
カンボジア出張 2016年6月
2016年7月1日
早嶋です。
カンボジアに6月26日から7月1日の現地3泊の旅程で出張しました。現地のクライアントと戦略会議をすることが主の目的です。今回はプノンペンではなく、アンコール遺跡群が点在する観光都市であるシェムリアップに行ってきました。3日間で感じたことを備忘録的に記述しています。長いです。
■入国
日本から入国するにはビザが必要。と言っても空港で簡単に習得できる。飛行機を降りるとビザ発行センターがあり、証明写真と飛行場で入手できるビザ書類に記入して30ドルの手数料を払うと手続き完了。混んでいなければ数分で発行される。写真がなければ追加で2ドル払えば取得できるようだ。
今期は雨季で、ピークシーズンの乾季にはシェムリアップの空港からビザ取得、入国まで1時間程度はかかるそうだ。なお、今回はビザ取得から入国まで20分もかかっていない。
■一般的な情報
面積は18.1平方キロメートルで日本の半分弱。人口は2013年の政府統計によれば14.7百万人。首都はプノンペンで民族の9割がクメール(カンボジア)人。言葉はカンボジア語だが主要な施設は英語が通じる。宗教は一部でイスラムの流れを観察できるがほぼ仏教国。治安は良い。
■国民性
仏教国独特の国民性を感じる。敬虔な仏教徒が多く温和で控えめな性格。一方で協調性があり、家族や仲間と過ごす時間を大切にする傾向。しかしながら進んで仕事をしたり考えたりすることが苦手。サービス業としての素質はあると思うので教育の仕方によってはピカピカになる。そもそも人懐っこい性格とニコニコの笑顔が素敵。
国民は概して親日であり目が合えば優しく微笑んでくれ、友好的。一方で、学歴や身分で相手を判断する傾向は日本より強い。見栄やプライド意識が強く、足りない人はコンプレックスを抱えている。
また面白い一面に平等を好む傾向を強く感じる。選択肢として成果報酬か皆平等のペイが良いかと提示した場合、後者の平等を選択する人が多い。カンボジアの社員満足度に昼ごはんの質を高めることがある。従って、ある程度の人数を雇用しているところは、昼ごはんを作る料理人の選択が社員満足度を高める要素の1つのなっている。
部下や社員として注意をする際は、人前で行うのではなく、恥をかかされたと思わないように注意をすると良いと感じる。指摘の仕方を間違うとこちらに意図が無くても、恨みを買うことになるかもしれない。
カンボジアの挨拶にソンペアがある。合掌の形をとりながら、相互に挨拶をする。どうも年下、格下の者が先に挨拶をする傾向があるようだ。目下のものが合掌を鼻のすぐ下あたりで行い、受けた目の上の人は胸のあたりで合掌して返す。位の高い人には、加えて少し膝を曲げて行うというのが正しい礼儀。
■宗教
現在の憲法では上座部仏教(小乗仏教)が国教。管理は宗教省が行う。一方で宗教の自由も認められているので他の1割はイスラム、キリストなどの少数派もいる。
上座部仏教は、日本での主流である大乗仏教とは異なる。試走は大乗仏教の「信じるものは皆救われる」的なものではなく、「生きることは苦しみで、出家をして功徳を積むものが救われる」という出家主義に基づく。また思想の中に輪廻が重視され人々は現世の汚れを清め、来世でのよりよい身分の生まれ変わりを願い功徳を積む。
■ざっくりとした歴史背景
9世紀から13世紀にかけて現在のアンコール遺跡地方を拠点としてインドシナ半島の大部分を支配していた。14世紀以降にタイやベトナムの攻撃を受け徐々に衰退。1884年にフランス保護領でカンボジア王国に、それから1953年にカンボジア王国としてフランスから独立。
歴史上最も悲惨な時期が1970年代から。ロン・ノラら反中親米派がクーデターを起こしシハヌーク政権を打倒。王政を廃止してクメール共和制に移行。親中共産勢力であるクメール・ルージュとの間で内戦。クメール・ルージュが1975年に勝利し、民主カンボジア、いわゆるホル・ポト政権が樹立。ここから大量の自国民虐殺が始まる。1979年にベトナム軍がポル・ポトを攻撃してカンプチア人民共和国(プノンペン政権)を擁立。それからプノンペン政権とタイ国境地帯を拠点とする民主カンボジア三派連合との内戦が始まる。
1991年にパリ和平協定。1992年に国連カンボジア暫定機構の活動が開始され国連カンボジア暫定機構の監視下で制憲議会選挙、新憲法で王政が復活。それから2人首相制連立政権がはじまる。1999年にASEANに加盟、2004年にWTOに加盟、2012年にはASEAN議長国に。現在に至る。
■ざっくりとした外交方針
上述のような歴史的な背景から中立、非同盟、近隣国をはじめとする各国との平和共存を基本的な外交方針にしている。一方で、経済がこれから発展するであろうため国際社会からの援助と投資の取り付けをうまく行っている。
■ざっくりとした経済
2014年のADBの資料によれば、農業がGDP費の30.5%。次いで工業が27.1%。サービス業は42.4%。2015年のIMFの推定値によれば、一人あたりのGDPは1140米ドル。シェムリアップでの新卒採用の月給が120ドル程度、英語が出来て筋が良い若者で200ドルだと高額ということから上記のGDPの肌感覚はあたっていると感じる。
2015年のIMF推定の物価上昇率は1.1%だが、観光地や主要都市での物価はもう少し高いペースで上がっていると思う。
貿易総額は、輸出が107億米ドル、輸入が255億米ドル。内訳は、
輸出が衣類50%、印刷物37%、履物が4%、穀物が2%、ゴムが2%。
輸入が織物が35%、機械9%、電気機器5%、石油製品4%、車両4%。
国内を走っている車はトヨタ自動車が多いが庶民の足はホンダのドリームかその類似商品。フィリピンやベトナムと比較するとバイクの数も未だ少ない感じを受ける。
国の通貨はリエルだが、米ドルがどこでも流通していう。ただし紙幣のみなので、普通にドルと現地通貨のリエルが混合されて流通している。不思議な感覚を受ける。
サブプライムローンで世界経済がダウンする前の2004年から2007年は10%の勢いでの経済成長があった。その影響で2009年までは経済成長率が0.1%まで落ち込んでいるが2010年から再び6%の成長を回復。2011年以降は7%の成長を続けている。この成長率は現地に行けばまやかしの数字ではないことを実感出来る。交通のインフラや建物が急に近代化している中、人の考えや混沌としたところが欧米の感覚になるなど、ソフト面での成長も急速に進んでいる。
建設業とサービス業は今後も安定した成長を見込むと思う。カンボジアでの政治リスクはあるものの、先行者の日本人やパートナー企業とタッグを組みながらの投資活動は他国よりも可能性を秘めていると感じる。
■税金
政治や国のインフラがこれから整備されていることもあり、税金の取り扱いが日々変わっている。カンボジアにもVAT(付加価値税)があり原則は10%で翌月20日までに月次での申告納税がかせられる。また受け取りVATが支払いVATよりも多い場合はその差額を納税する。逆に支払いVATが受け取りVATより多い場合は、差額を翌月以降に繰越し、要件を満たせば感布施申請をすることもできる。つまり10%課税、0%課税、非課税の取り扱いがありややこしい。日本と違ってインボイス方式を取りVATインボイスに従って支払う必要がある。が、カンボジアらいしいところはVAT登録を行っていない業者が実に多いことだ。仮に非登録事業者からVAT請求をされ、VATを支払ったとしても相殺や還付が認められないため事実上のコスト負担になる。更に非登録業者からのサービス提供は源泉徴収税15%の対象となるためダブルパンチでのコスト負担となる。
■車事情
工業の発展が遅れている部分があり、車は輸入になる。従って自転車、バイク、車の順で憧れの対象となる。が首都のプノンペンでは栄えているアジアの都市と同様に超高給者のオンパレード。今回訪れたシェムリアップでは、レクサスのLXやレンジローバーなどの高級車が一部で後はトヨタのSUVが比較的多く走っている。
車には新車では100%税金がかかるため、日本車が500万円だとすると1000万円の価格になる。10年落ちのトヨタのSUVで中古で150万円から200万円が相場のようで公務員の月給レベルが100ドル前後から考えるとものすごい高い買い物であることが分かる。
道は主要なところはアスファルトで舗装されているが、まちなかでも小さな道に入ればドロドロが当たり前。従ってSUVが重宝されるのも理解できる。
交差点などには殆ど信号がなく、皆が適度に譲りあうために交通は流れている。都市部や人がいる箇所では運転手も速度を落としてゆっくり走っているところは他のアジア地域からして考えられない。
マレーシア、インドネシア、フィリピン、カンボジア、タイ、ベトナム。車事情はやはり高値の華で、庶民派頑張ってバイク。車を手にするも中古車のポンコツでもステータス。ブランドニューの車に乗るのは、土地バブルや利権で収益を上げている一部の人に限られている。が首都に行けばそのような人がゴロゴロしてるので、普段見ない車が色々観察できるということだろう。
■タクシー
まちなかを走るタクシーは、トゥクトゥクかバイク。タイのトゥクトゥクと違って、リヤカーを50ccのバイクで化人するタイプでのんびりと移動ができる。初乗りは2ドルで距離は10キロ程度までであれば、この金額で乗れる。他のアジアの国々と違って、思いっきり運転手が高い値段を提示することがない。
■日本との関係
1992年に駐カンボジア特命全権大使を任命して、在カンボジア大使館を17年ぶりに再開している。一方でカンボジア側は1994年に1975年以降閉鎖していた在京カンボジア大使館を再開。2013年に両国関係を戦略的パートナーシップに格上げしている。
日本の援助実績として2014年までの累計で有償資金協力が880億、無償資金協力が1790億、技術協力が800億。2014年のCDC及びCRDBの推計値では主要援助国・機関の支援額は中国318百万ドル、日本が153百万ドル、ADBが126百万ドル、米国86百万ドル、EU75百万ドル、豪69百万ドル。
在留邦人は2014年の数字で2270名。
■アンコールワット
国旗にも記されているように、カンボジアを代表する世界遺産。2011年から2013年の3年間は日本人に人気の観光地ランキングで1位。2014年にはサグラダファミリアと逆転したものの2位で安定した人気を誇る(カンボジアの観光サイト調べ)。
アンコールワットは日本人意外にも人気で訪問する観光客の5割は欧州人。従ってシェムリアップにも多数の欧州系のバカンスを愉しみ人々、その方々を受け入れる施設が多数ある。観光大臣は2020年までには年間400万人の観光客をアンコールワットに誘致する目標を掲げている。従ってシェムリアップの待ちの発展も力を入れている。
カンボジアの三大産業は農業、縫製業、観光。日本恩GDPに対する観光業の比率は3%程度だが、カンボジアの同数字は15%以上。そのためサービス業、それに付随するインフラ設備の投資、資源保護にかかわる予算などを積極的に投資している。
容積率はさじ加減
2016年6月15日
早嶋です。
国交省の通達。地方自治体に対してホテル用地の容積率の緩和の指示がありました。最大で現在の1.5倍、300%を上限に上乗せする案です。
理由は、訪日外国人観光客が増えホテルが足りなくなる事態に備えるとあります。
が、これは今までの容積率の基準は全て国のさじ加減ということになる。何らかの合理的な判断基準があるわけではない。となると、このこと事態にパッシングをして、そもそもの根本を正すべきでは?と思います。
参照:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H6K_T10C16A6EE8000/
ジャブジャブにしたのが原因
2016年6月14日
早嶋です。
三菱東京UFJ銀行は、日銀のマイナス金利政策を受け国債を保有することが負担になっているということで、国債の入札に有利な条件で参加する資格を国に返上します。
この資格は国債市場特別参加者というもので、国が2004年頃に作った権利です。参加する大手銀行や証券会社に対して国債の安定消化を図る目的で考案され、参加企業は財務省と有利な情報交換ができる一方、発行予定額の4%以上の応札が義務付けられています。
マイナス金利政策になることで、銀行は国債を長期保有することが実際は負担になる部分が出てきます。株式会社の形式で運用している銀行はこれに対して株主に対する説明がつかないというのが背景でしょう。
そもそもマイナス金利になっている状況は国が紙幣を発行しすぎていることが原因です。
参照:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160614/k10010555651000.html
超少子化 根底に性別分業
2016年6月4日
安藤です。
今回のテーマは、「超少子化 根底に性別分業」についてです。
2016年5月30日(月曜日)日本経済新聞に日韓意識調査の記事が掲載されていました。
→ http://www.nikkei.com/article/DGKKZO02861440X20C16A5M10600/
少子化対策が進んでいない国として、日本や韓国、スペイン、ドイツなどがあります。
少子化の最大の要因については、日韓両国の4人に1人が「雇用不安、経済不安」を挙げています。
日韓両国で非正規化が進み、日本では37%、韓国で32%に達し、若年層の失業率は両国で全体平均を上回るなど、20~30代を取り巻く経済状況の厳しさが背景がある。と示されています。
日本の性別役割分業意識の動向は、専業主婦に「なりたい」独身女性3人に1人。「結婚したら専業主婦になりたい」独身女性の3人に1人が。そんな希望を抱いています。(出所:厚生労働省2013.9.30
朝日新聞)。
根強い性別分業意識は、儒教文化・歴史の影響については明らかです。子育ての分担は、日本では圧倒的に「おもに母親」86%、スウェーデン、アメリカ、フランスでは「おもに母親」の割合が減り、「両方でする」場合が多くなっています。また、父親の役割はというと、日本では「生活費を負担する」が圧倒的に高くなっています。父親の1週間の労働時間(2005年ちょっと古いですが)のデータでは、日本、韓国では週に49時間以上働く父親が50%以上、フランス、スウェーデンでは10%にも満たしていません。
専業主婦志向が増加しているのは、①非正規雇用の厳しい労働環境が広がっているために、その労働環境から抜け出し専業主婦にいられる相手と結婚したい ②子どもは欲しいが、共働きを続けるのはきつい。専業主婦でいられる相手をみつけて結婚したい。などが考えれます。
しかし、男性は、「結婚したら専業主婦になって欲しいと思っている独身男性は、5人に1人」
(朝日新聞2013.9.30)。
また、男性の非正規労働者の割合は1984年の7.7%から2014年には21.8%。最近20年間における非正規労働者の平均増減率は、男性3.7%で女性の2.3%より高い。労働力の非正規化は、女性よりも男性を中心に進んでいます。(総務省統計局「労働力調査」)。
そして、全国世帯年収平均は、549.6万円(所得金額別にみた世帯数の累計度数分布調べ)。549万円以下の割合は約61%。世態一人あたりの平均年収は約207万円です。(平均年収HP)
このような状況の中、依存した意識(性別分業意識)では自立した生活はできない時代になってきています。20代の頃から自立・自律に向けた「キャリア形成」を意識し実践していくこと。そして、“教育”ももちろんのこと男女が協働したライフスタイルが必要です。
*参考資料:独立行政法人 国立女性教育会館、内閣府共生社会政策
男女が共同したライフスタイルを実現する取り組みで、お困りの方がありましたら㈱ビズ・ナビ&カンパニーにお問い合わせくださいませ。
「後1ヶ月も無い」
2016年6月3日
早嶋です。
昨日、久々に実家に寄った。寄ったと表現したのは、仕事の合間に夕食を取りその後泊まらずにホテルに帰ったからだ。2時間程度の滞在だ。
18時頃出生先からバスで向かい、20時頃帰った。70歳の父と母と玄関を出る時、「車で送って行くよ」と父。ホテルまでは30分程度の距離。いつもながらのことで私が帰るなりその後は目的地まで車で乗せて行ってくれる。
家では、食事の時は父親と会話はあるが、その後、父は自分の部屋にこもってマイペースで過ごすのでゆっくり話すことが無い。私は食事を終えるとそのままソファーに座り母親の話し相手になる。話し相手になると言っても、母の話に耳を傾けて頷く程度だ。
車の中は逆だ。父が色々と話しかけるため今度は父親の話し相手になる。これも母の時と同様に、私が耳を傾けて時々頷く程度だ。
そんな時、「まぁ、後おまえとこうやって話す時間も1ヶ月もなかもんね」と、父。実は同じような会話が60歳の時にもあった。が、その時は1ヶ月ではなく1年だった。10年で1年が1ヶ月になった。
父も母も元気だが、寿命は誰にでもやってくる。しかも、それぞれの生活の拠点があるからいつも一緒にいる時間は取れない。たまに帰って少し話して、少し一緒にいる。それらを積み上げていっても今のペースであれば1ヶ月というのは相場観はあっている。
私には妻と二人の息子がいる。3歳と1歳。私が70歳になった時の息子との関係、会話。それらを考えた時に、時間が貴重であることをあらためて考えた。
父は自分の時間と母との時間を過ごすために、嫌なこと、やりたくないこと、気分が乗らないことをしない。一方で、好きなこと、したいこと、気分が乗っている時は70歳なの?というくらい取り組んでいる。自分のペースを誰よりも知っている。それが故に、他人からは接しにくい存在に思われる時もある。が、彼の哲学はその時間を無駄にせずに楽しんでいる。
もうすぐ40歳。頭の中にある目標を少しペースを上げて達成しよう。更に、手を抜いて効率的に行い余裕のある時間を作ろう。その中で妻や二人の息子、そして両親や兄弟との時間を増やそう。その小さなコミュニティの充実がもっとも幸せな時間なのだと改めて考えた。
自動車の行く末はケータイ機器メーカーのようになるかもしれない
2016年5月31日
早嶋です。
1908年。T型フォードの発売が始まって以来、自動車産業は製造業を代表する花型商品だった。しかし2000年に入り、ICTの急速な発展、ネットワーク技術の普及、そしてIoTが浸透するに連れてビジネスモデルが変わりつつある。キーワードはシェアリングという発想と自動運転技術だ。
形態こそ違えど、上記の先行的な変化を示す事例に携帯電話がある。当初はハードメーカー主導のビジネスであったが、いつしかOSやソフトを提供する企業がその業界を牛耳るようになった。そう、Googleやアップルという名称が携帯電話、そしてスマフォのビジネスにも王座として君臨するようになったのだ。そして、この傾向は自動車のビジネスにも浸透しつつある。
業界のレポートを読むと2025年までに自動車全体の2割がシェア利用されると言われている。この動きを捉えて米フォードはメーカーからサービス企業になる宣言をしている。理由は簡単で、車は憧れの対象、つまり持つことの喜びが失われ、使うという単純な発想の対象になったからだ。
海外勢ではBMW、GM、フォードが相次いでカーシェア事業に参入している。これらのビジネスは従来日本でもあったようなレンタカーのサービスと大きく異る。カーシェアのサービスエリアであれば、スマフォを通じて自動車を気軽に借りれ、料金は1分単位でガソリン代、保険代、駐車代などを含む。
簡単に考えると、これまで地域に10人住んでいて、個人個人が10台車を保持していた。それが地域で例えば3台所有して10人がその車を共同で使うという発想だ。となれば当然自動車会社からすると車の販売台数が減少するので、自分たちからカーシェアのビジネスに参入するのは矛盾が生じる。
その理由はライドシェアだ。これは自動車を所有する人が、自分が自動車を使わない時に他に自動車を貸すというビジネスモデルだ。私もそうだが、平日は殆どが車庫。土日も夜中は車庫だから、保有している期間の殆どを駐車場で車は主が乗るのを待っている状態だ。これらをスマフォを使って、他人でも利用できる仕組みがライドシェアだ。自分が車を使わない時は他の人が使ってくれて、かつお金を支払ってくれるから利用しない手はないという発想のビジネスモデルだ。
ライドシェアが普及すれば、コストパフォーマンスが良いクルマが選択されることになり、先に上げた車メーカーは自分たちのブランドが選択されないかもしれないと考えたのだ。きっと。だったら守りに入るよりは攻め、カーシェアのビジネスを普及してしまえ、と。
どちらにせよ、上記のようなサービスが普及すれば、世の中燃費が良いクルマ、コストパフォーマンスが良いクルマの台数割合が増えると予測できる。しかし一方で、車の母数は減ることになるだろう。となれば今絶好調の自動車メーカーも10年先は結構危うい状況なのだ。
加えて自動運転技術は自動車メーカーに取って諸刃の剣と言える。今、車は人が運転することが前程になっているが、カーシェアやライドシェアする車が勝手に動く、自動運転の車になれば、利用する人の増減によって車が勝手に場所を変えて最適化してくれるため最小の車の数でサービスを提供できるようになる。つまり車の使用効率が最大化されるため、ますます販売母数が減少することになる。
現在、車の技術の半分はハード、半分はソフト。そして基本的なハードの性能の向上よりもソフトの深化がめまぐるしい。このままシェアリングと自動運転が普及して当たり前になれば、車を所有する人は一部の金持ちか趣味の世界の人で、後はサービスとして活用するのが当たり前になるだろう。となれば、車を作っている企業よりもそのハードを如何に活用して如何にサービスとして提供するかの仕組みを牛耳る企業が自動車産業の覇者になるのだ。
水の価値と企業のモラル
2016年5月30日
早嶋です。
商品(製品・サービス)の価値は、商品そのものが持つ機能的な価値とその商品に関して消費者がどのような価値を抱くかという感情的な価値がある。例えば水の価値は、喉の渇きを潤すという機能的な価値がある一方、何とかの天然水など産地のイメージを髣髴とさせることで水の感情的な価値を高める価値がある、感情価値である。機能的な価値も、感情的な価値もどちらも消費者の価値の根源であり、価値の有無や創出によって販売価格を高めに設定することができる。
マーケティングではあたり前のように行われている取り組みだが、近年のようにSNSなどで何かとDisられる世の中では、機能的な価値が無いのにさもあるかのように見せる取り組みは企業のブランドそのものを失墜させるリスクがあると考える。
水で世間を賑わせているのが水素水だ。きっかけは日本医科大学の太田成男教授が2007年に発表した一本の論文に遡る。水素分子が有害な活性酸素を消去して、一方で有用な活性酸素は消去しないことが確認されたという内容だ。
これらを受けて2008年頃より健康食品メーカー、通販メーカー各社が水素水という名前をブランドにつけて販売に乗り出している。中でも伊藤園は2008年から還元性水素水というブランドで青いアルミの缶で売りだし、2015年7月からは高濃度水素水というブランドをアルミのパウチで販売している。
伊藤園のプレスリリースによれば、水素水市場の活性化を図って販売を開始している旨の記述があるが、このような取り組みを大手が行うことに若干違和感とブランドを汚すリスクを感じる。というのも水素水の機能的な価値を茶カテキンなどの研究機関を持つ伊藤園自らが水素水の研究を行っていないからだ。
それなのに商品パッケージにかかれたインデックスには、「業界トップクラスの高濃度」、パウチには特許を取った「水素封入方式」で充填しているなど、何やら機能的な効能を謳っているかのような表現が満載なのだ。一方で、伊藤園は水素水はあくまでも清涼飲料水というポジションを取っており体に良いという表現はしていない。表向きは水として売っているが、明らかに意図的に機能的にな価値を見出そうとしたプロモーションだ。
パウチ入りの価格は200ml入りで278円(税別)でアルミ缶の商品は185円(税別)だ。単なる水で水素水の効能がさもあるかのように販売しているとしか考えられないのにこの価格。うーん、高いと思う。
伊藤園はその売上の殆どがおーいお茶に代表される飲料で、水に関する売上は微々たるもの。しかも伊藤園のWebを見ればいたるところに顧客目線、お客様第一主義、誠実などという言葉が並んでいる。
せっかく構築してきたブランドを水素水で壊す可能性もあるのではないか。何故に、この水素水の参入を許したのか経営層の判断が分からない。
ソリューション営業追加2万人
2016年5月20日
早嶋です。
日立は、先日の日経で米国、欧州、アジアなどで2万人の営業人材を追加雇用すると報道されている。更にグループ全体の4割弱にあたる13万人を営業担当にするという方針だ。
営業人材を活用して機器設備の販売から人工知能やビックデータなど、今後の技術をベースとするコンサルサービスに転換したい意向からだ。製造業からサービス業への変換。大きなポートフォリを変えて行く戦略、方向性は素晴らしいと思う。
が、実際に自社の商品を横断的に、かつ商品ありきではなく顧客の課題、或いは顧客がまだ見えていない課題を見出して提案する技術はたやすくない。当然、そのような人材は他社からも引く手あまたで結構稼いでいる。米国の事例ではIBMが90年代にソリューション営業に切り替えている。GEは製品の販売というビジネスモデルからIoTを駆使して航空機エンジンや医療機器の効率化を促進するサービス事業に切り替えている。
当然この動きはパナソニックや富士通でも同様におきている。世界の人口の中で2万人とすると大した人数ではないが、競合しあう企業がリーチする人材は限られている。となると、新規に獲得して、その人財がソリューション営業ができるかといえば疑問である。IBMはソリューション営業ができる人材を確保する際にM&Aでコンサル会社を買っている。そしてその人材をベースにソリューション営業に切り替えている。GEはもともと給与レベルが高いので他の製造業よりもよい人材を集めやすい。
果たしてスペックが高い人材が、日立の給料レベルでやってくるのだろうか。2万人という数字を増やすのは並大抵のことではないと感じた。
三菱日立パワーシステムズの日立に対する請求の合理性
2016年5月17日
早嶋です。
日立に対して、三菱重工業は3800億円の請求を行っています。過去の報道では、日立と三菱重工業が共同で引き継いが南アフリカでの火力関連事業に関するものということです。
5月14日時点でのロイターの記事では、日立は、「合理的な見積りに基づき一定の引当金を計上している」と延べています。
http://jp.reuters.com/article/hitachi-mitsubishiheavy-idJPKCN0Y4197
いくつか過去のニュースを調べた所、三菱重工との火力発電プラント事業の統合会社である三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が2007年、2008年に日立が受注した南アフリカのプロジェクトを継承しています。その受注金額が5700で、その案件がトラブルを起こしているようです。
MHPSは三菱重工業が65%、日立が35%の出資比率なので、トラブルによって生じたロスを三菱重工業は計上します。そのために日立時代に受注しているということでその責任を明確にしたい考えのようです。
両社の内部情報は機密あつかいなので確認することができませんが、時系列の情報が正しいとすると三菱重工の請求は正しいと思います。
質問しない4つの理由
2016年5月11日
早嶋です。
質問しない4つの理由。
1)自己防衛
つまり、質問したことで、自分の無知をさらしてしまうと考えることです。人の会話の途中や講演の途中で質問がアタマをよぎる。が、これを知らないって私が恥ずかしいのではと考えてしまう。笑いものになるかもしれないって。それなのに後で同じような質問をした別の人が賞賛されていて自分も同じことを思っていたのに、なんてことも多い。仕事の場面では、聞いておけばよかったことが後になって大きなトラブルを生むこともある。そう、質問をしないことよりも、することが最大の自己防衛になるのだ。
2)多忙
質問を示して理解するには時間がかかる。ということで、質問を流して分かったふり、過去の自分の知識や創造性を働かして解釈してしまう。言われたまま、過去の通り。いつしか考えること、疑問を持つことを忘れてします。結果、世の中の変化に追いつかないで過去の手法のまま行っている。それに気が付かないで無駄な時間を過ごして閉まっている。そう、質問は時間を無駄にするのではなく、将来の時間を大幅にセーブするのだ。
3)文化が妨げる
権威主義的な組織や地域は下っ端が気の利いた質問をすることを悪しく思う習慣があると思う。先のブルグで示した大きな過去の組織は、ある時に気の利いた質問をした人がいれば、一気にその組織の人たちが気まずそうに、バツが悪そうにしてしまう。オープンな組織であっても時間が経過して規模が大きくなればいつしか質問に対しも抑止力が働いてしまう。集団思考の愚だと思う。結果や行動に意識を注力すると思考が短絡的になり視点を拡げたり、違う視野で考える思考を排除することに繋がる。文化的な背景も質問をしにくくするのだ。
4)能力の欠如
全てではないが、あるかもしれない。質問をするためにはある程度の知識や経験が必要かも知れない。アタマの良い人と悪い人がいるとしたら質問の仕方や聴き方、それに対しての深掘りの仕方が全くことなる。質問する力と表現されるくらいだからやっぱり能力が必要なのだ。
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