都内の医療関連会社が、医療法人を次々と買収をかけ、あたかも資金があるかのように見せかけて、粉飾決算を行っている、という話がありました。病院に目を向けた背景は、監査法人が見破りにくい事、病院は資産評価がしにくいというところです。
富士バイオメディックスの事件です。同社は名証セントレックスに上場していたH19年5月の決算で赤字であったのを、8億円程度の黒字として金融商品取引法違反の疑いがもたれています。
元々複数のペーパーカンパニーを利用して架空の取引を起こし、売上を水増ししていました。しかし、監査法人に疑問を持たれます。そこで考えたアイデアが病院の買収だったのです。水増しのための費用を経理操作として使ったのです。実際は、10億円程度で買収した医療関連法人を70億円程度で買収したように装い、60億円の差額をねん出して埋め合わせを行ったのです。
M&Aを不正に活用して、M&Aのイメージを損ねた今回の事件、本当に残念です。
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2011年1月 のアーカイブ
不正なM&A
報道の仕方と受け止め方
いつからでしょうか?テレビでの報道が過度に偏っているかというか、その報道をあまりにも鵜呑みにするというか。
ネットが発達してもやはり、まだテレビの影響力はあります。テレビの視聴者は、無意識のうちに洗脳されるがごとく、報道された内容の通りに感化され、そのまま世論となります。
これには両方に問題があります。まず、報道という立場。報道する側は、ニュースに事実的な内容飲みを伝え、そこに感想や感情を込める必要はないと思います。例えば、どこかで事件が起きた時、その事件をどのように考えるのか?は報道を受けた消費者が考えることです。報道する側が消費者を方向付ける必要は無いと思います。
しかし、アナウンサーは時として自分の感想や感情を込めて伝えている場合があります。表情はまだしも、言葉の端々に形容詞をつけて伝えています。一個人の感想としては確かに問題無いでしょうが、報道という立場では、その内容がそのまま公共に流れるのであることを考えると、やはり事実だけを伝えて欲しいとおもいます。
今度は視聴者側の問題です。それは簡単に報道やメディアに流されるということです。そして、意識的にか無意識か、その内容に同調している事です。問題解決のなかでも、起こっていることは現象として捉え、それはいったいどういう事か?という視点で、様々な視点で物事を解釈していきます。
しかし、多くの視聴者はその視点が全てであるように受け止め、考える作業を怠り、メディアが提供している視点にのめり込んでいるのです。従って、画一的になります。考えなくなります。
報道による受け止め方は、本人の役割りなので、人によって様々に受け止めて良いと思います。しかし、なかなかそのような事は起こらない。
常に自分の考えや意見を持つことが大切です。
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2:8の法則を体感する
いくつかの教育機関から話を伺いました。2:8の法則はやはり当てはまる。
例えば、1年程度のコーディネーターを養成するプロジェクトに講師という立場で参加させて頂きました。1年間の間、事務局と講師で考えたカリキュラムを提供しながら、参加者はコーディネーターとしての学習を積んでもらいます。参加者は、手挙げ方式で自主的な参加にもかかわらず、最終的には6割程度の方々が認定され、その他の2割程度の方はもう少しのところまででした。そして、2割の方は音信不通です。
例えば、ある教育機関で大学の例です。通信教育で学位が取れる大学です。最初の1年はほぼ100%近い学生が熱心に議論をするのですが、2年目、3年目になるにつれて音信不通の学生が目立ってきます。大学ですからもちろん自分の意志での入学です。
2:8の法則は、経験則で、組織の2割の人が全体の組織を引っ張り、6割の人はその組織に追従して成果を上げる。しかし、2割の人は活躍しない。という内容。
経験則ではありますが、どのような事にも当てはまります。やはり多くの活動は正規分布になり、できる人からできない人までまんべんなく偏っているという事でしょう。
組織って、面白いですね。
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交渉の身近な事例
本日は、新宮町役場にて交渉のワークショップでした。
その中で出た事例です。内容は平易ですが、交渉を考える上で非常に重要なコンセプトが混じっていますので紹介します。
■事例
3人家族で旅行を計画していた。交渉の内容は、以下の通り。
妻:安く抑えたい、海に行きたい、ホテルに泊まりたい
夫と子供:少し予算を上げたい、山に行きたい、旅館に泊まりたい
さて、この内容で永遠に議論しても平行線をたどるだけでしょう。
そこで、双方の利害を分析します。
そもそも、なぜ旅行に行くのか?すると、次のような共通のゴールが明らかになりました。
1)最近仕事が立て込んでいて計画していた旅行が行けていなかった、休養の目的
2)夫と息子の関係が一時的に悪化していたため旅行をきっかけに仲直り計画
つまり、互いに海や山を議論しても根本的な解決になりませんが、そもそもなぜ旅行に行くのか?という共通のゴールに対しての妥協点をそれぞれの利害関係者が見つけていくように互いが譲歩したら交渉は成立していくのです。
妻が予行の予算を少し抑えたい理由は家計を任されており、少しの予算オーバーが年間の計画を狂わすことを懸念していたから。一方、夫は久々の旅行であるから前回分を少しくらい上乗せしても良いと考えた、更に息子との仲直りなのでいつもより景気を良くしたいと思っていた。
共通のゴールを理解出来れば、それぞれがそのように主張していることも筋が通っていることが理解できます。後は、それぞれが共通のゴールを満たすように話し合えば良いのです。
生産年齢人口の減少って?
例え話です。ある国では住宅だけの産業が存在したとします。
その国では、ベビーブーマーが高齢化し、退職する一方で、少子化が進み、子供が少なくなったために生産年齢人口が減少していました。そこで、生産体制を強化するために、住宅を提供するまでの殆どの作業が自動化されロボットによってある程度は生産できる体制が整っています。
ところが肝心の消費者が家を購入しなくなっています。消費者の頭数が減少しているからです。高齢化したベビーブーマーはお金を持ってはいますが、将来の日本に不安を抱え、年金の一部までを貯蓄に回し、あまりお金を使おうとはしません。また、生産年齢人口の世代は家が買いたくてもお金がありません。がんばって購入する生産年齢人口の世代もいますが、昔よりもずいぶんと数が減ってきています。
その結果、住宅産業では大量の在庫が発生して、仕方が無いから時々採算割れ覚悟の価格で住宅を叩き売りの状態で処分していました。
そんな時折、その国のマクロ経済学者は、わが国はデフレが起きて価格が安くなっている!という解釈を行います。そこでその国の政策としては、じゃんじゃかとお金を刷りまくれば、住宅のたたき売りが無くなる!ということを信じます。
しかし、この政策はあっているのでしょうか?もし、お金をじゃんじゃか刷って、そのお金で公共事業をじゃんじゃか行って、そのお金が国民の手元に還元されたとしても、それを受け取った国民は住宅を購入するでしょう。
しかし、ベビーブーマーが若かった当時と比較して、その国の生産年齢人口はとても少なくなっているので、やっぱり住宅はそこまで売れません。リタイアしたベビーブーマーは既にローンの返済を終えた持ち家を持っているので住宅の購入に興味を示しません。
そんなこんなで結局、その国の住宅産業は低迷を続ける事態には何ら変りが無いのです。
さて、これは住宅産業に限った話ではなく、自動車産業、電化製品などにも相当するでしょう。そう、現在の世の中、景気がよくなる!と言うのは神話かも知れません。人口ピラミッドのいびつな形が示すように、顧客である生産年齢人口が一気に減少しているのです。
たとえ話かもしれませんが、日本の現状の本質と大きく変わらないでしょう。
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柔軟な発想
2、4、6
この数字の並びを見てどのような規則を考えますか?
おそらく、偶数、2の等差数列、などと聞こえてくるでしょう。しかし、違います!と言われたら、えっ?と思うでしょう。
次の数列も、同じルールで並んでいます。
4、6、8
ほら、やっぱり、どう考えても2の等差数列。でも、違う。えっ・・・。じゃ。
3、5、7
5、7、9
絶対、2の等差数列!でも違います。
5、10、15
あー。単なる等差数列ね。なーんだ。違います!えっ・・・て。
1、5、9
9、15、21
・・・・
1、5、6
えっ?・・・
10、11、19
・・・・
正解は、左から小さい順に3つの数字を並べている!
人は、物事を複雑に考えます。そして、自分が考えた答えが大好きです。そして、その考えを支持します。それが故に、自分の考えを正当化するように検証していきます。もし、この段階で違ってきたら、それでも自分の考えを曲げず、他の人や他の環境が間違っているのでは?とまで考えるかも知れません。そして、都合が悪くなると考えなくなるのです。つまり、思考停止します。
上記の数列の例は、行動経済学の論文を参照しました。確かに等差数列で正解です。しかし、それは始めのいくつかの数列には当てはまります。突然、自分が考えたアイデアと違ってくると、自分の考えを曲げずに、多くの人が、書いている数列が実は間違っている!と考えるかもしれません。そして、だんだん考える事を停止したと思います。
そう、人は自分の考えに固執します。そして、物事を自分で複雑にするのです。と言うことは、シンプルに簡単に考え、自分の考えは仮説であって、絶対解ではないよ。他にも可能性は沢山あるよ!って考えることが発想を柔軟にすることかも知れません。
ファシリテーション・ワークショップ @東芝
早嶋です。
昨日、本日の2日間、東芝研修センターにてファシリテーションのワークショップでした。こちらのワークショップ、東芝研修センターの人気コースになりつつあります。年に2回程度の開催ですが、毎回、参加者の中の1/3程度が紹介です。
例えば、上司の方が前回受けて部下に「この研修に行くといいよ」という感じで紹介していただいています。このような話を聞くと非常にうれしくなります。
今回も参加者の方々からうれしいフィードバックを頂きました。お疲れ様です!
グローバル化の波
グローバル化。皆さんの周りにも深々と定着している言葉ですね。
グローバリゼーション1.0
1492年頃から1800年頃。世界では大航海時代に突入します。ヨーロッパの探検隊が新しい大陸を求めてアメリカ大陸やインドへ航海を続けます。一方、日本は安土桃山時代を経て徳川家康が征夷大将軍に就任します。江戸幕府はキリシタンを禁止して天草一揆を経て長い鎖国に入ります。
グローバリゼーション2.0
1800年頃から2000年頃
産業革命がおき、工業化の時代に入ります。鉄道、航空、海運輸送における確信や通信技術など、グローバルなインフラが確立されます。マイクロソフトのOSが果たした役割も大きいです。日本は鎖国を終え開国を迎えます。富国強兵、殖産興業。欧米に追いつけ追い越せでこれまでの模倣体制からやがて洗練へ進みます。
グローバリゼーション3.0
2000年以降
個人や企業の活動が国境をあまり意識することなく世界とつながるようになります。日本では成熟社会を向かえいびつな人口構造がGDPを押し下げます。パラダイス鎖国、ガラパゴス化、様々に言われる中、政府が介入しなかったアニメやIT、ファッションの世界を中心にクールジャパンが定着。一瞬世界が日本かすることも考えられました。
トーマス・フリードマンの著書をもとに作成してみました。
カンニングOKの世界
携帯あるいはネットワークから遮断されて何日間耐えられますか?
1日以内・・・。
これはデジタルネイティブにとったら健全な状態でしょう。超情報化社会の中で、いまツイッターや他のSNSを見ながら情報を取り、その内容にインスパイアされて創造的な仕事を行う。これは当たり前だと思います。
方や大企業はコンプライアンスという名のもとに上記の活動はほぼ禁止されます。ツイッターやfacebookなどは情報漏えいの根本!ということで企業からは使用を禁止されます。ただしこれは国内の企業です。しかし外資はOK。この理由は社員を大人扱いするから。外資は大人としての扱いをするのからです。もちろん責任に対しても大人扱いです。
例えば、最近のエンジニアはシステム構築に躓いたときにはどうするでしょうか?基本はWebの世界にアクセスして使えそうなソースを活用するでしょう。しかし、日本で働いていたら、『それってウィルス大丈夫?』となって、ゼロからソースをコーディングするという旧来的な発想になります。そう、こうやってドンドン世界標準から距離を置かれていくのです。
ビジネスはカンニングOKなのに。
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世界が一つになったら成果と給料は?
日本企業の初任給が20万円前後です。中国での初任給が4万円前後です。
世の中がフラットになれば、真っ当な経営者は日本の相場で1人の人材を確保することよりも、中国の人材を5人確保することを考えるかもしれません。彼ら彼女らは、20万円の給料を支払う人材と同等あるいはヤル気ではそれをしのぐ仕事をするでしょう。
とすると、今後の日本企業に入社したい、就職活動をしたい方はどのような意識が必要なのか?あるいは自分をどのようなポジションに持っていきたいのか?良く考える必要があります。
そして、何もこのことは新入社員だけの話ではありません。入社して安泰だと思っている社員にも同等のことが言えるかもしれません。
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