ランチの選択とリアルオプション

2017年4月28日 金曜日

早嶋です。

今日は、朝から新規ビジネスの相談、午後に継続案件の打合せと相談、夕方にコンサル手法の相談と3社来社があり打合せ三昧でした。朝の打合せが終わって少し資料整理を終えた後、13時20分。昼食をとろうと思い外にでました。

普段時間があれば食べる選択肢はいくつもありますが、14時の来客を考えるとせいぜい20分しかありません。選択肢は限られました。そこで、近くのうどんを想起し会社を出たとたん数件電話。結局13時45分になってしまい、来客の準備等を考えると食べない選択肢を選びました。

時間に余裕があれば選択肢は複数、余裕が無ければ選択肢はゼロに近づきます。当然、何事も常に選択できる状態の方が、ものごとを優位に進めますよね。優位に進められるということは、選択肢が多いほうが価値があるとも考えられます。

成熟した昨今、多くの企業はこれまでに培って来た既存のビジネスモデルで収益を上げてきましたが、そろそろ限界を感じてきています。そこで当然のように新規のビジネスを開発しています。例えば、ある企業は世の中に公表していない画期的なビジネスモデルのアイデアを持っていました。

もし、そのビジネスモデルを実用することができたら180億の利益を生み、失敗だと10億の損失を生むことを予測しています。但し、それを実現するためには合計100億の投資が必要で、初期投資が10億、1年後以降に90億の追加投資が必要だと予測しています。もちろん100億投資しても確実に成功するとは限りません。新規チームは成功と失敗の確率を五分五分と見ています。因みに、このビジネスにおいて、競合は1年後に参入します。

さて、みなさんはこのビジネス案件に投資しますか?

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期待値を普通に計算すると△15億になります(※1、※2)。期待値がマイナスですから投資をしないという意思決定は合理的ですよね。しかし、次のように考えるとどうでしょう。最初の投資を10億して、1年間様子を見ます。そして1年後の進捗や競合の動きを見て残りの90億の追加投資をするか否かを判断するのです。もし、1年後のリスクが大きければ90億の追加投資を中止します。この場合、1年後の投資の期待値は40億(※3)です。つまり、意思決定を後にずらすことでチャンスを見出すことができます。

いわゆるリアルオプションの発想で、10億の初期投資は1年後に180億円の収益を生み出すための選択権の購入費用と考えることができます。不確実性が高い市場の場合、現時点で意思決定を行うのではなく、回答を先延ばしにして、選択件を購入するにとどめて置けば、最小の損出で最大の利益を手にする権利を得ることができるということです。

2007年以降、テクノロジーの進化が急に加速してビジネスのライフサイクルがどんどん短くなっています。そして投資規模のグローバル・ビジネスの影響で大きくなっています。そのような中で上記のような選択権を持つという発想、つまりリアルオプションの発想は非常に有効なのです。

事業実践塾では、上記のような概念をもっと実務寄りにして議論し、既存のビジネスと新規のビジネスの考え方を分けて考えます。なんか興味があるぞ!という方は、次回の説明会に是非参加ください。

※1 (180億−100億)×50% + (−10億−100億)×50%=−15億
※2 話を単純化するために時間の価値を考慮しない
※3 (180億−90億)×50% + (−10億)×50% =40億



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