安藤です。
コミュニケーションスキルの中で、自分も相手も大切にするコミュニケーションスキル“アサーション”があります。
グローバル化、多様化されている社会で、求められるのは個人を尊重し、協働する働き方、そして、ITの発展、SNSの普及、AI化などでコミュニケーションの形式が変化する今、この “アサーション” が、求められています。
Z世代とは、おおむね1990年代半ばから2010年代前半に生まれた世代で、ここ数年で社会人になった人たちのことです。Z世代の人達は、幼少期にSMAPの曲「世界に一つだけの花」がヒットし、思春期に映画「アナと雪の女王」が ヒットしました。それぞれ、「ナンバー1にならなくてもいい、オンリー1になればいい」「ありのままの自分になる」が主となるメッセージでした。それは無理をしなくていいよ~とも捉えられているかもしれません。昭和時代はというと、栄養ドリングのCMで、「24時間働けますか?」と訴えていました。
昭和、平成、令和時代と社会環境は大きく違っています。その時代に見聞きしたモノ、コトは、人の価値観や思考に大きな影響を与えます。Z世代の方々は、物心ついた頃から現在まで、不確実性の高い時代を生きてきたので、会社の中で出世してもメリットはなく、できるだけ目立たず、安定した生活を選ぶ人が多いように感じています。
価値観、思考の違いは、どの時代にもあります。しかし、世代間の違い(価値観・思考特性)は、他者との関係性を築くうえで大きな“壁”になりがちです。
“アサーション”は、自分も相手も大切にした、自己表現であり、自分を“語り”、相手に“聴く”のやりとりが基本です。人は異なっていることを前提とした関わり方(ものの見方、理解の仕方・価値観などが違っても)、自分らしさと相手らしさの両立を目指す関係づくりのことです。
自己表現には、3つのタイプがあります。1つは、非主張的、2つめは、攻撃的、3つめは自分も相手も大切にするアサーティブです。
1.の非主張的は、自分の気持ち・考えに不正直で、相手に率直ではない。そうすると、不快感・欲求不満がつのり、怒りが溜まります。我慢することが続くとうつ傾向につながる場合もあります。2.の攻撃的は、相手を抑えて、自分を通す自己表現です。結果は、思い通りにはなりますが、一時的な自己満足になることが多く、内心は後味が悪いこともあります。また、相手から敬遠されたりすることもあります。3.のアサーティブは、率直に、正直に自分の気持ち・考えを伝えたり、同時に、相手の表現をまち、受けとめる。言わば、自他尊重の姿勢・態度です。よって、まずは、自分の気持ち・考えが認識できていること、相手がOKであれば、感謝をし、相手がNOであれば、選択肢の提案をし、お互いが理解しあうように会話を続けることです。
要は、アサーティブなコミュニケーションは、葛藤を起こさないことではなく、葛藤が起こった時は、互いに歩みよりの可能性を探ることが大切。聴く・理解する・受けとめる、関係と状況(文脈)を配慮した自己表現をおこない、役割や地位・権威に頼らず人としての関わりともいわれています。
世代間の違いの人との関わりにも、この“アサーティブなコミュニケーション”を試してみてくださいませ!
‘組織人事’ カテゴリーのアーカイブ
世代間を超えて役立つ “アサーション”について
女性活用推進:女性活用
安藤です。
今回のテーマは、「女性活用推進:女性活用」についてです。
民間・行政共に “女性活躍推進” をテーマとして、女性対象のキャリアデザイン研修、キャリア開発研修、また、管理者対象のアンコンシャス・バイアス研修依頼が増えています。
研修を担当させていただいて、着実に成果がでている組織とそうでない組織の差が明確です。成果を挙げている組織は、着実に制度活用・労働者が働きやすい仕組みについても柔軟に変化しようとしている点です。成果がない組織は、“研修のみ実施”で終わっています。
研修前に事前にテーマに合わせてアンケートにてヒアリングしていきますと、その組織の課題点が明確に示されています。その課題に向けての取組を、組織内の担当者及び経営側がどう捉え、組織の繁栄に活かすのかは年度目標として意識改革だけでなく、課題解決に向けての取組を中長期視点で前向きに計画立案と実践の有無が“鍵”のように感じています。
さて、今回は、改めてなぜ、“女性活用” が必要なのかと現時点での実態についてお書きいたします。
復習を兼ねて整理をしていきます。まず、”女性活用” が必要な理由は、4つです。
① 人口減少社会に伴う人手不足
② 女性の能力の発揮
③ 投資家からの目線
④ 企業業績の向上
女性活躍推進に向けた取り組みについては、まずは、目標の設定と現状把握です。どのような項目で目標をたてるべきか?については、人的資本経営の情報開示記のような事項を参考にされると良いかと存じます。
例としては、①属性別の社員・経営層の比率 ②男女間の給与の差 ③正社員・非正規社員等の福利厚生の差 ⑤育児休暇等の後の復職率・定着率 ⑥男女別家族関連休暇取得社員比率 ⑦男女別育児休暇取得社員数 ⑧男女間賃金格差を是正するための事業者が講じた措置があります。
目標の設定と現状の把握がわかれば、そのギャップを確認し、目標設定に至るまでの課題の把握や必要な対応について考えます。例)としては、多くの企業では、女性管理職の少なさや妊娠・出産後の退職率の高さなどが問題になっていますが、要因としては、一つだけでなく多くの理由がある場合があります。それが職場風土に表れています。例えば、①マネジャー層の理解不足 ②柔軟性のない働き方 ③女性従業員自身のモチベーションの低さ等。正しく課題を特定するためには、女性従業員の抱える不満や不安を正確に理解し、ニーズを聴きくみ取ることが必要になります。
【参考資料】
・総務省 令和4年労働調査、厚生労働省 令和4年度雇用等基本調査、世界経済フォーラム
内閣府 ジェンダー投資に関する調査研究報告書、内閣府 人的資本可視指針厚生労働省
回復力
安藤です。
今回のテーマは、「回復力」についてです。
仕事でのプレッシャー、対人関係の人間関係、例としては、過去のパワハラなどがトラウマになって、また、失敗したらどうしようと反芻してしまう等。また、退職、転職、異動など、職場環境の変化に慣れずにストレス負荷になっている状態から、なかなか抜けきれないことがあります。
回復力は、「レジリエンス力」とも言われています。
さまざまな人生の局面で転機を乗り越える対処法として、「シュロスバーグの4Sモデル」があります。
逆境に対処する際に役立つのが、レジリエンスです。
まず、シュロスバーグが提唱する4Sとは何かについて説明をいたします。
ステップ1: 状況を理解する (Situation) 逆境の状況について、具体的・客観的に何が起きているのか、それを自分はどう捉えているか、原因は何か、いつまで続くものかなどを分析する。→ 客観的視点
ステップ2: 自分自身を知る (Self)
この状況に対する自分の気持ちや反応を理解し、受けいれ、自分自身はどうしたいと思っているのか、自分のスキルや過去の経験が活かせるかなども見直す。→ 感情・気持ち
ステップ3: 支援を求める(Support) ひとりで抱え込まない。どこでどのような支援が得られるのかを調査する。同僚・上司(信頼おける人)・身近な人に具体的なサポートを求める。
ステップ4: 戦略を立てる (Strategies)
ステップ 1~3 で見つけた状況・自分自身・支援を使って、状況を変える・自分の気持ちを切り変える・ストレスを減らすなど様々な面からこの逆境を乗り越えるための戦略を立てる
レジリエンス力(回復力)自分にとっての逆境や試練から立ち直る心の力のことです。一旦、置かれている状況から感情面において離れてみて、客観的・俯瞰的に自身の状況を見直すことが必須となります。
他、レジリエンス力は、「自尊心」「自己効力感」「感情調節」「現実的楽観性」「人間関係」の5つがポイントです。
①自尊心:自分を大切にする力、ありのままの自分を肯定する力。
②自己効力感:「やればできる」と思える力。
③感情調節:自分の気持ちに気づき、対応する力。
④現実的楽観性:出来事をバランスよく見る力。
⑤人間関係:誰かを助け、誰かに助けられるつながりの力。
よって、逆境から抜け出す時には、更に、①~⑤の項目の中で、どの項目が現時点で課題になっているのか、自身で分析する、または、上司または信頼できる方から分析してもらうことをおすすめいたします。
アンコンシャス・バイアス
安藤です。
今回は、「アンコンシャス・バイアス」についてです。
職場の雰囲気が悪い、生産性が低下している、コミュニケーションがうまくいかない等、様々な問題で共通する要因として「アンコンシャス・バイアス」があります。 アンコンシャス・バイアスとは、心理学の概念である「認知バイアス」の一つで、”無意識“ の偏見や思い込みから偏ったモノの見方をしてしまうことです。自分の思い込みや環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象のことです。いわば、その人の過去や経験や知識、価値観、信念をベースに認知や判断を自動的に行い、何気ない発言や行動として現れます。それは、公平・公正・客観的に目の前の物事を判断できなくなる場合があり、人の行動や意思を決定する際に影響があります。
例として、「普通はそうだ、大体こうだ、常識だ」「そんなはずはない、こうに決まっている」「こうあるべきだ、こうでないとダメだ」などが挙げられます。
「無意識」というものがアンコンシャス・バイアスの特徴であり、それ自体は良い悪いといった判断をされるべきものではありません。アンコンシャス・バイアスが注目されるようになったのは、2010年代頃からといわれています。その背景には、非正社員や女性、外国人、LGBTQ+などの増加による組織の多様化があります。また、企業内で不祥事やハラスメントなどが多発したため企業倫理を見直す必要性が高まり、組織のリーダーや管理職は、アンコンシャス・バイアスへ注目するようになりました。
アンコンシャス・バイアスの影響として、個人としては①モチベーションの低下 ②無気力 ③思考停止 ④チャレンジしなくなる ④ストレス増加等、組織としては、①停滞感 ②コミュニケーション不全 ③ハラスメント ④パフォーマンスの低下 ⑤イノベーションが生まれない他が、挙げられています。
最近では、内閣府男女共同参画府が出している「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」があります。
こちらをご覧いただけるとおわかりいただけるかと思いますが、家計は男性が支えるべき、という認識は世代が若くなるほど割合としては下がり、60代が顕著にその認識が強いことがわかります。共働きが増えていることにより、20~30代を中心に家計は男女で支えるもの、という認識に変わっていることがわかります。
産経新聞:アンコンシャス・バイアスの実態 「男らしさ」に苦悩の男性増加(2023/8/12)の記事が掲載されていました。記事には「価値観の多様化や女性の社会進出が進む中、伝統的な「男らしさ」の呪縛から逃れられず、苦しむ男性が増えている。誰にも明かせずに孤立や孤独を深めるだけでなく、鬱積した不満や苦悩が何かの拍子に爆発すれば、暴力や家庭崩壊に発展するリスクもある。」と書かれていました。また、先ほど、ご案内した内閣府の「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」でも、伝統的な男らしさを求める意識が根強い実態があります。しかし、20~60代の男女計約1万人に性別による役割に対する考えを尋ねたところ、「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」との項目に男性48・7%、女性44・9%が肯定的に回答。男性の28・9%は「男性は人前で泣くべきではない」と考えていることも分かった。と記されています。
時代の変化、社会の変化によって、意識・価値観が変わるなか、職場の雰囲気を良くしていく、コミュニケーションを円滑にしていくたためには、自分自身の「アンコンシャス・バイアス」に気づくことを意識づけし、相手の価値観・考え・気持ちをよく “聴く” ことも必須であると考えます。
話題のドラマ “キング・ザ・ランド”から学ぶマネジメント
安藤です。
今回は、「話題のドラマ “キング・ザ・ランド”から学ぶマネジメント」です。
現在、話題の韓流ドラマ 『キング・ザ・ランド』をご存知でしょうか。
放映中の韓流ドラマです。内容は、富裕層ホテル経営者のためのパラダイスであり、ホテルマンの憧れであるキングホテルのVVIPビジネスラウンジ ‘キング・ザ・ランド’ を背景に、作り笑顔が我慢できない男と、職業上いつも明るい笑みを浮かべなければならない女が、お互いに心から明るい笑顔でいられる幸せな時間を作ろうとする物語が描かれていますが、他にも学ぶべき点があります。
そこで、このドラマから学ぶことを整理してみました。
1点は、世の中には意思と関係なく笑わなければならない人もいれば、無理に笑わなくても支障がない人もいます。
誰かにとって笑顔は生存の道具であり、誰かにとって笑顔はその人らしさを表すともいえます。
日常において笑顔は便利なものでもあります。
人によっては、笑顔は見た目が良くて便利だし、人によっては自身を隠すことができて便利なものでもあります。
そのうちに、笑顔はただの “記号” として残り 真実は消えていくこともありえます。
そこで、主人公のク・ウォン(キング・ザ・ランド本部長は、“ここからの笑顔”を目指しています。そのことが、後に示している“従業員エンゲージメント”にもかかわってきます。
2点目は、主人公のク・ウォン(キング・ザ・ランド本部長)とク・ファラン(キング・ザ・ランドホテル常務:ク・ウォンの異母姉)とのホテル経営についてです。元々、2人にはホテル経営についての考え方に違いました。
売上・利益を上げるために 姉のク・ファランは、経費節約を主に福利厚生、社員節減から人員削減し、正社員を非正規社員への登用に変換することで、利益を上げるやり方です。
主人公のク・ウォンは、ホテル100年祭を任されます。そこで、今までのやり方とは違って、 日頃、裏でホテルを支えてくれる従業員、また、100年に至るまでの間に経営難だった頃に支えてくださったお客様を招いてスピーチを企画します。そして、経営に関しても、他のホテルとの違いを創ること “ブランディング”いわば、社員・お客様の大切にするホテルであるイメージを強化しました。その100年祭でのイベントが”感動”を生み、ホテルのイメージを新たに創りあげることに成功しました。
正に、そのことが “従業員エンゲージメント” を生む会社の生産性に繋がってるとドラマを見ながら思った次第です。そこで、経営戦略としては、ブランディングを確立したことで、世界のホテルとの提携をしていくことで利益を上げるという内容です。
従業員エンゲージメントは、従業員が会社を理解し、信頼を置いていることを表す言葉です。
従業員エンゲージメントの指標の高さは、従業員の会社への貢献度や愛着心の高さに比例します。エンゲージメント(engagement)には、契約や約束・雇用などの意味があり、会社と従業員との信頼度の高さやつながりの強さを表しています。従業員エンゲージメントを構成する要素として、①理解度 ②共感度 ③行動意欲が挙げられています。
① 会社への理解度は、従業員がどれだけ組織の理念やビジョンを理解しているかは従業員エンゲージメントを構成する要素の一つです。双方の理想が合致することで、理想を現実にしていくための意識が高まります。
② 会社への共感度:従業員が会社に共感するほど、主体性をもって仕事に励むようになります。理解だけでなく、共感することで組織の一員としての自覚が高まります。
③ 行動意欲:従業員一人ひとりが、自主的に組織のために行動しようとする姿勢や意欲です。自分の行動が、業績向上や企業の成長につながっていると感じるほど、自発的に行動する意欲が高まります。
①~③を実施するには、時間もかかり直ぐに効果が得られるものでもありません。最近取り入れられているのが、まずは、安心・安全の場で“現場の声”を挙げてもらい、問題・課題を抽出し、課題解決を現場から挙げてもらうというやり方です。
ク・ファラン(キング・ザ・ランドホテル常務:ク・ウォンの異母姉のやり方では、短期的には収益を上げることは可能かもしれませんが、本当の意味での”笑顔”はだせませんし、みることもできません。そして、従業員エンゲージメントを得ることは不可能だと考えます。そして、離職も増える可能性もあるかと思います。
心からの”笑顔”をだせる、見られるためには、組織において、従業員エンゲージメントを高めることかな~と、今回、このドラマから学びました!。
新たな ダイバーシティ&インクルージョン
安藤(公認心理師)です。
今回は、「新たな ダイバーシティ&インクルージョン」です。
昨今、『Diversity,& Inclusion』から、『Diversity, Equity & Inclusion社会の実現に向けて』 という言葉に変化してきています。“Equity” が加わりました。要は、『多様な違い“Diversity”を、互いに理解しあい“Inclusion”、公正に扱われる“Equity” ことにより、誰もが等しく機会を得て活躍・推進できる社会を創る。』ということです。
背景には、①VUCAの時代を乗り越えるためには、多様な人(価値観・発想・視点)により、イノベーションを起こすこと、あるいはリスクに対応することで、企業の持続性を担保するため、②Diversity&Inclusion(ダイバーシティ&インクルージョン)が、企業に根付き、制度が整うのに10年は必要であり、世界の変化を考えると長期的な視点で取り組まなくてはいけないこと。③Diversity&Inclusion(ダイバーシティ&インクルージョン)に取り組まないことは、企業にとって、マイナスにつながること。がとりあげられています。
ダイバーシティの必要性 としては、時代の大きな流れとともに、人材と働き方 の多様性を推進することは、企業にとって欠かせないものになってきています。東京商工会議所では、中小企業 にとっての多様性の必要性について、企業における人材活用の現状等を交えながら、①グローバル化、②労働力人口の減少、③個人の 価値観の多様化、という3つのキーワードを示しています。
また、ダイバーシティ&インクルージョン推進に関する企業・経済界の取組は、進行中であり、経済界として初めて、ダイバーシティ・インクルージョン社会を実現するうえで、重要なファクターの一つであるLGBT(性的マイノリティ)に焦点を当て、適切な理解・知識の共有と、その認識・受容に向けた取り組みを推進すべく提言しました。
経団連では、①女性の活躍推進 ②若者・高齢者の活躍推進 ③働き方改革 ④高度外国人材の受け入れ促進 ⑤バリアフリー社会の実現を掲げています。
しかし、ジェンダーギャップ指数2023の数値を見ると、順位は更に下落しています。
世界経済フォーラム(WEF)は6月21日、「ジェンダーギャップ指数2023」を発表しました。全体で146カ国中125位と、2022年よりもさらに悪化し、経済で123位、政治で138位と引き続き低い状態が続いています。前回のスコアが0.650に対して、今回のスコアは0.647とスコアはほぼ横ばい。にもかかわらず順位が改悪したということは、世界の動きに対して、日本の改善が遅々として進まぬ状況を如実に表しているといえます。もっと言えば、2006年の開始当初の日本スコアが0.645で115カ国中80位だったことを考えると、日本はこの20年近くの間、ダイバーシティ―ついてはほぼ何も進まなかったともいわれています。
これから、DE&I=Diversity, Equity & Inclusionを促進していくためには、多様な人の自立支援制度(法定雇用率に関わる制度の柔軟な運用/外国人の獲得定着を促す制度の拡充など)や環境整備は必須ですが、他、マイノリティが合わせるのではなく、マジョリティから意識改革と行動変容が必要であること、 人々の価値観の変化や多様な生き方(暮らし方、働き方)に合わせワーク・イン・ライフへシフト(社会:多様な人のコミュニティへの受入れ、個人:多様な生き方へマインドセットと行動を変容)が基本となることがあげられています。
そのためには、働き方改革と共に、生き方の多様化に対応した取り組み推進(リモートワークなどの導入・拡充)長期的視点に立ち、DE&I=Diversity, Equity & Inclusion(の意識、文化の浸透に向けた取り組み推進が求められています。具体的には、“相互理解から相互成長へとつながる場づくり” などがあります。まずは、各自 “アンコンシャスバイアス” に気づくことからスタートし、一緒に働くプログラムの構築していくことからスタートしてみることをお勧めいたします。
“睡眠”と企業の利益
安藤(公認心理師)です。
今回は、「“睡眠”と企業の利益」です。
ゴールデンウイークは、いかがお過ごしでしょうか。
日頃、睡眠不足の方も、十分な睡眠がとれていますでしょうか。
さて、今回は、以前も少しお書きしていますが、「睡眠と企業の利益」についてです。
2022年7月11日(月)に睡眠シンポジウム2022を開催されました。
パネリストとして、労働経済学の慶應義塾大学商学部の山本勲教授、楽天グループ共同創業メンバーでありCWO(Chief Well Being Officer)の小林正忠様、銚子丸の石田満社長等が登壇されました。
ログミーBizでは、「企業単位で見る、日本人の平均睡眠時間は「6.3時間」と低水準。1万人調査でわかった「睡眠」と「企業の利益率」の相関性」について記しています。
今回は、慶應義塾大学商学部の山本勲教授が、日本経済新聞社のスマートワーク研究プロジェクトのデータを元に、「睡眠と働き方の関係、睡眠と企業業績との関係」を検証している日経スマートワーク研究会の内容について、ご紹介します。
研究会では、働き方改革を通じて生産性を高めて、持続的に成長する先進企業を表彰するものになっています。スマートワーク調査では、企業によって従業員の睡眠の状態はかなり違うということがわかってきたそうです。そして、(睡眠が)パフォーマンスとどういう関係があるのかを調べられています。
その結果、睡眠時間が長いほど利益率が高くなる傾向が見て取れます。参照:詳しいデータは、こちらをご覧くださいませ。https://logmi.jp/business/articles/327046
詳細の一部を引用します。
『メンタルヘルス指標が良くなると、企業業績が良くなるそれから、企業を5つに分類したもので見てみると、特に上位20パーセントの企業でより顕著に、利益率が睡眠時間によって高まるという傾向が見えています。それから、睡眠の質に関しても似たような傾向が見えています。こうした睡眠とパフォーマンスの関係ですが、健康という意味では、「メンタルヘルス指標が良くなると企業業績が良くなる」「健康経営を企業が実施すると数年後に業績が良くなる」ということを示しておりまして、それらと非常に整合的な結果になるのではないかなと思います。柔軟な働き方で在宅勤務が増えると睡眠の時間が長くなったり、質が良くなるという結果が見えて来ています。
さらに似た研究として、経済産業研究所で「健康経営度調査」という、健康経営銘柄を選定するための基礎調査のデータを用いて、健康経営関連の施策と健康アウトカム、それから業績との関係性を検証しています。そこで似たようなことがわかっていまして、「健康経営を実施すると業績が良くなる」と。その中でも、 経営理念に関する施策を充実させると業績が良くなる。』
と述べています。
生産性向上、ワークエンゲージメント、Well-Being、メンタル不調や疾病予防などを実現するために”睡眠が関係している!と企業側も睡眠への取組を初めているようです。
5月病の予防対策
安藤(公認心理師)です。
今回は、「5月病の予防対策」です。
ゴールデンウイークが近づいてきました。 ゴールデンウイークが明けると、やる気がでない、出社したくないといったメンタル不調でカウンセリングを受ける方も増えてきます。いわば『五月病』といわれています。
新入社員の場合は、入社前と入社してみたら描いていたイメージと現実が違うというギャップに戸惑う、苦しむ『リアリティ・ショック』の状態に陥っています。観察していたら、表情、態度、行動面に表れています。そのままケアーをしないでいると、休職・離職にもつながっていきます。
五月病は、リアリティ・ショックの状態が多くあります。その場合は、カウンセリング時には、『適応障害』と診断されて面談にこられる方が多いです。詳しく、リアリティ・ショックを説明すると、思い描いていたことと現実が乖離していたと感じたときの心の動きを指す言葉です。1985年にアメリカの組織心理学者・E.C.ヒューズが提唱しました。
4月に入社した新入社員が1カ月を過ごし、入社前に描いていたイメージと実際の仕事との乖離によってリアリティ・ショックを受け、GWをはさんで、仕事を続けられなくなるケースが発生します。
そこで、企業としては、メンタル不調の状態の社員の早期発見・対処法が必要となってきます。
まずは、どのようなリアリティ・ショックを受けているかと把握することです。新入社員に興味・関心をもって態度・姿勢・行動面(遅刻、言葉数が減った他)の変化を観察することです。その変化に気づいたら、すぐに
“声かけ” をおすすめします。上司に素直に自己開示をしてくれるのは日ごろの関係性にも影響してきますので、入社してからの “挨拶” は必須です。 次に、”1対1” の面談です。リアリティ・ショックは業務内容だけでなく、同僚や上司との人間関係、企業風土などが考えられます。
最近の事例では、ジェンダ問題もあります。男性社員は名前で呼ばれるが、女性社員は名前を呼ばれないなどもありました。名前を呼ばれないということは、一人の人間として、承認されていないとう心理に陥ります。職場風土として、男性優位な職場であり、チームで仕事をする場合も上司から男性社員には指示があるが、女性社員には指示がない等、そのようなことが重なり自己肯定感が低くなり、本来なら、報告・連絡・相談が必須ですが、それができなくなりミスが増えメンタル不調になったりすることもあります。
前回の投稿にも記載しておりますが、新入社員の方は、まずは、新しい環境の中で馴染んでいくのに時間はかかるかと思いますが、良い生活習慣を続けること(睡眠・食事・運動)が必須です。体調面・メンタル面に不調を感じたら、生活リズムを見直してみてくださいませ。
お気軽に弊社にご相談くださいませ。
メンタルヘルスについて
安藤(公認心理師)です。
今回は、「メンタルヘルスについて」です。
よくある相談で「ここのところ忙しくて…。眠れなかったり身体がだるかったりするのですが…」という事例が多数あります。
その場合、自律神経が乱れているのかもしれません。 自律神経は、内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールするために、みなさんの意思と は関係なく 24 時間働き続けているものです。昼間や活動しているときに活発になる「交感神経」 と、夜間やリラックスしているときに活発になる「副交感神経」の 2 種類があります。
自律神経、聞いたことがあるかという方も多いのではないでしょうか。自律神経が乱れるとどのようになるのでしょうか。 自律神経が乱れると、不安や緊張感が高まり、吐き気や多汗、全身のだるさ、頭痛、肩こり、手足 のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠など、様々な症状が現れます。
これらの症状は、人によって大きく異なります。 そして、自律神経がバランスを崩すと、臓器にも悪影響を及ぼします。胃酸が過剰に分泌され、 胃の痛みや胸やけを感じる「神経性胃炎」や、腸のぜん動運動に異常が生じて腹痛を伴う下痢や 便秘が起こる「過敏性腸症候群」がこれに当たります。また、突然浅く速い呼吸を繰り返す「過 呼吸症候群」になると、息苦しさの他、めまいや手足のしびれが現れます。
メンタルヘルスにとっても自律神経はとても重要ですね。整える方法としては、生活スタイルを見直すことが大切です。生体リズムは、5つ(食事、睡眠、休養、労働・勉強、運動)の要素で構成されています。
これらが毎日規則正しく行われていれば、生体リズムの調子が整うと言われています。忙しくても、できるだけ一定の時間に食事を摂り、睡眠時間をたっぷり確保するよう心掛けること。 睡眠の質を良くする食べ物には、眠りを促す成分トリプトファンを含む乳製品や米、ごま、バナ ナの他、副交感神経の働きを高めるマグネシウムを含む豆腐やナッツ類などがあります。
その他、ストレスの緩和や、自律神経のコントロールに効果が期待できる成分を摂取するもの効果的です。例えば、カルシウムは神経の伝達に重要な役割を果たす成分です。神経細胞の興奮を 抑える働きがあり、不足すると怒りっぽくなると言われています。牛乳や小松菜などカルシウム を含んだ食品を摂ると良いでしょう。ストレス対策には、ビタミン C を含むパプリカやレモンもおすすめです。 また、自律神経のコントロールには、ビタミン A を含む鶏レバーやうなぎ、ビタミン E を含むアーモンドやオリーブオイルなどが効果的でしょう。
まずは、自律神経を整えるにはより良い生活(食事、睡眠、休養、労働・勉強、運動)が基本です。
お気軽に弊社にご相談くださいませ。
これから必要なITリテラシー
安藤です。
今回は、「これから必要なITリテラシー」です。
ITリテラシーとは、「ITに関するものを理解し、活用する力」です。ITとは、ネット検索やメール、パソコン、スマホといったインターネットやコンピューターに関するものを指します。ITリテラシーは、これらITを扱う際に必要な力です。現在では生活に欠かせないものとなったスマホやインターネットですが、よく理解しないまま使うことで、個人情報をSNSに載せてしまったり、ネット決済で払えないほどの金額を使うといった、思わぬトラブルが起きてしまうこともあります。
そういったことが起きないよう、インターネットやコンピューターの性質・ルールを理解し、うまくつきあう力を「ITリテラシー」と考えます。 ITリテラシーの能力が益々、求められるようになったのは、コロナ禍の影響もあり、在宅勤務、オンラインが主流になってきた背景もあるのではないでしょうか。
別の視点ですが、以前、2015年12月「AIの導入によって日本の労働人口の49%の仕事が10~20年以内になくなる」というレポートが、野村総研とオックスフォード大学の共同研究によって発表されました。それから7年が過ぎた現在、総務省 デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研修のデータ(2021年)によると、意外にも日本企業のAI活用率は24.3%と低い数字です。
実際にはそれほどAIの活用は進んでいないことがわかります。予測された49%という数字は脅かしすぎとも言えますが、それでもAIの導入が年々進んでいることは事実です。当時の予測から読み取るべきなのは、 今後も人間に求められる仕事と、AIに奪われる可能性の高い仕事、それぞれの傾向であると言えます。それらを理解した上で人間がこれから身に付けるべきスキルを考えるといった対策が必要です。
その為に、小学校からプログラミング教育が必修課程になっているのはご存知でしょうか。そのことは、将来の採用にも繋がっていきます。企業全体のデジタルスキルの有無は、学生から「選ばれる会社」になる上で欠かせなくなる恐れがあります。
「デジタル人材」は明らかに、人材不足で、国の施策でもITスキルの講座が設けられています。ただ、2029年が大きな境目になる理由は、教育現場での制度変更が影響しています。学習指導要領が変わり、2022年から高校で「情報Ⅰ」という科目が必修となっています。高校3年間、プログラミングを含む情報科目を学び、2025年からは大学入学共通テストでも試験科目として「情報Ⅰ」が課されるなど、プログラミングに親しむ学生がどんどん社会に出てきます。
今の高校1年生、すなわち「第1世代」が大学を卒業して社会人になるのが、まさに2029年です。2029年以降入社の社会人は「プログラミング」という、できて当たり前の共通言語を持っています。そして、学校現場での教育も質・量ともに年々充実していけば、デジタルスキルが今以上に高い学生がどんどん企業に入社してきます。第四次産業革命の時代、私たちに求められるスキル、まったなしです。採用、マネジメント諸々、変化していきます。 まずは、今必要な基本となるのが、ITリテラシースキルです。私は苦手な分野ですが、日々、悪戦苦闘しながら学んでいます。
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