早嶋です。
5年、10年取り組んだ事業は、過去の延長を考えることで、一定の確度で将来を予見できる。そのため経営計画を入念に練ることには一定の意味があると思う。一方、今後5年、10年先の事業を開発するための机上の議論は、そこそこで良い。やってみないとわからない部分が多分にあるからだ。
10年前と比較して、経営計画の内訳や売上のポートフォリオに占める新規事業の割合が高い。しかし、相変わらず一定の経営企画がいる部隊は10月頃から来期の経営計画の準備に入り、翌年1月から3月はほぼ会議づくしだ。
計画、実行、検証、ブラッシュアップと仕事を分けるとすると、1年の半年近くに計画をしている。そして、半年かけて実行するが、検証とブラッシュアップを繰り返す取組がほぼ無い。更に、新しい取組でテスト的に行った内容、一部の部門でテストマーケティングを実施した取組を展開、全体最適でより高効率にするためにはどうするか?などの議論がみられない。
企業の顧客は、内部にもいる。経営企画や本部と言われる部隊の顧客は現場だと思う。社長ではない。しかし組織の10%いかに過ぎない本部スタッフがあまりにも現場を知らず、社長のみにフォーカスするので、計画は立派だが、1ミリも現場で試されない絵に描いた餅的経営計画が多数存在する。
計画は実行しなければ意味が無い。成果は行動の継続の結果でしかない。新しい取組は、どんなに机上で議論しても、価値はない。現場が行動に移し、事業として再現可能な状態になってキャッシュフローを生み出す。
新規事業に関しては計画はそこそこで良い。その計画を試行錯誤しながら現場で取り組むための知恵を得るための実験が必要だ。そして本部スタッフがその実験結果をまた整理して、より楽に、より効率的にできる手法に変えていく。これが検証とブラッシュアップだと思う。
計画:実行:検証:ブラッシュアップ=5:5:0:0
ではなく、
計画:実行:検証:ブラッシュアップ=1:3:3:3
を初期は意識的に行い、ブラッシュアップした取組を大きな組織では束ね全社展開する手法や、ITのようにプラットフォーム化して他の顧客や他の業界に展開できないか?を考えるのが経営企画の役割だと思う。
(過去の記事)
過去の「新規事業の旅」はこちらをクリックして参照ください。
(著書の購入)
「コンサルの思考技術」
「実践『ジョブ理論』」
「M&A実務のプロセスとポイント」
2024年3月 のアーカイブ
新規事業の旅101 最近の経営企画
テルモンの一貫性
早嶋です。
マーケティングにおける哲学は、徹底的に一貫性を持たせることだと思う。SDGsが流行っているので自社もその取り組みの波に乗る。国連本部が販売するSDGsバッチを10個セット$35で購入して社員がつける。悪くはないが、それはマーケティングではない。
自社が戦略として打ち出したポジションを実現するために、自社の顧客に対して徹底的に4P を検討して提供する。その中で、試行錯誤をしながらチューニングを施す。SDGsそのものはすごく重要で、持続可能な社会を構築するために企業も持続する必要がある。企業が提供する製品やサービスによって社会が回る側面が多々あるからだ。
ハリウッドスターであるレオナルド・ディカプリオも出資するシャンパーニューメゾンのテルモンは、マーケティングを体現する企業の一つだ。1912年に創業で「母なる自然の名のもとに」をメゾンのモットーに掲げ、オーガニック農法や二酸化炭素排出量の削減などを徹底したブドウ畑を守りながらも、トレーサブルなシャンパーニューを提供している。
テルモンが所有するブドウ畑は22ヘクタール(東京ドーム5個分)で、ブドウ畑とその周辺の生態系と環境保護に配慮している。2022年には、ぶどう畑の約8割に対してオーガニック認証を得ている。シャンパーニュの製法は創業時から受け継がれ伝統的な手作業で行われている。
テロワールは伝統的な少量生産のアルチザンに加えて、サステナビリティにも力を注ぐ。テルモンのエチケットには、トレーサビリティの証明がされ、ボトルナンバーからボトリング年、糖分量、ブドウ品種、ビンテージ、製法、メゾンのマニュフェストまでが明記されている。このように情報を開示しているシャンパーニューは他にないのだ。
更に徹底している。テルモンは一般的な限定ギフトボックスがない。その理由はすぐに廃棄させられるものだからだと言う。ボックスを廃止することで、無駄な二酸化炭素の排出を減らすことができるので実行している。また、テルモンのボトルにもこだわりがある。リサイクルガラスを使用しているのだ。ロゼワインなど、色を確認する必要のあるガラスも今後リサイクル可能なグリーンボトルにシフトする。ワインの輸送も海運のみにし、すべてにおいて一貫したこだわりを持ち合わせている。
新規事業の旅100 自分事と他人事
早嶋です。
自分事と他人事。事業を行う場合によく聴く言葉だ。モノゴトや課題解決の取組を、主体的に捉えて自ら取り組むことだ。が、実際に自分事(我が事)として取り扱い、行動する人は少ない。他人事として行う限り、そこから得られる過程や成果を一切、コントロール出来ないのだ。
子供がソフトボールをしている。応援している立場で、場外や応援席からエールを送る。もちろん子供のチームなので応援にも熱が入る。しか実際に一緒にプレーすると応援している時の見え方や考え方と異なる。あるひ、練習の見学をしている。子どもの人数が足らないので練習のフォローのため外野選手として持ち場を守る。子供にエールを送りながらも、自分の守備位置の確認をしながら攻撃する選手の球の位置や塁に出ている選手への送球を考えている自分がいた。応援しているときとは視座が異なっているのだ。モノゴトを外から見るか、内から見るか。視座が変われば思考と行動が変わるのだ。
自分で行う場合と他人が行っている場合、自分で考察をする場合と他人の答えを待つ場合では、全てが異なるのだ。
事業においてもしかりだ。上司や会社からいわれたことを仕事と理解して行っている限り、何かあった場合も全て他人任せだ。しかし、自分事と捉えた場合、変化が起こる。自分だったらこうするけどなと。仕事のモチベーションが低い、パフォーマンスが出ない。そこで悩みくよくよする人の多くは、その経過と行動を全て上司や会社に丸投げしていることに気がついていない。人の将棋盤の上で、人に動かされている駒のような存在になっているのだ。駒である限り、駒を操るプレイヤーをコントロールすることは不可能だ。そして、駒の動きを駒が勝手に指示して動かすことも出来ない。
自分が将棋盤を操るプレイヤーになれば、全てが逆転する。試行錯誤でき、自分の駒や他の駒を動かすことができる。例え、動かすことが出来なくても、将棋盤全体を俯瞰しながら相手の攻撃と次の攻撃を予測して様々に考えることができる。そしてその思考をゲームに活用するのだ。
世の中、シンプルだ。全てはコントロールできること、出来ないことに分けることができる。無意識に将棋の駒になっている限り、コントロールできることが極めて少ないのだ。結果、たまたま良い社会、たまたま良い会社、たまたま良い上司がいたら経過も成果も楽しいだろう。が、その存在の人事は運だ。◯◯ガチャと言っている若者がいる。所詮駒であり、自分がプレイヤーになる視点そのものが無いのだ。駒である限り、コントロールできない。そのために不安定なのだ。
自分事、我が事、プレイヤーになる。結果的に自分で考えコントロールできることにフォーカスして行動を変えることで、実際にモノゴトが動きはじめるのだ。
(過去の記事)
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そのショッパー有償ですか?
早嶋です。
近年、環境を配慮する傾向が強いあまり、店頭で顧客に配布する袋(ショッパー)が有償になっている。金額にすると数円から数十円なので大した金額ではないが、店員の無機質な対応が気になると共に、一定のブランドであれば、そのブランドに対して嫌悪感すら抱く場合もある。
ショッパーは、百貨店やモール等、一定の層が集まる場では、プロモーションとして活用できるツールでもあった。環境理由に、一方的にショッパーを配布しない取組に疑問を持ったことは無いだろうか?
百貨店の中にあるブランドショップと同じブランドで、先日訪れたアウトレットモール店舗でも、紙袋のショッパーが有償だ。疑問だ。ショッパーの紙袋を意識するよりも、つくりすぎたアウトレットの商品を見直すべきだ。アウトレットを出さない生産計画を考慮した方が、よっぽど環境に負荷がかからないのでは無いかと考えてしまう。(もちろん顧客として、アウトレットはいわばテーマパークのようで、その存在が無くなるとそれはそれで寂しいが。)
アウトレットモールは通常、郊外に店舗を構える。顧客は車でその場所まで行く必要がある。仮に一定のB級品が発生したら、それはWebショップで提供する方が環境に配慮できる。そんなことを考えながら、ショッパーが有料、しかも環境を考えてと言われた瞬間に苛つきを覚える。環境配慮ではなく、ショッパーで地味に利益をとっているように感じてしまうのだ。
繁華街やモール等では、ショッパーを持つ顧客が歩くだけで、その店舗やブランドを宣伝することになる。ずいぶんと昔の話だが、六本木ヒルズが出来たタイミングで、歩いている人は皆GAPと書かれたショッパーを持って歩いていた。戦略的に、大きめのGAPのショッパーを配布し、既に購入している商品などを、”親切に”、GAPの大きな袋に詰め替えてくれたのだ。(上述した百貨店とアウトレットのブランドはGAPではない。)ショッパーに、ロゴや企業メッセージを印刷することで、店舗外の多くの人々に見てもらう機会を増やす。店舗街を歩く人々がショッパーを持つことで歩く宣伝マンになり、認知度を増やせるのだ。
人の心理についてコメントする。数千円の買い物でも、数万円の買い物でも、その場で10%でも5%でも割り引いてくれると地味に嬉しいものだ。逆に、会計の際に、わかっていても、毎回袋の値段を聞かれ、サイズを聞かれる行為にうんざりする。高級店舗であれば、勝手に選んで勝手に価格に反映したところで、文句は言わない。なのに、敢えて聞かれる。プロ意識の欠如とも感じる。
企業が環境に配慮すべきことは理解しちえる。重要だ。しかしだ。顧客に対して有償のショッパーを提供することをエコフレンドリーとして顧客が喜ぶかなのだ。そのような顧客がそもそも、あたなのブランドを敢えて買うかなのだ。企業として是非議論してほしい。
その議論の際に、否定的な有償ショッパーの障害を3つ示す。
1.ブランド露出の減少
2.顧客満足度の低下
3.競争上の課題
特に、2つ目、3つ目はポイントだと思う。有償ショッパーの導入により、会計時に更に、金額を請求されたと感じることだ。行動経済学では、ピークエンドの法則と言われる。人はある出来事に対して、感情が最も高まる瞬間と、最後の印象で全体の印象を判断するという法則だ。買い物でブランドショップで素晴らしい商品を見つけて購入した瞬間は、最も嬉しい感情だろう。一方で、小さな金額なのだが、その心意気が気に食わなくて、ショッパー有償のたびに、ネガティブな感情が蓄積して、その結果、そのブランドに嫌悪感を抱くのだ。
行動経済学にはナッジという概念がある。軽く肘先でつつくとか、背中を押す程度の意味だが、ナッジはその積み重ねが結果的に人の意思決定に大きな影響を与えるということだ。無意識かもしれないが、ショッパーの、会計時のあの感覚が、ブランドロイヤリティを激下げするのだ。
ライバルが同じように有償のショッパーを配布しているとき、パタゴニアの事例は参考に値する。ショッパーは有償だが、そのショッパーを後日店舗に持って来ると、いつでもその金額を返金してくれる。(今も継続しているかわからないが。)この取組は素敵だ。環境にも意識しているし、環境の理解者にはとてもフレンドリーというメッセージをしている。
要はそのブランドの一貫性に辻褄があっていない感じを受けるのだ。例えば、路面店では雨の日、傘用のビニールを店頭で配布し、そのビニールに濡れた傘をいれることを要求する。殆濡れていなくても、強制的にいれるように指示する店舗すらある。ちょっとみてすぐ出るのに。そのビニール袋に対して対価を請求する店はない。が、確実にそのような店は、ショッパーや店舗の袋を有償にしている。ここにギャップを感じるのだ。
やみくもにショッパーを有償にするのではなく、自社のブランドの立ち位置や他社とのポジションの違いを検討した上で、ショッパーを限りなく有効活用するのか、何も考えないで有償にするのか。などを議論してほしい。他社が考えなしショッパーを有償にしているとする。自社が敢えてショッパーを無償にしたただけで、競争上の優位を勝ち得ることだって現在は考えられる。
要は何も考えずに一律みんながやっているから。という態度は一定のブランドロイヤリティを感じる店舗に対しては極めて危険な取組になることを指摘したい。
世代間を超えて役立つ “アサーション”について
安藤です。
コミュニケーションスキルの中で、自分も相手も大切にするコミュニケーションスキル“アサーション”があります。
グローバル化、多様化されている社会で、求められるのは個人を尊重し、協働する働き方、そして、ITの発展、SNSの普及、AI化などでコミュニケーションの形式が変化する今、この “アサーション” が、求められています。
Z世代とは、おおむね1990年代半ばから2010年代前半に生まれた世代で、ここ数年で社会人になった人たちのことです。Z世代の人達は、幼少期にSMAPの曲「世界に一つだけの花」がヒットし、思春期に映画「アナと雪の女王」が ヒットしました。それぞれ、「ナンバー1にならなくてもいい、オンリー1になればいい」「ありのままの自分になる」が主となるメッセージでした。それは無理をしなくていいよ~とも捉えられているかもしれません。昭和時代はというと、栄養ドリングのCMで、「24時間働けますか?」と訴えていました。
昭和、平成、令和時代と社会環境は大きく違っています。その時代に見聞きしたモノ、コトは、人の価値観や思考に大きな影響を与えます。Z世代の方々は、物心ついた頃から現在まで、不確実性の高い時代を生きてきたので、会社の中で出世してもメリットはなく、できるだけ目立たず、安定した生活を選ぶ人が多いように感じています。
価値観、思考の違いは、どの時代にもあります。しかし、世代間の違い(価値観・思考特性)は、他者との関係性を築くうえで大きな“壁”になりがちです。
“アサーション”は、自分も相手も大切にした、自己表現であり、自分を“語り”、相手に“聴く”のやりとりが基本です。人は異なっていることを前提とした関わり方(ものの見方、理解の仕方・価値観などが違っても)、自分らしさと相手らしさの両立を目指す関係づくりのことです。
自己表現には、3つのタイプがあります。1つは、非主張的、2つめは、攻撃的、3つめは自分も相手も大切にするアサーティブです。
1.の非主張的は、自分の気持ち・考えに不正直で、相手に率直ではない。そうすると、不快感・欲求不満がつのり、怒りが溜まります。我慢することが続くとうつ傾向につながる場合もあります。2.の攻撃的は、相手を抑えて、自分を通す自己表現です。結果は、思い通りにはなりますが、一時的な自己満足になることが多く、内心は後味が悪いこともあります。また、相手から敬遠されたりすることもあります。3.のアサーティブは、率直に、正直に自分の気持ち・考えを伝えたり、同時に、相手の表現をまち、受けとめる。言わば、自他尊重の姿勢・態度です。よって、まずは、自分の気持ち・考えが認識できていること、相手がOKであれば、感謝をし、相手がNOであれば、選択肢の提案をし、お互いが理解しあうように会話を続けることです。
要は、アサーティブなコミュニケーションは、葛藤を起こさないことではなく、葛藤が起こった時は、互いに歩みよりの可能性を探ることが大切。聴く・理解する・受けとめる、関係と状況(文脈)を配慮した自己表現をおこない、役割や地位・権威に頼らず人としての関わりともいわれています。
世代間の違いの人との関わりにも、この“アサーティブなコミュニケーション”を試してみてくださいませ!
ソーシャルスタイルを知ってビジネスに活かす(後編)
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今月のテーマは「ソーシャルスタイルを知ってビジネスに活かす(後編)」です。前編では4つのソーシャルスタイルについて説明し、自分や周囲の人がどのスタイルに近いのか判断する方法をお伝えしました。今回はスタイル毎の相性や、各スタイルの特徴を踏まえたコミュニケーションの方法をご紹介いたします。
まずは、おさらいとして4つのソーシャルスタイルを確認しておきます。
エクスプレッシブ(エンターティナータイプ)は、「感情を出す×自己主張をする」人です。その特徴は、とにかく明るくノリが良い人です。お笑い芸人に例えるなら、明石家さんまさんです。
エミアブル(サポータータイプ)は、「感情を出す×自己主張をしない」人です。その特徴は、優しく協調性にあふれ、人間関係重視です。お笑い芸人に例えるなら、所ジョージさんです。
ドライバー(リーダータイプ)は、「感情を出さない×自己主張をする」人です。その特徴は、目標達成のために率先してみんなを率いるのが得意です。お笑い芸人に例えるなら、ビートたけしさんです。
アナリティカル(分析タイプ)は、「感情を出さない×自己主張しない」人です。その特徴は、分析的で論理的、深く考えることが得意です。お笑い芸人に例えるなら、タモリさんです。
さて、各スタイルの相性やコミュニケーションの方法を見ていきます。基本は同じソーシャルスタイル同士は相性が良いということです。その上で、相性をみてみると相反すると思われる組合せに難しい部分があります。具体的に見てみましょう。
エクスプレッシブと相性が良いのは、同じエクスプレッシブです。同じノリで楽しく会話が弾みます。逆に慎重に分析的に進めたいアナリティカルタイプとはスピード感やノリが合いません。昔、さんまさんとタモリさんの雑談のコーナーがありましたが、対照的な二人のやり取りの違和感が逆におもしろかった記憶があります。ビジネスにおいては、感覚重視の自分(エクスプレッシブ)の弱点を補完してもらい、客観的な判断を任せられる存在としてアナリティカルタイプと付き合うといいでしょう。
エミアブルは協調性の人なので、自己主張の強いドライバーとは合いにくいでしょう。気を使い過ぎてしまうことになるかもしれません。所ジョージさんとビートたけしさんはテレビ番組では上手く役割分担をして、所さんが進行役に徹し、たけしさんがお笑担当をしているように見えます。ビジネスにおいては、ドライバーの突破力を上手くビジネスに取り込めれば、エミアブルの慎重な姿勢の背中を押してくれる存在になってくれるでしょう。
ドライバーの側からすると、大人しすぎる印象のエミアブルの良い部分を認めてみましょう。ドライバーにとっては、協力することや調和を図ることで個人ではできないこともできるということを知る機会になるでしょう。
アナリティカルも同じく、エクスプレッシブのコミュニケーション能力の高さを上手く取り込んでみましょう。客観的に正しい選択肢を選ぶことができたとしても、それを周囲に伝えることが苦手な部分があるとすれば、エクスプレッシブと協力することで自分に無い物をお互い補完し合う関係を築くことができます。
相手のスタイルを知ることで、相手を尊重し、自分に無い物を補完してくれる存在と認めることができると、さらにビジネスが楽しく成果も得ることができます。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
事業シナジー
早嶋です。
今月の日経新聞に、コナカとサマンサタバサの記事が掲載されていた。
ーー日経新聞参照ーー
コナカは20日、子会社でバッグの企画・販売を手掛けるサマンサタバサジャパンリミテッド(サマンサJP)を7月1日付で完全子会社にすると発表した。サマンサJPは経営不振が続いており、完全子会社化で抜本的な立て直しを進める。
ーー参照終了(2024年2月20日の日経オンライン)
スキームは、株式交換。交換比率等は今後の交渉事で、コナカは完全子会社化し、サマンサJPは東証グロース市場から上場廃止になる。
サマンサJPの売上ピークは2016年で約450億、そこから減少を続け23年時点で約250億に。営業利益は同期間のピーク2015年で30億ちょっと、そこから8期連続の赤字に。23年5月にサマンサPJはコナカより18億円の資金調達を行い構造改革を急ぐも黒転できず。
サマンサタバサは94年の創業で、主力はバック。企画から製造販売まで手掛け、バック以外にジュエリーなど10ブランドを抱えるが、どれもピンとこない。10代から20代にフォーカスして人気モデルを積極的に活用して広告宣伝を展開し支持を得ていた。しかし2000年代頃より新たな客層にブランド訴求が出来ずに低迷していた。
2007年頃よりスマフォが主流になり、2015年頃より、若手の消費がより合理的になってきた。松竹梅のブランドがあった場合、梅のGUやユニクロや無印と末のルイヴィトンやグッチが顕著に人気が出て、竹の同ブランドはかなりの勢いで陰りを見せた。理由は、リセールにあると思う。
試しにメルカリでサマンサタバサといれると、商品は多数販売されているが、ほとんど売れていないのだ。この中間的なブランドのポジションは今後も極めて厳しいと予測できる。そこにコナカの出番だ。が、コナカのブランドポジションも中。得意分野は男性、それも紳士。カジュアル、ファションなど女性のブランドも展開しているが、ここは収益がでていない。なかなかシナジーが出にくい取り組みのように思える。
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