早嶋です。
実家に帰って、竹輪を焼いて食べている時に母親が「最近、竹輪の穴が大きゅうなりよるとよ、景気の悪かけんね・・・」と。
なるほど!と思い、グーグってみると、水産加工大手の日本水産は06年9月から主力商品の竹輪の穴を大きくしていました。原料であるスケトウダラのすり身価格が高騰していることが主な要因です。
穴を大きくすることで見た目はそのままの大きさですが、1本30gが25gと17%程度の減量です。他のメーカーでも、竹輪の穴を大きくしたり、長さを少し短くしたり、身を少し薄くしたりと様々なようです。錬りもの製品は急激な魚の原料高に追い付かず、去年の11月、今年の6月と値上げを行っています。
フィッシュ&チップスが高級食品になるように、練り製品も高級食品になるのでしょうね。
2008年12月 のアーカイブ
竹輪
成果を上げる
早嶋です。
今朝は、再び空港ラウンジです。昨日は、将来のビジネスにつなげる交渉を1本、営業を2か所で行ってきました。交渉事は無事終了。年末年始は新たなビジネスモデルを練る時間に充てることができそうです。
「成果を上げるためにはどうしたらよいのか?」この問いかけに対してドラッカーは言います。いくつかの簡単なんことを実行するだけと。
1)ビジョンを持つこと。
努力を続けることこそ、老いることなく成功するコツである。
2)神々が見ているという仕事観を持つこと。
仕事において真摯さを重視し、誇りを持ち完全を求めることである。
3)日常生活の中に継続学習を取り入れること。
昨日行ったことを今日も行うことに満足せず、何を行うにせよ、自らに対し、常にすぐれたことを行うこと、更に多くの場合、新しい方法で行うことを課すことである。
4)自らの仕事ぶりの評価を仕事そのものに取り組むこと。
5)行動や意思決定がもたらすべきものについての期待を、あらかじめ記録し、後日、実際の結果とひかくすること。
改善や学習を行う中で自らの強みを知り、得意でないことを知ることである。
6)仕事や地位や任務が変わったときには、新しい仕事が要求するものについて徹底的に考えること。
19世紀の作曲家ヴェルディが最後に書いたオペラ「ファルスタッフ」は、氏の齢が80際の時の作品です。ドラッカーは、当時の平均年齢が50年そこそこだったときに80際という年齢で、なぜ並はずれて難しいオペラに挑んだのか?という問いにベルディの考えを知ります。「いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があるんだ。」
ギリシャの彫刻家フェイディアスの話です。アテネのパンテオン神殿の屋根に立つ彫刻を完成させました。その作品は今日でも西洋最高の彫刻とされる作品。しかし、この彫刻には次のような話があります。彫像の完成後、フェイディアスの請求書に対してアテネの会計官は支払いを拒みます。「彫刻の背中は見えない。誰も見えない部分までを彫って請求するとはいかがなるものか」と。フェイディアス曰く、「そんなことはない。神々が見ている。」
貢献
早嶋です。
今年最後の東京出張、現在JALのラウンジです。今年は、国内線だけで80回近く飛行機に乗っているためJALのステータスカードが一挙に3段階もアップ、最高峰のステータスになりました。
さて、前回に続き、プロフェッショナルの条件、Part2の働くことの意味が変わった、について、最後の章です。
3章:貢献を重視する
『「組織の成果に影響を与える貢献は何か」を自ら問わなければならない。すなわち、自らの責任を中心に据えなければならない。』
『貢献に焦点を合わせることこそ、成果をあげる鍵である。』
冒頭で貢献の重要性を主張した後、ほとんどの人が成果ではなく、組織の権限に焦点を合わせることを指摘しています。組織の中における自身の権限に焦点が行くため、成果に焦点が行かなくなるのです。仕事の中心が肩書きになる。
中小企業の社長さんと話をしていて、部下の方が、悪い内容を報告しない組織は、すぐに無くなるか成長・変革の兆しが無いと感じます。これも、やはり組織の中で権限に焦点が当たる結果、社長に対していい顔をするあまり、本来のほくて気が失われるのです。
『貢献に焦点を合わせることによって、専門分野や限定された技能や部門に対してではなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。自らの専門や自らの部下と組織と組織全体や組織の目的との関係について、徹底的に考えざるをえなくなる。その結果、仕事や仕事の仕方が大きく変わっていく。』
ドラッカーは、本章において貢献を3つに分けています。すなわち、1)直接の成果、2)価値への取り組み、3)人材の育成、です。そして、これら3つの領域においてすべて成果をあげなければ、組織は腐り、やがて死ぬと強い表現をしています。つまり、この3つの領域における貢献をすべての仕事にとりいれていく必要があるのです。
1)直接の成果
ここに関しては、誰もが明確にわかるはずです。直接的な成果と間接的な成果があるでしょう。バランススコアカードなどでは全社を間接的な成果につながる指標を業績指標と称していますね。ポイントは、個個人においても直接的な成果が明らかであることは言うまでもありません。
2)価値への取り組み
ここは何のために組織が存在するのか?などの目的をあきらかにし、それについての取り組みの重要性を指摘しています。『組織は常に、明確な目的を持たなければならない。さもなければ、混乱し、麻痺し、破壊される。』
3)人材の育成
組織を次のように表現しています。『死という生身の人間の限界を乗り越える手段である』と。これは、組織自体を存続させない組織は失敗を意味します。次の世代の組織は前の世代の組織が達成したものを当然とし、さらに次の世代によって新しい記憶を作る必要があります。そのためには、組織を変革していきながら明日への変化に対応することが唯一の手段です。それを実行する方法が育成。つまり。育成への貢献も重要となるのです。
この章では、『知識ある者の責任』というタイトルがあります。知識労働者に対するメッセージであり、気付きです。
『知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。』これは、2章でも紹介したとおり、知的労働者が生み出す産物は、それだけでは何かを生む手のものではありません。その産物と他の産物が融合して初めて物質的な価値を生み出します。そのために、専門的な人たちの間での狭いネットワーク、限られた組織間でのコミュニケーションだけでは意味が薄れるのです。
『人間関係にすぐれた才能を持つからと言って、良い人間関係が持てるわけではない。自らの仕事や人との関係において、貢献に焦点を合わせることにより、初めてよい人間関係がもてるのである。こうして、人間関係は生産的なものとなる。まさに生産的であることが、よい人間関係の唯一の定義である。』
章の締めくくりは、よい人間関係をもつ秘訣、コミュニケーションについて触れています。もちろん、そこにも貢献を考えた場合、コミュニケーションはどうあるべきか?を考えることが大切です。
1つは、貢献に焦点を当てることによって、コミュニケーションが可能になります。これは何を意味するのか?事例を紹介します。コミュニケーションに関して多くの問題を抱えている組織では次のようなことがあるのではないでしょうか?経営者から社員へ、上司から部下へ、というコミュニケーションの流れ。上司が部下に何かを言おうとするほど、部下に理解されなかったり、聞き間違いを起こす原因になる。これはなぜか?コミュニケーションは知覚であり、部下は上司が言うことではなく、自分が聞きたいと期待していることを聞き取るからです。
『仕事において貢献する者は、部下たちが貢献すべきことを要求する。「組織、及び上司である私は、あなたに対しどのような貢献の責任を持つべきか」「あなたに期待すべきことは何か」「あなたの知識や能力をもっと活用できる道は何か」を聞く。こうして初めて、コミュニケーションが可能となり、容易に行われるようになる。』
2つ目は、貢献に焦点を合わせることによって、横へのコミュニケーションが可能になります。これはチームワークの事を示しています。
『知識組織においては、成果をあげる仕事は、多種多様な知識や技能をもつ人たちで構成されるチームによって行われる。彼らは、フォーマルな組織構造に従ってではなく、状況の論理や仕事の要求に従って、自発的に協力して働く。』貢献に焦点を当てることによって、専門家間の横のつながりや、任務に焦点を合わせたチームへの自発的な参加が実現されるのです。
そして、最後に自己啓発と人材育成の成果の大部分が貢献に焦点を合わせるかどうかにかかっています。
『組織の業績に対する自らのもっとも重要な貢献は何か』を自問することが、どのような自己啓発が必要になり、どのような知識や技能を身につければよいかの指針になります。貢献に焦点をあわせることで、組織の権限、つまり上司、部下といった関係にかかわらず自己啓発が触発され、同時に他の組織への自己啓発の誘導にもつながります。
『知識労働者は、自ら課せられる要求に応じて成長する。自らが業績や達成とみなすものに従って成長する。自らが自らに求めるものが少なければ成長しない。だが、多くを求める者ならば、何も達成しないものと同じ程度の努力で、巨人にまで成長する。』
習慣的な力
早嶋です。
昨日に引き続き、プロフェッショナルの条件、Part2の働くことの意味が変わった、についてです。
2章:なぜ成果が上がらないのか
『頭のよい者が、しばしば、あきれるほど成果を上げられな。彼らは、知的な能力がそのまま成果に結びつくわけではないことを知らない』
『知的労働者が何を考えているかは確かめようがない。だが考えることこそ、知的労働者に固有の仕事である。考えることが、なすべき仕事の始まりである。』
『知的労働者は、それ自体独立して役に立つものを生み出さない。知的労働者が生み出すのは、知識、アイデア、情報である。それら知識労働者の生産物は、それだけでは役に立たない。いかに膨大な知識があっても、それだけでは意味がない。従って知識労働者には、肉体労働者に必要のないものが必要となる。すなわち、自らの成果を他の人間に供給するということである。』
冒頭の頭のよい者が、・・・。と成果を上げられない理由が、少しだけ紐解かれています。知的労働者は、排水溝や靴や機会の部品など物的な生産物を生み出すわけではありません。知的労働者がアウトプットする知識、アイデア、情報は靴のように、生産物自らの効用をあてにすることができないからです。
そして、もうひとつ、ドラッカーは組織の話を持ち出します。
『今日の組織では、自らの知識あるいは地位の故、組織の活動や実質的な貢献をなすべき知的労働者はみなエグゼクティブである。』
『知的労働者は、量によって規定されるものではない。コストによって規定されるものでもない。成果によって規定されるものである。』
『今日、企業、政府機関、研究所、病院のうちもっとも平凡な組織にする、重要かつ決定的な意思決定を行っている人たちがいかに多くいるかということについては、ほとんど認識されていない。』
ドラッカーは成果を上げられない理由に、知的労働者自身のことをうたっていますが、同時に組織という枠の中で働いていることについても指摘しています。『組織に働く者の置かれている状況は、成果を上げることを要求されながら、成果をあげることが極めて困難になっている』と。それが組織に属することによって阻む4つの現実です。この『4つの現実のいずれもが、仕事の成果を上げ、業績をあげることを妨げようと圧力を加えてくる』と。
1)時間はすべて他人に取られる。
2)自ら現実の状況を変えるための行動をとらない限り、日常業務に追われ続ける。
3)組織で働いているという現実がある。
4)組織の内なる世界にいるという現実がある。
ここで、ドラッカーが繰り返し唱えている、『組織の中に成果は存在しない』を思い出します。すべての成果は外の世界にある。客が製品やサービスを購入し、気魚うの努力とコストを収入に変えてくれるからこそ、組織としての成果があるのです。
『組織の中に生ずるものは、努力とコストだけである。あたかもプロフィットセンターがあるかのごとくいうが、単なる修辞にすぎない。内部にはコストセンターがあるだけである。』
ドラッカーはさらに組織の存在意義について議論を深めます。
『外の世界への奉仕という組織にとっての唯一の存在理由を明らかにして、人は少ないほど、組織は小さいほど、組織の中の活動は少ないほど、組織はより完全に近づく。組織は存在することが目的ではない。種の永続が成功ではない。その点が動物とは違う。組織は社会の機関である。外の環境に対する貢献が目的である。しかるに、組織は成長するほど、特に成功するほど、組織に働く者の関心、努力、能力は、組織の中のことで占領され、外の世界における本来の任務と成果が忘れられていく。』
成果が上がらない、理由。内部の政治に力を入れて、収益の源泉であるはずの外の世界への関心が薄れていくのです。
組織の問題をとらえた上で成果を大幅に改善する方法は、『成果をあげるための能力を向上させること』と言っています。際立ってすぐれた能力の持ち主を雇うことができても、同時に組織や力関係を熟知し、計数に明るく、芸術的な洞察力や創造的な想像力をそびえている人はまれでしょう。であれば、組織において、組織の成果につながる能力を向上させることが重要なことは理解できます。つまり、『1つの重要な分野で強みをもつ人が、その強みをもとに仕事を行えるように、組織を作ることを学ばなければならない。』これが組織を統括する人が考えるべきことなのです。
成果を上げるための能力。これを向上させるためには、どの能力は何かを明らかにする必要があります。「その能力は何から成り立つのか」「具体的に何を修得すべきか」「修得の方法はいかなるものか」「その能力は知識か。知識として体系的に修得できるか」あるいは「修行によってのみ修得できるのか。基本の繰り返しのみによって修得できるのか。」これらは組織を束ねる者、組織にかかわる者が継続的に考え、実践し、修正すべきものだと思います。
ドラッカーはこのことを『習慣的な力』と称しています。『成果を上げることは一つの習慣である。習慣的な能力の集積である。そして習慣的な能力は常に修得につとめることが必要である。習慣的な能力は単純である。』
成果を上げるために向上すべき能力を特定し、それを繰り返し修練し習慣的な能力の向上とともに絶えず修得につとめる。継続する必要性を言っているのです。
生産性を上げる
早嶋です。
午前中、クライアントとの打ち合わせを行い、午後は今年最後のドラッカー学会でした。最近のテーマはプロフェッショナルの条件で、今回はPart2の働くことの意味が変わった、についてでした。
1章:生産性をいかにして高めるか
冒頭、肉体労働の生産革命における生産性の向上について紹介があり、それと比較して知的労働者の生産性は全く向上していない議論があります。いかなる場合も「より賢く働くこと」が生産性向上の主役と言っています。
『肉体労働に関しては、より賢く働くことが生産性を向上させるうえで重要な鍵である。だが知的労働者に関しては、それが唯一の鍵である。』
上述に関して、フレディリック・テーラーの科学的管理法と重ねながら、知的労働者が生産性を向上するために問うべきことは、『何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか』である、と指摘します。この背景は、知的労働者の生産性を著しく低下しているのが、行う必要がない仕事やその人が行うべきでない仕事が原因だからです。解決策としては、仕事の棚卸をして、上記の質問を問いかけて仕事を整理することです。
ここに関しては、具体的な例がいくつか載っています。例えば、病院の看護人は、大半の仕事を患者の世話や患者の満足とは関係のないことに時間を使っています。例えば、大学教員は、授業、学生指導、研究よりも委員会の類に多くの時間を費やしています。例えば、デパートの販売員は客と話をしてサービスを提供する時間よりも、書類の山に埋もれる時間が多いです。例えば、営業所の所長は、客と接して情報を収集整理するよりも、報告書の類に目を通す時間に追われています。
ドラッカー曰く、知的労働者の仕事は、充実するどころか不毛化しているのです。そして、知的労働者の生産性を向上するステップとして、まずは属している知的労働の種類がどのようなものかを把握することです。その後、何に取り組むべきかを明らかにする。つまり、「何を分析すべきか」「何を改善すべきか」「何を変えるべきか」を決めるのです。
ドラッカーは知的労働を3つに分けています。
1)仕事の成果に質が求められる知的労働。これは、研究などが該当します。どれだけの研究量をこなしたとことで、研究の質が低ければ、成果は認められません。他に、戦略策定や医師の診断、放送や雑誌の編集等が該当するでしょう。
2)仕事の成果に質と量が求められる知的労働。先ほど出たデパートの販売員は、顧客満足にかかわる質的な仕事と、伝票整理という量的な仕事が存在します。建築のデザインもデザインという質が存在しますが、数をこなさなければならないという量も存在します。他に、医療技師、工場技術者、証券会社、銀行の支店、リポーター、看護人、など広域な知的労働者が該当します。
3)仕事の成果の大部分が肉体労働と同種の知的労働(作業的な知的労働)。ここは、仕事の質を前提条件であり制約条件としています。仕事の質が成果ではなく、条件であるということです。仕事の質が仕事の流れに組み込まれれば、あとは量で定義さます。ホテルのベットメイキングは、そのプロセスを定めておけば、1つのベットを何分で整える事ができるかが測定できます。
自分が行っている知的労働が上記の3つのうち、どれに当てはまるのか?が明らかになったら、次にそひ知的労働の仕事のプロセスを分析します。つまり、「目的の定義」「目的への集中」「仕事の分類」を行うのです。
1)仕事の成果に質が求められる知的労働。ドラッカーは、この手の知的労働については明確にどのように分析すると良いのかが明らかになっていないといいます。しかし、「何が役に立つのか?」を明確にしなければならないといいます。
2)仕事の成果に質と量が求められる知的労働。この手の知的労働については、「何が役に立つか」を問うと同時に、仕事のプロセスを1つ1つ分析することが必要です。
3)作業的な知的労働。仕事の質の水準を定め、それを仕事のプロセスに取り組むことが重要になります。
知的労働の種類を見極め、それに応じた分析する。作業を分解し、分析し、組み立て直すことによって生産性の向上が実現できます。ただし、生産性の分析と組み立ては、3年から5年おきに繰り返す必要があります。また、仕事や組織が大きく変更したときも叱りです。
加えて、ドラッカーは3つのことを指摘しています。
1)知的労働については、働く人たちとのパートナーシップは唯一も方法であって、他の方法は存在しない。これは、知的労働者自身がパートナーとなって生産性の向上に取り組む必要性をいっています。この背景は、これまで知的労働者は専門家の知恵のみを尊重するという当時の考えに従ったことがあります。しかし、実際は現場の働く人は、馬鹿でもなく、未熟でもなく、適応能力に欠けているということもない。彼らは、自らの仕事、その理論とリズム、道具、仕事の質について多くを知っています。つまり、これが今日理論として受け入れられている働く人たち自身の仕事についての知識が生産性、品質、成果を向上させる原点になるのです。
2)生産性の向上は継続的な学習が不可欠であること。仕事を改善するだけでは十分ではない。学習に終わることは無いのです。
『訓練の最大の成果は、新しいことを学びとることにあるのではなく、すでにうまく行っていることを、さらにうまく行えるようにすることである』
3)知的労働者は自らが教えるときにもっともよく学ぶという事実がある。これに関し、花形セールスマンの生産性をさらに向上する例を示しています。つまり、花形セールスマンに講師となって、なぜ、生産性が向上しているのかを他の社員に講師として話をさせるのです。人に教えるときに、自分がこれまで行っていることを整理し、体系化し、それを他者に伝えるように噛み砕きます。この時点でさらに別の角度からこれまでの行動を考えるきっかけになるので、生産性がさらに向上されたり、改善されたりする、はうなずけます。
納会
早嶋です。
個人での仕事は年末ギリギリまで行っていますが、ビズ・ナビ&カンパニーは本日で仕事納め。ということで、恒例になっているピザパーティーです。毎回、古賀さんが自宅から調理セットを会議室に持ってきてくれて、なぜか会社に常備しているホットプレートでピザを焼きます。古賀さん、今年も1年間ありがとうございました!
任天堂と電通
早嶋です。
-日経新聞08年12月25日記事抜粋-
任天堂は2009年春に電通と共同で、据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」にアニメなどの映像番組を配信するサービスを開始する。企業の広告を同時配信したり、有料番組を用意するなどで収益を確保する。Wiiは世界で4000万台以上が普及している。任天堂は家庭向けの情報提供媒体としての活用が可能とみており、番組配信をゲームに次ぐ新規事業に育てる考えだ。
-抜粋終了-
Wiiに関しては、ブログ「Wii」「wii②」でもコメントしていますが、今回はブログ「みんなで投票チャネル」にからめてコメントします。
Wii、はじめたか!という感じです。「みんなで投票チャネル」でもコメントしましたが、Wiiがマーケティング・ツールとしての可能性を秘めているのは、1)ネットワークにつながっていること、2)世界中に4000万台以上普及していること、3)アバターの存在、です。
Wiiで遊ぶ人は、アバターに相当するMiiを登録します。通常の心理としてアバターは自分に類似した特徴を登録するでしょう。つまり、任天堂はWiiを使用しているユーザーの属性をほぼ把握していることになります。もちろん、複数人でWiiを利用する場合は、ユーザーごとにMiiを登録できるので、家族の属性まで手に入るというわけです。
そこで、今回のWii番組・広告配信の記事に目を向けてみましょう。Wiiにアニメなどの映像番組の配信と広告を同時に配信する仕組みです。任天堂は、Miiを通してWiiのユーザー属性を手に入れているので、どの番組がどの属性に人気か?不人気か?など、番組制作会社にレポートを提供することが可能です。また、企業の広告も、属性を指定して企業のターゲットになりそうなWiiユーザーに向けて広告配信が可能です。
つまり、これまでの数による広告配信サービスに、ターゲットを明らかにして、そのターゲットを選択して広告を配信するビジネスが可能になるのです。と思います。となると、任天堂としては、従来の広告料よりもターゲットを明らかにしているため高く徴収することが可能になるのです。
今回の番組・広告配信は任天堂と電通のダブルネームですが、インターネットの普及によってテレビ広告の収入が落ちている電通。任天堂とがっしりと手を組んでおかなければ、将来の競合を育てることにだって繋がるかも知れません。電通にとって、大きなビジネスチャンスでもありますが、傍から見てると将来の競争相手のお手伝いをしているようにも感じます。
ちなみに、姪っ子と甥っ子の今年のクリスマスプレゼントはWiiでした。
Fail Big 失敗から学ぶ後編
早嶋です。
昨日の続き、失敗から学ぶの後編です。
3)方向転換しないという過ちを犯す
従来から行ってきたビジネスに継続的に投資し方向転換をしない事例です。事例としてはイーストマン・コダックやポケットベル事業を上げています。
企業が方向転換しない理由はいくつかあるでしょうが、その多くは新しいビジネスモデルの経済性が、古いビジネスモデルの経済性に及ばないことです。これについては、クーンのパラダイムシフトやは、クリステンセンのイノベーターのジレンマで語られているところです。
4)似て非なる隣接事業に参入する
著者による隣接事業の参入の定義は、コア事業の組織的な強みをレバレッジにして、関連事業に参入することです。言い換えると、アンゾフの成長戦略(アンゾフⅠ・Ⅱ参照)で言う、市場浸透戦略以外の象限でのビジネス展開ですね。
著者が調査した750の失敗事例に、間違った隣接事業に参入したことが原因で破壊した企業が数多く求められたようです。失敗のパターンは、4つに分類されます。
第1は、隣接市場への参入を、素晴らしいビジネスチャンスととらえて進出したのではなく、コア事業に変化が生じて参入したパターンです。第2は、隣接事業に関する専門知識の乏しさから、買収判断や競争上の解題への対処法を見誤るパターンです。第3は、コア事業のケイパビリティの強さや重要度を課題評価して破滅したパターンです。そして第4は、自社が抱える顧客基盤を過信して隣接事業に参入して失敗するパターンです。
5)追及すべき技術の選択を誤る
誰もがgoogleやイーベイ、iPodで復活したアップルを目指していることでしょう。5つ目の事例は、技術依存型の戦略の多くが、技術の認識を間違っていたことによる事例です。
代表事例は、モトローラの衛星電話サービスです。開始して1年も経たないうちにチャプター・イレブンを申請しています。著者は、この失敗はマーケティングの不備ではなく、モトローラの専念すべき技術に問題があったと言っています。その証拠に、ビジネスに乗り出す前に、モトローラの技術者は次のように発言しています。
「携帯電話は年々改良され安価になるが、衛星電話はどこまで行っても、80年代初めの携帯電話と同じ技術上の限界がある」と。
失敗の原因は、技術そのものに虜になり、実施したマーケティング調査も経営陣には届かなかったのです。
6)安易な合弁に走る
業界のライフサイクルに応じて、企業の数は減っていきます。合弁していない企業は時として他社と1つになる選択を採ることによって規模の経済を得、その選択を選ぶかも知れません。
筆者はここに警告を出しています。つまり、例え他社が合弁を模索している場合でも、静観するか、状況が悪化する前に企業を現金化したほうが言いといいます。これに関しては、合弁劇における3つの誤りを指摘しています。
1つは、合弁によって資産とともに問題を買収してしますこと。そして、合弁によって企業の複雑性が高まり、規模の不経済性が生じること。最後に、企業を買収しても、被買収企業が抱えていた顧客までを取り込めるとは限らないことです。
7)ほぼ全てを参加に収める
ロールアップ。数十から数百の小企業を取り込み、それによって企業の購買力を高めブランド認知度を高め、資本コストを下げ、効果的なプロモーションを展開することを指します。
しかし、著者の調査ではロールアップ企業の実に2/3は全く株主価値を創造していないといいます。そして、その理由の多くは不正に手を染めていることです。
ビジネス研究の多くはベストプラクティスに注目し、その企業の戦略や戦術を体系化し一般化する試みです。しかし、今回の論文はその反対、失敗に注目し失敗から学ぶことに重きを置いていました。興味がある方は、HBRの2009年1月号を参照ください。
Fail Big 失敗から学ぶ前編
早嶋です。
今月のハーバート・ビジネス・レビューに7つの危ない戦略という掲題で論文が紹介されていました。内容は、企業が失敗する理由を7つの危ない戦略とタイトルをつけ、7つ示し、その内容を説明したものです。
多くのビジネス論文が示すとおり、企業の失敗は戦略の実行段階に問題があったからではなく、戦略そのものの誤りが多いとジャーナリストのポール・B・キャロルは指摘します。筆者は過去25年にわたる決定的な失敗事例、750件を調査しHBRに寄稿しています。
その7つの危ない戦略とは、次の戦略です。
1)シナジー幻想を抱く
2)金融工学に頼る
3)方向転換しないという過ちを犯す
4)似て非なる隣接事業に参入する
5)追及すべき技術の選択を誤る
6)安易な合弁に走る
7)ほぼ全てを参加に収める
です。
1)シナジー幻想を抱く
シナジー。日本語では相乗効果と訳され、経営では2社以上が協力体制を持つことで足し算以上の効果を出すときに使われます。
互いに補完関係になる2社が手を組み、成長を追及する事例はよくあります。しかし、必ずしもその効果を期待できないことから失敗するという指摘です。実際にシナジー効果が発揮できる環境であっても両社が油断しても失敗します。
また、シナジー効果は見えないところでも問題を起こします。経営陣の時間やエネルギーをシナジー追及に求めすぎた結果、有益な機会をロスする機会コストの発生です。
2)金融工学に頼る
強気の金融工学に頼った挙句、ブランド評価が損なわれたり、企業そのものがなくなる事例です。これはまさに近年のサブプライム問題そのものですね。
筆者は、金融工学に頼る戦略の危険性を2つ指摘しています。1つは、金融高額は安易に融資された住宅ローンのように、顧客を短期的に引き付けるものの、最終的には買い手と売り手の両方に大きなリスクをもたらす商品が開発されることです。そして、残りは、更なる資金調達を行うために、どうしても楽観的な借入を推奨することにつながることです。
金融工学に頼る戦略は、強引な手法であるところが多く、一度手を染めると中々抜け出すことができないという習慣的な問題も指摘されていました。
明日に続く。
Nike+ SportBand
早嶋です。
ナイキの画期的な商品と思って販売直後に購入した「Nike+ SportBand」ですが、液晶部分に不具合が生じる現象が多発し、販売中止となっていました。たまたま、ナイキショップの店員さんと話をしているときに教えてもらい、その後、ナイキショップに商品を持っていったら、無条件で返金してくれました。
調べてみると、ナイキのWeb上では詳しくこのことについて触れているページがありません。簡単に検索してみましたが、それらしきページが見当たりませんでした。うーん。
Nike+ SportBandは防水性能(IPX7等級:水深1mに30分間没しても水が浸入しない)を有しているので通常の使用において本体に水が入るはずはない。しかし、発売以来、汗などの浸水により液晶部分がおかしくなった!といった問い合わせが相次いだそうです。
確かに、液晶部分が白くなったり、濁ったりして、表示が見えにくくなっていました。これに関して、Nike+ SportBandのユーザーの多くがその不具合をブログでコメントしていました。
ということで、現在Nike+ SportBandは販売を中止。不良が認められた商品はショップに持っていけば、返品してくれるそうです。実際、商品を持っていったら、保証書の有無にかかわらず、すぐに返金してくれました。
対応はよいのですが、HPでもトラブルの内容や対応の仕方について、もっとわかりやすく明記すると良いと感じました。
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