
ソリューション提案をするために必要なこと
2017年5月10日
早嶋です。
「ソリューションビジネスの提案力を身につけさせたい。」「フロントエンジニアの育成をしたい。」「コンサルが出来るエンジニアを育てたい。」というような相談が、ここ1、2年増えています。いずれも大手電機メーカーからの相談依頼です。背景は昔から言われているように、物売りの発想では仕事を獲得することができないので、顧客視点で提案を出来るエンジニアを育てたいということからです。
提案をするということは、顧客の頭の中に、何かしらの問題があり、それをどのように解決するかという課題が存在していなければ提案できません。それを提案する側が把握して、顧客が自前で行うよりも、提案する側の何かしらの資源(ノウハウ、商品、アイデア、ネットワーク等)で解決できることを示さなければなりません。そして、当然、顧客は自前で行うよりも全体的なメリットがあることが求められます。
現在、何故、上記のことができにくくなったかと言えば、提案を求める顧客企業自体が何をしたいのかが見えないという理由です。従って、目標や到達地点がわからないため、現状とのギャップ、つまり問題そのものが定義できにくいのです。ここに従来の発想を持った企業は、自分たちが持つ資源をちら見させ、さも顧客の課題が解決出来る素振りをしているのです。当然、問題の定義自体が無いので、その提案が良いのか、否かの判断が顧客にも理解されないという状況です。
2000年頃からIT業界で言われるソリューションビジネスとは、提案される側、つまり顧客自体が、何を解決したいのかが不明確な状態です。従って、提案する側もどのように解決すると良いのかが不明確な状態です。提案する側、される側、どちらも何をしたいのかがわからない状態からスタートしているのです。
従って、先ずは、提案される側が何をしたいのかを明確に言語化する必要があります。つまり提案の前に、問題を定義する必要があるのです。問題とは、在りたい姿と現状のギャップですので、少なくとも提案する企業は、顧客の現状を把握しておかなければ、そもそもNGです。現状とは、過去から現在の取り組み、現在から将来に発生するであろう課題感を把握することです。つまりは、その企業の戦略を理解して、その戦略を実現するための事業部の取り組みや、対象顧客が属している部や課の取り組みを把握する必要があります。
更に、顧客が法人ビジネスであれば、法人がどのようなビジネスモデルで成り立っており、エンドユーザーはどのようなことを価値として期待しているのかを知っておくことも大切です。それでもまだ問題は定義されません。現状の理解しかないからギャップを見いだせないのです。
提案する側は、該当顧客の戦略をベースに、複数の組織にアプローチして、実際にどのような状態になれば良いのかということを質問を行いながらヒアリング、整理していきます。通常、組織は上位になればなるほど大枠で長い時間軸を考えています。そして、下位になればその大枠が細分化され、時間軸も短くなります。もし、提案する側が、たまたま目の前の顧客が言っている内容を鵜呑みにして問題を定義した場合、大抵の場合ミスリードします。その担当者自体が会社の戦略を把握していない可能性があるからです。従って、その部門の上位の階層、その部門と連携して仕事を進めている部門にもヒアリングを行いながら、戦略を満たすためにはどうしなければならないのかの方向性を共有していくのです。
するとようやく、顧客が何をしなければならないのかがみえてきます。つまり、在りたい姿を徐々に見せていくことで徐々に顧客も問題を定義するための在りたい姿がみえてくるのです。この過程で、顧客の現状分析や業界の分析、その業界を脅かすマクロ環境や新たなビジネスモデルの脅威、あらたなテクノロジーなどの把握をしながら、どんなギャップがあるのかを顧客と共に言語化しながら共有するのです。
こうして、提案する側、される側、どちらも何をしたいのかがわからない状態から、顧客が何をしたいかが明確な状態になっていきます。ここで提案と早まっては行けません。まだ、その方向性やそのギャップを埋めるための課題が特定できていないからです。提案する側は、このギャップを埋めるためにすべきことは何か?自社で全て行うのか?顧客のリソースを活用するのか?外部のパートナーや技術の活用が必要なのか?を整理して、最終的に自社が何をすべきかを明らかにしていきます。
つまり、顧客が行いたいことが明確になり、自社がどのような解決策を提供するとよいのかが明確になるのです。この状態になって初めて提案活動が行えるということです。
となると、単に提案のテクニックを身につけるというよりも、ビジネスの基本と問題発見と課題解決の基本的な要素を理解しなければ、上記のような顧客の悩みに対して提案できる人材は育たないということなのです。
マーケティングの支援ツール、FAAVO福岡とは?
2017年5月9日
シニア・コンサルタントの原です。
FAAVO(ファーボ)は本部を東京に置き、地域を盛り上げるプロジェクトに特化したクラウドファンディングネットワークです。各地域に運営事業者がいて起案者への支援を行っており、弊社は2015年1月から福岡県のFAAVOの運営を始めました。
これまでは社会的、福祉的な案件が中心でした。ただ、2017年に入って商品開発や農業関連などビジネス要素の強い案件の相談・セミナー依頼が増えており、今年はビジネス系にも広まりを見せていくと思います。FAAVOのサイトでも「商品」や「食」などの特集ページを設け、掲載・発信に力を入れることも考えています。
これまで企業は様子見のところもありましたが、目的やテーマ、ターゲットを明確にして魅力的なリターンがあれば、これまでの案件と同じ、もしくはそれ以上の結果が期待できます。
クラウドファンディングは、テストマーケティングの一環として活用できるうえ、銀行融資を受けた場合と違って返済も不要です。通常は投資後に、販売や来店につながるかという不安がありますが、クラウドファンディングでは支援者=強力な見込み客であり、顧客リストになります。仮に達成できなくても特に費用が発生するわけでもなく、コンセプトの見直しや分析に役立てることもできます。
こうした市場の伸びに、銀行も注目しています。面白そうな事業だけど、融資まではできないプロジェクトには、クラウドファンディングを紹介するケースも増えています。そこで成功すれば、次は融資交渉に利用できる実績にもなりますし、投資額が100万円程度の事業には、ぴったりということもあります。
そこで、毎月1回はテーマ「最新のテスト・マーケティング手法」により、FAAVOを活用した新商品開発・新サービス開発または改良のテスト・マーケティングの手法についての実務的なセミナーを開催します。ご参加をお待ちしています。
★ー5月セミナー開催のお知らせー★
『最新のテストマーケティング手法』
●日時 2017年5月17日(水)18:30〜20:30
●対象 経営者、後継者、商品開発・企画ご担当者
●定員 10名程度
●会場 福岡市中央区赤坂1-13-10 赤坂有楽ビル3F
「㈱ビズ・ナビ&カンパニー セミナールーム」
※地下鉄赤坂駅から徒歩1分。1階に「カフェ ベローチェ」があります。
●内容 商品開発やサービス企画のテストマーケティング手法
毎回、新商品・サービス開発または改良に、実際に取り組んでいるプロジェクトテーマについて、テスト・マーケティングの手法を取り入れた実践的な勉強会です。・クラウドファンディグとは
・FAAVO事例紹介
・テストマーケティングの進め方
毎回、実際に取り組んでいるプロジェクトテーマについて、テスト・マーケティングの手法を取り入れた実践的な勉強会です。
●講師 原秀治
●参加費 3,000円/人
※当日、現金にて徴収いたします。領収書は準備しておきます。
●申込 メール、電話、FAXにてご連絡下さい。
五月病にならないために
2017年5月9日
シニア産業カウンセラー・THP心理相談員の安藤です。
今回のテーマは、「五月病にかからないために」です。
新人研修が終わってから実際の仕事がスタートする時期5月、6月に、新社会人から「新しい環境や人間関係などについていけない、やる気がでない」という言葉をお聞きになりますか?
専門的にいうと、環境の変化についていけないで起こるのは、「適用障害」と言われています。
そして、「適応障害」は、5月、6月に限定しているわけでもありません。また、やる気がでない、気分が沈みがちといった状態は「気分障害」の可能性もあります。
適応障害の原因としては、初めての一人暮らしや時間の使い方の変化、新しい人間関係、想像していた新生活と現実のギャップについていけないなどがあげられます。
五月病にかからないために、今、あなた自身が抱えているストレスを意識化し、どの具体的な対処法が望ましいかを整理します!。
『メンタルヘルス:自身のストレスを減らすためのスキル』
●日時:2017年5月19日(金)19:00〜21:00
●対象 メンタルヘルスに興味のある方、ストレスを減らしたい方、人事・教育ご担当者
●定員 10名程度
●会場 福岡市中央区赤坂1-13-10 赤坂有楽ビル3F 「㈱ビズ・ナビ&カンパニー セミナールーム」
●内容
私たちは常にストレスがある中で活動をしています。自身のストレスとうまく付き合っていくことは仕事の生産性いわば仕事生 活にも影響を及ぼします。気持ちよく仕事をしていくためにもまずは、自身のストレスを認識していただきたいと思っています。
・自身のストレスを分析
・自身のストレスの癖を認識する
・ストレスを減らすスキル
●参加費 3,000円/人
●申込 メール、電話、FAX、Webにてご連絡下さい。
会場:〒810-0001 福岡市中央区赤坂1-13-10 赤坂有楽ビル3F
申込:電話092-761-6130 FAX:092-671-6075
メールアドレス:info@biznavi.co.jp
*申込は ㈱ビズ・ナビ&カンパニーのHP→http://www.biznavi.co.jp/seminar/1556からお願いいたします。
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
【個別相談】
入社して間もない方からの相談です。仕事のことが気になって眠れないんです。寝ても2時間おきに目が覚めたりします。翌日、疲れが残って朝、気分がどんよりしています!。睡眠不足は脳の疲労にもつながります。まずは、やることとして寝る前の2時間前からはスマホは見ない、お風呂に入ってリラックス、そして軽いストレッチに呼吸法を試してみましょう!。吐くほうが吸うより2倍を基本とします!。
コーセーが好調の理由
2017年5月9日
早嶋です。
化粧品業界、コーセーの営業利益が突出しています。2017年3月期のコーセーの連結売上は2,667億円、連結営業利益は391億円。決算期が異なりますが、資生堂の売上は2016年12月期で8,503億円、営業利益は367億円です。3倍近い売上を誇る資生堂の営業利益をコーセーは上回っています。
コーセーの躍進の1つの理由は、急成長しているブランド、タルトでしょうか。今回の決算期から連結対象として決算期に加えています。2016年1月から12月の売上が円換算で凡そ280億、営業利益率は3割の84億円です。年間ののれん代の償却が13億程度なので70億の利益貢献をしていることになります。
コーセーはタルトを2014年に130億円程度でM&Aしています。1980年から1990年代生まれのミレニアム世代をターゲットにした自然素材だけどカラフルなポジションの化粧品で、日本では未発売です。
タルトはインスタやYoutubeやツイッターを活用した事例で注目されています。インスタのフォローワー数は、現在時点(2017年5月8日)で652万人。インスタ1回の投稿に写真だと数万単位の「いいね!」がつき、動画だと数十万単位の「いいね!」がついています。
化粧品業界は売上に占める広告宣伝費が高く、コーセーでも7%程度を費やしています。タルト単体でどの程度の広告宣伝費を使っているか分かりませんが、マス広告に頼らない手法を確立しているかも知れまえん。だとしたら、このノウハウを本体にも投入できるかは期待できますね。
SNSはメーカーが情報を発信するだけではなく、ユーザーからも発信されます。インスタやYoutubeなどは、化粧品マニアや素人だけど参考にされるユーザーが数多くいて、そのユーザーが積極的に情報を発信することで、ドンピシャのターゲット世代にリーチします。かつコストは安価。著名人が明らかにお金をもらって宣伝している商品よりも、タルトのターゲット世代には素人やアルファブロガーなどの方々の評判が良いのでしょう。実際は、この世界も大夫大きなお金が動いていますが。
更にSNSの手法が良いのは、瞬時に地域や国を越えて世界中に情報が広まることです。タルトのチャネルは米国や英国を中心に実店舗を展開して、180カ国地域に対してEコマを提供しています。コーセーの決算資料によると16年のEコマの売上は2割り程度みたいですが、今年度は更に伸びるのでは無いかと思います。
因みにコーセーのPERは割安。現在の株価(11,440円)でも初年来高値圏ですが、それでも約27倍。ポーラが28倍、ファンケルが29倍で資生堂が46倍。そう考えると、もう少し株価が上がっても良いのでは?という気もします。
バフェットIBMの保有株を売却
2017年5月8日
早嶋です。
米国の投資家、ウォーレン・バフェット氏がIBMの保有株の3割り程度を売却しました(2017年5月8日付け日経新聞参照)。
ーーー引用ーーー
「6年前と同じようにIBMを評価できず、やや下向きに再評価した」。バフェット氏は4日夜、米経済番組「CNBC」で保有するIBM株のうち、2400万~2500万株を手放したと明らかにした。5日時点の株価で計算すると4000億円を超える規模だ。
ーーー引用終了ーーー
IBMといえば、先日、ワトソン関連の売上高が約1兆円に達し、顧客の業務改善やコンサルツールとして米国のGMやイオンなどが活用しているというニュースがありました。世界の主要な医療機関も腫瘍の診断にワトソンを活用するなど、その分野での活躍は流石です。しかし、バフェットが売却となると、将来的な伸びに対してクエスチョンマークを出したのでしょう。
IBMの直近5年の業績を調べました。2012年の売上高が1,000億ドルで純利益は約160億ドル。それから売上は徐々に減少して2016年の売上高は900億ドル、純利益も120億ドルと減収減益となっています。
2016年12月期の事業の内訳をみると、確かにワトソン等の事業であるコグニティブは182億ドルの売上で粗利が約82%と驚異的です。しかし、インフラ系のテクノロジークラウド、コンサルティング系のグローバル・ビジネス、そしてシステムハードウェア等のシステムは決して絶好調ではありません。
バフェット氏の投資会社のパークシャーハザウェイは2011年7月から9月期にIBM株を購入し、その後買い増しを続け2016年12月末時点でIBM株の8.65%を保有していました。5年間、じっくりとIBMの長期的な伸びを信じていたのでしょう。
が、ITの進化で低価格でクラウドを活用できるサービスをアマゾンが牽引することで、IBMのテクノロジークラウドやグローバル・ビジネス等のビジネスが伸び悩んだとみたのでしょう。一方で、同社が参加に収めた企業の業績で保健事業の1月から3月期の業績が不振だったこともIBM株を手放した理由もひょっとしてあるかも知れないです。
バフェット氏の声明を調べてみると、確かに同社の株主総会でIBMの投資に対してネガティブな発言があり、アマゾンの経営を評価するコメントがありました。当初、バフェット氏は自分にとって明るくない領域には投資しないというのがポリシーでした。しかし、当時ITに関連する業界への投資がIBMで、そのインパクトは覚えています。しかし、ソリューションという領域のビジネスに対しては、なるほど、得意分野外という世界だったのかと理解しました。
一方で、バフェット氏はアップルに対しての株式を今年になって大幅に買いましています。テクノロジー企業としての評価はもちろんのこと、これだけの普及を生んだ結果、コカコーラと同様に消費者向けの企業として捉えたのでしょう。このアナロジーも流石だと思います。
新規と既存は共存できるか?
2017年5月1日
早嶋です。
新規事業と既存事業を同じ担当者に数字を振り分けた場合、まずもって新規事業が着手されることは無いでしょう。
まず、新規事業と既存事業の仕事内容の理由です。既存の事業は、当然過去からの積み上げですので、担当者は何をすると良いのかが明確にわかります。一方で、新規事業は大きなテーマや数字感程度は与えられていますが、担当者は何をしてよいのか分からず、結局、既存の仕事をこなすことしかできません。
新規と既存はよく1:5の法則と言われます。新規顧客の開拓には既存顧客の維持のコストと比較した場合、5倍程度かかるという経験則です。新規に対してのアプローチは顧客名簿を揃えるところからですし、既存のようにルートセールスをすると交渉のテーブルにつけるなんてことはありません。仮に交渉のテーブルに付けたからと言って、実際に商談に入ったり営業を進めるにはまとまった期間が必要です。
既存と新規の両方を割り当てているにも関わらず、担当者の評価が既存の数字に紐付いていることが多いです。仮に既存を捨てて、ある程度新規にフォーカスしたとて、上記の理由で成果はなかなか出ません。しかし、多くの企業では新規事業を開拓せよと言いながら、既存の数字を落とした瞬間にその担当者の評価も連動して下がる仕組みになっています。普通の真っ当な社員であれば、当然、自分の評価を最大化する方向性で仕事をするでしょう。
新規と既存の数字の配分にも問題があります。既存の数字のように積み上げた数字をある程度計画的に進めることができると経営層は考えるかもしれません。しかし、新規ビジネスはほぼ計画通りいきません。先ずは小さく初めて実績を作ることや、小さな実験を積み重ねて仮説と検証を繰り返すことが必要です。しかし、新規と既存の両方を与えている会社の多くは、既存と同じような計画を新規ビジネスにも求めます。
推察するに、マネジメント側に新規ビジネスに精通した方々が少ないのでしょう。ということで新規と既存を同じリソースで行うのは、基本的にはよくないことだと思います。5月から始まる事業実践塾でも計画を作る際に、新規と既存を両方行わなければならない状況は当たり前のように観察されます。その際に打ち手についても参加企業の事例に応じて議論できればと考えます。
5月8日に事業実践塾の説明会を実施しています。ご興味がある方は無料ですので、お気軽に参加下さい。
ランチの選択とリアルオプション
2017年4月28日
早嶋です。
今日は、朝から新規ビジネスの相談、午後に継続案件の打合せと相談、夕方にコンサル手法の相談と3社来社があり打合せ三昧でした。朝の打合せが終わって少し資料整理を終えた後、13時20分。昼食をとろうと思い外にでました。
普段時間があれば食べる選択肢はいくつもありますが、14時の来客を考えるとせいぜい20分しかありません。選択肢は限られました。そこで、近くのうどんを想起し会社を出たとたん数件電話。結局13時45分になってしまい、来客の準備等を考えると食べない選択肢を選びました。
時間に余裕があれば選択肢は複数、余裕が無ければ選択肢はゼロに近づきます。当然、何事も常に選択できる状態の方が、ものごとを優位に進めますよね。優位に進められるということは、選択肢が多いほうが価値があるとも考えられます。
成熟した昨今、多くの企業はこれまでに培って来た既存のビジネスモデルで収益を上げてきましたが、そろそろ限界を感じてきています。そこで当然のように新規のビジネスを開発しています。例えば、ある企業は世の中に公表していない画期的なビジネスモデルのアイデアを持っていました。
もし、そのビジネスモデルを実用することができたら180億の利益を生み、失敗だと10億の損失を生むことを予測しています。但し、それを実現するためには合計100億の投資が必要で、初期投資が10億、1年後以降に90億の追加投資が必要だと予測しています。もちろん100億投資しても確実に成功するとは限りません。新規チームは成功と失敗の確率を五分五分と見ています。因みに、このビジネスにおいて、競合は1年後に参入します。
さて、みなさんはこのビジネス案件に投資しますか?
・・・・・・・・
期待値を普通に計算すると△15億になります(※1、※2)。期待値がマイナスですから投資をしないという意思決定は合理的ですよね。しかし、次のように考えるとどうでしょう。最初の投資を10億して、1年間様子を見ます。そして1年後の進捗や競合の動きを見て残りの90億の追加投資をするか否かを判断するのです。もし、1年後のリスクが大きければ90億の追加投資を中止します。この場合、1年後の投資の期待値は40億(※3)です。つまり、意思決定を後にずらすことでチャンスを見出すことができます。
いわゆるリアルオプションの発想で、10億の初期投資は1年後に180億円の収益を生み出すための選択権の購入費用と考えることができます。不確実性が高い市場の場合、現時点で意思決定を行うのではなく、回答を先延ばしにして、選択件を購入するにとどめて置けば、最小の損出で最大の利益を手にする権利を得ることができるということです。
2007年以降、テクノロジーの進化が急に加速してビジネスのライフサイクルがどんどん短くなっています。そして投資規模のグローバル・ビジネスの影響で大きくなっています。そのような中で上記のような選択権を持つという発想、つまりリアルオプションの発想は非常に有効なのです。
事業実践塾では、上記のような概念をもっと実務寄りにして議論し、既存のビジネスと新規のビジネスの考え方を分けて考えます。なんか興味があるぞ!という方は、次回の説明会に是非参加ください。
※1 (180億−100億)×50% + (−10億−100億)×50%=−15億
※2 話を単純化するために時間の価値を考慮しない
※3 (180億−90億)×50% + (−10億)×50% =40億
思いつきと渋滞
2017年4月27日
早嶋です。
上司から、「この資料を整理してまとめといて」と。部下は、思いつくままこの資料をこの手法で整理しようとやる気満々で工数をかけて3日後提出する。上司から、「よくできているね、でも社内会議用なのでこれだけで良かったのに」と、一言。なんだか虚しさを感じる。
誰にでも、似たような経験をしたことがあると思います。我々は何かを指示されたり、考える際に先ずは思いつくという習性があると思います。そして、それが思いつきがどうかを意識すること無く、無意識に掘り下げて、そして行動に移しています。
上記の場合、上司の指示に対して、資料の完成イメージの一部や大枠を思いつき、無意識に掘り下げました。そして実際に作業をしながら、更に、そのイメージを基に資料を整理していきます。しかし、これは非常に効率が悪いですよね。何故ならば、その思いつきが当たっていることは、この場合上司の期待と一致している可能性は、極めて少ないからです。
では、どのような打ち手があるでしょうか。実際は案外と単純で簡単です。相手の目的や相手のゴールイメージを共有すれば良いのです。もし聞きにくい上司だったら、「この資料の目的はこれこれで、こんな整理の仕方で良いですか?」と。或いは、一度指示を受けて5分程度で、目的と大枠の完成イメージを整理して上司に確認すれば、その時点で上司の目的やゴールを確認することができます。後は、提出期限とにらめっこして計画通り進めると良いのです。
何かに対して思いつきで進めていると意識する。そのために常に目的を考える。作業や行動を行う場合は、どの程度行う必要があるか?を常に把握して、その分量の行動や作成をすることで無駄を排除できる可能性が高まります。
来週はGW。恒例の渋滞予測が発表されています。トンネルの入口やちょっとしたカーブや上り坂。渋滞は自然に発生します。運転手は、そのような地形の変更に対して無意識に対応します。車のスピードが少しだけ遅れると、後続車の反応の連鎖がはじまります。車間が詰まっていれば次々とブレーキの連鎖が発生します。結果、10台くらい後の車は完全に停止するまで速度が落ちます。渋滞の数珠が長くなっていくのです。
渋滞を極力発生させないために、車間をつめるのではなく、車間をあけることが重要と言われています。40メートル前後が目安となり、上記のような現象に対してのブレーキの連鎖が発生し易くなるそうです。車間は事故だけでなく、渋滞を緩和にもつながるのです。
しかし、上司の指示に思いつきで反応するのと同じ。なんとなく車間をつめたほうが、少しでも早く進むと思いがち。結局は近視眼的になり効率を悪くしているのです。
まぁ、当たり前過ぎて、そうか。と流す程度のことですが、そのちょっとした意識を徹底して目的を考える人とそうでない人では、おそらく生産性は全く異なるのだろうと思います。
組織全体の活性化の一つのやり方:ストレスチェックを活用する
2017年4月26日
安藤です!
メンタルヘルス対策の1次予防として、ストレスチェックが義務化されました。特に集団チェックは職場でのコミュニケーション、職場風土などの問題が明確にでてきます。
長時間労働には、職場風土の問題は大きく関わっています。ワーカホリズム(仕事中毒とか仕事依存)は、仕事にたくさんのエネルギーを注いでいますが、その動機づけは大きく違います。ワーカホリックな人たちは、仕事をしないいと不安で罪悪感やストレスを感じ、そのことを打ち消すのが目的となって、仕事をする傾向があります。その傾向のある方は、ストレスも大で心身症ほかなにかしらの症状がでてきます。その反面、仕事を楽しんでエネルギーを注いでいる方もいます。
バーンアウトという言葉をお聞きになったことがございますか?
燃え尽き症候群のことです。仕事は嫌だと思い、抑うつ的な状態になる可能性が高くなります。『自分がやらなければならない仕事を自分なりにやりがいのある仕事に変えていく』視点が最近研究されています。
従来の一次予防対策のセルフケアは、自分のストレスにできるだけ早く気づいてそのストレスの対処能力アップさせるということが大きな目的です。そのほか、セルフケアーには、仕事を自分なりに楽しんで、やりがいを見つけるジョブ・クラフティングが最近注目されています。
ジョブ・クラフティングとは、「個々人が仕事や人間関係の境界に関して行う物理的・心理劇・認知的な変化のこと」です。
健康で活き活き働くことは、個人の活性化と組織の活性化に関連していきます。
廃炉の方向性を明確にしなければいけないと思う
2017年4月26日
早嶋です。
原子力委員会が5基の原子炉の廃炉を許可しました。一連の震災後定めた新基準のもと今回が初めての認定です。同委員会の未通してでは今後、毎年1、2基の程度で廃炉の決定がでるといいます。
新基準では、
◯原子力の運転期間は40年
◯安全審査基準をクリアできれば、1回に限り20年年長可
という内容です。
現在、35年以上の選手が国内に7基、内3期は年長が認められています。廃炉に対しての方向性は、放射性物質による汚染が少ない設備や部品は、除染を施し解体して再利用。高濃度の汚染物質の取扱は具体的な方法や処分地は未定のまま。
いずれにせよ廃炉は数年で終わる作業ではなく、1基につき20から30年くらいのスパンが必要になります。廃炉に対しては、日本国内で技術を集約研究して取り組む。その経験や知見を今後の原子力の安全性に活用するとともに、世界中の廃炉に対してのノウハウを提供する。
そう考えると、1つの企業が行うべき仕事ではないと思います。国、自治体、電力会社、メーカーがバラバラに集まって行うのではなく、1つの組織の基、携わる社員の長期教育を据えたところから最低でも30年程度のロングスパンで考えて取り組む話になるからです。
因みに福島第一原子力発電所の事故では、当初の想定額を大幅に上回る費用が計上されています。廃炉事業で数十年スパンの実績がある外国企業も手を上げましたが、現状の仕組みでは原発関連施設の大半を設計建設した国内企業が請け負うため透明な競争がされていないという面も指摘されていました。
日本はこれまで商業用の原子力施設を廃炉にした経験が無いため、進め方自体もかなり曖昧になっています。国内外のノウハウを取り入れながら真剣に考えていかなければならないのに、なんとなくこの扱いもフワフワしているようにしか見て取れません。
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