早嶋です。
一連のパンデミックは、過去にも多くの人が予測したものです。映画の世界にもなっていますし。多くの政治家から個人レベルまでその認識はあったと思いますが自分も含めて、誰も予測ができなかった危機という解釈をしています。そう理解することで自分を安堵させているかもしれません。
過去には、SARS、H1N1型インフル、MERSなどがあり、それは十分な警告で、その事例を自分ごと捉えて準備をしておくべきでした従い、今回の一連のコロナウィルスは起こるべくして起きた危機だと捉えられると思います。しかし、世界を見渡すと、と言ってもニュースやWebで見るだけの情報ですが、国によって対応がバラバラ。というかその国を納めている政治家の様子がはっきりと投影されています。
イタリアやスペインは今回のコロナの影響というよりは、その因果はもともとの医療体制や福祉体制の脆弱さが露呈されていると思います。これはフランスも同じです。台湾や韓国は先のウィルスに対して準備を行っており対応は正しく他の国々と比較して初動は早くうまく対応していると思います。米国やブラジルはやはりその統治スタイルで軽視しすぎていた結果が露呈しています。中国は今後四面楚歌になるのではないか?というほど、あるいみらしい行動です。はじめは情報を隠蔽。やばいと思ったら資源を総動員してことを収めて、自分たちの勝利を祝っています。
世界の傾向は、今後は融合するのかと言えば、無いでしょうね。よりポピュリズムが強くなり、しいては独裁主義のカラーがつよくなる。そして米国は以前のロシア(旧ソ連)を中国にシフトしてこれまで以上に激しくぶつかると推定できます。それぞれの国は、ロックダウンした政治家はその影響よりも自分たちが取った成果をアピールすることでしょう。社会的な距離を取ってコロナを収めた政治家は、他の国を批判して自分たちの行動を正当化するでしょう。
最後に地球が矯正リセットされた時期を第二次世界大戦としたら、今回はこれまで史上はじめて地球全体がリセットされる出来事です。その意味で、コロナ世界大戦(Worl War C)という言葉が既に生まれています。そして2020年、ひょっとして2021年はコロナ前、コロナ後でBCとACと表記されるくらい劇的に全てが変わると思います。
2020年4月 のアーカイブ
WWC
【動画】M&A編
ビジネスインプット基礎講座『M&A編』では、小規模M&Aに関係するコンテンツを中心に整理しています。コンテンツは、当社代表が関与する株式会社ビザインと一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会のコンテンツも合わせて紹介します。
M&Aに対しての概要や全体像を知りたい方は、こちらの「誰にでもわかるM&Aセミナー」を確認ください。JMAA日本M&Aアドバイザーの代表理事大原さん、専務理事松原さん、理事早嶋の3名で解説しています。
M&A譲渡のタイミング(売り手の戦術の選択肢として捉える)
今回の講座は、売り手企業が売却を決めるタイミングについて10分程度で整理しています。
買収したもののPMIが上手くいかない
買収はしたももの、PMIがうまくいかない、残念ですが、よくお聞きする悩みです。なぜPMIがうまくいかないか、原因についてガッチリ説明します。
買収したい会社が持つからない
M&Aに取り組んでいるとき、自分にあった会社、買いたい会社が見つからない!なぜそんな状況が起きるのか、解決策もあわせて解説します。
買い手はM&Aがゴールではない!
買収したいという方からの相談に乗っているときに、そもそも買収のことだけ考えていて、いいのだろうか?という素朴な疑問が浮かんできました。買収以外に考えなければならないことと、買収するための知識、相談の場が必要、ということについて考えてみました。
M&Aアドバイザーの報酬は高いか?
M&Aで買収金額やアドバイザリー報酬が高いという悩みの原因を探って、解決策を示します。
◾M&A対談
バトンズ大山社長とJMAA大原の対談(2020年3月)
30年以上のM&Aビジネスのキャリアをお持ちの大山社長からお聞きする日本におけるM&A業界の歴史をベースに今後のM&A業界、とくに中小企業のM&Aがどうなっていくのかについて対談形式でお届けします。
トランビ高橋社長とJMAA大原の対談(2020年4月)
小規模M&Aのマッチングサイトを展開する高橋社長からお聞きする日本におけるM&A業界、特に小規模M&Aの実態や今後について対談形式でお届けします。
◾個人マイクロM&A講座
売買価格1,000万円以下の案件をマイクロM&Aと読んでいます。本講座では、買い手がM&Aアドバイザーに業務委託すること無く、自らM&Aを行うための考え方やノウハウを整理しています。金額が小さいからアドバイザー不要という考えは危険ですが、アドバイザーを付けないのであれば、それなりに知識武装しておことは大切です。
個人マイクロM&A講座①:マイクロM&A成功のポイント
個人マイクロM&A講座②:売り手が注意すべきポイント
個人マイクロM&A講座③:買い手が注意すべきポイント
個人マイクロM&A講座④:マイクロM&Aのスキーム
個人マイクロM&A講座⑤:マイクロM&Aのデューデリジェンス
以下、動画を随時アップします。
個人マイクロM&A講座⑥:マイクロM&Aのバリュエーション
個人マイクロM&A講座⑦:マイクロM&Aの契約で決めるべきこと
個人マイクロM&A講座⑧:買収後の成功要因
無形資産へのシフトの結果
早嶋です。
事業買収を行う場合、実物の有形固定資産に対しては明確な記述対象となるけれども、その他の顧客との信頼関係やブランドの価値や製造ノウハウや集客ノウハウなど、実際に事業に必要不可欠な資産は表現がむずかしい。それらを認識して資産と上げると無形資産となります。
例えば、ある会社を現金1,000で買収します。資産や負債の正味の時価が600でした。通常のれんは差額で算定されるので、無形資産の認識がなければのれんは400です。一方無形資産が300だと認識されていれば、のれんは100です。
国の勢いや状況を示す国内総生産GDPは、消費、投資、政府支出、純輸出の価値の合計で、最近まで全て有形資産でした。しかし経済は有形資産よりもソフトや企業間の取り決め事項や社内のノウハウの蓄積など無形資産に価値がシフトしていると思います。これらは1960年代とか70年代にアルビン・トフラーがポスト工業化で非物質的なモノが経済にインパクトを与えることを推定していたこともあり、当時から広く受け入れられた概念だったようです。
2000年頃より始まったIT革命、2007年頃より始まったスマートエコノミー。実態経済だけでは記述ができない新たな経済空間に対して大前さんはニューエコノミーという概念を提唱しました。当時、企業の研究者だった私は、なんとなく研究アイデアや特許のことを言っているのかな?と思った程度だったのを思い出します。
無形資産に対して、他の文献や書物を読んでいると、メリーランド大学のチャールズ・ハルテン氏が2006年のマイクロソフト社の研究をした話がわかりやすかったです。当時の市場価値は2500億ドル。バランスシートでは総資産700億ドル。うち600億ドルが現預金や金融資産でした。工場や設備などの伝統的な資産は30億ドル。
同氏はマイクロソフト社の帳簿を分析精査して無形資産を特定したのです。それらは製品開発や研究開発に投資して生み出したアイデアやデザインやブランド価値や社内の仕組みや研修で得られた人的リソースなどでした。その際、彼は無形資産を3つに分けています。
1)コンピューター情報、2)イノベーション財産、そして3)経済能力でした。これらの分類をすすめる中で、無形資産を生み出すための無形投資について、従来の有形投資との違いがいくつか整理されました。「無形資産が経済を支配する」の著者ジョナサン・ハスケル他は、その特徴が4つあると言っています。そのなかで3つのサンクコスト、スピルオーバー、そしてスケールはピンと来ました。
1つ目は、無形資産はサンクコストが多いことです。M&Aなどでもよくありますが、店舗を居抜きで譲渡する場合と営業権を付けて譲渡する場合では価値が異なります。有形資産だけで考えると、什器や店舗の造作や車両などは一応市場で売買することができます。しかし、一定期間経っても営業権付きで売買できない場合(そもそも無形資産的な価値はなかったかも!)も多々あります。
実際、その店舗独自の運営マニュアル(あるいは考え方)や顧客対応術などを他社が価値を見い出さない場合もあるからです。これらはサンクコストとなり、回収が実際に難しい手の資産への投資はデットでの資金調達はかなり弱いです。その理由も、何かあったときに資金が回収できないからです。
2つ目は、スピルオーバー、つまり波及効果です。コンサルティングの商売ではじめて知った意味のある言葉「ぱくって、ぱくって、おりじなる(PPO)」です。なんとも含蓄のあることばですが、まさにスピルオーバーです。無形であるがゆえに、開発者以外も基本的には容易に活用することができます。
アイパッドもアイフォンも、今となっては殆ど同じような商品を他社がガンガンだしています。その御蔭で一般ピーポーは経済合理性が高くなっていることもありますね。
3つ目は、スケーラブル、つまり拡張可能性です。ウーバーなどの事業がピシャリです。あるエリアや国でアプリを開発して事業モデルを確立すると、アプリはiOSかアンドロイドに乗せると事実世界中に。そして、そのビジネスモデルは国や地域の規制はあるものの、一気に横展開が可能です。無形固定資産で売上を立てる場合は、売上を倍にするためには投資も2倍でしたが、無形資産の場合は拡張の自由度が全くことなります。
当然、誰かがスケールが大きな事業を行うと、2つ目のスピルオーバーが効いてきて、模倣が始まります。ウーバーに対してはグラブが相当します。結果、かなり激しい戦いが生じて、世界に数社の企業が生き残るという結果が見えてきています。
最後はシナジーです。これは無形を組み合わせることで威力を発揮するという話ですが、固定資産においける事業においても同様なので、私はジョナサン・ハスケル氏にここは共感できませんでした。
ただし、上記の3つの特徴は経済や社会に対して、一般人からするとより便利に、そしてより安価に利用できるようになる一方で、長期的な投資が抑えられるという現象も観察されるようになります。その実態はカネあまりにも代表されます。世界中のお金は、より効率的でよりリターンの高い事業に投資されます。これまでは、投資と比例してリターンが補償されていました。しかし、上述した事例によって、無形資産での事業はある一定の投資額は必要になりますが、固定資産を主体とする事業から比較すると小さな投資額で大きなリターンを埋めるようになります。
そうすると、実は利益を得た後に再投資するとなっても、投資する先が無くなってくる。という現象が起きるのではないかと思います。この状態が続くと、お金は余っても使う対象が少くなるので結果低金利の状態が発生します。固定資産主体の経済学、つまりオールドエコノミーでは、お金の調達コストが下がれば投資が増えると考えるでしょうが、これが無形の実態がない経済、ニューエコノミーでは金利を下げても投資先がそもそも無くなっている。あるいは、既に投資は十分に行われている状態になってしまっているのです。
逆に、直近の数年はITカンパニーのジャーゴンに騙されて、そこらへんのIT会社に対して分けのわからん金額をぶっこむ投資家が増えていましたが、この現象も理解できます。無形資産への投資は、リスクが有る分、そのスケール感が従来の投資よりも半端なく大きいから投資家はなんとなくお金を出してしまっている状況が続いていたのです。
もう一つ。無形資産で収益を上げる企業は、ますますスケールするので、そのレバレッジを生かして実態経済の会社をガンガン資本傘下におさめて行きます。GAFAに代表される企業が稼ぐ収益が半端なく、従来の企業の殆どを彼らでまかなってしまう現実です。
参照:無形資産が経済を支配する 東洋経済新報社 ジョナサン・ハスケル他著
自分と他人の評価のギャップ
早嶋です。
毎年2月末から転職や起業の相談が相次いつぎます。年齢が40前後の方々については、少し大きな企業にいながらリスクを取らず、週末起業や定時後の取組でテストマーケティングをしてから会社を辞めるなり、準備をすることをお勧めしています。「なまっちょろい!」と思うかも知れませんが、特に家庭を持っている方についてはそのようなアドバイスが多いです。
一方で、年齢が若くて、守る者が少ない(無いとは言っていません!)方に対してはリスクを犯してでも起業や休職して違う世界を体験することを早い段階に取り入れることを進めています。長い会社生活を何も知らないで続けることと、敢えて色々体験しながらも会社にいる方では、思考や行動に差がでると思うからです。
相談を色々伺っていて、ヒトの特徴として、自分の評価を高めに出す傾向が強いと思います。私もそうですが、一節には他者の評価の2割り増しくらいで自分を評価するそうです。そして、そのことを意識している方と意識していない方では転職や起業やチーム形成において様々なミスマッチが起こることが研究されています。
40代前後のミドル層は特にその傾向が強く、自己評価と他人評価のギャップが顕著に現れた場合、評価に対しての不満という形で露呈します。この不満が起業や転職の動機になっている場合は、考えを改めるようにしています。特に大きな組織では、当たり前にできることは、実はその事業の仕組みで補われていることが多く、個人の能力が顕著に発揮されていることが少ない場合もあるからです。
10年以上同じ組織に務めていて、成果を上げている場合は当人の実力は確実にあると思います。一方で、その間に他流試合をして同じ組織以外のヒトと客観的に何か取組を行った中で自分の実力を客観的に評価する経験は限りなく少ないのです。ある程度同じ組織に長年いれば、組織の癖や仕組みの癖を理解していて、それを把握上で仕事の成果が出せている場合もあります。
しかし、一旦外に出れば、社風は全くことなるし、これまでの常識が通じないことも多々あります。大きな企業から中堅くらいの企業に転職して役割が上がった場合も注意が必要です。大企業の社員であれば指示した内容を鑑みて、ある程度の成果を出すことが前提でしょう。しかし規模が小さくなるとその当たり前が通用しなくなります。指示しても動かないし、話している内容を理解して頂けないかも知れません。
報告連絡相談なんて当たり前だと思っているかも知れませんが、きっちりできる人材は1/1000程度だと思ったほうが良いかも知れません。いやいや言い過ぎというかも知れませんが、そのような世界が広がっています。
世の中に大企業は約1.1万あります。上場企業4000程度と残りです。中堅企業が50万社程度で残りは小企業で330万社程度です。スタートアップと意気込んでチームを作ろうとしても、良い人材は同じ志を持つヒトのみで、資金調達がうまくいかない場合は、背に腹は代えられなく、そこそこのスペックを諦めることになります。
そうなると最後は、起業した本人が全て行う時期が当面やってきます。それが起業で、その苦しみと楽しみを超えて、要領が徐々に出てきてよくある組織の一つになり始めるのです。
ギャップが有ることが当然ですが、自分を試す前に、テスト的に試すことをおすすめします。
【動画】論理思考の基礎
ビジネスインプット基礎講座『論理思考の基礎』では、論理思考の基本的な概念を解説して、重要な3つの視点、ゼロベース、モレなくダブり無く考える、仮説の考え方を整理しています。講座は①から⑤までの5回シリーズです。各回15分〜25分程度の内容です。レポート添削コースの方は、演習問題を先に視聴してから全体像を見ることで、演習のイメージが湧くと思います。
①論理思考の基礎 論理思考の活用
論理思考の必要性やキャリアを積む際に意識して習得すべき思考法や態度について整理しています。将来の社会や組織について問題を定義して解決するリーダーになるためには、コトの壁に加えて、ヒトの壁と、マインドの壁を突破することが大切です。論理思考を徹底的に鍛えることで、今後は全く他の分野に対しての転用する技術も高まっていきます。
②論理思考の基礎 問題解決思考
論理思考はツールにしか過ぎません。将来の社会を変革して組織をリードしていくためには、目的意識を明確に持ち、自分たちやチームで解決すべき問題を正しく定義することが大切です。論理思考を強力な武器として使用するための目的について整理しています。
③論理思考の基礎 ゼロベースで考える
思考は思いつきから始まります。アタマを使うためには、苦労して、時間をかけて意識することが大切です。そのときに使えるパワフルなツールはずばり、「それは本当か?」という質問です。ゼロベースについて理解を深めて頂きます。
④論理思考の基礎 モレなくダブリなく考える
思いつきの思考を意識して、全体を捉える考え方です。モレなくダブりなく考えるための思考方法やMECEの作り方、そして構造化のツールを紹介していきます。モレなくダブりなく考えることについて理解を深めて頂きます。
⑤論理思考の基礎 仮説を立てて考える
全て正しいと考えないで、現時点で正しいかも。と捉える思考方法です。仮説思考を活用することで、初めての取組や、考えたことも無い概念に対しても、恐れを抱かないで立ち向かうことが可能になります。仮説を立てて考えることについて理解を深めて頂きます。
論理思考の基礎 演習
レポート添削コース向けの演習問題です。少し難解な経済損失を推定して頂きます。皆さんなりの考えを論理思考を駆使して整理して頂きます。レポートは弊社コンサルチームで丁寧に添削フィードバックします。
ーーーURL
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e9e5d65-9334-422c-a30f-12f6a0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e9e5e2c-886c-4739-8a5c-12fba0106aeb
③:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e9ecfcc-5858-4251-82de-12f0a0106aeb
④:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e9ed00a-b020-4bc3-866d-2460a0106aeb
⑤:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e9ed02b-7674-426c-a557-12f7a0106aeb
演習:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e9ed31b-1814-4d48-832e-12f6a0106aeb
リベラルアーツ
早嶋です。
リベラルアーツ。思考を深めている際には、自分がメインディッシュに専攻する深い知識と見識に加えて、横の広がりをもたせるものもあると良いですよね。それらがリベラルアーツと称されていると思います。
なにかの本質を理解しようとすると、一つの視点から見るだけではどうしても弱いです。何かの本質や普遍性を自分自身で考える際に、これらのリベラルアーツは非常に役立ちます。
ビジネススクールや大企業の役員クラスの方々が共通に話す話題に、海外での雑談の事例があります。ビジネスだけの話ではなく、何気ない会話の中に歴史や地理やアートなどの話題が入ってきます。そして造形が皆深くて、語学以上に、その背景や理解がなければなかなか会話に入ることができないという話です。
これは我々日本人がリベラルアーツに慣れ親しんでいないだけで、グローバルに活躍するエリートは幼少期から当たり前のエッセンスとして日々取り入れているだけの話なのです。
初めてビジネススクールで学んだときに、多くの教授が横道にそれて、本質的な話や理屈理論の話をしないなー、と思っていました。しかし、話を聞いていると、一見全く関係ないじゃんと思っていた事例や事象が実は、これから学ぶための理屈を理解する上では非常に大切になるという経験を何度もしました。
工学系の大学でも同じ体験をしたことがあります。必須単位ではなかったのですが、様々な理由から私は大学の講義を必要以上に専攻していました。そのときに聞いた話や考え方は実は工学の研究や思考を深めるためのヒントになっていったという経験です。
リベラルアーツは、異質な分野であるけれども、本質的な気づきを与える、なにか知識と知識の橋渡し的なものになると思っています。それがあるのと無いのでは、理解が表面で終わるか深い所まで自分の思考を掘り下げることができるか、という大きな違いになるのです。まさに自分自身の世界観を構築するために必要なエッセンスなのです。
そのためには、全てをファクトで考える。ファクトに対して疑いを持ちながらも謙虚に向き合う。自分が知らないことや、疑問に思うことがあれば素直な気持ちで質問したり、ゼロベースで調べたりする。このときに、安易に簡単な方法に走らずに、自分のアタマに汗を書きながら知識や概念を仕入れていくことが大切だと思っています。
ときには、好きや嫌いなどの嗜好もあるでしょう。しかし嫌いな中にも、なにか大切なものが潜んでいる可能性を信じて前向きに自分自身や他者と議論することが大切です。
保険とジョブ理論
早嶋です。
保険商品の多くは、販売するまで一生懸命で、その後のフォローはほとんどない。あったとしても契約更新か、保険の手続きをするくらいでした。ジョブ理論でいうところのビックハイアで顧客のジョブの解決から程遠い商品だと思います。
その理由は販売インセンティブにありました。保険の手数料体系は通常、大きく分けて2つあります。1つ目は成功報酬で販売した初年度に受け取るインセンティブと2年目以降継続的に入る手数料収入です。ポイントは、初年度に入る料率が契約額の3%から5%と高く、2年目以降の料率は0.1%程度とぐっと下がります。従って保険の新規をどんどん契約しないとハッピーにならない設計になっているのです。
そのような中、りそな銀行は売って終わりを見直し、売ってからが始まり、というモデルにするために、販売手数料の料率を見直しています。初年度に受け取る料率を2%に下げ、その代わり2年目以降の料率を0.5%前後に上げてもらうのです。当然、保険会社は当初は驚いたことでしょう。
この狙いは当然、契約継続です。しかし、マーケティングの発想からしても、りそな銀行は顧客に寄り添う重要性を理解していると言えます。継続のインセンティブのり率が高まることで、営業も顧客と接点を持ち、積極的にコミュニケーションを取るようになるでしょう。実際、これまで放置している営業パーソンは急にコンタクトポイントを与えられても対応できませんが、今回のインセンティブの変更は、営業の行動を長期的に変えていくことは間違いありません。
アップルとグーグル
早嶋です。
アップルとグーグルが一連のコロナの濃厚接触者の検出通知におちて共同開発する発表をしています。5月にその機能の第一弾を各国の公衆衛生当局に向け提供するようです(※1)。
仕組みは次の通りです。スマホが持つブルートゥースを使って互いの識別情報を端末に保存していきます。新型コロナの感染が見つかった場合、本人の同意を得ることを前提に、過去14日間の蓄積した近隣のスマホの識別情報をクラウド上に共有するシステムです。これによって濃厚接触の可能性がある人を通知ができるという発想です。
さてこれに対しては議論が分かれると思います。個人情報です。しかし、感染者は社会に対して、それ以上感染を広げないようにする義務もあると考えると、私は開放すべきだと思います。当人も、そもそも意図して感染しているわけではないので、一定の倫理があれば当然だとも思います。
一方で、感染経路不明には2種類いて、本当にわからない人と、実は自分の行動を隠している人です。前者がこのような仕組みを活用できれば、濃厚接触者への連絡が今よりも確実に行えるようになり、感染を抑える効果は高まりますよね。一方で、今のような有事の時に後者の言動や行動については、一定のペナルティが合っても良いのではとも思います。
さて本題の個人情報についてです。そもそも個人情報とは、誰のモノでしょう。多くは一瞬で、それは自分のモノでしょう。と答えるところですが、実際にそうでしょうか。私は、事実からすると反すると思う部分もあります。それは2つの理由からです。
1つ目。個人情報は物理的な存在が無いことです。個人情報は単に情報であって記号です。2つ目。確かに我々は固有の名前があります。住所、年齢、職業等々。しかし、これが意味するのは自分以外の他者に認知されてからです。個人情報はしたがって、他者に認知されて初めて存在することに近いのです。ここは明らかに個人の所有というのは違うのかなと思う理由です。
実際、この議論を突き詰めると誰のモノでも無く、社会のモノだという結論が出ると思います。となれば、本ブログで議論している濃厚接触者のデータは社会のために活用できるのであれば個人の主張ではなく、社会の約に立てるべきだと私は思います。
上記を敢えてクリアにした上で、グーグルとアップルが抽出して整理してデータに対しての管理に対しては厳重に注意する必要があると思います。そこにはプライバシーの保護、データ独占による不当な富の独占の排除。そしてデータ独占による不当に強大になった、あるいはなり得る社会的影響力の排除です。これらは、蛯原健著書の「テクノロジー思考」を一部参考にしています。
プライバシーの保護についてです。突き詰めると、この議論はイデオロギー闘争に発展して、対局する保守とリベラルに分かれるでしょう。正解は無く、どちらの割合が大きいか、どちらにふれているか、という感じで行き来しているのです。ただ、今この瞬間は、保守よりはリベラルにふれる傾向が強いと思っています。
データ独占による不当な富の独占の排除ですが、提供する組織が国家であるため、その可能性は相当に低いと考えて良いと思います。この前提がなければ、国家としての機能はすでに失われているからです。
今、我々はある種のエポックメイキングな瞬間を皆で戦っていると思います。リアル空間を強制的にリセットする原体験に加えて、個人情報の所有についての議論。毎日新しい議論とこれまで創造できなかったテーマが次々に湧いています。世界は乗り切る方向に向かっているのは嬉しい視点です。
※1:2020年4月11日 日本経済新聞
【動画】問題解決の基礎
ビジネスインプット基礎講座『問題解決の基礎』では、問題解決の基本的な流れを理解し、問題、課題、解決策、計画と実行、そしてプレゼンや企画にまとめるための整理の仕方について考え方とポイントを整理しています。講座は①から⑥までの6回シリーズです。各回10分から20分程度の内容です。レポート添削コースの方は、演習問題を先に視聴してから全体を見ることで、演習のイメージが湧くと思います。
①問題解決の流れ
問題解決の流れでは、2つの事例を紹介しながら問題解決の流れを説明しています。全体の流れを理解頂き、考え方の全体像を把握してい頂きます。
②問題の定義
問題は、ありたい姿と現状のギャップです、これらを把握して問題として設定するためのポイントや考え方を整理します。本講座では、問題解決の中で特に、現在問題についてフォーカスしています。
③課題の発見
課題は、問題を深堀りしながら現象を具体的に捉え、重要な現象に対しては因果関係を分析します。その中で、重要な事実、問題を解決するための鍵となるものを課題として言語化します。課題の発見の仕方にたいしてポイントや考え方を整理します。
④解決策の立案
課題に対していきなり解決策を考えずに、まずは解決策の方向性を整理することが大切です。解決策の立案の仕方についてポイントや考え方を整理します。
⑤計画と実行
解決策を実際に計画して実行するための考え方やポイントを整理します。
⑥問題解決の整理
一連の問題解決の考え方を第三者に説明する際の考え方やポイントを整理します。
レポート課題
レポート添削コースを受講されている方はこちらを確認して演習に挑戦してください。動画の内容を理解して、実際に手を動かして、アタマから汗をかいて取り組むことで、問題解決の流れが身につきます。添削は、我々チームで行い、皆様にフィードバックさせて頂きます。
ーーーURL
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e8e9b70-fc9c-4a3d-b8ad-275da0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e8e9bce-54c0-44db-866d-2767a0106aeb
③:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e8ea794-7460-48d2-8fcd-275ca0106aeb
④:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e8eaa5a-ba9c-4db9-87f8-2761a0106aeb
⑤:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e900de7-b7ac-4449-9059-275ca0106aeb
⑥:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e901416-72f8-49e9-ba83-5025a0106aeb
レポート:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e905573-6c14-4054-a9c3-275fa0106aeb
やる気のコントロール③
早嶋です。
やる気のコントロールにピグマリオン効果があります。ギリシャ神話に出てくるピグマリオンは、ある時、女神の像に心惹かれてしまいました。しかし彼女は石。そんなことお構いなしに毎日ラブコールをピグマリオンが送り続けたら、なんと、女神が動き始めたのです。
こんな神話からピグマリオン効果の名前がついたとされますが、思えば叶うという心理的な作用をさします。
1968年、米国の心理学者ロバート・ローゼンタールは、同程度の知能指数の小学生をランダムに選出して、1年間教育を施して頂きました。その方法は、先生に対して、選抜した将来伸びる子供たちだ。と告げたのです。
結果、選抜された子供たちの知能指数が高まったのです。先生は、将来伸びることを信じていたので、その意識が日常の行動に伴って褒めたり、相手のやる気を無意識に引き出すことを行っていたのです。まさに根拠の無い期待を1年間続けることでピグマリオン効果が観察できたのです。
やる気に対しては、他にも承認欲求といった、あの人に認められたい。というのもあります。親子にとっては当たり前ですが、部下上司だと、上司がやはりある程度の人間性を持っているなどする必要があります。また、ある程度の関係が構築されていなければ承認を期待するような行動を部下が取ることも少ないですよね。
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