先日、新しいiPhoneが発売されました。Newsでは、恒例の前夜からの行列の報道がありました、新しいデバイスを求めて並ぶアップルファンだ。
スマフォの浸透によりECは劇的に変化し、O2Oの概念がより鮮明になった。顧客は無意識のうちにオンラインとオフラインを行き来するようになる。従って、企業もこの行動に追随するようになる。
ショールーミング。Webで価格を検索して、実際の商品は家電量販店や百貨店で確認してWebでポチる。進んでいるひとは、スマフォで商品のバーコードをスキャンして、最も安く提案しているサイトから購入する。いずれにせよ、一昔まえと比べると消費者の購買行動が随分と変わった。
昔、飲食店は立地条件が成功要因の一つだった。ひとの流れが確保された不動産を確保し商売をする。今は、ネットの評判があれば、ある程度、隠れた場所でもこぞって人がくる。SNSが普及し始めた頃はツイッター、徐々にFaceBookやLINEなどに移行し、小さな店でもWebを活用してうまく集客する店舗が増加している。顧客は、「いいな」と思った店や料理の写真をスマフォで撮り、消費者としての生の声を発信する。この声を見てまた、別の消費者がその店を訪れる。そんな共感の連鎖が玄人からの発信ではなく、素人からの発信で人が動くようになる。まさに、スマフォによってリアル店舗の形態が変わったのだ。
O2Oの予言を10年も前にし、店舗の意味合いが変わることを先行実現してきたのがアップルストアだ。まだ、一般人が気軽にWebに繋がる前から、リアル店舗を都心のどまんなかに展開してきた。NYのど真ん中。ロンドンのど真ん中。東京のど真ん中。そして、店舗と言うよりは、ショールームと店舗を足して2で割った形態での展開。
当時、他のパソコンメーカーは、リアル店舗を販売の拠点と位置づけていたので、数を沢山だすために郊外に展開していた。高い土地代を払ってもペイしないと考えていたのだ。当時のパソコンメーカーからしてみれば、アップルの出店戦略は狂気にしか見えなかっただろう。
しかし、結果的にハードを売っているメーカーが実店舗で売っているのは、今ではアップルのみ。アップル・コンピューターという社名からいち早くコンピューターという言葉をなくしたアップルの先見性はやはりすごい。アップルの基本はECサイトで商品を売る。しかし、実際の商品を見たり、テクニカルの相談をリアルで行いたい人は、アップルのお店に行く。従って、最も便利な最も人が集まりやすい場所に出店をする。今の理屈だと理解できるが、これを10年前から実勢してきたアップルは流石だ。
そもそも何故、ここまでネットの世界とリアルの世界が結びつき始めたのか?様々な要因があるが、一つにハードの普及、なかでもスマフォの普及が考えられる。これまでの業界の見通しではネットにアクセスして自由に行動する人口は、国内では2000万人程度と言われてきた。背景は、PCを活用できる人が人口の2割程度だったからだ。従ってネット業界の壁も2000万人と言うのが定説だった。
これがスマフォの登場によって大きく覆されることになる。PCよりも使い勝手が良いので普及が2割から3割、4割と増えているからだ。マーケティングのセオリーでは、全体の2割を超える頃から急激な普及がはじまる。つまり、キャズムを抜けたとされる。従って、急激にスマフォは全人口に普及すると考えることができる。スマフォという使い勝手のよいハードの出現によってネットの世界が大きく変わることになったのだ。
ネットの世界の躍進の裏に使い勝手の良いハードあり。スマフォの存在なくしてネットの急速な普及はなかったと考えられる。PCは、全対の2割程度の人しか使えこなせなかったのに対し、スマフォは誰でも自由に使いこなすことができる。
そしてハードの変化はスマフォだけにとどまらない。製造業の世界にも当てはまる。近年のヒットは3Dプリンターが急激に小型化され、価格が安くなったことだ。これまでは高価な製造装置の一つだったので資本力が強い大手企業が有するう機会だった。それが今では個人やベンチャーでも導入できる製品となった。
これまでと違って、机上で設計した商品を3Dプリンターにつなぐ。あっという間に試作品ができる。動作や細かい修正を行い、仕様をフィックスさせると、その図面を中国の工場にメールする。すると、小ロットからでも部品や半完成品が出来上がるのだ。
この影響は実に大きいと思う。つまり、従来のメーカーが不要になるのだ。メーカーは、製造はEMSや他の工場に任せ、企画と設計のみを担当するだけで良くなる。すると、沢山の人数や大きな工場が不要なので、少人数のベンチャであってもすぐにメーカーになれてしまうのだ。総合メーカーという言葉や企業が過去の産物となる日も遠くはないと思えてしまう。
スマフォに見るネットの普及は、消費者の行動から総合メーカーの競争相手までをガラリと変えて行く。これが現実に起こっている。
2013年9月 のアーカイブ
ネットの躍進
後追い戦略の行末
早嶋です。
スタバのコーヒーは、コモディティをエクスペリエンスにしました。ターゲットが明確なので一杯400円のコーヒーでも顧客が定着して店舗数を拡大します。第三の場所と言うコンセプトはスタバの顧客に定着し、会社に行く前、帰宅する前のちょっとした時間の活用方法に影響を与えます。若い人を中心に様々に時間を過ごすのです。
従来、この層は、ファーストフードやファミレスやカフェを利用していたかもしれません。が、徐々にスタバに流れ、いつしかそこがお気に入りの場所として定着しました。第三の場所は、便利の良い立地、落ち着いた雰囲気、コーヒーの香り、音、雰囲気、笑顔があふれるスタッフのサービス等々を提供します。ファーストフードやファミレスの上位層、カフェの顧客がスタバに定着するのに時間はかかりませんでした。
ここで、都合が悪いのはマクドナルド。優良な顧客層を取られていったからです。だったら、これまでのまずいコーヒーを根本から見直そう、そう考えたのでしょう。結果、非常に質が高いコーヒーを100円で提供し始めます。そして、これまでマクドナルドに足を運ばなかった顧客も来店するようになりました。コンビニで朝食を済ませていた層です。その層を中心に100円コーヒーにつられ朝のメニュー、100円マックの売上が増加します。マックとしては、スタバへ流れた上位層を狙ったのでしょうが、コンビニに流れていた顧客の集客に成功しました。しかし、ここは単価が低い顧客層。何かあればすぐにスイッチします。そこで、マクドナルドは度重なる値下げや100円商品の試みを繰り返します。その層にフォーカスすると、常に値下げの嵐で徐々に自社を苦しめます。
当然、コンビニ業界も黙っていません。それだったら俺達も、と。セブンアイホールディングスが先頭を切って同様に質の高い100円コーヒーをスタートします。マクドナルドに流れた顧客を互いに奪い合う結果に。スタバに行っていた顧客も一部流れたでしょう。が、スタバの常連客からすると100円のコーヒーはありえないと思います。彼ら彼女らが購入していたのはコーヒーそのものではなく、スタバのコーヒー体験そのものだからです。
結果的にスタバに対抗したマックの100円コーヒーと、それに対応したコンビニのコーヒーは、自ら更に過度の価格競争に踏み入れた結果になったとも考えられます。後追い戦略は、時としてアンハッピーなシナリオを助けるのかもしれません。
思考が現実を作る
早嶋です。
新橋に居るとき良く行くとんかつ屋さんがあります。先日、伺った時に、店主、職人さんが全く違う人になっていました。お店の看板は同じ。いつものヒレカツ1.5定食を食べながら、資本が変わったのだろうと考えていました。
昨日、福岡から都内に移動していました。雑務が終わらずにギリギリに移動したため、21時過ぎになっても夜ごはんを食べていませんでした。そこでフラリと立ち寄った浜松町のきれいなビル。とんかつ屋さんが目に入り中に入りました。なんと、そこは新橋のお店と同じでした。いつもよく見た店主と職人さんがカツをあげていたのです。新橋の店の4倍くらいの規模で、内装も非常に良く作られています。
順調にビジネスを続けて、業績を伸ばして、規模の拡大をしていたのです。人は、自分が考えたことが現実だと思います。それまでは新橋のとんかつ屋さんも経営が苦しくなったのかな?いつも満席だったから、体を壊したのかな?と考えていましたが、順調になって、店を任せていて、他に出店していた。という発想はありませんでした。
常にプラスを考えたらマイナスを考える。拡大を考えたら縮小を考える。人は現実を見ているのではなく、自分の考えたことを現実だと思い込んでいる節がある。改めて考えた1日でした。
諸悪莫作、衆善奉行
早嶋です。
知っているけれどもできない。知っているとできるは別。何かを学び、何かを極めていく際に、できない人が発する言葉があります。「そんなことは知っています。」です。
諸悪莫作、衆善奉行(しょあくまくさ、しゅぜんぶぎょう)。千利休が弟子の一人と話しをしていた時に、笑嶺和尚が引用した言葉です。
弟子が訪ねました。「茶の湯で心得ておく最も大切なことはなにか?」と。
利休曰く。「茶は服のように点て、炭は湯の沸くように置き、花は野にあるように、夏は涼しく冬は暖かに、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ」と。
利休七則が語られてきた南方録にある有名な問答です。弟子は、そのくらいのことなら誰でも知っていると不服そうにします。すると利休が、「では、今言った通り、一つの間違いもなく茶事をやって見よ」と。そこで、笑嶺和尚が諸悪莫作、衆善奉行の話をしたのです。全ての悪は行わず、全ての善は行うべし。このことは誰でも知っているのに、実際は非常に難しい。
頭の中でわかっていても、実際に行動に移すことは難しい。物事も表面的な理解では役に立ちません。経営に活用されている理屈や理論は難しくありません。しかし、試行錯誤しながら実際に行い成功と失敗を繰り替えす中で身についていくのです。
企業の壁を取り払え!
本日、博多⇒大阪、大阪⇒熊本。明日、熊本⇒博多の移動をするということで新幹線のみどりの窓口へ。何気なくすすめられたのが、博多⇔新大阪と博多⇔熊本の往復きっぷのセット。
で、何気なく確認しました。新大阪から熊本まで直通の電車に乗れるのか?とすると、「博多で降りて、みどりの窓口で指定をとって下さいと。」「???」なんのために新幹線がつながっているの?って。先方は安くとるために、上記を提案していたけれど、普通じゃないよね。差額は3000程度安いかもしれないけれど、それって何?
かなりクエスチョンマークな緑の窓口でした。そもそも新幹線の管轄がJR西日本とJR九州で未だに線引しているのがおかしい。
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