以前のブログで蕎麦屋のカツ丼と東洋ゴムの不祥事についてコメントした。(参照:http://www.biznavi.co.jp/blog/archives/4218)
世の中の不満や不祥事は主力のビジネスではなく、その事業からほど遠いサブのビジネスから温床となって湧き出てくると。今世間を騒がしているマンションの杭問題。その中心にいる企業、旭化成。これもまた蕎麦屋のカツ丼だ。
旭化成の決算資料説明会の資料を参照すると、2015年3月期の売上は1.98兆円で42%がケミカル、受託が28%となっている。そして今回世間を騒がしている建材は実に売上比率にして2.6%しかない。最も全体が2兆円近いので売上にすると500億円と大きいが、旭化成からすると明らかに小さい。
従って、また蕎麦屋におけるカツ丼になってしまっている。遡ってみると歴史は繰り返されている。雪印乳業が持っていた雪印食品もポートフォリオの中で小さな部門が問題をお越し、コーポレートブランドを全てのブランドに統一して使用していたために、雪印の本丸が傾いた。
が、これも基は同じで本流から外れているビジネスを野放しにしていた結果が招いたもの。企業規模が大きくなれば、何でもかんでも手をだすのではなく、ある程度大きな枠組で整理をしておかないとしっぺ返しがやってくる。小さな部隊にまで魂を込めて経営が出来るのであれば別だが、出来ない場合は切り離すか、売却するか、撤退するかが懸命な選択と言える。
2015年11月 のアーカイブ
続・蕎麦屋のカツ丼
エチオピア事情
早嶋です。
2015年11月20日から25日の間に、エチオピア首都、アディスアベバに出張。その際に仕入れた情報と感想を備忘録としてまとめています。
【雑感】
エチオピアでの内需はここ数年で一気に高まる。現在の勢いで人口が増えると10年で1.2億程度になる(現在9100万人で年率2.6%で増加)。現在でも市街地は建設ラッシュが続き人が溢れている。アフリカ・ビジネスの拠点として、エチオピアでの内需、ヨーロッパに向けての生産拠点として今後栄えると思う。はじめはバングラディッシュやベトナムから製造業が移管され、ヨーロッパ向けの生産拠点となる。10年後には、エチオピア内需に対しての生産が栄え、更にはアフリカ全土への成長の足がかりとして期待できる。
【基本情報】
国土:109.8平方キロメートル(日本の約3倍)
人口:9,173万人で年率2.6%で増加中(2013年、世銀調べ)
民族:約80の民族が集まっている
言語:アムハラ語と英語。ほぼ英語が通じる。
宗教:キリスト教とイスラム教。2つの宗教が共存している。
エチオピアは東アフリカにある連邦共和制国家で、東をソマリア、南はケニア、北西をスーダン、北をエリトリアに囲まれた内陸国。首都はアディスアベバ。
アフリカ最古の独立国であり、ナイジェリアに次いで2番目に人口が多い国です。国土の大部分がエチオピア高原を中心とする高知で、平均気温は年間を通じて13℃と冷涼。実際は、朝夕が極端に寒く、日中は日差しが強いにもかかわらず気温が高くなりすぎないで過ごしやすい地域でした(アディスアベバ)。
首都アディスアベバは標高2400メートル。エチオピア高原は本来の地形は平らでしたが、標高の高さのため降雨が多くいたるところが侵食しています。結果的に、深い谷や崖が多く散見されます。この地政学的な部分が根拠で他国からの侵略を防ぎ植民地化されなかった理由でしょう。一方で、同様の理由から交通インフラを整備するには不適切で経済発展がネックになったのかもしれません。
【経済】
IMF統計では、2013年のエチオピアのGDPは460億ドル。一人あたりに換算すると518ドル。これは世界平均の5%程度で最貧国となる。しかし近年は経済成長を続けている。しかし主要産業は未だに農業が全体の4割を占め機会化が進まず昔からのやり方で行っているため生産性が極めて低い。
農業は、穀物、豆類、コーヒー、麺、サトウキビ、ジャガイモ、カビ、花、牛や羊やヤギの皮革。
しかしながら近年急激に物価が上昇して、かつ仕事がそんなに無いため、失業率は18%程度にも登っている。が、実際は仕事を必死で探している様子はなく。皆なんとなくのんびりとその日を楽しんでいるような雰囲気を感じる。
【通過情報】
エチオピアの通貨単位はブル。日本円は非常に弱く、ドルに変換した後に、ドルに両替をしなければ都市の両替では対応されないか、相当レートが悪くなる。ホテルの両替はドルは大丈夫だが日本円は皆無に近い。
1ドル=20ブル=120円が相場(2015年11月現在)
【主要貿易相手国】
輸出も輸入もどちらも中国が首位。輸出に対しては、ドイツ、アメリカ、サウジ、ベルギーが上位。輸入に対しては、中国に次いで、アメリカ、サウジ、インド。
【気候】
雪の無い軽井沢と称されることもあり、過ごしやすい。ただし雨季は6月半ば頃から9月半ば。年間を通じた降水量は1200mmを超え、その豊かな降雨が周囲の植生や周りの地域へ潤いを与えている。
また、標高が2400mと高いため、空気が薄く、体調がすぐれない日本人が滞在すると慣れるまで高山病に苦しめられる。日差しが強い割に気温が低く、夜は一気に冷え込む。
【日本からのアクセス】
今回は、エチオピア航空で。2015年4月から安倍総理の動きによって直行便が出ている。現在、水曜と金曜の週に2便、成田からエチオピアの首都、アジスアベバまで直行便がある。直行便といっても、一度香港で乗客を乗せての便になる。
日本から香港はガラガラで、香港から大量に中国系の乗客とともにアジスアベバに向かう。帰路も同様に香港までは満席で中国系の乗客で、香港から成田まではガラガラになる。
エチオピア航空は国営のフラッグ・キャリアで首都アディスアベバのボレ国際空港を拠点にエチオピア国内やアフリカ各地、欧州、中東、北米、東南アジアや東アジアに路線を展開している。
【ビザ】
日本からエチオピアに行くためにはビザが必要。ビザの取得は、都内高輪にあるエチオピア大使館の営業日の午前中に申請をすると、午後15時には受け取れる。取得費用は5000円。エチオピア大使館はコンビニが入っているビルの2階でセキュリティが甘く、いわゆる大使館的なチェックが皆無であったことに驚いた。エチオピアの日本大使館関係者に話を伺ったところ、「それだけ日本が安全ということですよ」と。
【交通インフラ】
主要な都市間の道はアスファルトで舗装されている。日本で言えば国道クラス。少し都市部を離れると車の道であってもアスファルトで舗装されていない道が殆ど。雨季にはぬかるんで移動ができないところも多いと予測できる。
信号機は殆どなく、いわゆるターンアラウンドが主。しかし運転の秩序がなく、平気で追い越しと逆走があるので都市部は常に渋滞している。更に、人やヤギ車なども縦横無尽に歩いているので慣れないうちはハラハラさせられた。
世界一交通事故が多い国。という噂も嘘ではないと感じた。ちなみに、インフラを整える資金の多くは中国マネー。鉄道や主要な国道、そしてハイウェイの多くが該当する。ただインフラの整備と言っても鉄道は皆無と言って良い。基本は乗合バスかタクシー、郊外に行くと三輪車(トゥクトゥク)が目立つ。それでも乗れない人も多く後は徒歩となる。自転車やバイクはあまり走っているところを見ない。ロバや馬、もしくは人が物を運んでいるのを頻繁に散見できる。
【治安】
一般的なスリはいるとしても、危ない空気感が無い。アジスアベバは比較的安全だ。人もフレンドリー。どうやら外国人の多くが中国人で、我々日本人との区別がつかないのか、頻繁に、「チャイナ、チャイナ」と言われていた。昔、小さいころ、外国の人を見かけたら「ガイジン、ガイジン」と言ってた感覚と同じかなと思った。
主要な都市間を通過するとこには関門があり、警察か軍隊が必ず車を泊めさせセキュリティーチェックを行う。形式的な部分もたくさんあるが、かなりセキュリティーが厳しい感覚を受けた。主要な道路は駐車禁止エリアが多く、少しでも停めていると、何処からともなく警察が切符を切りにくるか、注意しにくる。
今回は、数人のドライバーに運転を依頼した。その中のひとりが良くぶつかりそうになるし、捕まっていた。興味深いのは、何らかの違反をして警察に止められるとすぐに、ナンバーを外されることだ。そして切符を切られてナンバーを取りに行かないと行けない。そんなに簡単にナンバーが外れることに驚いた。
【国民性】
極めて穏やかでフレンドリー。また真面目。一方で皆プライドが高い。面白いのが自分の年齢や誕生日を正確に把握していないとのこと。公的な機関が発行する証明書(例えばパスポート)であっても、事故申告。誕生日は、有名な人の誕生日にする人が多く、その方がなくなると不吉だということで更に誕生日を変えるという。年齢も正確に把握しておらず、およその年齢をベースに申告している。
集中力が高く、長時間の仕事にも耐える。また、手先が器用なため機械加工が難しい手作業の外注地域としては向いていることから縫製工場などが集中している。
【物価】
バングラディッシュよりも人件費が安いと聞いていたせいもあったが、実際は思ったより高い。特に、首都のアジスアベバは高騰している。空港近くの比較的に外国人が多い地域は、他の地域の倍から数倍は値段が上がっている。実際、アジスアベバの中で栄えている地域は、近隣のピアサ地区で仕入れた商品をそのまま利益を乗せてアービトラージして商売している人たちが多いそうだ。
【人件費】
今回見学に行ったエチオピアシープの縫製工場(アジスアベバから30km郊外のアレムゲナ)で働くワーカーが月に1200ブルから2000ブル。この賃金も年々上がっているという。泊まっていたホテルの従業員は、2つの仕事を掛け持ちして月の賃金が6000ブル程度。バングラディッシュのあたりが4500円/月から考えると案外と高い。
【ネットワーク事情】
電力事業が安定していないこともあり、Wi-Fiが極めて繋がりにくい。つながってもすぐにプチプチ切れるのでFBなどはストレスだ。エチオピアの人々のほどんどがケータイを持っていて、どこにいても連絡を取り合っている。これは、国内の少数民族でも同じで半数は持っているということ(よしだなぎさん情報)。
【GER:Great Ethiopia Run 】
エチオピアのマラソン界の皇帝、ハイレ・ゲブレセラシュが今回、アジスアベバで走る最後の大会とあって、今年は44000人の参加。日本のマラソン大会と違うのは、先ずはお祭り感覚でタイムを競うためにピリピリしていない。踊りながら歌いながら走っている。中には歩いて楽しむ人も多い。更に、参加者は毎年同じ色のTシャツを着て参加する。大会に申し込むともらえるTシャツだ。日本では参加賞や完走した証として配布しているが、GERでは事前に配布される。更に、多くの人がTシャツを自己流にアレンジしている。袖にカットを入れたり、デザインそのものを変えている人も多くみた。国民性を垣間見れる大会だ。
【建設ラッシュ】
空港から市街、大使館が隣接する街、ビジネス街、工場地域に続く地域、高原のリゾート地域。ありとあらゆるところで建設ラッシュを体験できる。工法は、至ってシンプル。簡易な基礎と細い柱で基礎を固めて、後は積み木を積むように階を増やしていく。壁はブロックを積み上げてモルタルで固めただけ。各階のフロアの厚さも30cm程度あれば良い方ではないだろうか。地震が無いといえども、あの造りは恐怖だ。
【きれい好き?】
まちなかで良く見るのが靴磨き屋。埃っぽく、泥だらけにもかかわらず、こまめに靴を磨いている人をよく見る。中にはスニーカーも磨いてもらっている。
また道路の脇では、バケツと雑巾を片手に車洗いの商売を良くみた。ボコボコの塗装が剥がれている車でも、こまめに洗車して綺麗にしている。洗ってもすぐにほこりまみれになるのにと思いながらも、その景色が当たり前になってきた。
また街のゴミを綺麗にするかかりがいるのか、同じユニフォームを来ている人たちがこまめにゴミを拾っては清掃をしている。どろの道にゴミは落ちているが、そこまで汚くない。
【エチオピアのスポーツ】
建設中の道路では、近くの少年や成年が暇を見つけてはサッカーをしているのを散見できた。国内で最も人気のあるスポーツだ。サッカー自体は国として強くはないが、プレーも観戦も皆好きなようだ。車道の脇にはサッカー関連グッツを売りにくる人も割りかし多い気がする。
エチオピアが最も強いスポールは陸上で、特にマラソンを代表する長距離は格別だ。人口密集地区が標高2000メートル以上にあるため、日常的に心配能力が鍛えられている上に、体の造りが非常に優れている。正にマラソンのための国である。
【食事】
主食はテフなどの穀物の粉を水で溶かして発行させ大きくクレープ上にして焼いたインジェラ。スープ、炒め料理、煮込み料理、肉料理。兎に角、常にインジェラが一緒に出て来る。食感はクレープみたいだがやや酸味を感じる。基本的にスパイスが効いた辛い料理が多い。
コーヒーの産地のため、広く常飲されている。沢山の人が集まる場所では、コーヒーセレモニーという習慣があり、食事をしている間に生豆を入り砕き、それを専用の壷に入れてコーヒーを煮だす。おちょこのような器に入れて振る舞ってくれる。砂糖をかなり入れて甘めだが同じコーヒーでも日本では味わえない飲み物だった。
アルコールはビールやワインが生産されているが、珍しい飲み物としてはタッジと言われる蜂蜜のお酒がある。度数が高く、専用の容器に入れて回し飲みする。試してみたが蜂蜜の強い香りとアルコールで苦手だった。
【アフリカの政治拠点】
アジスアベバにはアフリカ連合(AU)や国連アフリカ経済委員会(ECA)の本部があり、アフリカ地域の外交の中心地の一つになっている。日本大使館の大使は、特命全権大使兼アフリカ連合(AU)日本国駐在代表となる。
【工場事情】
エチオピアの首都アジスアベバ郊外の地域には、ここ数年で2,000位の工場が乱立されている。その殆どが中国資本。立地柄、欧州向けの拠点工場として位置づけられている。製造の多くはシャツやジャケット、パンツ類などの衣服関係とバックや小物などファッション関係が多い。
現在、中国人が5万人〜10万人、韓国人が3,000人、日本人が300人位滞在してビジネスを行っている。中国人のバラつきがある理由は、エチオピアで産まれた子どもを正確に把握出来ていないのが理由だ(日本大使館関係者からの情報)。
ストレスチェック制度の導入前の準備
安藤です。
ストレスチェック制度は、労働者50名以上の事業場の事業者に検査実施義務があります。
50人未満の事業場には努力義務とされています。
実施に伴い、年間スケジュールを考えるとストレスチェック実施前にはまずは、会社としては、
経営者のよる方針表明をし、その次に衛生委員会で実施者等担当者の役割を明確にしなくては
いけません。
ストレスチェックの導入前の準備には、事務所の衛生委員会で、ストレスチェック制度の
実施方法などの話し合いが必要です。
話し合ってきまったことを社内規程として明文化し、全ての労働者に内容を知らせる
ことをしなくてはいけません。
話し合う必要がある事項としては主なものとして下記の通りです。
①ストレスチェックは誰に実施させるのか。
②ストレスチェックはいつ実施するのか。
③どんな質問票を使ってストレスチェックを実施するのか。
④どんな方法でストレスの高い人を選ぶのか。
⑤面接指導の申出は誰にすればよいのか。
⑥面接指導はどの医師に依頼して実施するのか。
⑦集団分析はどんな方法で行うのか。
⑧ストレスチェックの結果は誰が、どこに保存するのか。
詳しいことはこちらにどうぞ。
→http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf
ストレスチェック実施自体に人数にもよりますが、約3ヶ月はかかります。
2016年の11月末までには1回、ストレスチェックを実施する義務があります。
ストレスチェック制度以外の職場のメンタルヘルス対策の実施も必要です。
①産業医の選任(役割・業務の明確化)
②衛生委員会の設置、毎月開催(衛生管理者の選任)
③社内相談窓口の設置
④メンタルヘルス研修の実施など
ストレスチェックが適切に実施できる企業風土を作ることが求められています。
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
創造的思考で実現できるかも?
原です。
ビジネスや日常での問題解決のベースとなる考え方には、ロジカル・シンキング(論理的思考)とクリエイティブ・シンキング(創造的思考)があります。
ロジカルシンキングは、根拠となる事実ベースから結論を出す考え方です。
一方、クリエイティブ・シンキングとは、どんなイメージでしょうか?
クリエイティブと聞くと、デザイナーやアーティストを思い浮かべる方が多いと実感しています。
しかし、実際は、デザインやアートの世界ではなく、企業や相手の現状を把握して本質的な問題を見極めて解決策を創造的に考えていくことがクリエイティブ・シンキングなのです。
なので、クリエイティブとは芸術などの特別な才能ではなく、誰もが備わっている能力です。
「現状をより良くするために創意工夫する」などは、誰もが日常の中で、無意識に行っています。
多様なステークホルダーとの自由かつ前向きな対話により、「解決できるかも?達成できるかも?実現できるかも?」というポジティブな思考から新たなアイデアが生まれ、創造的な問題解決が可能となるのです。
大切なのは、自分はクリエイティブではないというネガティブな意識から、自分はクリエイティブなのだと意識を切り替えるクリエイティブ・マインドが必要なのです。
そこから、クリエイターとしての第一歩が始まり、未来へのストーリーが描かれ、未来が創造されていくのです。
ビジネスと悟り
早嶋です。
漁師と投資家の話。市場で高値で取引される漁を得意とする漁師は、朝早く起きて漁に行き、昼前に市場で魚を売って家族と食事。その後、昼寝をして近場の海岸でのんびり散歩や魚釣り。毎日そのような生活を繰り返す。そこに投資家が現れ、もっと大量に漁をして儲けようと話を持ちかける。船を大きくして、工場を建て、規模を拡大する。
漁師:「それで儲けてどうする?」
投資家:「儲かったお金で好きなことをすると良いよ。」
漁師:「例えば?」
投資家:「午前中に仕事を済ませ、昼からは好きに過ごす。家族とゆっくりご飯を食べて、お昼寝や大好きな魚釣りをしてのんびり過ごすというのはどうだい?」
漁師:「だったら、今と変わらないよ。」
投資家:「・・・。」
人は欲求を満たすためにせっせと仕事をする側面がある。富や名声を欲し、お金を使って物質的な豊かさを求める。特に世の中が成長ムードの時は、皆がローンを組んで若い時間を家族との豊かな時間ではなく仕事という無機質な時間に費やしていった。仕事をすることで何かが満たされる感覚に陥りただひたすら仕事をして物質的な富の消費を繰り返し行う。
気がついたらローンはなくなっているが、家族と過ごした時間や思い出が少ないことに気が付き、その時間を取り戻そうとする。しかし家族は成長して、それぞれの時間を過ごし、既に家から離れている。さらに、自分も昔のような若さがなく、徐々に衰えを感じるようになる。
これが正しい時間の使い方なのか疑問に思う。
比較的に短い期間で資産を構築して自分の役割を明確にする。様々な課題を解決する立場になっている。自分のペースで仕事をしているが様々な利害関係の方々と日々複雑な意思決定をしなければならない。結果、日常の諸事にまで悩む時間を取られたくない。日常のことをどんどんシンプルに考えていく。自分が身にまとうものは同じスタイルになり、健康に気をつけ暴飲暴食を避ける。できるだけ穏やかな時間を過ごしたく家族に寄り添う。
昔は躍起になって購入していた物質的な富に興味がなくなり、精神的な心の支えや豊かさ、人の思想に興味がシフトする。そして徐々に生き方が研ぎ澄まされていく。そのような状態になると、自分がこれまで手にしてきた欲求や名声や地位がどうでも良くなる。全てがなくなっても構わないという安堵感。逆に、これまで構築してきた全てを失いたくないという恐怖感が消え失せる。
考えてみればそのようなものは単なる自己のプライドに過ぎない。これは煩悩であり、それがなくなった時点で菩薩の境地になるのだろう。ビジョンの実現に向けてひたすらに走った後にも悟りの境地があるのかもしれない。
M&A部隊を何処に配置するか
早嶋です。
失敗を咎める文化が強く残る日本。失敗したその道のプロが徐々に組織から追いやられ蛻の殻に。そして気がついて見れば、チャレンジしないで上司のいうことをそのまま鵜呑みにする無難な優等生だけが残っていく。少子高齢化、日本市場の低迷というこの時代、そんな組織は一緒に衰退する。
失敗を咎める文化で最も危険な状況がM&Aの推進だと感じる。なぜならばM&Aの買収価格は通常最初から企業価値や事業価値の30%から60%程度がプレミアム分として上乗せているからだ。従って、その分を取り戻すだけでも真剣に買収後の活動、PMIが重要になる。
そのような状況においても失敗した担当者を更迭したり、組織の隅に追いやって存在を消すような文化では到底ノウハウが社内に蓄積されることはない。トップや経営人はM&Aの性質自体をもっと良く理解して失敗に肝要になる。失敗から学ぶ取組を真摯に受け入れるべきだ。
特に大きな組織において、M&Aを事業部の戦略として取り入れている。間違いではないが、事業部単位でM&Aを行うとウィンナーズカースや保有効果が働いてしまい、一度交渉をスタートした買収組織を客観的に判断することが難しくなる。そしてそこで失敗すると次からのいってでM&Aを検討することが少なくなり、もとのorganic growthで頑張ろうとするのだ。
大きな組織は事業戦略においての方針も企業戦略で打ち出して、事業全体のポートフォリオを明確にした上でartifical growthを取るか否かの判断をすべきだ。従ってM&Aの部隊はM&Aの知識ノウハウと同様に企業戦略を完全に理解していないと後での損失を大きくする。そのため理想としてはCFO直下にM&A部隊を配置して失敗と成功のノウハウを徐々に蓄積していくことが重要だ。
メタファー(比喩)の発想法
原です。
同じ方向にいくら目を凝らしても、違う見方はできない。物事を違う視点から眺めることができればと分かっていても、なかなかそれができない。
そんな時、お薦めな発想パターンは、おもいきって立場を変えてみることです。
もしも、「あなたが動物だったら?」。「えっ、動物?」と思われるかもしれませんが、メタファー(比喩・例え)を活用するという発想方法なのです。
この動物メタファーを活用した商品開発の事例では、サントリーの伊右衛門です。サントリーは、事前アンケート調査の中で「急須に入れたお茶は、あなたにとってどんな存在ですか?人・モノ・動物に喩えてください。」と問いかけ、最後に「大人の哺乳瓶」という商品イメージにたどりついたという話しがあります。そこから、「働く男が帰りたくなる家」という伊右衛門のCMテーマにつながっています。(参考書籍:イノベーションの作法より)
お茶の質にこだわることも大切なのですが、メタファーにより切り口を変えてみることで、お茶以外でのイメージが膨らんでくるのです。
「もしも、あなたが10年先にタイムスリップしたら?」、「子供に戻ったら?」、「ラーメン店の経営者だったら?」、「政治家だったら?」、「タレントだったら?」
と休日にコーヒーでも飲みながらリラックスして発想してみると面白いアイデアが浮かんでくると思います。
さぁ、はじめてみましょう。もしも、あなたが誰かに変身したら?
経営のご相談は、ビズ・ナビ&カンパニーまでご連絡下さい。
ストレスチェック制度の位置づけ
安藤です。
ストレスチェック制度は、『改正労働安全衛生法』が基本にあり、総合的なメンタルヘルス対策を求められています。
ストレスチェックの位置づけは、総合的メンタルヘルスの一部であることの認識が必要です。
*総合的メンタルヘルス(心の健康づくり計画・社内相談・メンタルヘルス・産業医・衛生委員会・ストレス・職場復帰支援など)
・産業医選任義務のある事業場対象(労働者50人以上)
・既にメンタルヘルス対策を何かしら取り組んでいる
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」にもあるように、4つのメンタルヘルスケアの促進の中の1次予防が大切です。
それは、メンタルヘルス研修(ラインケア、セルフケア)及び相談窓口の設置です。
総合的なメンタルヘルス対策におけるストレスチェックの位置づけを明確⇒ストレスチェックは一部
詳しいことは→http://www.chosakai.co.jp/publications/14026/
ストレスチェック制度が設けられた背景には、メンタルヘルス不調の増加があります。
厚生労働省が平成26年6月に発表した、平成25年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」によると、精神障害による労災請求件数は1,409件にのぼり、過去最多を記録しています。また、労災の支給決定件数は436件で前年度に比べると39件減っていますが、実は前年度というのが過去最多の475件(前年比150件増)を記録した年なのです。その点を考えると、依然として高水準であるといえます。
メンタルヘルス不調は、本人だけの問題でなく会社にも次のようなリスクをもたらします。
・ コンプライアンス、訴訟リスク
――メンタルヘルス不調になった社員やその家族が、会社に対して損害賠償請求などの訴訟を起こすリスクや、それに伴う風評被害。
・ 戦力ダウン、活力低下
――本人が働けなくなることや、その人の仕事をカバーする他の社員の負荷が増える。(負の連鎖)
このように、働く人のこころの健康が害されると、会社は大きな損害を被ります。
一方、ここを上手にマネジメントしていけば、リスクの予防につながるだけでなく、会社の活力を上げ、さらには業績アップへとつなげることができます。メンタルヘルスマネジメントは、会社の基本戦略といってもいいでしょう。
このメンタルヘルス管理体制については、厚生労働省が公表している「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が参考になります。ここでは、メンタルヘルスケアは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「事業場外資源によるケア」の4つのケアが継続的かつ計画的に行われることが重要であるとされています。
法改正を機に、メンタルヘルスマネジメント体制の見直しを進めることをおすすめします。
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
郵政3社上場
早嶋です。
郵政3社の東証一部上場が間近に迫っている。日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社だ。小泉元首相の郵政民営化の過ぎなるステップとなる。が、自由競争に出て行くことを考えると、幾つもの疑問が出てくる。
■日本郵政。
この会社はゆうちょ銀行とかんぽ生命の完全子会社ということが最大の懸念。郵便事業が赤字でも、郵貯とかんぽが黒字であればそれで成り立っていた。実際、郵貯と簡保から窓口使用料として1兆円近くのお金を受け取っている。当然、子会社が同等に同じ市場に上場すると、より有利な窓口に提供することになるので、この1兆円のお金は日本郵政からすると予算化できるはずがない。
参照_日本郵政の金融窓口事業:http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS06651/927f2abf/7203/4d5e/97af/aa3ade194876/140120151102434451.pdf
■かんぽ生命
15年3月期の保険収入料をみると第一生命や日本生命を上回りダントツトップです。背景は全国にある郵便局の販売チャネル。かんぽ生命がそもそも売れた背景は、民間ではない国営の簡保というポジションがあるからだと思う。パンフレットを郵便局において販売が今後も伸びるとは到底考えにくい。上場は成長シナリオあって意味があるものだが、現時点でこちらのシナリオが見えにくい。
参照_かんぽ生命の決算:http://www.jp-life.japanpost.jp/aboutus/disclosure/pdf/2013/05_p027_p040.pdf
■ゆうちょ銀行
15年3月末の貯金残高はぶっちぎりの176兆円。メガバンクトップの三菱東京UFJでも144兆円なので圧倒的だ。しかし銀行は、貸出をして利益を得てなんぼの商売。ゆうちょ銀行は銀行の3つの機能のうち、預金と決済が中心で、貸出機能を持っていない。ということはゆうちょ銀行の主機能に、相手を審査する機能が皆無となる。これまでは国の信用で集まったお金でひたすら日本の国債を買うという流れを組んでいたのが背景だ。
ただ、国内の銀行は現在、お金を預けたとてごくごくわずかな金利しかもらえないので、貸出による差が見えにくい状況になっているのも事実でしょう。また、今後の考えから皆が右に倣えで銀行にお金を預ける文化もなくなれば、いよいよ貸出機能の差が大きく出てくることになるだろう。
参照_ゆうちょ銀行貯金残高:http://www.jp-bank.japanpost.jp/aboutus/financial/pdf/kessan201403_hosoku.pdf
参照_三菱東京UFJ銀行貯金残高:http://www.mufg.jp/ir/presentation/backnumber/pdf/slides150228.pdf
2日で2500万円以上の調達
早嶋です。
クラウドファンディングサイトで、昨日から興味深い動きが起きています。プロジェクトアップして早々の数時間で1,000万円近い金額を確保しているのです。
https://faavo.jp/minonokuni/project/839
目標金額550万にたいして、現時点で2550万円。FAAVOは地域の活性化に特化したクラウドファンディングでしたので、都内や一部の案件を覗いて、これほどまで騒がれることはありませんでした。というのも地域活性化に対してのプロジェクト支援額も100万円程度が最も多く、調達金額の平均値も最近は高くなっていますが70万円から80万円程度でした。これを考えると2,000万円以上の支援金額がプロジェクトをアップしただけで2日程度で4倍もの支援金額が集まるとはやはり異常です。
プロジェクトの内容は、『かつて阿蘇神社の深奥に安置され、日本中にその名を響かせた「蛍丸國俊」。残念ながら戦後の混乱で失われた名刀を、現存する資料に基づき新しく鍛え上げ、阿蘇神社へ再度奉納することを目標とする。(FAAVOサイト参照)』というもの。
確かに、興味深い内容ではありますが、何が原因でしょうか。考えられるのは、近年の日本刀ブームです。日本の名刀を擬人化したキャラクターが登場するゲームが今一部で流行っています。そのファンが早々にこの取組を支持しているという仮説が持てます。
http://www.dmm.com/netgame/feature/tohken.html
地域起こしであっても、支援者のフォーカスによっては一気にムーブメントを起こすことが可能な世の中です。この取組とターゲットを意識したファンディングは参考になりますね。
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