早嶋です。
イノベーションを実現するための手法は、R&D、M&A、提携・出資などがある。そもそもイノベーションとは、なんだろうか。
ポケベルがケータイになりスマフォになる。ケータイからスマフォの変化はイノベーションだと思う。従来のメセージのやり取りや通話に加えて、写真や動画を活用したコミュニケーション、24時間365日常にオンラインにほとんどの人がいるために、スマフォで様々な体験を共有することが可能になった。隙間時間には音楽や映像を楽しみ、仕事や買い物もスマフォがあれば簡潔でいる。スマフォは財布にもなり決済や商品の購買も簡潔させてしまう。スマフォによって完全に人間の、消費者の行動が変化したのだ。
そのスマフォだが、特質した1つの技術による成果ではなく、様々な技術やサービスが組み合わせられた結果できあがった産物とも言える。その意味でスマフォのイノベーションは、消費者の行動を変える機能を実装する技術開発やサービス提供と言ってよい。これは今後のイノベーションの開発に一定の示唆を与えてくれる。
イノベーションの大家、クリステンセンのイノベーションの議論では、1960年から1990年代までは実に連続的な技術開発が進展した。しかし2000年代にデジタル技術とネットワークの融合により急激にグローバル化が進展する。ここに異業種の技術融合なる取り組みが派生した結果、非連続的なイノベーションが誕生する。
技術のベースは国や企業が持つ基礎研究所からスタートし、そのシーズを製品にインストールして事業化していく。研究所から事業部へ技術移転された技術は、実際の市場からのフィードバックを受け磨きがかかる。1980年から90年代は、事業の多角化がブームになり要素技術はどんどん体系化され、プロダクトイノベーションが加速したのだ。2000年に急遽インターネットなどのIT技術が発達し、コミュニケーションコストの削減とデータ管理コストの削減がなされた。一方で、あらゆる記録をデータとして保持することに価値の源泉が移り、そのデータを駆使して価値を提供する企業が世界的にキャッシュを稼ぐようになる。
まさに連続的な技術開発に加えて、異業種の技術や融合を図り、製品に加えて、その製品を活用する前後のサービスの工夫など、最終的にはビジネスモデルを工夫した企業が競争優位に立つ世界ができあがってきたのだ。
これらを整理するとイノベーションは、継続的な技術開発に加えて、異業種の技術や製品、サービスを組み合わせることで、消費者の経済行動を変化する諸々の取組を指すと言ってもよい。この考えは、近年の学者の指摘の中で、早稲田大学ビジネススクールの入山准教授の話と合致する。イノベーションは知の探索と深化の両利きの経営の中で生じ、事業が新規に近ければ未知の知を探索し、既存の事業であれば知の深化を進めることになると入山准教授は述べている。
事業は、1つの知を継続的に探索することでキャッシュを得る。しかし継続的な取組は、いつしか破壊的なイノベーションによって駆逐される可能性がある。かといって、知の探索をおこなっても、すぐにキャッシュを稼ぐことができない。企業イノベーションを行うには、この2つを頭に入れてうまく管理するしかないのだ。
では、イノベーションに投資する方法は何があるだろうか。冒頭に書いた通り、R&D、M&A、提携・出資などに類型できる。
既存事業の短期的な時間軸で取り組む手法がM&Aだ。まさしく時間を買う目的で事業シナジーを獲得する。既存事業の長期的な取組は、新規事業の探索になるのだろうが、実際に企業を観察すると既存事業の延長で研究開発をしている企業が多い。R&Dと名前はつくが、既存事業の継続的なプロダクト・イノベーションを進める取組なのだ。
新規事業の短期的な時間軸で取り組む手法はイントレプレナーやJV(ジョイント・ベンチャー)がある。多くの企業を観察するとこのエリアは、企業の事業ポートフォリオのノンコア部分で取り組む事例が多い。飛び地の事業を開発する取組だ。
新規事業の中期的な時間軸での取組は、CVCが近年注目される。事業会社がスタートアップ企業に投資することだ。通常、スタートアップ企業は、常にオンリーワンの新しい事業を企てている。そのため事業会社からみてもCVCは新規事業に位置づけることができる。事業会社がCVCに与えるメリットは、キャッシュ以外に、革新的なアイデアと自社の固有の技術しかもたないスタートアップに、事業化を促進するための他の資源を提供できる可能性だ。
このように捉えると、知の探索と知の深化を同時に行える可能性としてCVCはドンピシャなのだ。
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‘戦略’ カテゴリーのアーカイブ
新規事業の旅108 イノベーションとCVC
新規事業の旅107 エクイティにおけるインセンティブ
早嶋です。
企業勤めのインセンティブの代表がボーナスだ。特徴は、一定の成果に対して事後的に金額がきまる。それも自分の上司が評価を決める。一方で、ベンチャー企業におけるストックオプションは、事前に付与された比率によって決まる。そして、その金額は実際の時価総額の上昇幅によって変化する。つまり完全に結果重視だ。
ストップオプションの評価は、従来の事業会社の評価と全く異なるメカニズムだ。上司の評価は全く関係ない。ストックオプションを持たない社員はただのりしても、評価を得られないのでそもそも存在しない。事業会社であれば、ボーナスの原資を一定、実際に仕事をしていない従業員にも分配しなければならず、フリーライドする人材が確実に一定数存在する。ボーナスの査定は常に上司に委ねる部分がある。そのため顔色を伺うことを確実に行ってしまう。属する部門の成績によって、ボーナスの原資配分が決まるので、他の事業部の取組などは全く忘れて、全社の限られた事業の限られた部分での成果を追い求めてします。ボーナスの評価は四半期の成績を積み上げるもので、長期思考には絶対なり得ない。
一方、ストックオプションは異なる。既存の事業と異なり、目先の利益ばかりを追求しない。評価は5年程度先の事業価値を上げることによってしか得られないからだ。短期的なキャッシュインのために動いても価値は向上しない。継続的な先を見据えた取り組みに必然とフォーカスされる。不安定なベンチャーの事業モデルは、場合によってどんどん変えていく必要がある。組織は暫定で、異なる組織であっても、長期的に全体最適で成果が出る仕組みを追求する。限られた部門の成果に見合う歩合を払うボーナスとは異なり、同じ成果でも長期的な活動にコミットさせるのがエクイティ連動の評価制度になるのだ。
言われなくても、上司が見ていようが見ていまいが関係なく行動する。既存の事業とは異なり、どの仕事が、どの程度影響するかは、誰もわからない。結果、数年経過しなければ正解は無いのだ。そのような状況で試行錯誤して動くには、ストックオプションは極めて合理的だと思う。
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新規事業の旅106 スタートアップと採用
早嶋です。
数名の企業が素晴らしいビジネスモデルを信じ事業を展開する。将来、100人、1000人の規模になるかもしれない企業のポテンシャルは、これから採用する人材で決まる確率も高い。一方、鶏と卵の関係で、今のキャッシュフローがネガティブな段階でポテンシャルだけ示されても、将来の従業員を引き付ける力は弱い。
スタートアップは、今金を払うことはできない。だからと言って低賃金で高給取り経験豊富な人材を獲得できる虫の良い話はない。当然、将来を拡張する可能性を持つ優秀な社員に対しては、相応のインセンティブが必要だ。そこにストックオプションが活用される。例え1%以下のストックオプションだとしても事業価値が1,000億になれば、その価値は数億にも相当する。
加えて、スタートアップの理念や、従業員が大企業で得られない体験ができたり、社会を変える挑戦に参画したりと、副次的な要素が集まれば、優秀な人材がやってくる可能性はある。お金ありきではないが、リスクしかないスタートアップには、やはり相応以上のリターンが大切だ。
そのために創業者や経営者は、事業の成長に対して、価値を作り出すことにコミットし、自分はいけると信じ続け行動する。この取組を10年単位で爆速できる胆力が絶対条件だと思う。そこに、今のメンバでなんとか問題を解決する感じではなく、適材適所で、適切なタイミングで、適切な人材を活用すること。そして規模を拡大して価値を創造する思想が大切だと思う。
数字や事業の中身も同様に大切だが、時期やフェーズに合わせた人材投入と組織構築は鍵だ。数名のメンバで1,000名規模の仕事をしたいのであれば、既に1000名規模でガンガン引っ張っている人材を登用する発想だ。今のメンバが頑張ったとて、現メンバの成長を期待しても、事業の成長はないし、人の成長は時間がかかる。既存の事業であれば、人材の成長を期待しながらでの登用は問題ないが、変化が激しい不確実な世界でその発想は、すなわち停滞を意味する。確実に人の成長は事業の成長より遅いのだ。
SaaSの仕組みを提供したいのであれば、既にSaaSの世界で活躍している人材を引っ張ってくるべきだ。法人営業を行うのであれば、法人の経験者を採用すべきだ。2Cの販促を拡張したいのであれば、試行錯誤するのも大切だが、その道のプロを責めてアドバイザーにつけるべきだ。起業メンバの学生とともに経験が浅いのに、プレゼンシートをちまちま作っても時間がいくらあっても足りない。あるべき姿を逆算したら、採用やメンバも、同様に逆算してメンツを決めていく。そのような発想は極めて大切だ。ベンチャーは現在の延長で議論しても無意味なのだ。※もちろん、一定のフェーズは自分たちで手や足を動かして汗をかくことは大切だ。ただPoCなどを終了して一気に展開するフェーズは思想を変えた方が良いのだ。
せっかく起業したのだ。常に自分が優秀である必要はない。自分よりも優れた仲間を集めマネジメントする。そのメンタルが大切だ。優秀な人材ではなく、使い勝手の良い、使いやすそうな人材を選んでも価値は創造できない。仮に問題を解決できても、将来に飛躍する起爆剤になra
る可能性は低い。
ベンチャーのトップの仕事は企業価値を高める取り組みだ。そのための戦略、そのための組織、それを達成するためのプロセス、そこに必要な資金。それらを示して投資家と議論しながら調達をし続ける。その取り組みができなければ、既に組織構築を経験した人材を採用して右腕につけるべきなのだ。
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新規事業の旅105 経済的なインセンティブの大切さ
早嶋です。
この10年。スタートアップやベンチャー企業は、国内でも一定の認知を得られる仕事になった。学生や脱サラした人が、自らの志と事業アイデアを試すべく起業し、そこにジョインする人材も後を絶たない。一方、国外でのスタートアップの成長や時価総額を見ると、量と質の両方から日本のベンチャーの勢いはが少ない。質と量のさにインセンティブはないだろうか。スタートアップは自社の企業価値の向上とともに、その組織で初期に活躍する人材の経済的なリターンを提供する取り組みだ。
20年、30年前には存在しない企業で、現在では時価総額が高い企業の多くは、企業価値をベースに巨額の資金調達を実施している。そして、他のスタートアップを内部に取り入れ、従業員にもストックオプションを付与し、企業の成長果実を利害関係者にバックする仕組みを構築し勢いを加速している。
一方、20年、30年前は時価総額ランキングで上位にあった企業の多くは、ストックオプションの制度が無い。またM&Aは近年こそ活発になりつつあるが戦略的に仕掛けている企業も少ない。資金調達の手法は、金融機関から融資を受ける取り組みもあれば、株式で資金調達する手法もある。しかし株式を活用したエクイティファイナンスの醍醐味は、資金調達目的に加えて、起業家、経営陣、従業員、投資家、買収候補先、取引先を強烈にモチベートさせる経済的なインセンティブの側面も忘れてはいけない。
このインセンティブを取り入れた企業とそうでは無い企業の比較は、三輪車で漕いでいるそばを911で爆速するくらいの違いを発揮すると思う。実際、米国ではVCの投資額はもちろんのこと、未上場企業を買収する目的で設立されたペーパーカンパニーを上場させ、そのSPACを活用したM&Aも盛んだ。ここにも強烈なインセンティブがバックに潜んでいるのだ。そして、日を追う事に新しいファイナンス手法も生み出され、進化が止まらない。
これは何らかのマネーゲームに見えるかもしれないが、成長したスタートアップは、上場した元スタートアップやM&Aでイグジットしたスタートアップの役員が手に入れた資金で、新たにスタートアップを起こし(シリアルアントレプレナー)、あるいはエンジェル投資家やアントレプレナーのメンターになりベンチャーにおけるイノベーションを加速するエコシステムの源泉になっている。
この急速なスタートアップの成長、M&Aによる出口における資金回収は、投資家の期待利回りを向上させることにもつながり、VCなどのファンドにさらに資金を集める仕組みにもつながる。そして投資額も巨大化しているのだ。本来スタートアップの成長はすべて将来の話。何の確実性も存在しない期待のみの世界だ。スタートアップの時価総額も将来の期待キャッシュフローを現在価値に割り引いた金額に過ぎず、あるいみ虚構で、極めて自由な市場で、個々人の欲望と期待が交錯する世界だ。
国内では、このような不確実な世界に政府が介入し、税制を優遇し、コントロールしようとしている。しかしナンセンスだ。そもそも不確実な世界を確実にコントロールできると思う発想がのっけから間違っているのだ。そのために、将来のとてつもないインセンティブをベースに事業を爆速させる仕組みがファイナンスの手法にはあるのだ。
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新規事業の旅 全集
こちらは現在連載している「新規事業の旅」の全部のリンクです。
新規事業の旅(1) 旅のはじまり
新規事業の旅(2) 既存と新規は別の生き物
新規事業の旅(3) よし!M&Aだ
新規事業の旅(4) M&Aの成功
新規事業の旅(5) M&Aの活用の落とし穴
新規事業の旅(6) 若手の教育
新規事業の旅(7) ビジネスモデルをトランスフォーメーションする
新規事業の旅(8) 自分ごとか他人ごとか
新規事業の旅(9) 採用
新規事業の旅(10) NBとPB
新規事業の旅(11) 未だメーカーと称す危険性
新規事業の旅(12) 山の登り方
新規事業の旅(13) ポジションに考える
新規事業の旅(14) 経営陣のチームビルディング
新規事業の旅(15) 偶然と必然
新規事業の旅(16) キャズムを超える
新規事業の旅(17) 既存事業の市場進出の場合
新規事業の旅(18) アンゾフ再び
新規事業の旅(19) モノからコトへ転身できない企業
新規事業の旅(20) 自前主義の呪縛とイデオロギー
新規事業の旅(21) 現場とトップのギャップ
新規事業の旅(22) 売ってから始まる事業
新規事業の旅(23) 道具の使い方
新規事業の旅(24) 敵のコトを知りつくそう
新規事業の旅(25) キャズムを超えるまでのKPI
新規事業の旅(26) M&Aの勘所を押さえる
新規事業の旅(27) 仲介会社のビジネスモデルと買い手の事情
新規事業の旅(28) 動画サブスクの落とし穴と処方箋
新規事業の旅(29) 売り手のトラブルは売り手の無知から
新規事業の旅(30) OEは最早役に立たたない
新規事業の旅(31) ジョブと障害とキャズム
新規事業の旅(32) 需要と供給
新規事業の旅(33) ストレッチ目標
新規事業の旅(34) 複利の効果
新規事業の旅(35) 人間は機械の一部になる
新規事業の旅(36) デジタルの弊害を受け入れる
新規事業の旅(37) 会社を居場所に置き換える
新規事業の旅(38) システム化された社会
新規事業の旅(39) 金融リターンではなく事業リターン
新規事業の旅(40) サービス業の苦悩
新規事業の旅(41) 3つの財布
新規事業の旅(42) グループ企業の試練
新規事業の旅(43) 思考と行動
新規事業の旅(44) デジタルバッジ
新規事業の旅(45) デジタル化とOC
新規事業の旅(46) ジョブ発見のコツ
新規事業の旅(47) 器と魂
新規事業の旅(48) Z世代の高級品
新規事業の旅(49) アニメ界のSPA企業が覇者になる日
新規事業の旅(50) PBR1割れの衝撃
新規事業の旅(51) 新規事業の創造3つの方向性
新規事業の旅(52) 別の視点で見るイノベーションのジレンマ
新規事業の旅(53) 新規事業のベストミックス
新規事業の旅(54) サーキュラーエコノミー
新規事業の旅(55) PBR1割れを考える
新規事業の旅(56) 情報の民主化と経済格差
新規事業の旅(57) セキュリティの今後
新規事業の旅(58) サステイナブル経営
新規事業の旅(59) Z世代のアプローチ
新規事業の旅(60) ドローン事業
新規事業の旅(61) ノンカスタマー
新規事業の旅(62) プランB
新規事業の旅(63) Z世代
新規事業の旅(64) 小売とマーケティング
新規事業の旅(65) 高齢者をターゲットにした事業
新規事業の旅(66) ベンチャーキャピタルの実態
新規事業の旅(67) 新規開発の落とし穴
新規事業の旅(68) 覚悟を持って取り組む
新規事業の旅(69) 売れるモノが良いもの
新規事業の旅(70) 性善説と性悪説
新規事業の旅(71) 保身に走らない
新規事業の旅(72) 中国リスク
新規事業の旅(73) サステナビリティ経営
新規事業の旅(74) ストックオプション
新規事業の旅(75) ゼロイチとM&A
新規事業の旅(76) TAM/SAM/SOM
新規事業の旅(77) 近くと遠く/全体と細部
新規事業の旅(78) 逆境を乗り越えるリーダー
新規事業の旅(79) ラストイチマイルの柔軟思考
新規事業の旅(80) 業務提携と資本提携
新規事業の旅(81) 部下の視点と視野の狭さはあなたの鏡
新規事業の旅(82) バックキャスティング
新規事業の旅(83) ペット保険にAmazon参入
新規事業の旅(84) ベンチャー企業
新規事業の旅(85) 生成AI1年目の誕生日
新規事業の旅(86) スケールする前後の組織
新規事業の旅(87) 無線給電
新規事業の旅(88) よく見る風景
新規事業の旅(89) ダイナミックプライシング
新規事業の旅(90) 提携と出資
新規事業の旅(91) アパホテルのプライシング
新規事業の旅(92) コカ・コーラのダイナミックプライシング
新規事業の旅(93) アップルのゴーグル型端末
新規事業の旅(94) 通年採用のススメ
新規事業の旅(95) 情シス事情
新規事業の旅(96) オープンイノベーションの打ち手としてのCVC
新規事業の旅(97) 今後のマーケティング
新規事業の旅(98) エフェクチュエーション
新規事業の旅(99) 2世と3世
新規事業の旅(100)自分事と他人事
新規事業の旅(101)最近の経営企画
新規事業の旅(102)ドーミーイン
新規事業の旅(103)誰もわからない
新規事業の旅(104)運とリスク
新規事業の旅(105)経済的なインセンティブの大切さ
新規事業の旅(106)スタートアップと採用
新規事業の旅(107)エクイティにおけるインセンティブ
新規事業の旅(108)イノベーションとCVC
新規事業の旅(109)
新規事業の旅(110)
新規事業の旅104 運とリスク
早嶋です。
運とリスク
一定の事業は、あるタイミングで、ある業界に、何らかのきっかけを持って開始することでチャンスを掴む。同じタイミングで、同じ業界に参入する可能性がある組織は多数ある。しかし、取り組むか、取り組まないかの意思決定は組織によって異なる。そして組織の努力によって一定の成果を出すこともあるが、たまたまそのタイミングでその業界に参入したことで達成できた成果として考えることもできる。
成功した組織を、成功した後に観察し、関係者に話を聞き、調査をすると、成すべくして成功したように勘違いしてしまう。しかし、成功した組織の最も素晴らしい取り組みは、早いタイミングで、その業界に入って、その事業をスタートしたことのようにも思える。そして、そのタイミングは、意図的に戦略的に計算された結果ではなく、もっぱら偶然という表現の方がフィットするケースが多いのだ。
事業の成功=運と言いたいわけではない。一方で、運と表現した方が成功要因を説明することが簡単な場合も多々あるのだ。この解釈を持つことができれば、他人の芝を青く捉えず、どこにでもチャンスは転がっているという思想を持てる。
環境分析をする際、マクロの視点とミクロの視点から事業チャンスを分析する。自分たちのリソースを活用して、あるいはゼロベースで取り組め成果を出す領域を選定する。ある組織にはチャンスに見える業界も、別の組織には脅威となる。誰もが同じ物差しがあるわけではない。考え方の基準や判断基軸は千差万別なので、結局、その事業に参入するか否かの判断は戦略的に見えても、他の組織からすると合理性が乏しいのだ。
成功した組織は、その参入後も、継続的に、その業界のペインを解消すべくワークし続けていることだ。チャンスを掴み、信念を持って取り組んだ結果、成功がたまたま舞い込んでいる。事業における再現性は、じつは偶然や運の部分も無視できない。だれも神様ではないので確実に正確に知ることもでいない。個別の事例を研究して法則を見出し再現することは机上の作業でできても、現場では大変なのだ。
ここからの学びは、どのようなことでも、見方によっては良いし、悪いのだ。そう実は良くも悪くもないのだ。この視点を持つことができれば、成功しても、失敗しても、冷静に客観的に分析して判断ができる。成功と失敗には運とリスクが介在しており、運とリスクは紙一重なのだ。
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新規事業の旅102 ドーミーイン
早嶋です。
出張先でドーミーインを探すことが多々ある。仕事仲間がいつもドーミーインを予約していた。なんでまた、そんなホテルを推すのか、モノは試しに宿泊したのが始まりだった。なるほど、はまる。
基本、出張先のホテルは2つに分けている。しばらく滞在して、ホテルのロビーでの打ち合わせが必要な場合と、ただ泊る場として使う場合。前者は、ホテルはランクが上がり、後者は、快適、清潔、便立地であれば狭くてもどうでもよいと思っている。
時にはアパホテルだったが、価格が需要によって変動するので、その場所を確保する必要性がない場合はスルーだ。他のビジネスホテルは、都内の地下鉄系、JR系、独立系と諸々似たようなコンセプトでどこでも良く差を感じない。
が、ドーミーインはなんか違う。
北海道から長崎まで90拠点以上の宿泊施設を運営する同社。他のビジネスホテルと異なる差別化ポイントが複数あるのだ。
・ロビーでのコーヒーサービス(機械セルフで無料飲みほ)
・充実した洗濯機(使ったことないが)
・天然温泉の大浴場とサウナ
・湯上りのアイスクリーム
・夜食に名物夜鳴きそば(もちろん無料)
・時間帯によって、乳酸菌飲料の提供
・宿泊世代を意識した充実漫画本コーナー
そして、何よりも朝食だ。どの拠点に行っても、ご当地を意識した朝食ブッフェを楽しめる。宿泊金額から考えるとバリューだ。たとえ、一泊の仕事でも、ご当地の名物は朝食会場で一通り食べることができて、なんちゃってでもその雰囲気を楽しめる。
ドーミーインを展開する共立メンテナンスは、学生寮や社員寮の運営事業を母体とする。基本的に、宿泊して終わりではなく、一定期間そのエリアで過ごす学生や社会人に対して生活全般を提供してきた。つまり常にリトルハイアにフォーカスしているのだ。
ビジネスホテルは、アパホテルの事例でも紹介した通り、一見さんを相手にする事業というよりは、そのエリアで不定期に宿泊するリピーターの心をつかむのがカギになる。そのためビックハイアの満足を獲得するよりも、リトルハイアにフォーカスすることがとても大切だと思う。
ドーミーインは宿泊顧客に対して、「第二の我が家」を価値として提供すると聴く。宿泊事業のマネジメントには、特定の状況における「顧客のあったらいいな」を追求し、宿泊サービスを日々改善しているのだ。
例えば、
・シャレオツの間接照明ではなく、天井設置のシーリング照明
ターゲット層は、日本的な庶民文化で育った層、やっぱりその照明が家のようでくつろげるのだ。
・ベットメイキングは高級ホテルと異なり、足を自由に動かせるかけ布団風のデュベスタイル
ベットメイキングの後に、毎回布団をつかんで足を引っ張って、布団とベットを離して、足を開放させる動作が不要だ。こちらのほうがやっぱりくつろげるのだろう。
・館内のパジャマはパンツと上着が別々のタイプ
・スリッパで館内を移動できるように、若干立派なスリッパ
要は、チェックインの後に、パジャマに着替えて、風呂やサウナで汗を流し、そのあともスリッパで館内を自由に移動できる空間を提供したのだ。もちろん、この層にハマらない顧客は度外視しているだろう。特定の顧客をターゲットにしているのだ。
差異化のポイントは、他社と異なる違いを作ること。つまりベターの戦いではなく、ディファレントの提供だ。そのことをよく研究しているのか、改善のマネジメントも独自の手法を持つ。通常視察は、他社のライバル店の宿やホテルを見に行く言葉をさすが、同社は違う。他の自社店舗を見に行くことを視察と表現するのだ。
各地で行われる会議の前に、マネジメントは必ず前泊で自社の他の管轄のホテルに宿泊する。そして風呂、サウナ、アイス、夜鳴きそば、朝食など、すべてのコンテンツを満喫し顧客として体験する。同時に、部屋の中では、ちょっとした仕事をして、電源や照明、部屋の備品などを顧客目線で確認する。そこからのインサイトをベースに次の「あったらいいな」を提案する。
ドーミーインのように全国で90以上の宿泊施設を展開する場合、自社サービスを徹底的に調べて特定の顧客層の立場でn=1分析を地道にくりかえすことには意味があるのだ。このn=1分析は、何もホテルの支配人だけの取り組みではない。副支配人、一般社員も含めて日々顧客目線でサービスを追求しているそうだ。そのチャンスは毎月の月例で、自由に気づきやインサイトを発言提案する心理的に安全な場が確保されている。なるはや提案の場合は、マネジメントや部長職に部下から直電があり、提案されることもあるという。
以下、社員やワイガヤでやってみよう的に開始された取組の例だ。
・池袋はアニメの生地ということで大浴場のBGMにアニソンを起用している。
・御殿場のドーミーインは一般顧客の利用が多く個別サウナの提供や部屋から愛車を愛でる部屋などを展開する。
・調べていくとご当地グルメの朝食も各現場が工夫して提供しているという。
・青森のドーミーインでは地元の作家とコラボしてサウナソングを作った、これが評判で他にも展開する計画を持つ。
ナショナルブランドでありながら、ご当地感がたんまりあるドーミーイン。同社のマネジメントは、インディーズ的な感覚を残しつつ、ナショナルブランドとしての展開をする。常に、特定の顧客のあったらいいなを考えて現場でテストを繰り返す。
まさに、顧客のジョブの解決を日々行う企業のぐっとな事例だと思う。
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新規事業の旅101 最近の経営企画
早嶋です。
5年、10年取り組んだ事業は、過去の延長を考えることで、一定の確度で将来を予見できる。そのため経営計画を入念に練ることには一定の意味があると思う。一方、今後5年、10年先の事業を開発するための机上の議論は、そこそこで良い。やってみないとわからない部分が多分にあるからだ。
10年前と比較して、経営計画の内訳や売上のポートフォリオに占める新規事業の割合が高い。しかし、相変わらず一定の経営企画がいる部隊は10月頃から来期の経営計画の準備に入り、翌年1月から3月はほぼ会議づくしだ。
計画、実行、検証、ブラッシュアップと仕事を分けるとすると、1年の半年近くに計画をしている。そして、半年かけて実行するが、検証とブラッシュアップを繰り返す取組がほぼ無い。更に、新しい取組でテスト的に行った内容、一部の部門でテストマーケティングを実施した取組を展開、全体最適でより高効率にするためにはどうするか?などの議論がみられない。
企業の顧客は、内部にもいる。経営企画や本部と言われる部隊の顧客は現場だと思う。社長ではない。しかし組織の10%いかに過ぎない本部スタッフがあまりにも現場を知らず、社長のみにフォーカスするので、計画は立派だが、1ミリも現場で試されない絵に描いた餅的経営計画が多数存在する。
計画は実行しなければ意味が無い。成果は行動の継続の結果でしかない。新しい取組は、どんなに机上で議論しても、価値はない。現場が行動に移し、事業として再現可能な状態になってキャッシュフローを生み出す。
新規事業に関しては計画はそこそこで良い。その計画を試行錯誤しながら現場で取り組むための知恵を得るための実験が必要だ。そして本部スタッフがその実験結果をまた整理して、より楽に、より効率的にできる手法に変えていく。これが検証とブラッシュアップだと思う。
計画:実行:検証:ブラッシュアップ=5:5:0:0
ではなく、
計画:実行:検証:ブラッシュアップ=1:3:3:3
を初期は意識的に行い、ブラッシュアップした取組を大きな組織では束ね全社展開する手法や、ITのようにプラットフォーム化して他の顧客や他の業界に展開できないか?を考えるのが経営企画の役割だと思う。
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新規事業の旅100 自分事と他人事
早嶋です。
自分事と他人事。事業を行う場合によく聴く言葉だ。モノゴトや課題解決の取組を、主体的に捉えて自ら取り組むことだ。が、実際に自分事(我が事)として取り扱い、行動する人は少ない。他人事として行う限り、そこから得られる過程や成果を一切、コントロール出来ないのだ。
子供がソフトボールをしている。応援している立場で、場外や応援席からエールを送る。もちろん子供のチームなので応援にも熱が入る。しか実際に一緒にプレーすると応援している時の見え方や考え方と異なる。あるひ、練習の見学をしている。子どもの人数が足らないので練習のフォローのため外野選手として持ち場を守る。子供にエールを送りながらも、自分の守備位置の確認をしながら攻撃する選手の球の位置や塁に出ている選手への送球を考えている自分がいた。応援しているときとは視座が異なっているのだ。モノゴトを外から見るか、内から見るか。視座が変われば思考と行動が変わるのだ。
自分で行う場合と他人が行っている場合、自分で考察をする場合と他人の答えを待つ場合では、全てが異なるのだ。
事業においてもしかりだ。上司や会社からいわれたことを仕事と理解して行っている限り、何かあった場合も全て他人任せだ。しかし、自分事と捉えた場合、変化が起こる。自分だったらこうするけどなと。仕事のモチベーションが低い、パフォーマンスが出ない。そこで悩みくよくよする人の多くは、その経過と行動を全て上司や会社に丸投げしていることに気がついていない。人の将棋盤の上で、人に動かされている駒のような存在になっているのだ。駒である限り、駒を操るプレイヤーをコントロールすることは不可能だ。そして、駒の動きを駒が勝手に指示して動かすことも出来ない。
自分が将棋盤を操るプレイヤーになれば、全てが逆転する。試行錯誤でき、自分の駒や他の駒を動かすことができる。例え、動かすことが出来なくても、将棋盤全体を俯瞰しながら相手の攻撃と次の攻撃を予測して様々に考えることができる。そしてその思考をゲームに活用するのだ。
世の中、シンプルだ。全てはコントロールできること、出来ないことに分けることができる。無意識に将棋の駒になっている限り、コントロールできることが極めて少ないのだ。結果、たまたま良い社会、たまたま良い会社、たまたま良い上司がいたら経過も成果も楽しいだろう。が、その存在の人事は運だ。◯◯ガチャと言っている若者がいる。所詮駒であり、自分がプレイヤーになる視点そのものが無いのだ。駒である限り、コントロールできない。そのために不安定なのだ。
自分事、我が事、プレイヤーになる。結果的に自分で考えコントロールできることにフォーカスして行動を変えることで、実際にモノゴトが動きはじめるのだ。
(過去の記事)
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事業シナジー
早嶋です。
今月の日経新聞に、コナカとサマンサタバサの記事が掲載されていた。
ーー日経新聞参照ーー
コナカは20日、子会社でバッグの企画・販売を手掛けるサマンサタバサジャパンリミテッド(サマンサJP)を7月1日付で完全子会社にすると発表した。サマンサJPは経営不振が続いており、完全子会社化で抜本的な立て直しを進める。
ーー参照終了(2024年2月20日の日経オンライン)
スキームは、株式交換。交換比率等は今後の交渉事で、コナカは完全子会社化し、サマンサJPは東証グロース市場から上場廃止になる。
サマンサJPの売上ピークは2016年で約450億、そこから減少を続け23年時点で約250億に。営業利益は同期間のピーク2015年で30億ちょっと、そこから8期連続の赤字に。23年5月にサマンサPJはコナカより18億円の資金調達を行い構造改革を急ぐも黒転できず。
サマンサタバサは94年の創業で、主力はバック。企画から製造販売まで手掛け、バック以外にジュエリーなど10ブランドを抱えるが、どれもピンとこない。10代から20代にフォーカスして人気モデルを積極的に活用して広告宣伝を展開し支持を得ていた。しかし2000年代頃より新たな客層にブランド訴求が出来ずに低迷していた。
2007年頃よりスマフォが主流になり、2015年頃より、若手の消費がより合理的になってきた。松竹梅のブランドがあった場合、梅のGUやユニクロや無印と末のルイヴィトンやグッチが顕著に人気が出て、竹の同ブランドはかなりの勢いで陰りを見せた。理由は、リセールにあると思う。
試しにメルカリでサマンサタバサといれると、商品は多数販売されているが、ほとんど売れていないのだ。この中間的なブランドのポジションは今後も極めて厳しいと予測できる。そこにコナカの出番だ。が、コナカのブランドポジションも中。得意分野は男性、それも紳士。カジュアル、ファションなど女性のブランドも展開しているが、ここは収益がでていない。なかなかシナジーが出にくい取り組みのように思える。
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