高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今月のテーマは「値引きせずに契約を勝ち取る提案術」です。
先月は「価格の裏にある“本当の質問”とは?」というテーマでした。お客様が価格に関する質問をされた時は、価格ではなくその価値を納得させてほしいということでした。
今月も価格に関することですが、「値引き」について書いてみました。
「他のお店はもっと安かったんですけど…」
「この金額では決裁が下りません」
そんな言葉を聞いたら、多くの営業マンが値引きのプレッシャーを感じることでしょう。
しかし、安易に値引きをしたのでは利益を削るだけでなく、「この商品はその程度の価値なのか」とお客様の期待値まで下げてしまうことになります。
では、どうすれば“値引きせずに”納得して契約してもらえるのでしょうか?
まず大切なのは、やはり「価格を伝える前に、価値を伝える」ことです。
たとえば、同じ50万円の商品でも、
「これは50万円です」と言われるだけでは高く感じますが、
「この商品はお客様の〇〇な課題を解決し、△△の成果をもたらします。10年間フリーメンテナンスも含まれています」と説明されたうえで「価格は50万円です」と言われれば、納得感がまったく違います。
価格の話をする前に、「お客様にとっての好いこと(価値)」を明確に伝えることが肝心です。
値引き交渉に発展しやすいのは、お客様が「どこでも同じ」と感じている場合です。
つまり、「どこから買っても変わらない」と思われていると、価格競争に引きずり込まれてしまいます。
だからこそ、「自分から買う理由=価値」を明確にする必要があります。
たとえば、
導入後のフォロー体制
顧客の業種に合わせたカスタマイズ提案
担当者としての対応力やスピード感
こうした“見えにくい価値”を言語化することが、価格以外の差別化につながります。
お客様が本当に望んでいるのは、「一番安い商品」ではなく、「一番私に合っている商品」であることが多いものです。
「御社にとって、何を一番大切にされていますか?」
「価格以外で、重視されているポイントはありますか?」
こうした質問で、相手の“本音の判断基準”を引き出すことで、価格ではなく価値・信頼・安心といった要素で勝負することができます。
価格は交渉材料ではなく、“納得のゴール”です。
価格を下げる前に、価値を高める提案をしてみましょう。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。