
働きやすい職場づくりを目指して~ハラスメントの観点から~
2020年7月7日
安藤です。
パワハラについて法律で規定されました。施行は大企業2020年6月、中小企業は2022年4月から施行となります。企業側に相談窓口の設置や再発防止対策を求める他、行政の勧告に従わなかったときは、企業名が公表されることになります。
この法律の背景に関するものとして、「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約」ILO第190号条約 2019年採択、第1条(定義)仕事の世界における「暴力とハラスメント」とは、一回性のものであれ繰り返されるものであれ、身体的、精神的、性的または経済的危害目的とするか引き起こす、またはそれを引き起こす可能性のある、許容しがたい広範な行為と慣行、またはその脅威をいい、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを含む。とあります。
ハラスメントの影響について以前もお書きしていますが、4点あります。被害者への影響、行為者への影響、 周囲への影響、企業への影響です。詳しくは省略致します。
*EAP(文末に説明)として現場活動を担当しています。その際に、パワハラの原因となる要因として考えられるのは、互いの「心理的安全性」の欠如です。相手を大事にする・理解する・尊重するという姿勢が欠落していることによって起こりえると考えられます。相手を尊重しないことは、「偏見、偏見による行為、差別、暴力、虐殺につながる」とも言われています。引用:前田朗「なぜ、いまヘイトスピーチなのか」
アンガーマネジメントの視点からすると、“怒り”は第二感情であり、“怒り”になる前に相手への第一感情があるとしています。その第一感情は“期待”であり、自身の“価値観”と合わない等から生じています。
その第一感情が何なのか、自身の感情と向きあうこと、そしてそれを相手と話し合うことが必要ではないでしょうか。
「心理的安全性」については、以前も書かせていただきました。チームにおいて、他のメンバーや自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰を与えるようなことをしないという確信をもっている状態。チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態のことです。そして、「心理的安全性」のある職場は、組織側のメリットとして⓵生産性の大幅な向上 ②ホウレンソウ(報告、連絡、相談)の徹底 ③成功や目標達成を阻む障害の排除 ④円滑なコミュニケーションによる作業効率の向上⑤各メンバーの積極的な活動参加 ⑥各メンバーの思考や将来ビジョンの明確化 ⑦人材の持つポテンシャル最大化⑧学習する組織(チーム)の構築 ⑨イノベーションが生まれやすい環境の構築⑩建設的な議論を行える環境の構築 ⑩優秀な人材の流出や退職の抑制が挙げられています。
引用:エイミー・C・エドモンドソン(Amy C. Edmondson)教授
要は、働き易い職場づくりは、「心理的安全性」のある風土づくり、環境づくりであり、相互に信頼関係を構築できるように、「信頼」とはなにかを互いに認識をもつことで、互いの能力を引きあがることにつながり、ハラスメントのない組織にもなりえると考えます。
*EAPの役割:単なる匿名相談でもなければ、ストレスや病気を抱えた個人のケアに留まるものではありません。 パフォーマンスを下げる要因(ストレス、精神疾患、ハラスメント問題、トラブルなど)への関わりと共に、パフォーマンスを高める要因(キャリアデザイン、ワークライフバランス、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル)への取り組みも行います。どのような問題に対しても、社員と組織の両者のパフォーマンスの改善・向上を最終目標としています。
余談ですが、社会学の領域では、“信頼”は、相手の能力に対する確信(効率性・正確性)と「相手の意図に対する確信(公正さ・正直さ・好意)という2つの意味があるとされています。(Andaleeb, 1992;山岸,1998;久保田,2003)。
ここ数年前から人事担当者から相談を受ける中で一番多いのは、職場内でのコミュニケーションの問題です。 そこで、今回は、「心の理論・メンタライジング」についてお書きします。
『心の理論』とは、他者の行動の背後には「心」の存在があるとする理論です。Premack&Woodruff(プリマックとウッドラフ)が示しました。彼らは、チンパンジーが餌を持っていないように振る舞う欺き行動から 「心の理論」の存在を仮説化していきました。つまりは「心の理論」とは、ヒトや類人猿などが、他者の心の状態、目的、意図、知識、信念、志向、疑念、推測などを推測する心の機能のことです。他者の目的・意図・ 信念・推測などの内容が理解できていれば「心の理論」を持っていると見なします。
Dennettは子供が「心の理論」を持つと言えるためには、他者がその知識に基づいて真であったり、偽であったりする志向や信念をもつことを理解する能力、すなわち誤信念を理解することが必要であると指摘しました。これに基づきWimmer&Perner(ヴィマーとパーナー)は心の理論の有無を調べるための課題、すなわち誤信念課題(False-belief task)を行いました。この課題を解くためには、他人が自分とは違う誤った信念(誤信念)を持つことを理解できなければなりません。
また、「メンタライジング」は、自己と他者の精神状態に注意を向けることを指します。
Allenら(アレン)は、「行動を、内的な精神状態と結びついているものとして、想像力を働かせて捉える・ 解釈すること」としています。自分や他者の精神状態に注意を向け、その精神状態についての認識を心にとどめおいて、考えたり吟味したり感じたりすることであり、この自分自身や他者の感情について注意を向けて考えている時(精神状態を認識している時)に「メンタライズしている」と表現します。
①「心で心を思うこと」②「自己や他者の精神状態について注意を向けること」③「誤解を理解しようと
すること」④「自分自身をその外側から眺めること、他者をその内側からみつめること」⑤「(何か/誰かに)精神的性質を付与すること、あるいは精神的に洗練させること」などが重要とされています。
もうお分かりだと思いますが、「心の理論・メンタライジング」は、人が円滑な社会的生活を営む上で重要な能力です。メンタライジングの始まりは、乳児期初期の社会的知覚だと考えられています。すなわち、人に対する志向性から始まり、母子関係に代表される二項関係、さらに第三者もしくは対象物を含む三項関係の成立(共同注意などがその代表的現象です)、そして他者の誤信念を理解する「心の理論」の成立へと続いていくとされています。上記の①から⑤が不足すると基本的な人と人関りが苦手になり、他者とのコミュニケーションが円滑にいかないことに繋がっていくと考えられます。
キャリアドッグ,EAP,心理学を活用したコミュニケーション研修,EQ研修,メンタルヘルス研修ご興味・ ご関心がある方は気軽に弊社にご相談くださいませ。
【動画】プレゼンテーションの基礎
2020年7月7日
ビジネスインプット基礎講座「プレゼンテーションの基礎」では、プレゼンテーションの基本的なポイントやノウハウを整理した後に、ここのステップを準備、コンテンツ、デリバリの3つに分けてみていただきます。全部で90分程度のコンテンツです。
①プレゼンテーションとは
プレゼンテーションの全体象と目的を整理します。プレゼンテーションの目的は相手に行動を促すことです。したがって、なぜプレゼンを行うのか?誰に対して行うのか?の整理から全てをスタートします。
②3つのステップ
コミュニケーションの特徴を理解した後に、必ず成功するためのプレゼンテーションの3つのステップを確認します。それぞれ準備、コンテンツ、デリバリの順で次回から解説を深めます。
③準備
準備する際のチェックポイントを確認して、プレゼンテーションの準備シートを整理します。これによって、今後のコンテンツの作成がかなり短時間で的を射た取組ができるようになります。
④コンテンツ
プレゼンテーションを構造として捉えてプレゼンを組み立てる手法を体系的に整理します。プレゼンを作る際のキーメッセージの考え方、ストーリーラインの構成、サンドイッチ構造のパワーを解説します。
⑤デリバリ
プレゼンは見た目が8割ですが、伝え方にもポイントがあります。伝え方の工夫と見せ方の工夫。そして3V+Cのフレームを理解していただきます。最後はリハーサルを2回行って自身のプレゼンを完成させます。
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URL
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed738a4-f0a0-4a68-b260-2714a0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed738e8-4010-4130-ae54-2718a0106aeb
③:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed73f0f-554c-41b5-9e88-10c4a0106aeb
④:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed754b8-cec0-484c-a8e8-2719a0106aeb
⑤:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5ed763b4-9dd0-4ca5-a3ea-7d98a0106aeb
【動画】新規事業の基礎
2020年7月6日
ビジネスインプット基礎講座「新規事業の基礎」では、新規事業を立案する際のアイデアの出し方、ビジネスモデルの考え方、そしてそれらを実行する際に立案する事業経計画の考え方の概要を短時間で理解するための動画です。
新規事業の基礎
新規事業のアイデアの出し方、ビジネスモデルの考え方、計画立案の考え方を全部で40分程度で整理しています。新規事業の立案は各社で求められています。アイデアの出し方やビジネスモデルの説明、事業計画の説明などは個別に詳しく解説された書籍や動画がありますが、全体を関連して概説している動画はありません。事業を立ち上げるマネジメントや新規事業の担当者になった方が概要を掴む目的でみて頂くと効果的です。
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URL
https://app2.gemediar.net/movies/preview/5f0315c9-594c-4727-b329-0b69a0106aeb
畜養型営業の達人
2020年7月5日
高橋です
毎月この1か月間にお会いした人、会社の中から、私が選ぶ The most impressive Meeting(最も印象に残る出会い)を皆様にご紹介してまいります。
今月のテーマは「畜養型営業の達人」です。
今回ご紹介するのは約100人いる営業マンの中で常時トップクラスの成績をキープするスーパー営業マンの紹介です。彼がずっと安定した成績を挙げ続けられる秘密を教えてもらいました。
彼(春日さん:仮名)は、福岡の地場大手不動産会社に勤務しています。仕事はおもに土地の仲介です。個人が持っている土地を住宅メーカーに紹介して売買の仲介手数料をいただきます。住宅メーカーはその土地に家を建てて分譲住宅として売ります。
今は分譲住宅の需要が高いので、良い土地の売却の話しがあると誰が仲介するか取り合いになるそうです。需要は有るので、あとはいかに売り土地の情報を誰よりも早く、誰よりもたくさん収集できるかが春日さんの成績を左右します。
どうやって春日さんは売りたい土地の情報をたくさん集めることができるのか?その秘密が「畜養型営業」です。
畜養型営業とは、「稚魚をたくさん買ってきて生簀で育て、成長に沿って次の生簀へ移し、最後の生簀から市場に出荷する」ような営業のことです。安定して計画的に魚を出荷することができます。「畜養型営業」の反対は、「一本釣り営業」です。一本釣り営業とは、「見えている案件を追って、それを獲りに走り回っている」営業のことです。たまたま大物がかかれば華々しいですが、次いつ釣れるか全く予測ができません。(参照:「ドラッカーが教える営業プロフェッショナルの条件」長田周三著、総合法令出版)
実は、春日さんはこの10年間毎週欠かさず朝会(早朝から行う情報交換会)に出席しています。そこで50人以上のメンバーに毎回毎回土地情報の紹介を頼んでいます。朝会のメンバーは入退会で入れ替わるのですが、春日さんは創設時からずっと在籍し、毎回紹介をお願いしていると、今では800人ほどの紹介依頼ができる人脈が出来上がったらしいのです。すると、毎月誰かから自然と土地情報が自動で入るようになったとのこと。
また紹介を依頼するトークもブラッシュアップしていき、簡潔・インパクト・覚えやすいメッセージを確立しました。メンバーに言い続けることにより、「土地と言えば春日さん」と刷り込むことに成功しています。
800人もいるといつも会えるわけはないので、繋がりがなくならないように季節のお便りを出すことも欠かしません。10年以上コンスタントに継続しています。
春日さん曰く「業績はまったく心配していません。土地情報は自分で探さなくても、経験上、毎月○○件入ってくることは分かっているからです。私の仕事は、ご紹介いただいからには一生懸命対応させていただくことと、ご縁が途切れないように繋がりを続けること。この二つだけでいいのです」とのこと。仕事が楽しくて仕方がないという気持ちが、とても伝わってきました。
上司からも高く評価されています、売上の数字が読める部下ほど頼りになる者はいません。
これだけの仕組みは一朝一夕にできるものではないでしょうが、春日さんのように時間はかかっても作り上げてしまうと、安定的に先の見えるストレスのない営業活動を展開できます。
顧客ごとに商談の進捗状況を常に見える化しておく、規則的に既存客を訪問する、見込客を計画的に潤沢にするなど、継続して成果を挙げ続けるために「畜養型営業」をぜひお勧めします。
「優れた仕事とは、長期にわたり、仕事において成果を生んでいくことである」
『マネジメント-課題・責任・実践』 by P・F・ドラッカー
セールスプロセス、営業研修、経営戦略などにご興味ご関心のある経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
【動画】経営計画の基本
2020年7月4日
ビジネスインプット基礎講座「経営計画の基本」では、経営計画の策定の仕方や議論の仕方、そして書き方についての基本的な考え方とイメージを掴んで頂く講座です。前編は経営計画の概要について、後編は経営計画で議論する項目のポイントを整理しています。
経営計画の基本①
初回の動画は、経営計画の概要について整理しています。経営計画の目的や考え方、どのようなポイントを議論し記述していくのかを20分程度の内容で整理しています。
経営計画の基本②
2回目の動画は、経営計画で議論する各項目についての基本的な考え方や議論する際のポイントや書き方について整理しています。経営計画の基本①で示した経営計画で議論される項目について解説をしています。
ーーーURL
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5e873376-c198-4b53-9d2d-4589a0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5f0045a6-9000-4142-bce4-3f70a0106aeb
キャリアショップの現状
2020年6月23日
早嶋です。
全国に約7,900件あるキャリアショップ。携帯電話やスマフォの普及と共に全国津々浦々に点在していますが、キャリアが直営で経営している店舗はごくわずかで大半は代理店が運営しています。そしてその経営も今後厳しくなることが言われています。
キャリアショップの特徴は都心や中心地は、商社や端末メーカーだった企業の関連会社が運営しており、地方は地元の盟主的な企業で、ガソリンスタンドや他のFC事業を展開している地場企業運営しています。看板こそドコモやソフトバンクやauなどで統一されていますが、ミクロに見れば運営形態はバラバラなのです。
キャリアショップは現在飽和状態で、今回のコロナ禍の影響も後押しされ状況は芳しくありません。この傾向は、スマフォ普及が飽和し始めた頃から予測されていましたが、昨今の総務省の割引規制などの影響も強く出ています。国がメスを入れたおかげでユーザーがキャリアショップから離れているのです。
更に経営を難しい状態にしている原因に慢性的な人手不足があります。コンビニや建設現場では外国籍の方々が活躍していますが、キャリアショップは本質的な改革は見えず働き手が少ない現状です。仕事環境からしてもスタッフからは厳しいのです。
キャリアショップは接客業で、大手キャリアが矢継ぎ早に出す複雑な仕様や料金体系や様々な機種を理解しながら対面での接客が必要です。そのキャッチアップだけでも大変なのに、加えて窓口顧客に真摯に対応しなければならないというストレスがつきまといます。なぜか日本人は、キャリアショップにいくと態度が一変するのです。普段はニコニコ穏やかな人相の客がここぞとばかりに店員にマウントをかけてきます。そのような顧客にも丁寧に相手をするストレスは相当なものだと思います。機種の変更や契約に2時間程度も要する仕事。やはり精神的にも肉体的にもつらそうです。
日本が成長期だった頃は代理店事業はそこそこ成果を出していたと思いますが、今は成熟期。代理店事業は携帯電話の販売や成約時にインセンティブが入り、キャリアはその後の使用によって収益をもたらす事業です。そのため常にキャリアショップでは新規顧客を開拓しなければ生き残れません。当然、今後の事業環境を鑑みたら契約数の総数は減らないにしろ手数料収入は買い替えサイクルが長引くこと、飽和したパイの取り合いが始まっていることでキャリアショップ全体の収益は減少sるうことが推測できます。
キャリアショップの視点から見て最も辛いのは、契約した顧客はキャリアの顧客として管理されるため、契約後の収入が殆ど入らないことです。新規顧客で契約が取れていた頃に、ハウスカードを作りキャリアショップが他に展開している事業と紐付けて顧客を管理している企業は少なく、急に顧客情報を管理しようとしても、なかなかうまくいきません。
更に近年、辛いところはネット通販や格安ショップや中古店舗で購入したスマフォや携帯の相談をキャリアショップに持ち込んだ相談が増えていることです。断れば良いのですが、日本の顧客サービスの精神は若干異常な部分があり、1円も手に入らない対面接客に真摯に対応することから更にスタッフが疲労困憊するという展開になっています。
【動画】マネジメントの基礎
2020年6月22日
ビジネスインプット基礎講座にタイトルを追加しました。
「マネジメントの基礎」では、マネジメントが意識する領域として、マネジメントの役割、リーダーシップの発揮、不確実への対応について理解を深めて頂きます。マネジメントとして新たな一歩を踏み出す要素を取得出来ます。講座は①から⑥までの⑥回シリーズです。各回20分から25分程度の内容です。レポート添削コースの方は、演習問題を先に視聴してから全体を見ることで、演習のイメージが湧くと思います。
①マネジメント
ここではマネジメントの3要素を整理した後、マネジメントが意識する3つの領域を見ていきます。②回目から⑥回目は、この領域を深堀りした内容になります。最後に、マネジメントとリーダシップの概念を整理します。
②マネジメントの役割・方向性の管理
方向性の管理では、全体視点と長期視点の重要性を改めて整理します。そして、企業戦略と事業戦略と機能戦略の概念について理解を深めていただきます。そしていよいよ方向性についてのインプットを行います。ポイントは、常に全体から、常に長期からの目標を最終的に自分が管理する部隊と個々の社員まで細分化して示すことです。
③マネジメントの役割・行動の管理
行動の管理では、成果を出すために行動を管理することが最も重要であることを理解します。その後、行動を管理するために結果目標、通過目標、行動目標の考え方を理解します。目標を達成するための具体的な行動を示すことによって、はじめて具体的な計画が作れるようになります。計画の策定は作ることが目的ではなく、成果を出すことが目的ですから計画を実行しながらチューニングする方法にも説明します。
④マネジメントの役割・能力の管理
能力の管理では、成果を上げるために組織の経営資源の把握をする重要性について理解を深めます。その後、経営資源の中で重要な個々人の能力を管理するポイントを整理します。マネジメントは、組織が成果を上げる際に不足する個々人の能力を示し、その能力を育成する責任を持ちます。個々人の能力をどのように育成していくのかを整理します。
⑤リーダシップの発揮
マネジメントがリーダーシップを発揮しなければならない背景や理由を解説します。リーダシップとは、チームをその気にさせて成果を出させる力です。そのためにはまずはセルフリーダシップが重要で、自ら目標やビジョンを持ち行動しして、その達成に奮闘します。リーダシップの始まりはなんと言っても自分ごとです。マネジメントになったら、もう他人事は卒業しましょう。
⑥不確実への対応
最後は、不確実への対応です。2000年ころのマネジメントは、この分野は不要だったかもしれません。しかし、昨今目標が不明瞭で、明確であっても達成出来ない部分が増えて来ました。その場合、マネジメントは自分毎と捉えてその良くわからない分を言語化します。そして既存と新規と組織的取組の3つに因数分解して、全体のゴールに向けての取組を行います。最後は不確実な対応としてのスピード、意思決定、行動、実験の重要性とマインドセットをお話して全体のまとめとしています。
レポート課題
動画で解説している取組を実際に皆さんで考えて取り組む実践的なテーマを出題しています。レポート添削コースを受講されている方はこちらを確認して演習に挑戦してください。動画の内容を理解して、実際に手を動かして、アタマから汗をかいて取り組むことで、マネジメントの考え方が身につきます。添削は、我々チームで行い、皆様にフィードバックさせて頂きます。
①:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec678c-3a08-4545-a5ef-2a82a0106aeb
②:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec7692-7928-48a7-9983-2a80a0106aeb
③:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec7e25-afc4-43a9-be69-4923a0106aeb
④:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec8ce3-10b8-49b5-a38d-43cba0106aeb
⑤:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eec9624-f938-4019-8f6e-4920a0106aeb
⑥:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eed2b09-51f0-446d-837d-43c8a0106aeb
⑦:https://app2.gemediar.net/movies/preview/5eed30c9-e83c-45cb-99b8-43cda0106aeb
スイカとメガバンクのタッグ
2020年6月9日
早嶋です。
メガバンク3社とJR東日本がスイカを軸にデジタル通過と電子マネーの相互利用の検討をはじめています。基本的な枠組みはデジタル通過をJR東のスイカに紐づけて連携できる取り組みです。
みずほはJコインペイ、三菱UFJはMUFGコインなどの発行を行っている、あるいは検討中ですが、電子マネーとして金融系が動く理由は、デビットカード式の決済の仕組みを再度議論することだと思います。(※金融機関の主な役割は過去のブログを参照:https://www.biznavi.co.jp/blog/archives/5216)
日本ではATMが多く、クレジットカードも普及していたためデビットカードの仕組みは普及しませんでしたが、合理的な決済としてはリスクが最も低いです。スイカがどこでもスイスイ使える最大の理由は、スイカにチャージされた金額内では無条件にそのカードの信用が担保されます。
つまり、スイカの中に5,000円相当のチャージがあれば5,000円までは無条件に購入することができます。これがクレジットカードであれば、5,000円相当の商品を買う際に、その人が1ヶ月後に5,000円相当の資金を支払う能力を担保する必要があります。その際に、100人くらい人がいたら、1人くらいは払えない可能性があることを残りの99人で担保するため、真面目に支払える99人が無駄に決済手数料を支払う必要があるのです。実際、そのコストは店舗が3%から5%程度肩代わりしていますが、これがデビット方式であれば、理屈上スイカと同じで担保が不要になります。
それでもスイカを使用する際に、決済の手数料などをまだ1%以上取られていると思います。これらをもっと合理化して、スイカと銀行を紐付けることで、少なくとも決済の手続きは、その人の口座にあるお金と同等は無条件で担保できる仕組みがとれるので、クレジットカード会社がこれまで培ってきたビジネスモデルを駆逐することが理屈上可能だと思います。
更に、スイカと金融がタッグを組むことでこれまで行えなかった送金などの取り組みが自由に行えるようになると発行枚数8,000万枚のスイカは圧倒的に便利になりますよね。更に、スイカのお金の動きを自由に管理してもらう代わりに、その人の資金の使い方をみて、金融機関の融資を有利に受けることができるとなれば、今度は融資の機能をより合理的に取り入れることが可能になります。もちろん、お金の動きを把握されたくない人は、その権利を行使しない代わりに、従来通りリスク料を払って資金調達をするとよいのです。そうすると、きっと50%以上の人は特定の金融機関に対して自分の資金使途を公開すると思います。これによって、一気に融資の手間や手続きが簡便化されるのです。
但し、上記の議論を行う際のプレーヤーの数が多すぎるので、本来の顧客に寄り添ったユーザーフレンドリーでかつコストが安い仕組みにならないような気がしますが、そこは頑張ってほしいと思います。
クボタの戦略
2020年6月8日
早嶋です。
クボタはインド農機大手のエスコーツとタッグを組んで半額程度の農機を生産して新興国市場を開発します。プロジェクト名はEクボタ。食料需要が高まる新興国の機械化の需要に合わせて販売が増加すると考えているのです。新興国は先進国と比較してまだまだプレーヤーが乱立しており市場を取りに行こうと考えているでしょう。
クボタは1890年創業で設立は1930年です。資本金は2019年12月現在で841億円。同時期の売上は1.9兆円です。主な事業は農業機械・エンジンが66%の1.27兆円。水環境インフラが16%の3,100億円。そして建設機械が16%の3,100億円です。
クボタの各事業の順位は農業機械は国内トップで世界では2位(売上ベース)。建設機械は小型建機に強みがあり、ミニショベルなどは世界シェアトップです。そして、水環境インフラ事業の主力でもある鉄管においては国内シェア6割と安定した事業内容です。
それぞれのポートフォリオは、農機エンジンは国内は99年頃よりステイで海外が増加。建設機械も国内はほぼステイで海外が激増。水環境インフラは減少傾向でここ5年程度にそこをついた感じでステイです。利益は農機と建機で稼いでおり、水環境はとんとんより少し良いくらいです。
国内の競合環境は、ヤンマーと井関農機がありますが売上も営業利益でもクボタがダントツです。
一方、国内の市場を見てみると農家戸数もトラクタ出荷台数も田植機出荷台数もコンバイン出荷台数も90年をピークに減少しています。一方で世界の農業機械の市場規模は平均成長率で9%近い成長がみこまれています。
その海外の首位はなんと言っても米国のジョンディアです。売上はクボタのざっと2倍で、EBITADAベースで利益はクボタの2.5倍程度。そのため時価総額がクボタの1.9兆に対して、ジョンディアは5.5兆の金額です。
他にも世界を見ると競合するメーカーは多く、どの企業もM&Aを繰り返して規模を拡大。そして積極的に自動運転の技術を取り入れる活動を行っています。どのメーカーも自国の成長がステイもしくは日本のように減少するなかで、成長を海外や途上国に向けているのです。
今回の日経の記事ではクボタは積極的にインド市場に進出することを狙っています。インド3位の農機メーカーとタッグを組んで簡易な設計と部品の大量購入の強みを持つ同メーカーと組んで廉価版の商品を開発販売するのです。
クボタの競合であるジョンディアも他の競合も大型機種の売上比率が高く、利益率も高いです。しかし市場は成熟国で新興国の市場伸長ほど期待できません。新興国の食料事情は2010年と比較して2050年には58億トンと1.7倍位伸びる予測です。その市場を席巻する新興国にクボタは勝負をかけ始めているのです。
クボタは海外比率は上述の通り7割をしめますが、低価格帯の弾数は殆どありません。作戦としては、新興国での低価格帯のたまを準備して市場の成長と共に農家の所得を期待して高価格帯のブランドにシフトしてもらう体制を考えているのでしょう。
一方、農家のことを考えた場合、農家は農機を買いたいのではなく、農機を使って自社の農業で儲かりたいのです。格安の農機を提供する作戦だけではローカル企業がやはり優位なはず。パートナーと組んだところでの廉価版の提供は私はうまくいかないのではと考えます。それよりも、農業の主活動である肥料や農薬、土地の開拓や管理、水の管理や天候の予測など、日々の農家の人が自然と対話しながら行っている活動そのものをAIなどを活用して提供し、結果的に農家が儲かる仕組みを導入する。そのツールとしての農機という位置づけを新興国でこそ打ち立てればと思います。
基本的に貧困層ほど利益にうるさいのです。高価な投資をしたら、相応のリターンが戻るのであれば農家は迷わず収益性の良い商品を選択します。いわゆるスマートアグリの取り組みをガンガン普及させることが私は戦略の方向性では無いかと思っています。
参照:日本経済新聞 朝刊 2020年5月26日
参照:各種WebサイトとIR
問題解決の実践には、覚悟と思考力と実行力が必要
2020年6月5日
原です。
私は、企業や組織の問題解決コンサルティングや人材育成の研修講師に取り組んでいます。
コンサルティングや研修では、問題解決の型や技術を活用しクライアントや受講生と一緒に対話を通じて考えながら進めていきます。使用する体の機能は、思考(頭)と伝える(口)と聞く(耳)の首から上の身体部分です。
問題解決には、戦略的に考える思考力が重要です。
しかし、どんなに品質の高い問題解決策を立案しても、それだけでは問題は解決しません。
当たり前ですが、問題を解決するには「実行力」も必要です。
それから前提として、問題解決に取り組むチームメンバーが、主体的に問題解決策を考え実行し、失敗しても逃げずに工夫を繰り返しながら解決していく「覚悟」も必要です。
つまり、問題解決の実践で使用する体の機能は、「頭と心と身体」ということになります。
現在、私自身や地域住民がリーダーシップを発揮しながら問題解決を実践中です。参考事例として以下に内容を記載いたします。
●問題解決テーマ:自然災害からの里山復興
●主体者:原秀治(私)、地域住民(専業や兼業農家など)
●背景(現状)
10年前に受け継いだ自己所有の農地を、7年前の水害と3年前の山崩れの2度の自然災害により、地域と共に大部分が壊滅状態に陥りました。
その後、行政支援による災害復旧工事が進みました。しかし、無人重機やドローンなどの最新技術の導入も期待外れの結果となり、農地再生などの現実的な復興には当事者のマンパワーがなければ無理な状況が続きました。復興をあきらめる住民もいました。
私は、ゼロベース(もしくはマイナスベース)からの再開発のスタートを覚悟しました。
●問題
・今後、地域の自然生態系が維持できない
・農地が荒れたまま、農家の消滅
・里山の消滅
⇒自然災害により農地や山林などの自然生態系が荒廃しており、里山で暮らす住民の生活が困難となる。
●原因
・人口減少高齢化による復興への人手不足
・地域住民には、再生できるリーダーが不在
・数回による自然災害によりモチベーションの低下
●課題
・復興への覚悟とリーダーシップの広がりが必要
●解決策
・実行度:私と兄が休日を利用して、計画的に中長期的な復興に取り組むことで、周りの農家の模範となる。
・影響度:地域住民との励まし合いにより、個人から家族、家族からチーム、チームから地域コミュニティへと広げていく。
・コスト:機械はフル活用するが、機械の共同利用、中古購入、自力での修理など、できるだけコストを抑える。
●これまでの実行内容(直近3年間)
・中長期的な再生モデルを構想。
・私と兄が復興の模範を行動で示し見本となる:休日やコロナウィルス感染休業を利用し、計画的に農地の8割を再生済み。
・農地売買による復興仲間の確保。
・農地を脅かす悪意の第三者への対応。
・各農家の親が子に(または知人)へ農業承継することで、農業の継続と復興の和が広がりました。
●今後の取り組み
短期:再生済み農地に種蒔き。残り2割を農地転用などにより再開発。
長期:山林の再生(間伐、植樹)。里山ファンとの地域ビジネス創出。
●以下、私が問題解決の実践に取り組む中で再認識した3つのこと。
①問題から目を逸らさずに問題解決に取り組む「覚悟」
②戦略的な問題解決の考え方
③考えを実現させる実行力(行動と工夫の繰り返し)
※私は、以上の3つを重点にした問題解決型コンサルティングや研修講師に取り組んでいます。
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