
DXって何だろう?
2022年3月7日
◇DXって何だろう [gritの動画案内]
原田です。
Youtubeへアニメーション動画「DXって何だろう?」をアップしました。ぜひご覧ください。
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◇DXの本質的な意味
ビジネスの世界では、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が一世を風靡しています。しかし、このDXという言葉は、多くの人に本質的な意味が理解がされていないと思います。何しろビジネス誌上には、「営業DX」、「財務DX」、「物流DX」、「人事DX」などなど、様々なDXがあります。とある記事では、ただの「ペーパーレス化」が、「DX化」という言葉になっていました。DXという言葉はかなり混乱状態だと思います。
確かにDXという言葉は多様な視点で説明できます。このブログではDXの概念を企業経営の戦略的視点から説明します。それが本来の定義だと思います。
DXの本質的な意味は、企業がデジタル技術の進展に伴う様々な環境変化に対応するため、(図1)の通り、その全体的な構造を文字通り【旧来型】から【DX型】へ「トランスフォーム(変革)」することです。この本質的な意味を経済産業省の定義に基づき説明します。
(図1)旧来型からDX型へのトランスフォーム(変革)
◇経済産業省の定義
経済産業省の定義は下記の通りです。文章だけ読むのは難しいので、まずはざっと目をお通しください。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
この記事では上記の定義を以下の2つのパーツに分けて説明します。
①デジタル技術と製品の本質の変化
②バリューチェーンの変革
また、話をわかりやすくするために、架空のスピーカーメーカーの事例を用います。この架空事例企業をもとに、【旧来型】から【DX型】へのトランスフォームを説明します。
旧来型のスピーカーメーカーにとって、そのビジネスは(図2)の通りです。顧客のニーズは性能の良いスピーカーが欲しいという単純なものでした。より良い製品を作り、よりたくさん販売するというバリューチェーンを構築していました。企業は製品の対価として代金受けとる売り切り型のビジネスモデルでした。こうした旧来型のビジネスがどう変革するのか。①、②の中身を説明します。以上、最後までご一読ください。
(図2)スピーカーメーカー:旧来型のビジネス
◇①デジタル技術と製品の本質の変化
現代はほとんどの人がスマートフォンを所有する情報化社会です。製品の多くも(図2)の通りプログラムを内蔵し、スマホと連動して動くようになりました。
(図3)製品の本質の変化と顧客ニーズ
スピーカーもスマホと連動し、スマホで再生する音楽をスピーカにつなげて楽しめるようになりました。そうすると顧客のニーズも変わります。ここでは、顧客ニーズが「スマホで再生する音楽を自動で自分好みにアレンジするスピーカーにつなげて楽しみたい」というニーズに変わったとします。
そして、現在のメガテクノロジーはクラウド、AI、5Gのトライアングルと、ブロックチェーンです。このテクノロジーの進化と普及は、(図4の通り)ビジネスへ大きな影響を与えました。
(図4)メガテクノロジーの関わり
スピーカーが常時ネットワークに接続し、そのデータをクラウドへ送信します。クラウドはこのデータをリアルタイムで大量に処理できます。更にはAIで高度なデータ解析を行うことができます。
こうしたデータをもとに企業は、セービスを設計し、運用します。結果としてスマホのアプリや製品内蔵のプログラムを通じて、顧客へ最適なサービスが提供できるようになります。
このようにデジタル技術の進化は、製品の本質を変えていきます。ハードとソフトが一体化し、トータルで顧客に対してソリューションを提供するようになります。
◇②バリューチェーンの変革
企業は、企業は単なる製品の販売でなく、ソリューションの提供が必要になります。そのため、そのビジネスモデルを、従来の製品の売り切り型からサブスクリプション型をメインとする形へ変えていきます。
あわせてバリューチェーン全体の変革も必要になります。自社の業務の内容やプロセスを見直す必要があります。当然、人材育成、研究開発、経営資源の調達なども変更が必要です。更には自社だけでなく、製品の製造を委託したり、アプリの運用を委託したりといった外部企業も含めたバリューチェーン全体の見直しが必要です。場合によっては、人材のヘッドハンティングや、企業のM&Aも必要になります。文化や風土の刷新も必要になります。
(図5)バリューチェーン全体の変革
こうして企業は顧客へ独自性の高い価値を提供できるようになります。自社が保有するデータに基づくモノなので他社が模倣しにくく、そのコストも低いです。結果として競争優位を確保できます。このようにデータ、デジタル技術を使って、顧客ニーズへ対応し、製品のあり方を変えると共に、自社のビジネスモデル、全体的なバリューチェーンを変えることで競争優位を確保することがDXです。
◇まとめ
最後にDXの定義を振り返ります。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化、風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」です。
ここに書いてある定義の通りですが、この文章を読んだだけでDXの本質を理解できる人は少ないと思います。実際のビジネスの現場でもDX化という掛け声はかかりますが、具体的にどういうことなのかきちんと説明できる人は少ないです。DXのように極めて抽象的な概念はその内容が明確に共有されていないと、その実現はかなり難しいです。複雑な時代だからこそ、現状とビジョンをわかりやすく描き、メンバーで共有することが重要です。
新規事業部隊に告ぐ
2022年3月3日
早嶋です。
新規事業を立案するチームに対して勉強会を提供させて頂く過程で思うことは、
1)そもそも企業の全体像や特徴を理解していない
2)ビジネスの基本的なリテラシーが低い
3)頭だけで考えており、手と足を動かさない
という視点が3つあった場合、大抵2個は該当することです。
1)そもそも企業の全体像や特徴を理解していない
そもそも日本の文化なのか、新しいことを生み出すことが苦手な人たちが多いと思うのです。昔の人は、何もなかったので苦しみ、もがき、なんとかして生みだした。でも気がついたら今の大きな企業の多くは10年から20年前に構築されたビジネスモデルの上で食っている。そして、その仕組が完全に自動で回っているなか、自分がたまたまいる部署の知識くらいしか知らないのです。当然、企業は全体を知らなくても事業が回るように組織をつくり管理したわけだから当然って言えば当然なのだけれども。
というわけで、既存の事業にどっぷり浸かった社員が急に部署名を変えたところで、中身は変わらない。ただ、コツを掴めば自社の全体像を把握し、自社の特徴を抽象度を上げて理解することはできる。そして、既存の事業の全体像を理解することが出来たら、改めて自社の良さや特徴がすごいなーと見えてくるとともに、もっとこうしたら良いのにねって見えてくるのです。
例えば、そのような時に、小さなベンチャー企業が優れたサービスやプロダクトを持っているのを見たら、自社の経営リソースを使って、「こんなことができるのに」って案外といろいろ考えることができるのです。
つまり従来のビジネスモデルで食ってきた事業の人は0⇒1を創るのは苦手で、手法も殆ど持ち合わせていないけど、1⇒2とか1⇒5とか10にすることは、意外と難しくないのだ。それは既に顧客がいて利害関係者との信用関係があり、その業界でのポジションや商流を押さえているからなのだ。
では、ベンチャーにアプローチして、一緒にやろう!となるかと思いきや、そうはならない。
2)だって、ビジネスの基本的なリテラシーが低いのよ
トップが勝手に今の売上を切りよく300から500にしたいな?って思うのは勝手です。きりよく2025年に達成すると思うのも勝手です。でもね、ギャップを200も埋めたいって思ったら、トップなりにどのような方向性でどのようなシナリオで埋めるのよ?ってことは社員に示さないと、社員は決めることが出来ないのです。そこは経営者の仕事だと私は思います。
で、その大きな方針があっても、具体的なアイデアを部将異動仕立ての社員や新規事業のために採用された新人に考えさせたところで出るわけ無いのです。基本的な戦略、組織、マーケティング、会計、財務、経済。事業を考える際の知識が乏しいし経験も少ないからです。じゃ、そこを学ばせようと思っても頭でっかちになるばかりで時間もかかります。
よく考えたら、そこそこ大きな企業に入っている人は、最初から大きな志があって事業を創ろう!なんて考えないわけで、もしそのような思いがあれば、その企業で経験を積んだらさっさと辞めて起業していることでしょう。
3)頭だけで考えており、手と足を動かさない
皆一生懸命に考えて、調べている。これでもかって程、時間をかけている。1枚の企画書を創るのに、どんだけ時間をかけてるのだろう。完璧な企画書があると思っているのだろうか。
前提として既存の事業は、ある程度過去の様子から確実な数字を創ることはできるでしょう。でもね。同じようなことを新規の事業でできるとおもったら、それは大きな勘違いだと思うのです。だって、そんなことやって見ないとわからないからです。それなのに新規事業の部隊は机から一歩も外に出ようとしないのです。グーグルに聞いても答えは出ないと思うのです。
それよりか、今の業界の無駄なところ。自社が頑張って効率を上げたところを他社に展開したらどうあんるかな?とか、この作業を5%程度のリソースでやるためには、自社に何が足りないのだろうか?とか、やっぱり基本は全くの新規ではなく、自分たちの足元をしっかり認識して、視点を変えて見てみることです。すると、様々な事業チャンスにあふれていることに気が付きます。
そして、そのチャンスを自分たちで掴んだ場合、既にある技術や他社であっても一緒に行ったらできないかな?ってゼロベースで考えて見ると、アイデアを創る分や、新しい技術の開発はベンチャーに任せて、その管理や営業やブラッシュアップを大企業が行えば冒頭の通り上手くいくのです。
だから新しいアイデアを考えるよりは、自社に足りない機能を整理して、既に持っている小さな企業にアプローチする。そして提携、マイノリティ出資とかをしながら関係を構築してみたら、いいじゃない!って動き出すかもしれません。
ホントかなーと思ったら、自社のバリューチェーンを確認して、業界のサプライチェーンを確認して、顧客の価値体験を整理して見てください。この時点で、「ん?」と思ったら、ちょっとは自社のこととビジネスのお勉強をしてもらいたいです。
実際、この3つを徹底的に議論して、その後に、どこかの機能を、減らす、無くす、増やす、追加する。という行動を考えてみると、意外にもアイデアが次々に出てくるものなのです。関与させて頂いてりる企業はサンプル数は少ないですが、普通の社員でした。で、トレーニングをしながら上記のような取り組みを議論して、実際に現場に言ってみて確認して、ためにし小さくはじめて、失敗。そこから学びをふかめて試してみる。自社にない部分は、他人のふんどしで回してみたらどうなるかも実際にやってみる。ということを半年程度伴走して実現すると、あら不字義、意外と回り始めるじゃないか!と確実になっています。
ホントかなーと思ったら、是非、弊社に連絡下さい!
【動画】戦略思考・課題解決思考研修(PayPayカード)
2022年2月26日
本ページは、PayPayカード様向け戦略思考・課題解決思考研修のページです。
2月22日のワークショップ動画
Day3に議論内容です。こちらPWは別途事務局より連絡を受けて下さい。
(2月22日 事前課題)
1)事前課題
Day2で行った演習A、Bから再度、自部門の問題を設定してください。その後、問題解決の動画を参考に、課題の発見、解決策の方向性を整理してください。
Day2で行った演習CのNextについて、ブラッシュアップして何らかの行動を行ってください。
Day3は、Day2と同様に、上記の取組について議論を深めます。
(1月14日 事前課題)
1月14日に実施します、Day2の研修前までに以下の事前課題を準備した上で参加下さい。
1)動画視聴
Day2及びDay3で議論する際にベースとなる考え方です。基本的な内容ですが、自部門の課題を設定する際は、リーダーとして「有りたい姿を定量と定性の両方で示す!」がポイントになると思います。Day1で議論した自部門の課題を考えながら視聴頂くと理解が進むと思います。
①問題解決の流れ
ここでは、問題解決の考え方を示しています。みなさんは、全体を「そうだよね。」と確認しながら視聴頂ければ結構です。
②問題の定義
問題は、ありたい姿と現状のギャップです。これらを把握して問題として設定するためのポイントや考え方を整理します。Day1で議論した問題は、どのようになるか当てはめながら視聴下さい。
③課題の発見
課題は、問題を深堀りしながら現象を具体的に捉え、重要な現象に対しては因果関係を分析します。その中で、重要な事実、問題を解決するための鍵となるものを課題として言語化します。Day1では、起きている現象に対しての因果関係の理解が不十分であるお話を指摘しています。こちらの動画をヒントに、皆様の現場で起きている課題について深堀り下さい。
④解決策の立案
課題に対していきなり解決策を考えずに、まずは解決策の方向性を整理することが大切です。解決策の立案の仕方についてポイントや考え方を整理します。Day1では、課題に対しての解決策の議論は飛ばしています。Day2で、ここについては議論を行います。
⑤計画と実行
解決策を実際に計画して実行するための考え方やポイントを整理します。こちらについてもDay2で議論を深めます。実際の計画とその計画をフィードバックする考え方のイメージを持って次回のワークショップに参加ください。
⑥問題解決の整理
一連の問題解決の考え方を第三者に説明する際の考え方やポイントを整理します。こちらは参考までに視聴ください。
2)事前課題
Day1で議論した課題について、それぞれブラッシュアップして、取り組める内容は実践して下さい。Day1は、その取組内容について議論を深めます。
(12月17日 事前課題)
12月17日に実施します、Day1の研修前までに以下の事前課題を準備した上で参加ください。
1)動画視聴
選抜リーダーとして、昨今の不安定な世の中に対して、リーダーとしての在り方を考えるために次の動画を視聴してください。なお本動画は「マネジメントの基礎シリーズ」中の1本です。
不確実への対応(約30分)
選抜リーダーとして、会社全体の戦略的な思考に触れ、今後のワークショップに望んて頂くために次の動画を視聴してください。なお本動画は「戦略思考の基礎シリーズ」中の1本です。
戦略思考の基礎(約34分)
※上記2本の動画のPWは別途事務局よりお知らせがあります。
2)事前課題
Day1の研修当日までに、「自社の経営方針を整理し、その実現に向けて現場で実現するための課題」をそれぞれ整理してきてください。フォーマット等は自由です。当日、こちらをベースに議論を深めます。
DX人材の育成
2022年2月23日
早嶋です。
DX化を必須事項として掲げる企業から相談が相次ぎます。その際、一応お決まりのように「御社のDX人材の定義はなんですか?」と伺うと「・・・」となるのです。どの責任者の方も要件定義から困っているのです。
そこで、早嶋はDX人材を次のように定義しています。そもそもDXは、「デジタル技術を使い、新たな価値提案をするために、既存のビジネスモデルを変えること」です。従い、DX人材とは、この定義を実現する人材となります。
となると、
1)デジタル技術
2)新たな価値提案
3)既存のビジネスモデルの変革
を実現できる人材となるわけですから、結構領域が拾い取り組みの人材を求めていることになります。
1)デジタル技術については、それこそSTEMAに代表されるような考え方や知識がベースとして必要です。Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(リベラルアーツ・芸術)Mathematics(数学)です。これらの知識が必要な理由は、早嶋なりに次のように考えます。
デジタル技術の特徴は、コピペが出来て自由に伝達することができることです。従来のアナログでは、指示命令を考える部分と、それを行動に変える部分がセットでした。しかもコピペするには相当の費用がかかり、展開するにも伝達に費用がかかっていました。
それが、指示命令を考える部分をソフトとして切り分け、行動に変える部分をハードとして切り分けることに成功しました。そしてソフトも一部ハードも従来の限界費用の理屈を度外視して安価に自由にコピーできるようになったのです。さらに、一つのソフトで複数のハードを動かすなど、伝達に関わる自由度が極めて安価で高くなり、結果的に何か1つの仕組みをデジタルで実現すると一気にその領域を拡大して世界を牛耳ることができるようになったのです。この発想はまさにプラットフォームの考え方そのものです。
簡単に整理すると、このコピペ(限界費用)と伝達(取引費用)のタガを外すことで従来出来なかったビジネスモデルが次々に生まれることになり、それがトランスフォーメーションの由来になっているのです。
我々の頭をベースに考えた場合、ソフトの部分は脳みそです。そしてハードの部分は体です。頭で考えたことを体を使って実現する。その頭と体を分けることができるようになったのです。例えば、別の人が考えたことを自分の頭にインストールして、体を動かしたらどうなるでしょうか?今で解けなかった数学が解けたり、今まで苦手としていた絵画が上手にかけたり、今まで苦手としていたお酒が飲めるようになったりと。まさに今のゲームのようにハードがあって、そこにソフトを入れ替えることで様々なことが実現できる世界が想像できることでしょう。
この究極の事例はアイフォンです。OSに相当する部分は本体にインストールされていますが、時々最新の機能を入れ替えることで大幅に機能をアップデートすることが可能です。そしてその頭脳に相当する部分は、アイフォンの中に入れることも、通信でつないでクラウドの機能を使うこともできます。伝達とコピペの概念をもろに活用しているのです。
そしてハードに不足する機能があれば、接続する仕組みを使い、別のセンサを取り付ければ熱や風量が測定できます。マイクロスコープと連動するとアイフォンが顕微鏡になります。アイフォンを使って別のハードと組み合わせ、新たな機能を自由に付加することができるのです。その際、ハードとソフトを接続する仕組みはセンサやIoTや通信の技術が使われます。デジタル化の場合、何らかの指示命令制御をソフトで記述することができれば、それはアプリとしてアイフォンに入れることで、また別の次元の機能を瞬時に手に入れることも可能です。
そして面白いのは、その過程で集まったデータを束ねることで新たな発見があったり、別の制御方法を提案できるようになることです。このデータを貯める箱はデータベースと言われ、昔はメモリに格納していましたが、今は通信の技術を使ってクラウドに格納し、好きなタイミングで活用分析することもできます。更にそのデータ同士を足したり、引いたりすることも自由に出来ますので、新たなデータを付け加えて、更に別の仕組みを考えることなども自由にできるのです。まさに発想とちょっとしたアイデアがあれば従来の枠組みを超えたレベルでの実現が可能になるのです。
知識に相当する部分がデジタルではデータになります。データは生成することもできるし、入力することも可能です。その際に、センサの技術が活躍します。衛星も動画もドローンもセンサと捉えると全て合点がいきます。センサは24時間365日、自動でデータを収集し蓄積します。その際、互いが通信する仕組みが大切です。APIや5Gなどの企画、ブルートゥースやWIFIなど、全て伝達に関わる技術です。デジタルは基本的に何らかのルールで動くことが前提なので、APIのように互いのルールを決めて於けば、異なるデータや機械同士でも瞬時にデータの取引が可能です。
コンピュータも人間の脳みそと同じで、知識やデータが蓄積されると、そこに処理をして分析したり活用することが可能になります。ここに先程のクラウドが出てきて、その集大成がビックデータになり、そこに学習させて何か発見をさせるのがAIの基本です。その分析は更に別の概念で捉える量子コンピュータなど、脳そのものの研究も進みます。また、伝達が自由にできるということは意図的に書き換えするなどが出てくるので、ブロックチェーン技術やセキュリティの議論も盛り上がってきます。
デジタル技術を簡単に言ってしまえば、人間の頭と体を別々に分け、くっつける技術に必要な考え方や技術の知識に相当するのです。そのためにSTEAMに代表されるように知識をみにつける必要があるということなのです。
2)新たな価値提案
価値とは、価値を受ける人が、その価値をどう捉えるか?という問題です。そのため、価値を提供する側のことと価値を受ける側のことを理解することが大切です。これらを日常の事業で捉えると、価値を提供する企業と価値に対価を払う顧客の分析がとても大切になります。
これらはまさにマーケティングの発想です。そして、近年は顧客の分析において、心理学的なアプローチ、行動経済学のアプローチ、脳科学のアプローチなど様々な分野の学問を総合して考える取り組みが進んでいます。しかし、根本はやはり価値を受ける相手が、如何に価値と捉えるかを突っ込んでいく思想とそれらを実現する思考が必要です。
3)既存のビジネスモデルの変革
そもそも、単純な事業であっても、規模が大きくなると複数の人員でその機能を分断して取り組んでいます。企業の中でビジネスモデルを実現するためには、価値の連鎖を考えるバリューチェーンの研究が大切になります。
しかし、規模が大きな企業になればなるほど、自社のバリューチェーン全体を把握出来ている人は少ないです。そして、業界の広がりを考える必要のある事業は、今度はバリューチェーンに加えて、業界全体のサプライチェーンの理解も必要です。
自社がどのように価値を提供しているかを整理するために、まずはバリューチェーンとサプライチェーンの理解を徹底することが大切です。
ただ、ここが出来たとしても、それはまだ一部。ビジネスモデルは、提供する側(企業)の仕組みと価値を受ける側の仕組みを理解して、更に、そこに収支の概念を同時に組み合わせて考えることが必要です。
そのため、2)新たな価値提案で議論した顧客がなぜ対価を払うかの理解も当たり前に必要です。
そして、その価値を作り出すためのコストと、顧客から対価を得る、つまり売上のバランスを同時になりたたせることがビジネスモデルです。ビジネスモデルですので、短期的に成り立つだけではなく、長期的に企業として再現可能で、安定的に繰り返すことができることが求められます。当たり前に財務や会計の知識も必要になるのです。
ただここまでは、既存のビジネスモデルを理解して、顧客のメカニズムを理解している。そしてSTEMAに代表される知識やバックグランドがあるに過ぎません。DX人材として成果を出すためには、これら1)から3)つの知識や経験を組み合わせて、従来に無い顧客価値を創造して事業として成り立たせ実現できる能力が必要になるのです。
そう、これらが出来てようやくDX人材になるのです。。。。
ふー、という感じですね。
で、全ての取り組みを行える人をつくる必要があるのか?とすると、はい、と答えるでしょうが。そのような人材を創れるか?教育できるか?と疑問に思うことでしょう。基本、全てを求めるのは酷ですよ。
そこで、早嶋の考えは、少なくとも自社の既存の事業モデルの理解は既存の社員で行い、自分たちがどうして事業として成り立ち過去数年以上利益を出しているのか?をまずは理解できるように戦略や組織やマーケティングや財務会計を整理して理解することです。ここはマネジメント層であればある程度の理解はできることでしょう。
次に、それらを把握していることを前提に、世の中のDXの事例を多方面で研究してみて、同じようなことを行ったらどうなるでしょうか?とブレストすることです。ただ、この時点で過去の事業の延長でしか物事を考えることが出来ない人材は極めて厳しいでしょう。創造することが出来ずに、否定することで自分の存在を示したからです。ですので、創発が得意な人材を調達するひつようがあるでしょう。このような能力は、ある程度教育することは難しいでしょうから、組織の中でいるか探してみて、いない場合は諦めて外部から調達することをおすすめします。
ただ、アイデアを持つ人間は多数いますが、そこに自社の仕組みを理解できるかどうかは不明です。そこで、従来のマネジメントが今節丁寧にそのような新たな創発ができる人材に教えればよいのですが、水と油のように反発することが目に浮かびますよね。。
仮に、そのタッグが上手くいっても、ではそこで掛け算で新たなビジネスモデルが生まれるか否かは、DXのDの知識、上述の1)デジタル技術の理解があることが求められます。
ただ、DX人材を育成する!とするよりは、DX人材は、1)デジタル技術 ✕ 2)新たな価値提案 ✕ 3)既存のビジネスモデルの変革、をバランス良くできる人材のことですので、全てをできる人間を育てるのではなく、その組み合わせができる人間を確保して、トップのリーダーシップのもと日夜議論を繰り返し実験することが大切になります。
ということでDX人材の育成や取り組みを社長やトップが経営企画や人事に丸投げしている組織はどんなに時間をかけても生み出すことも作り出すことも出来ないでしょう。なぜならば、アイデアが生れても、そこにトップの意思決定とリーダーシップがなければ、必ずや途中の段階でもみ消されて終わるからです。
ということで早嶋はDX人材の育成をお手伝いしていますが、多くの場合は、トップのその必要性があり、トップがリードしている企業に限っては、色々と試行錯誤をしながら取り組んでいます。もちろん、DXについての教材や動画などの資料は随時提供させていただきますが、本気の本気の取り組みをするならばトップの関与を確実に求めます。
人間の価値
2022年2月21日
早嶋です。
デジタル化が進むと人の価値が更に向上するでしょう。
現在、ありとあらゆるデータがIoTと通信とクラウドの発達により蓄積されています。そしてそれはリアルタイムにどんどん増大しています。それからコンピューターの性能向上とAI技術の進出によって、それらのビックデータは絶えず分析され何かに活用する取り組みが進んでいます。色々と見えなかったことや、わからなかったことが、どんどんわかるようになっていき、その発見のボリュームとスピードと精度は指数関数的に広がりを見せています。
同時に、人間の脳を凌駕する取り組みと研究と実験も繰り返されています。業界では、コンピュータが人間の脳を超えるタイミングが2035年から2045年の間に到来すると言います。仮にその瞬間が来た場合、その瞬間から一気にコンピュータの思考が指数関数的に伸びるので人が思考する役割が終わりを意味する。というのがシンギュラリティ一派が唱える考えです。
しかし、本当に到来するのでしょうか。例えば、画像処理の取り組みで、一枚の画像が「猫」という情報を学習させる。それから同様の画像を1,000枚くらい読み込ませて「猫」の画像から特徴を覚えさせます。そして、徐々にたくさんのデータを読み込ませてAIにその画像が「猫」か否かを判定させます。はじめのうちは誤った判定があるので、そのときは都度、人間が正解をAIに叩き込む。すると正答率が徐々に高まります。最終的に100%に近い確率で猫の画像を指摘します。
では、実際に我々が特定しているようにその画像を「猫」と捉えることができるか?と言えば、おそらく「猫」という人間が概念化した情報と紐づくことを答えている。というのが正解だと思います。例えば、子供が猫と言い当てた場合、多分自分の記憶と結びつけて、かわいい表情や動作を思い出すでしょう。また、僕が小学生の時のように、猫にいたずらをしてその猫から爪でひっかけられた苦い思い出を想起する人もいるでしょう。しかしAIが捉える猫は猫でしかなく、そこには何の意味も無いのです。
重要なことは、我々が「猫」と捉えた場合、それは猫であり、様々な猫が現れますが、AIが捉える猫は文字通りの猫であり、我々が概念化する猫では無いのです。
コンピューターが弾き出す答えはまだアルゴリズムの範疇で、我々が考える猫はややヒューリスティックも含まれます。これは、心理学的な用語で、必ずしも答えではないけれど、それが経験や先入観によって直感的に、ある程度正しい答えを得ることができる思考方法です。当てずっぽうを続けているうちに、その精度が良くなって、結果的にいつしか、正解がわかる思考法になっているのです。
ボールを投げる動作にしても、脳でコンピューターのように物理の計算をして荷重分散した命令を腕の筋肉に出しているわけではなく、実際に投げてみて、少し遠くの的に当てるには、もう少し力を強くすると当たるかな?とか、相当適当な感覚で、でも実は超緻密な動きを体にフィードバックしているのです。
逆に、このヒューリスティックな感覚がなければ、人間はいつまでたっても学習しないでしょうし、言われたことも、言われた通りできるかもしれませんが、今のコンピューターのように、それが何を「意味するのか?」を考えてもわからないでしょう。
つまり、猫はコンピューターによって猫の概念ではあるけれども、我々が想像する猫ではなく、単なる記号としての猫なのです。
冒頭に、「デジタル化が進むと人の価値が更に向上するでしょう。」と書いた理由は、ここにあると思うのです。AIが仮に感情を持てたとしても、それが我々のような人間と同じで自分から自我をもつかが極めて怪しいと思うのです。仮にそう持てたとしても、そのようなアルゴリズムを組んでいるだけであって、途方も無いデータから組み合わせを瞬時に選択しているに過ぎないと思うのです。
であれば、仮にそのスーパーAIがXとして、Xが出した答えに「温かみ」があるか?といえば、「ある」とは答えにくいのです。つまりシンギュラリティが近づくにつれてXみたいなAIが世の中に多数あふれるけれども、最終的にはデジタルなので全てのXが同じような解を出すようになります。すると、今のコンピュータのようにコピペが簡単に出来てしまう。つまり、そこに違いがなくなり、それがありがたいのか否かもわからなくなってしまうのです。
そこに、救世主が現れて、昔のようにアナログで考えた人間が出した考えに、最終的に人は寄り添うようになるのでは無いか?と思うのです。つまり、今の人間と同じよううに、「何を言ったか」ということよりも「誰が言ったか」を重視する人間の理解力を変えることが出来ないから、結果的にスーパーAIのXよりも、その人間は別の人間を優れている人として認識してしまうのです。
では、その人間が人間を認識して信じてしまう根底は何があるかと言えば、そこは信頼関係だと思います。ある人間からすると、別の人間に対して何らかの理由で信頼をおいてしまう。すると、ある日その人間が発する言葉が特別なものに感じてしまい、スーパーAIのXが言った内容よりも、その信頼を持つ人間の言葉を信じるようになるのでは無いかと思うのです。
ということで、デジタル化の恩恵を最大限活用しながら、効率化した時間の中で、徹底的に非効率に相手のことを慮ることを今度は続けることが、将来の自分の価値を上げることに繋がるのではないか。と今の時点の仮説として、私は行動していこうと思います。
現場の心理的安全性の確保(店舗事業5)
2022年2月15日
早嶋です。
店舗ビジネスにおいて、集客機能や顧客管理、それから店舗ごとの係数管理は全てデジタル化され、本部が一括して行うようになります。従来は、店舗毎に店長がいて、顧客管理や、店舗の商品の管理、それからスタッフ管理等を行っていました。
例えば100店舗の何らかの店舗事業を行っていた企業は、本部スタッフ数名で100店舗の管理を行い、顧客の来店履歴や利用履歴に応じて、SNSや他の媒体を組み合わせた顧客の集客を行うようになります。そのため店舗の仕事は、本部が送客をした後のオペレーションになります。従来は店舗毎にプロジェクトを行い、イベントの企画や顧客のリピートを考えたり、新規の開発を行っていましたが、それが不要になるのです。
当然、店舗の管理体制や店長の役割が大きく変わります。というか店長そのものが不要になり、5店から10店舗単位で店長を管理していたスーパーバイザーも不要になります。店長の役割があるとしたら、店舗のスタッフの心理的な安全性を常に確保しながらケアすることでしょう。そのため従来は企画力や簡単な財務の知識が必要でしたが、これらは全てコンピューターと本部が一括で行うようになるので、見方がわかれば専門知識や経験は不要です。代わりに、相手のことを慮れる、気遣いができる能力が格段に必要になります。
この能力を持っている人は、今の店長ではなくパートやバイトや社員など、雇用形態に関係なく持ち合わせている、ヒューマンスキルの高い方に仕事の役割をお願いするのがベストになると思います。本部から仕組みなどで店舗に送客された顧客が、店舗での体験を最高に心地よくするケアができ、時々の重要員の気持ちの変化や心の変化に適度にケアできる人材が必要になります。
店舗のDX化は、現場スタッフの心理的な安全性の心のケアを同時に進めていかなければ、単に作業に追われる場所になってしまいます。効率的に顧客が来店でき、リピートできるようになっても、しばらく現場での人間のやり取りはなくなることは無いでしょう。効率化によって得られた資源を現場のヒューマンタッチな取り組みにフォーカスするイメージを持っている経営者はデジタル化に対応してもしばらくは事業を継続できることでしょう。
これまでの店舗事業のブログ
対前年比管理を見直そう(店舗事業1)
本部が集客機能を持つ(店舗事業2)
DXの目的を設定する(店舗事業3)
現場の組織と評価を見直す(店舗事業5)
先生の第三者評価
2022年2月10日
早嶋です。
直近2年、多くの大学生の授業はオンラインになっている。2年前に入学した学生からするとリアルの授業を殆ど体験していない方もいるかも知れない。このような環境下の学生と話をしていて思う。リアル、オンラインに関係なく大学の授業はコミュニケーションが極めて少ない。特に研究室に配属されるまでは、講義を一方通行で受け、課題をこなし、テストを受ける。オンラインであっても、同様に、講義の内容が動画になって、Youcannとかそこら編の格安研修のような始末だ。ただその本質は、実は、僕が学生の時とあまり変わっていないのではないか。
大学は、受験をして生徒がお金を払って学ぶ場だ。なので、入学するまでは大学は生徒を選択する権利があるが、入学した以上、生徒は顧客だ。顧客は常に商品の提供者を判断する権利を持つ。それなのに大学の先生の授業は工夫が少ない方が多い。少なくとも多い気がする。その理由は顧客が評価する場が無いからだ。通常の商売だと、粗悪な商品を提供する組織は、選択されなくなり淘汰される。そのため競争原理が働き、顧客に支持される組織が利益を出し拡大する。ただ常に顧客のフィードバックがあるから商品の提供は切磋琢磨されるのだ。
この原理が大学や高校、義務教育の中学校や小学校には働かない。ここが問題だと思う。義務教育や高校はまた次回の機会に議論するとして大学に戻そう。本来、大学は学びを深めて、将来の自分の価値を上げるための場所なので、自分から学ぶことが前提にある。にしても、その学びの幅を広げ、興味を深め、更に本人、つまり学生のビジョンを実現する手助けをするのが大学サイドの仕事ではないか。とも思う。そう考えた時に、ギャップが生まれる。
大学の先生は、大学で学び、社会に積極的に出るよりは、大学に残り研究をしたい人が大半だと思う。中には社会に出ることが出来ずに、ドクターまで行き、仕事を続けている人もいる。当然に、社会に出て仕事をする中で、もっと学びたい、研究したいと学術世界に戻った方もいる。千差万別だ。
で、社会を経験している先生は、相手が何を求めているのか?利害が一致しない方々と共同で成果を出さなければならない環境を経験している。そのため、相手が悪いと言わずに、自分の言動や行動を変えることで組織の成果を出そうと考える。なぜ、そのようになったか。いかなる環境も周りや他人のせいにしても結果は同じ。自分が動かなければ組織では成果がでないからだ。
と考えてみると、大学の先生が一方通行で、自分とのコミュニケーションや自分の研究に没頭したい気持ちはわかる。そのような人が大学の先生になるからだ。だったら、学生を学ばせる場は全て私立にして、研究に没頭したい人は国立にするなどのドラスティックな変革をしないと、いつまで立っても生徒は良くならない。少なくとも、国内の教育機関は、ある程度の方針があり、未だに考えさせるよりも教えることを好んでいる。であればなおさらだ。教える場合は、生徒が先生を超えることは極めて稀だ。
日本から優秀な人材を輩出するのであれば、根本的に大学をもっとオープンに評価する仕組みを考えた方が良い。私学であれば、その大学を卒業した後の進路や年収に紐づける。国立であれば、卒業した後の学者としてのキャリアや国際的な学会での評価などだ。目的に応じて取組は変わるので、交通整理が必要そうだ。
欧州一イノベーティブな国エストニアに学ぶ
2022年2月9日
原です。
北欧に位置する人口130万人のエストニアは、年間起業数が2万件、欧州一イノベーティブな国です。国土面積は、九州と同じくらいなのですが、人口が約130万人で福岡市より少ないです。日本と同様に少子高齢化も進んでいて、過疎地域も多く、全ての行政サービスを、人(窓口)で対応していくのが困難でした。その解決方法がITを活用した効率化です。ITの人材育成とIT産業の集積に取り組み、 ID化(国民ID制度)でイノベーション大国となっています。
日本の国民ID制度の導入は、エストニアのように成功するでしょうか?制度は似ていても、エストニアとは導入の目的やコンセプトが違うように感じています。
近年、日本では地方創生という言葉を良く聞くようになりました。地方創生への施策制度補助金なども複数で発表されています。私も小さな町で生まれ、地方都市に住んでいますので、地方創生は大賛成です。しかし、1300兆円の債務国(コロナ禍の特別支出によりもっと増加していることも考えられます。)、人口動向による税収の減少と高齢化率向上による社会保障費支出の増加を考えれば、心から喜ぶわけにもいかない部分もあります。
今まで多額の補助金が活用されてきていますが、地方の経済は成長しているのでしょうか?あるいは、日本は成長しなくても良いのでしょうか?今の日本の場合、経済成長が止まることは、即、国債デフォルトにつながる可能性があります。
日本の地域政策は従来の政策の延長ではなく、クリエイティブな発想で新しい地域イノベーションを構想していく必要があります。そのためには、発想の転換が必要となります。例えば、九州を一つの地方とみるのではなく、「もしも、九州がエストニアのように国だったら?」と。皆さんなら、どんな構想を描くでしょうか?
ネガティブ・ケイパビリティと共感について
2022年2月9日
安藤です。
「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、 『答えのでない事態に耐える』 のことです。 このコロナ禍で答えのでない事態に遭遇されている方が増えていらっしゃると感じています。
相談場面で、「在宅勤務でのストレス」「転勤」「転籍」「転職」「家庭のトラブル」などの相談もあります。例えば、転勤については、もともと地元採用の方は、地元に家を構えている方が殆どであり転勤は困難である方が多いです。また転籍を選択した場合、転籍の場合は、転籍後は 他社へ売却されると公表もされている場合もあります。そのような不安定な今後に、止めどもない不安、悲しみ、憤り、不信感、モチベーションの低下、今後のキャリアや雇用への不安、生活の不安、収入減のローン返済への不安、学費、介護など、抱えている課題は様々です。だからこそ、他社への売却されるという先行きの雇用の不安を抱きながらも、地元で勤務という選択をせざる得ない方も多数いらっしゃいます。ただし、その条件も定まっていなかったり、変わったりすることもあります。 どう整理したらいいのか答えのない事態のことを相談されたらあなたはどうされますか?
ネガティブ・ケイパビリティに反する言葉は「ポジティブ・ケイパビリティ」です。問題が生じた際に的確かつ迅速に対処する問題解決能力のことを言います。しかし「ポジティブ・ケイパビリティ」 だけでは物事の表面しか捉えることができない場合があります。表面的な表層的な問題のみで解決しても本質的な解決に至っていないこともあります。
不明瞭なこと、わけのわからないことや 手の下しようがない状況は不快であり、居心地が悪く、早々に解答を出したくなってしまいがちになります。 うつ病時には、重大な決断はしないようにアドバイスをするとありますが、ネガティブな思考状態・曖昧模糊な状況には早急に解決せずに、誰かに相談することをおすすめいたします。 相談者は、早く解決したいのはやまやまですが、他者に自分の本当の思いをわかってもらえる、理解してもらえることでモヤモヤな気持ちが少し緩和されたり、メンタル不調にならずに一歩踏み出せることもあります。その場合に、必要となっているのが “傾聴” のスキルです。
その“傾聴スキル” は、相談されたその人の在り方・姿勢そのものがでてきます。自分の価値観を押し付けずに、当事者の方の話を「聴く」ことに徹することです。次に共感力です。私たち人間が、もともと持っている共感という能力です。しかしそれを深く強いものにしていくためには普段のトレーニングと努力が必要になります。共感の反応には、7つあるといわれています。具体的には、①共感的理解 ②共感的探索 ③共感的肯定 ④共感的喚起 ⑤共感的推測 ⑥共感的再焦点化 ⑦共感的解釈です(Greenberg et al)。
いくつか具体的に説明をいたします。①共感的理解の反応は、相談者の話をしっかり感じ受けとめる、そして相談を受ける側は、受けとめていることを伝えることです。 今、相談者が感じていることに焦点をあてて反応します。次に、②の共感的探索の反応は、相談者がはっきり伝えていないこと、これからおこりつつあることに焦点をあてて前に進めていくことです。最後に、③の共感的肯定の反応は、相談者がぐらついている時、または相談者の感情・感覚が他者から否定された場合にサポートをはっきりして反応します。
この共感力を醸成していく過程の中で、常に相談者に寄り添っていく姿勢に今、ネガティブ・ケイパビリティが求められていると感じています。ネガティブ・ ケイパビリティは、真の共感にも繋がっていきます。管理者として、同僚として、先輩として、相談者された場合に 「共に留まる力」 が必要とされ、その時にこの 「ネガティブ・ケイパビリティ」を思い出していただけたら幸いです。
頭で考えるのではなく情動・感情的反応が大切であり、そのことが上司と部下との個人的な関係だけでなく職場風土を明るくし、心理的安全性にもつながるきっかけになると考えます。
何かお役にたてることがありましたら、気軽に弊社にご相談くださいませ。
節税保険
2022年2月9日
早嶋です。
中小企業M&Aにおいて、部門収益は黒字、本体決算で赤字という構図。良く見かけます。本来の事業では収益がでていて、本部経費という名の元で、経営者やそのファミリーで利益を配分しているのです。中小M&Aにおいて、株式譲渡をする際は、税務申告ベースの収益はほとんど参考にしません。その中から節税目的の費用(※1)、実際の事業に関係の無い費用(※2)、事業に直接関係ある費用に分けて、※1と※2に対しては、実際の利益に足し込んで稼ぐ力を確認します。
が、そもそも本来の事業で収益が出ていて、その収益を更に将来の事業に投資している企業は、そんな中と半端なことをしていません。管理会計もまともですし、小銭稼ぎをするなどの発想も少ないです。
このほど、金融庁と国税庁は中小企業を含む企業の行き過ぎた節税を問題視して、節税保険の排除に向けて動き出しました。正直良いことだと思います。企業の経営に実質的に関係の無いことですし、従来、どの手の商品を堂々と提供していること自体が疑問でした。
感覚的な記述でファクトはありませんが、一般的な税理士さんの価値は如何に税金を少なく払うアドバイスをするか。があると思います。一方で、一定の利益を残して税金払いましょう!どのみち、どこかで税金を払うことになります。それよりも、一定の内部留保を堂々と確保して、運転資金の手当に負債を当てる取り組みをなくしましょう。などの話は一切聞こえてきません。
もちろん、企業にとっての正解は最終的に経営者が考えれば良いことですが、税金は3大義務の一つです。勤労、教育、納税。しっかり払って、国や地方の行いに対しても厳しく突っ込んでいくのもありですよね。
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