄えているため、結果的に土地が高等している。アクセスの良い住宅地では、100坪程度の戸建ては2億円前後の価格帯になる。同様の立地条件でのマンションも6000万円前後の価格帯。当然、クアラ・ルンプールから距離が離れていくとその価格帯の1/10になるなど価格差が激しい。
ジョホールバルは、シンガポールまで20分程度の立地条件のため、シンガポールで仕事をしている人がこぞって住宅を求めている。日本は当然のこと、イギリス、アメリカ、台湾。シンガポールの人も含めて、ジョホールバルに引越をしている人が多い。不動産開発を行うのであれば、クアラ・ルンプールはかなり成熟してきたので、ジョホールバルはそういう意味ではまだまだ可能性が残っている。
地震が少ない国なので、日本の鉄筋や基礎を比較すると恐ろしく貧弱。マレーシア全体が建設ラッシュが続いており、至る所でスクラップアンドビルドが続く。ビルを解体している時のコンクリートや鉄筋を見ても、その量の少なさが際立つ。
街並みが整備されたところは日本と同じように見える。しかし、歩道や道路など、基礎が弱いため、経年劣化による凹凸が目立ったり、ヒビ割れが目立ったり。ひどいところは陥没しているところもある。一つ一つの工程を適当に行っていることが分かる。こちらに関しての改善、違いを強調した施工を提案するとチャンスはあると感じる。
【病院事情】
マレーシアの病院は日本の医療に加えて、熱帯性の病気や感染症に対応しないといけないため、難しい印象がある。基本は国立病院の医療は全て無料だが、どこの病院も長蛇の列で待ち時間が長い。従って富裕層は、私設の病院を医療費全額負担をしても直ぐ診てもらえる病院に行く。
マレーシアはリタイアした後の人を積極的に誘致しているが、バリアフリーの観点からするとまだまだハードルが高過ぎる。街を歩いていると至るところが凸凹で、交通のルールも守られているようで秩序が一部欠如している。そのような国でお年寄りに取っては非常に住みにくい。勿論、都市を離れたところで生活するのであれば別だが。平均年令が低い人口構成だから、今のインフラでも文句が少ないのだろう。
【ハラル】
マレーシアのハラール認証はどのイスラム圏よりも厳しい。そのため、今後イスラム圏に進出したい企業はマレーシアでまずハラールの認定を得て展開を考える。ハラールの認証は飲食の材料加工や調味料。薬をつつむカプセルなど、様々な分野がある。
【プロラジャヤ】
マレーシアでは公務員は相当手厚い。元々、公務員の出社が10時頃からで16時には帰る。その理由は16時頃から渋滞が始まるので早く帰らないと巻き込まれるから。そんな文化があり、マハティール首相は行政区を町ごと作ったのがプトラジャヤです。日本でいう霞ヶ関ですが、そこには国の各省庁とそこに務める公務員専用の住宅などのインフラが整備されています。タクシーの運転手の話によれば、各省庁の建物がそれぞれ異なる。それは首相が海外に行って気に入った建物をそれぞれの省庁で作ったからだとか。広大な敷地に巨大な建設物がならんでいる姿は圧巻です。街全体は人口の湖を周囲に排してその中に行政区を作っています。
プロラジャやの完成度は40%で未だ60%の計画が未達。背景は財政がおもうように回っていないということをタクシーの運転手が言っていた。確かに、その巨大さ、人口3000万人の規模に対する公務員用途と考えると、明らかに課題な投資をイメージした。公務員は一人一つの部屋が与えられており、そのため一つの建物が巨大になっている。将来、人口が増えた時にも対応できるように建物には余裕をもたせているそうだが、40%しか計画が進んでいないというのも納得。
クアラ・ルンプールには、ほぼ全ての施設が充実している。更に加わるとしたらオーケストラの演奏が出来るくらいの劇場くらい。都市の至るとコリには公園があり、人工的に作った池の周りに人が集う景色を良く見かける。
【水事情】
観光客やBusiness客に対しては、基本はミネラルウォーターを買って飲むことを勧める。まだまだ浄水と下水の技術がおいついていない。水処理技術に対しては、日本とマレーシアの双方の政府援助を受けながら、日本の中小企業が進出して技術を提供している。
インフラ全体で街なかにある配管事態が古く、細いため、技術を導入しても直ぐには改善しない。時間をかけて計画的に配管を含めた水回りを改修していかないと品質は向上しないだろう。
マレーシアの経済を支えるBusinessの一つであるパーム油。パームヤシの実を機械で圧縮しながら油を絞りとる単純な工程だが、その過程でかなりの水を使う。その汚れた水の処理は徐々に問題視されているので、ここにも日本の水処理技術が注目されている。知人でパーム油のビジネスを行っている経営者は日本の経済産業省経由で日本の中小企業の技術を直接取り入れている。彼の話しによれば、大阪の中小企業が水処理技術を多数保有しており、日本の大企業におさめている。従って、彼らは中小企業と直接取り引きを行いながら取引単価を抑える仕組みを作っている。
上記のように地域の環境問題を解決する技術に対してはODAの補助金がつきやすい。企業の規模にもよるが、この手の技術を日本から海外に持ち出す場合、段階的に補助金が支給されている。パーム油のビジネスでは、工場に対して日本のISOのような認定があり、その認定のなかに水処理を一定レベルにすることが義務付けられている。その認定がなければ海外に輸出することができないのでパーム油企業も水処理技術の改善に対しては力を入れている。
【パーム油】
油を搾り取るパームヤシは、マレーシアの郊外にいくと至る所でみることができる。クアラ・ルンプールに飛行機で離陸する際に、パームヤシの畑が大規模に広がっている様子が見えた。パームヤシは木を植えて3年程度でヤシが収穫できるようになる。そして20年間くらいヤシは収穫を続ける。これらを絞って油を作っている。その際出た絞りカスは感想圧縮してチップにして日本に輸出する。このチップはボイラーをたくための燃料として用いられる。
マレーシアは国の規程で森林を50%保たなければならない。現在、60%程度が森林で、今後パームヤシ畑の開発が限られていく。そのため近年はインドネシアに進出してパームヤシ畑の開拓を進めている。乾季の今の時期、インドネシアの森林を焼き払い、パームヤシを植える準備をしている。森を焼く作業が昼から夕方にかけて行われるため、夕方頃からマレーシアはスモッグのように、焼いた煙に包まれ、視界がわるくなる。シンガポールも同様に視界が悪くなる。シンガポール政府は抗議をしているが、マレーシアは自国のメインビジネスが関係するためなんとも言いがたいという。
【インドネシア】
日本の製造業も進出しているが、マレーシアのネイティブも同様にビジネスチャンスがあると考えていることが分かる。ただし、マレーシアと違って、インドネシアはビジネスや政治や法律等のルールがコロコロ変わる。従って、インドネシアでのビジネスを行うには、インドネシアでの現地パートナーを持つことがポイントのようだ。チャンスはある一方でまだまだ貧富の差が激しく、治安が悪い部分がある。日本企業であれば、ある程度、マレーシアでモデルを作った後に、インドネシアに展開するというのはあり。
【車事情】
やはり日本車は人気。だが、マレーシアでは日本の車には3倍もの関税がかけられるため、普通の車でも1000万円程度の価値になってしまう。これは、国策として1社存在する車メーカーを保護する目的だろうが、やはり高いと感じる。当然中古マーケットも栄えている。
シンガポールのように車の乗り入れ規制をしているわけではないので都市部は慢性的な重体になっている。朝夕はひどいラッシュが日常的な光景として目に焼きつく。このまま経済が発展すると車の規制は必ず進むとおもう。この背景は、公共の交通機関で通勤する、通学するという考えが若干少ないというのもあるかもしれない。
【結婚事情】
イスラム圏は一人の夫に対して4人まで妻を持つことが許されています。が、最近はそのように振る舞う方が少なくなっているようです。一人の妻に対して家を買った場合、他の妻に対しても平等に振る舞わないといけない。金銭的に問題があると同時に、女性の地位が高くなっているというのがあります。
マレーシアでは優秀な学生は国費留学で国内外で学びます。その半数が女性で成績も女性が平均的に高いそうです。現在では、そのような女性が医者、弁護士、会計士、国家公務員などにつき、地位とお金を持つようになった。そのため独身の女性も増えているようです。これは経済が豊かになっていく時期に観察される現象だと感じました。
【基礎データ】
国土は日本の0.9倍の約33平方キロメートル。人口は約3000万人。
民族は、マレー系(67%)、中国系(25%)、インド系(7%)
言語は、マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語
宗教は、イスラム教(61%、連邦の宗教)、仏教(20%)、キリスト教(9%)、ヒンドゥー教(6%)
政体は、立憲君主制(議会制民主主義)
内政の概況として、2008年3月の総選挙で、独立以来政権を担ってきた与党連合(統一マレー国民組織が中心となる組織が議席を大幅に減らす(90%→63%)とともに、同日実施の州議会選挙(12州)のうち5州で野党が政権を奪取した(野党議員の離党で現在は4州)。その結果、アブドゥラ首相(当時)は政治的求心力を失い、2009年4月にナジブ副首相に政権を移譲してナジブ政権が成立した。
ナジブ首相は、「One Malaysia」をスローガンに掲げる。民族融和と行政改革を前面に打ち出す。市場志向的な新経済モデルの提示。2020年までの先進国入りに向けたロードマップに相当する政府変革プログラム、経済変革プログラム等を発表して、各民族・階層からの与党連合への広範な支持回復を図っている。
一方、アンワル元副首相が2008年8月に下院補欠選挙で当選して以降、野党連合首班として名実ともに野党を牽引するほか、野党連合は次期総選挙を控えて連携を強化している。
2013年5月5日、総選挙が実施され、ナジブ首相率いる与党連合が現有議席から2議席減の133議席を獲得して勝利した。翌6日、ナジブ首相が再任し、16日に新内閣が発足した。
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マレーシア視察報告
コモディティ業界のリーダーの価格戦略
早嶋です。
コモディティ化している業界。今後、コモディティ化するであろう業界。どちらも、業界全体の商品(製品やサービス)供給量と市場全体の需要をしっかりと把握する必要があります。また、その中で業界が得られる全体の利益を左右するのはトップの企業の戦略であることを理解する必要があります。
■業界の供給量が市場の需要よりも少ない時。
この場合、業界に参入している企業は総じて黒字化します。ただし、最も利益を得られるのは、1位の企業です。商品の供給量が大きい企業ほど1つあたりの製造単価と販促コストが下がるということを前提とします。
この場合、
1位の企業の利益の総額>2位の企業の利益の総額>3位の企業の利益の総額>・・・
となります。これらを極端に考えてみます。
企業が販売している量:x、 企業が生産するコスト:y、と表現すると(x、y)と表現できます。
例えば、1位の企業は販売量が5、コストが3で(5、3)
例えば、2位の企業は販売量が4、コストが4で(4、4)
例えば、3位の企業は販売量が3、コストが5で(3,5)
例えば、4位の企業は販売量が2、コストが6で(2,6)
例えば、5位の企業は販売量が1、コストが7で(1、7)
だとします。
上記の場合、業界全体の商品供給量=5+4+3+2+1=15になります。
市場全体の需要が15よりも大きい場合は、どの企業も利益を得ることができます。供給量が市場が求める需要より足りていないので高くても購入されるからです。
ちなみに市場の平均的な供給価格が8だとすると、
1位の企業の利益は5×(8−3)=25
2位の企業の利益は4×(8−4)=16
3位の企業の利益は3×(8−5)=9
4位の企業の利益は2×(8−6)=4
5位の企業の利益は1×(8−7)=1
となります。
上記の場合、業界全体が得られる利益=25+16+9+4+1=55になります。
■業界の供給量が市場の需要よりも大きくなった時。
この場合、業界に参入している企業の一部が赤字になります。当然、販売量が大きい企業は利益を得ることが出来るでしょう。しかし、市場全体の需要が小さくなるため、提供価格は良くて維持、通常は下落します。従って、各企業の利益も減少します。
仮に市場の均衡価格が8から7に、市場全体の需要が14に下がったとします。この時、5位の企業は市場から追い出されます。かつ、4位以下の企業も自社の利益が目減りします。総じて業界が得られる利益も減少します。
1位の企業の利益は5×(7−3)=20
2位の企業の利益は4×(7−4)=12
3位の企業の利益は3×(7−5)=6
4位の企業の利益は2×(7−6)=2
5位の企業の利益は0×(7−7)=0
となります。
上記の場合、業界全体が得られる利益=20+12+6+2=40になります。
■この状態で1位の企業が価格を更に下げてシェアを拡大を目指したとします。
市場の均衡価格が7の時、1位の企業はコスト3で対応可能なのでシャア拡大目的で価格を一気に5まで下げたとします。1位の企業はコスト3なので5で販売しても利益2を確保できます。この場合、市場の需要が14のままだとすると、
3位の企業の利益は3×(5−5)=0
4位の企業の利益は2×(5−6)=△1
となるため、3位の企業、4位の企業は市場から追い出されます。結果、1位の企業は価格を下げることで、3位の企業の販売量3と4位の企業の販売量2の合計5を獲得できます。
その時に1位の企業、2位の企業の獲得する利益は以下のとおりです。
1位の企業の利益は(5+3+2)×(5−3)=20
2位の企業の利益は4×(5−4)=4
上記の場合、業界全体が得られる利益=20+4=24となります。
つまり1位の企業はシェアを獲得することは出来ても1位の企業としての全体の利益は変化しません。更に、1位の企業が値下げを断行したことで業界全体が得る利益は大幅に減少したことがわかります。
■今度は1位の企業が価格を少し下げてシェア拡大を目指したとします。
市場の均衡価格が7の時、1位の企業はコスト3で対応可能なので提供価格を6にしても利益は3出すことが可能です。この場合、市場の需要が14のままだとすると、
4位の企業の利益は2×(6−6)=0
となるため、4位の企業は市場から追い出されます。結果、1位の企業は価格を少し下げることでも、4位の企業の販売量2を獲得できます。
その時に1位の企業、2位の企業、3位の企業の獲得する利益は以下の通りです。
1位の企業の利益は(5+2)×(6−3)=21
2位の企業の利益は4×(6−4)=8
3位の企業の離型は3×(6−5)=3
上記の場合、業界全体が得られる利益=21+8+3=32となります。
つまり1位の企業はシェアを獲得して、かつ若干ですが利益を拡大することが出来ました。勿論、この場合も1位の企業が値下げをしたことによって業界全体が得る利益は32となり減少していることがわかります。
1位の企業がシェアを無理して拡大する場合、シェアは確保出来ますが、市場全体の利益と自社が取れる利益の総数を減少させることになります。また、シェアをある程度維持して、1位と2位の均衡を作ることによって、自社の利益を最大化することが可能になります。1位の動きが業界全体のシェアや利益を左右するのです。
アジア企業の台頭と衰退は抗体の時期が潮時
早嶋です。
台頭するアジア企業。その勢いが続く今、社長が交代するタイミングで崩壊を招く可能性があります。多くのアジア企業は欧米企業と異なり、同族経営によるガバナンスの維持が多く、後継者体制を創っていないからです。
例えば、欧米型の後継者育成、次世代リーダーの育成は徹底しています。1兆円を超える規模の企業は、将来のトップ500人位を5年から10年かけて明確なキャリアパスの基に経営者や経営幹部に育成しています。社長候補であれば、その中から4名から5名に絞り込む。最終候補者には、5年から10年のスパンで小会社の社長などの役職で成果を競わせます。そして生き残った経営者が継ぎのCEOとなり企業全体を率いていくのです。このようなやり方ですから選考に漏れた経営者候補は、一緒になって盛り上げるか、去るかです。しかし去った経営者は他の企業からスカウトされ破格の待遇でトップに迎えられることが多いです。それほどまで教育がしっかりしていて実力も伴って来ているということです。
一方でアジア企業の世襲、同族企業の場合です。サムスン電子のイ・ゴンヒ会長。LGグループのク・ポンム会長。長江実業グループのリ会長。ロッテグループ、タタ・グループなど。どの企業も現在のトップがカリスマ経営で絶対の決断力でグループを牽引しています。が、現在のトップがすごすぎて後継者体制がおろそかです。
サムスンは年間に1000億円もの投資を人材育成にかけて次世代の経営者候補を育てていますが、現在の息子が継ぐ限り崩壊の可能性が高いと思います。今の経営者のカリスマがなく、態度がきょくたんに悪いからです。おそらく世襲とともに優秀な社員が大放出されることでしょう。これは他の競合他社からするとかなりの人材獲得のチャンスになります。
アジア企業の日本企業のM&Aにおもう
早嶋です。
アジア企業が日本企業やそのブランドをM&Aした時に、うまくいった事例といかなかった事例があります。
■うまくいった事例
なんといってもラオックスのM&Aです。2009年に蘇寧電器が買収。買収した蘇寧電器は中国の家電メーカーです。中国旅行者が来日した際にもラオックスでお買い物、しかも免税価格。それが浸透したので中国でもラオックスのブランドを付けてビジネスを展開しています。一時期、日本の家電量販店でラオックスはいち早く中国に身売りをした、などと言われましたが、いまでは蘇寧電器と一緒に非常に良いシナジーを生んでいます。当時の家電量販店からすると立派な勝ち組ともみることができますね。
レノボ。これも中国の家電メーカーです。IBMの事業部門であるThinkPadを買収したとき、5年間はIBMのブランドで販売してよいという交渉を得て事業部を買収。順調にThinkPadのブランドを活用して展開しています。更に最近はNECのPC部門をM&Aしています。2011年にはNECのブランドを用いて販売を行い、国内トップシェアを獲得しています。買収した企業のブランドの活用の仕方、自社との統合の仕方が非常にうまい企業です。
ハイアール。中国の家電メーカーです。三洋電機の洗濯機、冷蔵庫事業、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムでの家電販売事業を買収。これによって2011年から一気に日本国内と東南アジア市場でのシェア拡大を行いました。
■うまくいかなかった事例
香港のセミテック。往年のオーディオメーカーであった赤井電気や山水電気を買収しました。ともに名門メーカーではありましたが、統合後、経営悪化。そして経営破綻。その後、香港のグランデグループに売却しています。
山東如意、中国の繊維関連企業です。レナウンを2010年に買収。しかし買収後も業績は悪化。その原因は中国幹部と日本幹部の経営対立で本来の統合したゴールに向けての経営がおろそかになったのでしょう。経営は迷走しています。
サミットグループ、タイの自動車関連の企業です。2009年にオギハラを買収しています。しかしサミットの経営方針に基いてリストラを断行。従業員を半減しました。直接の要因はよくわかりませんが、こちらも2010年には館林工場を中国のBYDに売却して、結果的に金型技術を拡散してしまう結果になりました。
上記を見ていて、共通に言えることは文化の一致です。互いの企業文化が不一致で経営が統合されなかったと考えられます。特に中国の勢いのある企業経営者の多くは欧米で経営手法を学んでいるため日本企業との時間感覚が合わなかったのもあるでしょう。また、セミテックなどは、お金だけだして結果丸投げ。音響のようにマニアを相手にしないといけないビジネスは細かなマネジメントを継続しなければビジネスは継続しません。その特徴を理解しないまま現金を投入したと考えられます。
統合作業の準備は両者が基本合意を結ぶころから初め、クロージング後すみやかに統合することが重要です。しかし、そもそもの資本を一緒に行った理由を考え数年のスパンでモノゴトを考える重要性も買収側には必要ということ。短期的にバランスシートを改善するスタイルは日本企業を買収するM&Aに向いていないと感じます。
顧客は資本比率を見て利用なんかしないはず
早嶋です。
客は資本比率など考えないはず。JALと名前がついていればJALの会社だと思う。そう信じているからJAL便に乗る時に信用して宿泊すると思う。冠をつけるのであれば、出資比率に関係なく、JALとの情報共有を図るべきだと思います。
なんのことか?と思ったことでしょう。
今月は週末毎に大雪の東京。2回とも羽田⇒福岡の移動に苦戦しました。昨日は、様子を見てJALシティホテルに宿泊し、朝一番に空港に行き、欠航情報等の確認と手続きを済ませました。
さて、そのJALシティホテル。昨日の夜と今朝、受付にて羽田の運行状況を確認するも不確かな情報ばかり。特に、JALの飛行機の動向や内部の情報等は皆無。それもそのはず調べて見ると2010年9月30日に主要株主が株式会社ホテルオークラに移行しているからです。つまりJALの会社ではないのです。
ホテルオークラなのでJALの内部情報を共有出来ない。理屈はわかります。しかし、今回のような場合、大雪で空港が麻痺しているとか、空港で何かおきているときなどは、もう少しホテルの受付でJALの情報を提示しても良いのではないでしょうか?それがないのにJALの名前を使うことは、オークラはともかく、JALが自身のブランドを損傷することになるのでは?とふと思った次第です。
ーー
1970年に日本航空の出資により、日本航空開発株式会社として設立。1996年7月1日には、ホテル・オペレーターとしての事業内容をより的確に表す名称、「株式会社JALホテルズ」に変更した。 1999年4月1日には、日本航空グループ企業体質強化策により、「銀座日航ホテル」と「川崎日航ホテル」を所有・運営していた同グループの「日本航空ホテル株式会社」と合併、顧客へのイメージ統一、経営の安定、財務基盤の強化を図った。更に、従来の所有・経営型から運営特化型へとビジネスモデルを転換、「日本発のグローバルホテルオペレーター」を目指し、運営受託によるチェーンの更なる拡大を図る。2010年9月30日、主要株主が株式会社日本航空インターナショナルから株式会社ホテルオークラへ移行し、ホテルオークラの連結子会社となる。オークラホテルズ & リゾーツのパートナーブランドとして「ニッコー・ホテルズ・インターナショナル」および「ホテルJALシティ」のブランド名を継続、オークラグループとの連携により、それぞれの事業のシナジー効果を高めながら、顧客の利便性の向上を図る。
参照:http://www.jalhotels.com/jp/mediaroom/outline.html
ーー
市外局番は追加しよう!
早嶋です。
企業と顧客が接する部分をコンタクトポイントと呼びます。
今朝、地方の駅からタクシーに乗ろうと思いタクシープールに。雪の影響で止まっているタクシーがなかったので電話をかけようと看板の番号を確認。が、市外局番表示がない。これって携帯電話が契約ベースで98%を超えている昨今、見なおしたほうがよいですよね。
企業がマーケティング活動の一環として当たり前に出している広告や看板のメンテナンスってどの程度意識されているのでしょうか。おそらく、代理店にお金を払って丸投げのところも多いのではないでしょうか。そもそも駅近くでタクシーを拾う人のことを考えた場合、どのような行動をとるだろうか?を踏まえたプロモーションが重要です。
自分が顧客になったつもりになって、日常の活動を見なおしてみる。或いは、その製品やサービスを未だ使ったことがない人に試してもらって定期的にフィードバックをもらい提供している商品の検証をする。とても重要だと思います。
オリジナル VS 後追い
早嶋です。
企業の戦い方を見て感じること。
はじめてその分野を切り開いた企業は、必ずと言っていいほど、何かしら、「社会を変えたい、良くしたい!」というモチベートされる何かを持っています。そのため常に商品(製品やサービス)のあり方、届け方、顧客がその商品に触れやすくする。顧客が触れた後も、再び活用して頂くように工夫する。同じようなお困り事を持っている人に対して、ユーザーどうしが紹介したり、宣伝してくれたりしやすいようにする。
と、徹底的に顧客をみて、顧客のお困り事を解決することを考えます。結果、それが顧客に伝わり、それを必要とする方々の中でその商品が広がっていきます。するとそのジャンルが新しい市場として認知されます。その規模が徐々に大きくなり、他社からしても魅力的になれば、多くの企業がその市場に参入していきます。
ここでオリジナルの企業と2番手以下の企業に大きな特徴がでてくると思います。オリジナルの企業と比較して、後追いした企業の多くは顧客の顔をみるよりも競合の商品や競合の動きを観察します。そして、より効率的に、より効果的に商品を販売して利益をだす方法を考えます。これを繰り返していくことで、確かにその市場全体に多大なる資本が流れより良い商品がより低コストで効率的にできるようになります。
しかし、2番手以下の企業が増えすぎると実際はほとんどの企業が顧客のお困り事にフォーカスしなくなるために商品だけが一人歩きをする。市場が膨れるともっと大量に商品を作って販売したくなるために、ますます平均的な商品ができてきて顧客のお困り事にもフォーカスしないので結果不必要な機能がどんどん追加されていく。沢山の量を作るために多大なる設備投資をする。投資を早期に回収するために、積極的に販売促進を行う。売れ行きが悪くなると価格を調整してコストをしのぎ始める。
ふと考えると、沢山作らなければ沢山得る努力をしなくてもよいのでは。特定の顧客にフォーカスして、その分で成形を立てられるようにするとよいのでは。沢山の量を作って、売るためにお金をかけて、場合によってはセールをおこなう。何かいまの時代に逆行している感じがします。
もちろんビジネスとしてどれも正解です。成熟した社会のあり方と成長まっただ中の社会でのあり方は異なります。その正解を決めるとは企業をひっぱているトップの想い、源泉になると思います。
ベンチャー、3つのステージ
早嶋です。
日本のベンチャー企業に役員クラスを派遣する人材紹介業の社長と会食をしました。
ベンチャーとは?という話に、「新しいモデルで、社会を良くする企業」というふうにお話されていました。私がイメージしているベンチャー企業は成長を求めるものだと思っていましたが、社会を良くするという最も重要と思われる原動力を重視している。これは改めて、整理が出来たポイントです。
彼は元々、金融機関でベンチャーキャピタリストとして名だたるベンチャー企業に出資する側にいました。お金を出す側の最大の目的なキャピタル・ゲイン。つまり投資したがく以上のリターンを早期に回収することです。長年そのポジションで仕事をしてきて感じたそうです。「源泉がお金では長続きしない。」と。確かに出資側に対しては一定のリターンが入ってくるので利益からすると成功です。しかし、その出資した企業は長続きしない。いったい何のために仕事をしているのか?疑問を感じ始めたのでしょう。そのこで、その会社を退職して、今の会社を起業されています。
早嶋はベンチャー企業は3つのステージがあると思います。
ゼロの時期。子供に例えると、受精から妊娠までの期間でしょうか。勿論、それまで起業をする仲間との出会いや、ビジネスチャンスの発見や、自社の強み、あるいは起業家自身の強みなどの醸成があります。中でもリスクを背負ってまでも志を貫くには何らかの共通したマインドがあると思います。起業家精神。ことばで書くと非常に単純ですが、100人のアントレが入れば100通りのマインドがあると思います。しかし、強烈に何かを成し遂げたい意思と根性があり、それがベースに行動を起こす、そして継続するモチベーションとなっていると。かつ、超不安定な状況でも、徹底的にやばい状況に落ちても、自身のマインドをベースになんとかする力が共通にあるのでしょう。これらをゼロの時期に養っていると思います。
ゼロから1の時期。起業して1年程度生き残る、或いは最低3年持ちこたえる時期。最初の1年程度は、集めた資本金や手出しの金額でどうにかなりますが、それを超えると相当なキャッシュリッチな個人か組織で無い限り、キャッシュアウトに陥り終了です。従って、そのくらいの時期まに構想したビジネスの仕組みを検証して、自分たちでキャッシュが回る仕組みを創る必要があります。もっともベンチャーの一つ目の定義で新しいモデルを追求する場合に、その程度の時期でキャッシュが回るようにならないのでは?と思うかもしれません。が、その頃までに、将来の可能性に追加投資してくれる資本家を探すための下地作りがなければ全ては絵に描いた餅になります。
そして、ベンチャーが飛躍的に伸びるであろう1を10以上に跳ね上げる時期です。ベンチャーは子供の成長ににています。誕生からの1年とか3年ころまでにしっかりと下地や想いを固める。親の思いや愛情をたっぷり注ぎ、思考や行動や体力のベースを作る。それを踏まえると時期はマチマチですがブレークする時期がくるのではないでしょうか。
想いや志、そしてそれは社会を何らかの形で良くするという源泉につながります。ベンチャーが生み出した新しいビジネスには決まって参入者が現れます。彼らの想いは、売上を◯◯円とか、1位の企業を抜くとか、ベースに目指すものが競合や競争相手になることが多いです。従って、利益を追求しすぎて結果、顧客を見ない。一方、オリジナルの企業は元々の源泉がことなるため、顧客に目線に注ぎ続けます。結果、研究開発の方向性も常に顧客が感じているギャップを補う一助になる。これが差異、競争の源泉となるのです。
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