新規事業の旅 その13 ポジティブに考える

2022年8月10日 水曜日

早嶋です。

新規事業を行うか否かに関係なく、物事を肯定的に考えるか、否定的に考えるかで新たな取組を開始するか否かが決まります。伝統的な事業を長年続けているベテラン勢が多い企業で新たな取組をするのはハードルが高いです。その理由は、成功する理由を社員やマネジメントが考えるよりも失敗する理由やできない理由を並べるからです。

しかし、これは当たり前で、それでも新規事業をやりたい、やらなければならない理由がある場合はトップがファシリテーションをしながら出来ない理由や失敗する可能性を十分に出し合って視覚化していくことが大切です。この時にトップやマネジメントは感情を抜いて、出来ない否定的な理由を全て出しつくしてもらうことです。1回で出来ない場合は数回に分けても良いでしょう。そして、十分に出し切った所で、前提条件やシミュレーション等を行いながら、その課題を潰して始めるとしたらどのような取組があるかを考えるのです。

この手法は、ファシリテーションの一つのテクニックでシックスハットの技法です。否定的な意見は物事をスタートする際にとても有意義です。楽観的に始めると、何が失敗の要因化を考えずにスタートするのでつまずくのも早いです。しかし、まずは自由に意見やアイデアを出し合って、そのアイデアに対して多方面に議論を行う。そして、次に徹底的に出来ない理由や否定的な視点からのコメントを募る。更に、今度はそれらを創造的に解決できる手法についてブレストする。最後に、そのブレストの結果を整理してみる。

ということを敢えて行うことで、皆が否定的になり、皆が客観的になり、皆が創造的になり、皆が合理的になることができます。現場で否定的な意見が多いのは、通常はマネジメントが問題を先送りにして現場に丸投げした結果です。本来、仕事は創造的な取組で、皆がチャレンジして工夫して取り組むもの。

従って、新たな取組をしようと思って現場の反対があるので出来ない。という理由は、イコール、トップやその管理者の無能を表している鏡だと思いましょう。従って、今回こそ挑戦しないと存続の危機だとか、何らかの大義名分があれば、それだけ本気になってトップや管理者が現場や仲間と向き合った腹いっぱい意見を出し合えば、ベンチャーのように、だったら実験して小さく初めて見ましょう。その結果、また対策をねってみましょう。となるのです。

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