早嶋です。
ウブロ会長、ジャン・クロード・ビバーの話を聞く機会がありました。冒頭に彼は健康と愛という言葉をしきりに発していたのが印象的でした。今回のメインディッシュはいかにウブロのブランドを確立していったか?です。そして、結論は、一番になること、ユニークであること、他と違うこと、と話されていました。
定年の話から始まりました。現在、退職年齢は65歳ですが、寿命がこれだけ伸びているのに適切なのでしょうか?という問題提起を。70歳の平均寿命であれば65歳で退職しても5年で他界するから問題ないが、それが90歳に近づいている今、退職してからの時間が25年もあるのは都合が悪いと言っています。そこで退職時期を80歳に引き上げても良いと思う、と。昔と違い医療が進歩しました。また年齢の増加にともなって体力の減少はあっても、頭脳の低下はそれほどでもありません。体力の衰えと頭脳の衰えは異なるのです。これは感覚的に納得できます。
この話は、シェアするという点の前置きでした。定年時期が早ければ、企業が投資した人材を流出することになります。定年で会社を退職する人と、これから力を発揮して仕事をする人では抱えているもの、余裕がことなります。20代、30代に対して先輩がノウハウを教えるのは、自分の競争相手を強化することにもつながる。ひとによってはそう感じるかもしれまえん。しかし、教育やノウハウを提供するひとが60代であれば、その方は企業の中でのライバルという意識は薄れていく。従って、互いが真にコミュニケーションを取りやすくなる。と。ウブロの成功に、社員間で情報やナレッジをシェアしていくことがあったと度々繰り返していました。
ビーバー氏は2004年9月にウブロに参画。当時のウブロはブランドとしてあったものの認知や影響という意味では存在していなかったものと語っていました。当時、オメガの成功チーム共にウブロのブランド再生に力を入れました。競合するスイスブランドは既に数百年の歴史がある。そのようなアドバンテージのなか、どうやって1位になり、ユニークになり、他との違いをつけるか。プロジェクトチームが3ヶ月間議論を繰り返します。そして出てきたコンセプトが過去と未来の融合。これがウブロの現在のコアとなりました。例えば、400年前の伝統と400年後の未来を結びつけることができたら?
このフージョンを起こすこと、それがビックバン。展開している時計のコンセプトが誕生したのです。興味深いのははじめに強烈なコンセプトを徹底的に詰めていることです。ウブロが存在する1番になれる、他と違う、そしてユニークなコンセプトを。それからウブロのミッションが明確になりました。機能美の統計を作ることでも、正確な時計を作ることでもなく、400年前の時計と400年後の時計を感じる時計を作ることだと。もちろん、そのようなコンセオプトの時計は他にはありません。
コンセプトチームがとりかかった取り組みは金です。金は1000年も2000年も前から貴重なものとされてきました。そして時の流れとともに同じ形をとどめています。しかし、金の素材の特徴からどうしても傷がつきやすい。時間の経過とともにその傷が目立ち始めます。フージョンのコンセプトに基いて考えた素材が傷が付かない18金です。1000年たっても、2000年たっても傷が付かない18金。この開発には2名の教授の力を借りていますが、そのコンセプトを共有しながら進めたからこそ、新しい素材の開発に結びついたとウブロのチームは考えています。
この専属チームは、新しい素材を生み出しただけではなく、今ではウブロの強みとなっています。近年はフェラーリのチームの依頼で傷がつかないアルミニウムの開発も遂げています。強烈なコンセプトがウブロを作り続けているのです。
2014年1月 のアーカイブ
ウブロ
道徳は国家資産
子どもに対して道徳をどうとくか?ダジャレではないですが、今の子供の延長を考えた時、少し恐怖を感じます。今後、情報通信の影響で更に世界は狭くなります。従って、相互が依存しあうコミュニティがますます重要になってくること思います。そんな時、大人の役割は子供に正しく道徳を説くことだと思います。
例えば、集合住宅に住んでいて、真夜中に趣味のオーディオの音量を最大にして聞くこと。山奥で周りに誰も住んでいない一軒家であれば問題無いでしょうが、明らかに迷惑行為です。世の中、相互依存のコミュニティが増加するに連れて、人々は一緒にクラスコミュニティの人たちとハードやソフトをシェアして、相互に尊重しあうことが求められます。
昔の日本家屋の作りは、必ず家族が団らんする空間を通って各自の部屋につながっていました。そして、その空間はふすまで仕切られます。自然と相手を意識して、相手のことを慮る生活が見についていたのです。しかし、いつしか住宅の形式はコンクリートの塊になり、玄関から入って直接個人の空間に向かう設計が普及します。相手に敬意を払う、尊重するということが自然と身につかない環境になってきているのです。
海外から見た日本は、礼儀正しく、尊敬の国です。お年寄りと平和を皆でシェアする国です。日本が今でも世界で有数の国家だと言われる所以が、各々が相手に敬意を払うからです。日本人は人以外に仕事にまで敬意をはらう世にも珍しい国です。これは伝統であり文化であり国民の重要な資産です。
エネルギーの源は健康と愛。
高級時計ブランド、ウブロの会長はとてもアクティブな方です。とあるインタビューでエネルギーの源泉を尋ねられると、健康と愛とこたえていました。その際、ダライ・ラマは心の安定を重視しているという話がありました。会長は、真に心の安定を得るためには欲を捨てなければならないことを話、聖人ではない限り、真に心に安定を宿すことの難しさを話していました。
彼が話した健康と愛。心身が健康であれば、行動をおこすモチベーションと、実際にカラダを動かす体力を持っていることになります。そして愛は誰でも注ぐことができて、健康以上に無限に広げることができます。
モノゴトには様々な解釈があります。心の安定を得るためには欲を捨てる必要がある。一方、人間は常に権力や支配力や性欲や食欲などの欲に満たされています。全てを満たしたキャラクターである007に出てくるジェームス・ボンドが常にスクリーンの中で憧れの的になる理由も理解できます。
ポイントは適度な折り合いです。ボンドのような、ダライ・ラマのような。両者の間に適度な折り合いが持てた時、凡人であっても心の安定を得ることが出来るかもしれません。
先行き不透明
早嶋です。
全国商工会連合会の報告書、小規模企業景気動向調査報告書です。昨年と比較すると一見、良さそうに思えますが、根本的な問題が考えられます。
参照:http://www.shokokai.or.jp/joho/chosa/keiki/keikidoukou.files/1311report.pdf
1.業種別にみて伸びている企業は土木建築業。この業種が全体を押し上げている。これは公共事業への政府の大盤振る舞いと、消費税増の駆け込み需要に寄るもの。前者は我々の税金がコンクリートに化し、後者は増税後の先食いを行っています。
2.売上は若干の増加ですが利益が減少しています。仕入れ価格の上昇が大きな要因です。企業の経営は苦しくなっていることが観察できます。
3.設備投資が増えているようですが、長期借り入れ金ではなく、手持ちの資金、若しくは短期的な資金に寄る設備投資にとどまっています。つまり、本来の将来の事業投資という見かたでは芳しくないですね。
4.大手の利益は、為替差損益によるものが多く、輸出入を直接絡めていない多くの中小企業は影響を受けていない。仮に影響を受けていても、本質的な改善になっていない。
2013年は心理的に明るくなり、お金の周りが良くなりましたが、本質的な部分での回復はまだまだ。むしろ、不安要素の根本解決は行えていない状況だと思います。あれこれ他に手を出さずに、自社のポジションに見合った事業の集中がより重要になると思います。
経営と建築
早嶋です。
ーーー引用 始めーー
たとえば建築設計の世界では、土地の上に建物を設計し施工しますが、まずイメージありきの場合もありますが土地の形状・方位・風の吹く方向・採光や周りの景色に加え建築基準法の法規制のチェックなどの固定的な要因を考え、それから多様的な要因、つまりその土地の持っている歴史や環境のコンテクストや社会性までをも加味し、クライアントの意向や趣向を聞き、そこに予算(工事金額)と工程を考え、さらに厄介なのはデザインと相反する建築構造や設備設計との整合性を考え、そして機能を盛り込みファサードや内部空間ののデザインを練り上げていきます。考える視点はそれぞれの建物で異なり、複雑で不明確な外的要因を絡めながら内面的に解決策(これだ!というヒラメキもふくめて)を生み出していきます。
途中、何度もスケッチをやり直し、試行を重ねて自分のデザインに熟成していきます (一晩デザインを寝かせて翌日納得できなければ、熟成されていません)。 粘土で何かを造るときに、造って壊しそして細部を何度も変更し気に入るまでそれを続けるが、お客様が気に入らなければまた作り直さなければなりません。 それでも設計は所詮机上の紙の上か模型どまりなので、最後は施工現場でカラーリングやマテリアルを変更したり微調整をしながら(良い意味で)職人と戦い建物を完成させていきます。
ーーー引用 終わり 未来社長塾 塾生 2014年1月9日ーー
経営課題を可視化する。というフレーズは何年も言われている割には、実行が難しいとされています。そもそも課題とは、現在の経営チームが認識している問題を解決するための糸口です。そして、その問題とは、経営チームが示すあるべき姿や自分たちが成し得たい姿と現状のありのままとのギャップです。
建築の例えでは、経営チームが目指すべき姿を議論を重ねながら粘土や図面に置き換えて、具体的に示すことができます。従って、現状とのギャップも明らかになり、問題が見えてきます。一方、経営課題が可視化出来ない理由は、経営チームが目指すべき姿をぼんやりさせているか、現状の分析がなんとなくしか出来ていないか、その両方です。
そして、建築のように多くの方々が理解できる図面という言葉や、粘土というツールなどがありそうで無いと感じます。実際は、経営学に代表される学問としても、そして実践としてもかなり体系化されているし、ツールとして多種多様なものがあります。しかし、今度はありすぎて、あるいは難しいと勘違いして、何を自分が選んでいいのかがまた分からなくなる。そんなレンマにおちいってしまうこともあるかもしれません。
未来社長塾では、そのような視点や考え方、思考の仕方を様々な経営者と議論を通じながら時間をかけて学んでいきます。
入塾は毎月行っています。
詳細、お申込み、ご質問以下より。
http://www.sizzerl.jp/mirai-boss/index.html
どちらが正解?
早嶋です。
新年明けましておめでとうございます。
皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのことと
お慶び申し上げます。
戦略とは「しないことを明らかにする」こと。
と言われるものの、2013年はどちらを選択していいのか、
分からない年だったと思います。
リーマンショック後、新興国や資源国に流れていたお金の動きが
米国に移っています。
世界経済の成長が鈍化して、BRICSの低迷が観察されました。
政治腐敗が大きな理由で先進国入りが困難だったのでしょう。
欧州と米国では日本化が大きなテーマとなりました。
しかしゼロ金利でも景気は浮揚せず長期デフレの懸念が広がっています。
米国は景気が回復する一方、GDPと株価が乖離し始めています。
先進国での雇用とスキルのミスマッチの縮図を垣間見ることができます。
民主制が良いのか、独裁が良いのか。
力強い日本の企業は多様性よりも強烈なワンマン経営が後を押しています。
一党独裁が良いのか否か。
独裁国家はアラブの春以降、逆に混迷した国家になっています。
何が正解か。
中小企業の経営において一つ言えることは、
主のビジネスにフォーカスし、
傍流のビジネスを整理することではないでしょうか。
大きな金額のビジネスを一発勝負することなく、
小さくても定期的に入る仕組みをコツコツ構築していくことではないでしょうか。
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