
小売業界の明暗
2017年4月13日
早嶋です。
2018年2月期、主要な小売業57社の8割弱で純利益が増加。セブンアイなど3割の企業が最高益になる見通し、と日経にありました。消費者の傾向が継続的な節約志向はあるものの、健康、安全に対しての価値を認め単価を引き上げているのが背景にあるようです。
以下、2017年4月13日の日経新聞抜粋ーーーーー
イオンは12日、18年2月期に売上高にあたる営業収益が前期比1%増の8兆3000億円、純利益は33%増の150億円になる見通しだと発表した。総合スーパーを運営するイオンリテールの岡崎双一社長は「顧客は価格だけでなく価値を評価している」と話す。
「高め消費」を取り込もうと旧ダイエーの店舗を総菜やワインを取りそろえた「イオンスタイル」などに転換する。プライベートブランド(PB)商品は低価格品だけでなく、安全認証を受けた魚や自然肥料で育てた肉など高価格品が好調だ。
ーーーー終了
総務省が発表するエンゲル係数も2016年に26%とおよそ30年ぶりに高い水準になっています。この数字の背景は共働き世帯の増加によって惣菜や冷食の需要が増加したことがあります。また、高齢化層は食やファッションの消費は全体として細っています、健康配慮の商品、家の中を快適にする住居関連で付加価値が高い商品は好調になったのでしょう。
結果、業態としてはコンビニ、スーパーには追い風、生活雑貨も機能や付加価値を提供する企業は追い風になったのです。もちろん企業も努力をしており不採算事業を縮小して不可価値品を揃えている企業が結果業績をあげています。
◯セブンアイ。不振だったスーパー事業で不採算店舗を閉鎖、総菜に力を入れた。
◯イオンも同様の取り組みをしている。
◯ローソンは健康志向の商品が最高益を牽引している。
◯家具のニトリは大都市の百貨店の進出をおこない高価格帯の商品が伸びた。
今後の小売業のマクロ環境は、1)ネット通販、2)人手不足、3)物流費の高騰をどのようにマネジメントするかが課題になりそうです。
インバウンドの爆買いはリアルからネットの世界に移行して越境ECが活況です。百貨店などリアルの投資を続けた業態はネット通販の変化に大きな打撃を受け続けるでしょう。一方で、ネットが扱いにくい生鮮や総菜は、先に延べて健康、安全とあいまって今後注力するジャンルの1つになるでしょう。
人手不足について無人レジの導入や高度化した物流センターに投資をした企業の先見の目というか戦略の勝利ですね。無人レジ関連ではテラオカや東芝テック、NECや富士通フロンテック、富士電機やOKIなどには追い風になりますね。一方、物流センターでは、前回起きたアスクルの火事を受けて大規模倉庫の3割が消防法違反だったので、業界には追い風ながらも追加の設備投資を余儀なくされます(当たり前の投資だが、安全面で)。結果、規模の経済で資金的に余裕がある企業が更に設備投資を行い業界の再編が進むでしょうね。
ポテチショックにみるカルビーの強さ
2017年4月13日
早嶋です。
全国のスーパーやコンビニからポテチがなくなる、或いは品薄になっています。いわゆるポテトショック。そしてネット時代の反映を受けて早速、一部のポテチ銘柄がオークションサイトで数万円近くの出品もで始めました。4月10日にカルビーと湖池屋のポテチが品薄になることが報道されているので、やはり最近の投機筋の動きはすごいなと思うばかりです。
さて、国内の製菓メーカーの売上高を調べてみました。1位は山崎製パンで3700億。ヤマザキビスケットや不二家、東ハトなどをもつ企業です。2位はカルビーで2400億。スナック菓子最王手です。3位が江崎グリコで2000億。チョコレートなスナック菓子、アイスなどを製造販売しています。4位は森永製菓の1800億、5位は明治HDで1600億。
報道で気になったのはカルビーと湖池屋の社名が並んでいたことです。上記の国内の製菓メーカーの上位ランキングにはでてこない湖池屋がなんでだろうと調べてみました。
するとスナック菓子というジャンルでくくって見たところ1位がカルビー、2位が湖池屋だったのです。なるほど、今回はポテチだったので合点がいきました。湖池屋の商品ポートフォリオは1)ポテトスナック、2)コーンスナック、3)タブレット製菓で売上比率にするとポテトとコーンで99%の売上比率です。
全日本菓子協会の菓子統計をみると、スナックの国内市場規模は1980年から1990年にかけて上昇、2005年ころまで減少、そして現在まで再び上昇しています。1980年の規模は2800億円程度で1990年が4000億円、そして3500億前後まで下がったあと、2015年で4200億円程度まで上がっています。同統計にはチョコ、ビスケット、米菓子がありましたがこの菓子小売市場は緩やかなものもありますが成長していることを知りました。
富士経済の食品マーケティング便覧2017年によれば、スナック菓子メーカーのシェア100(規模3188億円)とした時、カルビーは50%、湖池屋が12%、山崎製パンが僅差の11%、おやつカンパニーが6%、日本ケロッグが4%、森永製菓、明治、ハウス食品がおよそ2%です。
カルビーの主力商品はポテトチップス、かっぱえびせん。湖池屋の主力はカラムーチョ、スコーン、ドンタコス。山崎製パンの主力はチップスター、キャラメルコーン。おやつカンパニーはベビースター。ということで各社報道はポテチに限ってはカルビーと湖池屋を引き合いに出したのですね。
ちなみに富士経済の食品マーケティング便覧でポテトチップスのシェアを見てみました。全体を100(売上規模1102億円、2015年)としたときカルビーは71%、湖池屋22%、他7%とカルビーが圧倒的に強い領域がポテトチップスなのですね。
2社のポテチを調べて見ました。1962年に湖池屋がポテトチップスを発売。その8年後の1975年にカルビーもポテトチップスを発売しています。湖池屋がポテトチップスについては元祖のようです。湖池屋はその後ポップコーン、カラムーチョ、スコーン、ポリンキー、ドンタコスを1985年頃から1995年頃に発売してスナック菓子の統合企業になり売上を200億規模に成長させています。2000年初頭に海外展開をはじめ2004年のJASDAQ上場の頃に300億円の規模の会社になっています。
一方のカルビーは1975年にポテトチップスを発売する頃の規模は200億後半。1990年台には1000億規模、2010年頃に1500億、現在は2500億の企業規模になり企業としての格差は拡がっています。元祖湖池屋がポテチの市場を創造してカルビーとともに市場を拡げ、現在はカルビーがその市場を牽引している絵図なのです。
因みにポテトチップスのシェアを調べてみると1990年はカルビーが7割、湖池屋が1割、2割は複数社のの頃。それが2015年にはカルビーは7割、湖池屋が2割になっているので湖池屋が挽回に向かっていることはわかります。それでも7:2の力の差。恐るべきカルビーというのがポテチ業界の事情なのです。
少し海外に目を向けます。カルビーの2015年のアニュアルレポートにカルビーはジャパンフレトリーを完全子会社化して、ペプシコに20%の出資をしている記述がありました。ペプシコは米国のスナック市場の5割を牛耳る会社でその日本の会社をカルビーが傘下においている。つまり、カルビーはポテチに対して国内最強、海外(米国)でも最強のペプシコと手を組んでいる。日米のトップ同士がガッチリとポテチを牛耳っているのです。これでは湖池屋は2割のシェアを更に伸ばすことはかなりハードルが高いと言えそうですね。
子会社や孫会社のガバナンス
2017年4月12日
早嶋です。
東芝は2016年4月から12月期の決算に関して、監査法人の適正意見が表明されないままの発表となった。今回の判断は、これ以上の先延ばしは信頼を決定的に損ねるとの判断だったであろうが、先延ばしにしても今発表しても、全問の虎後門の狼といった感じだろう。
そもそもの根本は、「グループ全体経営のマネジメントが不十分でガバナンスが取れていない」ということだと思う。特に、M&Aで傘下に収めた原子力の会社ウエスチングハウス。この会社の責任者が巨額の損失を回避するために従業員に過剰な圧力をかけたり決算をごまかしたりしていることが大きな要因と指摘されている。
東芝からすると子会社の子会社、つまり孫会社が与えた損失が、ある日親会社の決算に影響を与えたということで、自社の粉飾に加えてダブルパンチだったとも推測できる。
上場企業およそ3560社は、自社戦略を成長戦略にしなければ株価が下がることから、毎年成長の方向性を示さざるを得ない。国内は成熟、成長市場は海外。となると成熟市場においては同業者をM&Aしてシェアを買う。成長市場に対してノウハウがない場合は時間とリソースを買収する目的でM&Aを行う。今後の上場企業にとってポイントになるのがノウハウや時間やリソースを買う目的の後者のM&Aだ。
この場合の目的は、そもそも自社ではその領域の仕事を出来ないから資本を投下して時間を買うということ。しかし、近年の大型買収や中型の買収を見ていて、経営者を自社から送り込むものの、その領域に明るい経営者が不足していて買収先の企業を十分にマネジメント出来ていないという問題が散見される。考えてみれば当然で、ノウハウが無いから他に資本を入れるわけであって、その企業をマネジメントできる器の経営陣が始めからいないのだ。
今回の東芝の件は行き過ぎとしても、他の業界でもグループ経営の財務における、信頼を落とす可能性のリスクは多々潜んでいると思う。東京商工リサーチの2016年の発表コメントでは、会計処理が不適切と示した上場企業は57社で過去最高。上場企業3560社を分母とすると1.6%もの企業が不適切な処理をしていたことになる。実に200社の中から3社の割合だ。しかもその4割が子会社や孫会社に関連するものだった。明らかに多い。
買収先の子会社で不正な会計処理が発覚して15年3月期の決算発表を延期したLIXILグループ。オリンパスの粉飾事件を受けて監査がより厳しくなったということも考えられるが、実力を超える企業を買収してその会社のマネジメントが出来ていない。或いは戦略が無いまま、金融筋からM&Aの誘いを受けて不十分な買収前調査のままリスク面の洗い出しが甘かった。ということも考えられる。
何れにせよこの一連の東芝の報道はある程度の規模のM&Aを過去から行っている企業にとっては対岸の出来事ではないだろう。M&Aは手段だが、今回のようなリスクがあることを考えながら、やはりは人。マネジメント層の教育や意識が一層必要になることは間違いないと思う。
実はその世界ではスキルが高いものだ
2017年4月11日
早嶋です。
コンピューター工学を専門に仕事をしていた時代があったが、今はコンピューターはさっぱりと思っていても実務レベルでは全く問題ないし、企画や設計やグランドデザインを考える際にも企業経営者の助言レとして議論はできる。案外と世の中は知らないのだな。という感覚を明確に言語化したリサーチだ。
「ユーザーのコンピュータスキルはあながた思う以上に低い」
この論文は終始、専門家とその方を頼りにする方とのスキルや知識や概念のギャップを解説している。結論は、「あなた方専門家は、ユーザーとは違う」ということ。想像以上にユーザーやクライアントのレベルは低いのだ。結果、勝手な判断や好みに走り、真っ当な判断が出来ないでいる。
ここからの学びは、
1)ユーザーのことを考える場合は、子供相手になったつもりで極力、先方の思惑、理解したいこと、実現したいことに先ずはフォーカス。
2)自分の実力と同じターゲットは5%未満であるため、ある程度仕事は出来る。同じ専門家集団の会社での能力の工程は、その集団地での判断なので超一流企業を除き、その人材でも他に行けば輝く。社長はその判断を行い、適材適所に再配置して後は任せるという大きな気持で迎えると結果を出すかもしれない。
読んでいて感じたことは、企業の経営者や管理に回る人間は数億レベルの投資案件に対しては口を挟まないが、年賀状のデザインレベルのどうでも良い細かな案件に対しては意見が多くでて収集がつかない。これは実は、難しいレベルの判断の内容を殆どが理解していない証拠なのだ。
参照:https://u-site.jp/alertbox/computer-skill-levels
新規ブランド展開の相談
2017年4月10日
早嶋です。
新しい事業の立ち上げの相談を頂いた。海外では既に社会的に意義のある取り組みをしていたチームが独立し、その内容を引き継ぎ日本でもプロダクトの製造と販売を展開する。その際のマーケティングや戦略についての全般的な議論だ。
その地域での活動はNGO団体としては非常に著名な活動。ただ、その名前に引っ張られたくないということで、そのNGOの名称を外したいという要望があった。そして既に出来上がっている商品といくつか取り揃えているセレクト商品を日本で展開したいという内容だ。
今回1時間の議論で整理したことは、次の2つ。
1)基本、これまでの展開はその地域でのお土産需要としての商品であった、日本は一般的な消費の中での需要なので分けて考える必要があるということ。
2)商品、価格、流通、販促、そしてそれらの軸となるコンセプトがバラバラに語られ、商品としては良いものが出来るであろうが、商売として成り立つかの観点が抜けていた。従って、マーケティング・ミックスの整合性を再度確認する必要があるということ。
地域や特性が変わると基本的にやはり考えるべきポイントは変ってくると仮説を立てた。その組織がそのブランドを再度立ち上げる背景や現在取り組んでいる活動をヒアリングし、ブランドの核となる部分を言語化していった。詳細は語れないが、女の子、良い物、頑張る、成長、社会的な意義、普段からの開放。というワードが抽出された。これらに対しては再度、早嶋から質問を繰り返し、どのようなブランドの価値があり、想いがあるのかを整理した。
一方で、既にその組織は活動を開始して2年は経過しているので、前提や絶対に守らねければならない制約条件等を細かくヒアリングした。特に社会的な意義に関しては、著名なNGO団体の名称は使わないまでも、その取り組み自体は引き継ぎたいことは言語化できた。また、その取り組みに対しても発想が異なることを整理した。従来は悪い部分を普通にしたいとの思いで社会問題を解決する現在問題的な発想であった。しかし今回のブランドによって更に今よりも良い状態にする将来問題的なアプローチであることも再認識頂いた。この違いによって取り組みや販促のルールが大きく異るのだ。
日本で展開する際に、どうしてもコストの部分が肝になりその地域で販売している価格に上乗せをする必要がある。現在、展開しているラインナップを更にブラッシュアップしてもっと洗練したものづくりを考えている。ターゲットとして語られているペルソナの像は明確であるが、それが独立していて他の意思決定に活かされていない。短期的な販売計画と出店したい場所や直近で決まっている催事や販促活動の辻褄があっていない等々。
ヒアリングをしながら商品や価格や販促や流通のコンセプトが少ないチームであるにもバラバラになっていることを再認識頂けた。その取り組みを今この瞬間に本当にすべきか?少し時期を後にしたらどうか?どのシナリオは本当に重要なのか。
おそらく普段のチームの議論では当たり前過ぎて突っ込むことも無いようなことだと思う。が私はこの整合性は後にボディブローのように効いてくるという仮説をもち、しかも過去に同様の不整合によってビジネスをシュリンクさせた取り組みを複数再生させて頂いた。従って、現時点でのイメージと少し先のイメージを議論を繰り返す過程で皆さんに理解して頂けたのは良い議論だったと思う。
伝統企業とイノベーション
2017年4月9日
早嶋です。
パナソニックが2018年に創業して100周年を迎える。そのメインイベントの1つにビジネスイノベーション本部の設置がある。読んでいて上手くいかないイメージがプンプンした。
本社肝いりで動くため、明らかにできっこないとか、肝いりの部隊が期待するような大掛かりなイノベーションを生み出さないといけない!とかいう空気感が現場レベルに落ちていき自由な発想と小さな実験と失敗からの学びが訴外されるからだ。
おそらく、そのセンターに配属される人材も超優秀な方々だろう。大企業の超優秀な人材は、過去のビジネスモデルでいわゆるキャッシュカウのビジネスや事業部で食ってきており、10を100にする力や、決められたことをよりスムースにする力はめっぽう強い。当然、このような部隊はキャッシュをバンバン生み出したから余裕があり、人材も入社した優秀な人達をいの一番に採用配置していった。
が、イノベーションはそもそも破壊だ。これまでのルールや慣習をぶっ壊して否定することから始まる。大企業のキャッシュカウにいた人材は5年もすると上司や上層部に大きな発言をしなくなる。そのほうがスムーズに仕事が進むからだ。
もし、上記のような人材が100周年だからと言って一同に集まったところで何も生まれないと思う。イノベーションは野放しでハングリーで遊びの中から生まれる。多いな温温とした環境では目が出にくいのでは。そもそも100周年を歌う前からイノベーションの重要性は言われている。のであれば既に成果がでているはずだ。
大型M&Aに潜む罠
2017年3月29日
早嶋です。
企業買収で近年、損失を出している企業が目立ちますね。例えば東芝。2006年に買収した原子力事業の会社であるウエスチングハウス(WH)。一連の不正会計に加えて、この買収に関連する巨額の損失が発生したため今期の決算発表を2度も遅らせています。
各社の報道紙面では、
– 2011年3月に発生した東日本大震災を受けて世界の原発規制が強化される
– WHが手がけている原発新設工事が想定より大幅に遅れ費用が膨らむ
– WHが買収した米国の原発関連工事会社でも想定外の巨額な損失が発生
– 結果、東芝が資産として計上したのれんの価値を引き下げる必要が出た
これらの一連の流れは会計の世界では減損です。2016年3月に約2500億の減損損失が発生し、2017年3月にも7000億位上の損失を発生する見込みです。
通常は会社の資産を正味の価値で評価して、そこから負債の金額を差し引いた部分が株主価値になります。しかし、これは単に資産の評価にしか過ぎないので、ブランド力やこれから稼ぐであろうキャッシュ・フロー、またこれまで培ってきたノウハウなどの価値を評価していないことになります。従って、企業の価値としては、それを超過することが一般的です。
会計上ではこの超過部分をのれんとして無形固定資産に計上します。そして企業買収を行って一定期間を置いて想定どおりの利益が出ない、事業の前提が崩れた場合は実際の価値が下がることになります。その場合、帳簿上ののれんの価値を下げ、それに伴って損出も出るのです。
大企業のM&Aは、
– 会社が保有する資産に着目して評価する
– 会社のキャッシュフローを推定して評価する
– 類似会社と比較して相場を評価する
の3つの方法が主にあり、更に幾つかの方法を総合的に判断して価値を算出します。しかし、その際にどうしても合理的な価値よりも価格プレミアムが乗ってしまうことが多いです。つまり、価値評価の求め方や慣習からしてもM&Aは買い手にとっては価格プレミアムを付けて高く買うため、当初よりマイナスのスタートをしているのです。
また、通常は資本を入れた先が役員や社長を送りこみ経営をマネジメントすることになります。東芝のように大きなM&Aの場合は、当然ながらそのビジネスのクセを理解しているマネジメントを送り込む必要があったのですが、その役者が買い手企業に少ない場合、或いはいない場合が多いようです。
元々ノウハウと時間、或いはシェアやチャネル、人材をお金で買うという発想のM&Aでは、その分野での経験者や明るい人材が買い手側に不足しています。従って買収することができてもその後のマネジメントが上手くいかない場合も多いのです。WHの場合はダニー・ロデリック氏に任せ、信じ切ったことも今回の損失の原因だと思います。
更に、買収した企業が子会社、孫会社を持っている場合は、買収前調査が非常に複雑になります。今回の東芝の事例ではM&Aした会社の子会社や関連会社が火を拭いた結果になっています。
日本の多くの企業が成熟ビジネスを抱え、そこから得られるキャッシュをベースに次の一手を模索しています。しかしこれまで既存事業のベースにどっぷり使っているから新規事業開発の企画は行えても実際の行動がついてきません。そこで近年、新規事業や地域展開、事業拡大のためにM&Aが流行っていますが、自分たちでその領域を泥水飲んで経験したことが無ければ、M&Aとしての成功はありますが、その後のマネジメントを行う、あるいは管理監督する人材が不足するため失敗する可能性が高いのです。
現在の日本企業は、まだまだM&A経験が少ないため買収そのものをゴールと勘違いしている事例が目立つような感じを受けます。従って、近年の日本企業ののれん代が増加傾向にあります。日経新聞の集計値では昨年末の上場企業が持つのれんの合計値は約29兆円強。これは同企業の純利益の総額に相当する金額です。
のれんの減損は今後も複数の企業で起こると考えられます。買収後のマネジメントができない企業が大型のM&Aを行っている可能性が高いからです。
管理職になるよう上司から言われて困っている女性
2017年3月28日
安藤です。
今回のテーマは、「管理職になるように上司から言われて困っている女性」です。
前回に続き、“女性管理職”をテーマにしました。このテーマでは、20代の女性よりも30代~40代前半の女性の方からの相談があります。元々、以前は社会も女性が管理職、リーダーとして活躍してほしい、またはその役割は求められていない時代でした。それが、急に女性活躍推進で女性管理職を作れ!と風土があり、上司から「年齢的にもそろそろ管理職になってもらいたいのだが・・・」
と声をかけられる。
女性の中には、なんとなく結婚して仕事を辞めるつもりでいたが、まさかこの年まで仕事をして自分が管理職にならないかと上司から言われるとは思ってもいなかった。急に女性キャリアデザイン研修やスキルアップ研修、リーダー研修が企画され気持ちがついていけてない。“キャリア”という言葉に拒否反応を起こしてしまう。または、自分の人生と向きあったこともないから何か怖い感じがする。なんとなく日常に追われて今にいたった。これからのことを考えると不安でいっぱい。など誰にも相談できずに悩んでいらっしゃる方が多いようです。
どうしても管理職、リーダー像というとハキハキしていてバリバリ仕事をしている人をイメージ
してしまします。詳細はこちらをどうぞ→
http://style.nikkei.com/article/DGXNASFK18017_Y2A910C1000000?channel=DF061020161183&style=1
リーダー像も時代とともに変化しています。社会環境・時代にあったリリーダシップについても理解し、まずは、自分自身のリソースを発見し自分を見つめていませんか。そして、自分らしいリーダー像を描いてみませんか。「私には無理“」と決めつけている場合もあります。不安を払拭してこれから自身のキャリアをどう積んでいくのかちょっとだけ考えてみる時間をとりませんか。今回は『上司から管理職にならないかと声をかけられそう、またはかけられていて不安、困っている。どうしても前に進めない方』対象にセミナーを開催致します
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最新のテストマーケティング手法
2017年3月28日
シニア・コンサルタントの原です。
今回は、クラウドファンディングのマーケティング的な活用方法を伝えさせて頂きます。
ここ数年、新しいアイデアを実現する手法として注目されているのがクラウドファンディングです。日本ではどちらかというと、ボランティア活動やイベント開催のための資金調達というイメージで利用されることが多いと思います。一方で、新しいビジネスアイデアに共感する人(潜在顧客)がどれくらい存在するかを試すといったマーケティング的な意図を持って利用されている事例も最近は数多く見られます。
例えば、ボードゲーム人気によるボードゲームカフェが東京で人気となり、福岡にも店舗展開できるのではないかとテストマーケティングを目的に、クラウドファンディングに挑戦しました。短期間の募集期間にもかかわらず、福岡からも支援金が集まった結果を受け、福岡での店舗展開のスタートとなりました。
一方、農産物を活用した商品開発をテストマーケティングしたところ、支援者は身内関係者など、一般の方には共感されなかった事例もあります。このような場合は、商品力、価格、パッケージデザイン、ストーリー性などの見直しが必要であるというテスト・マーケティングとして有効となりました。
従来の手法でテストマーケティングを行うには、何らかの調査会社などの協力を得てリサーチを行い、その結果を集計・分析する必要があり、多額の費用がかかります。
しかし、クラウドファンディングを活用することによって、新商品や新企画のコンセプトとリターン(商品や企画サービス)をインターネット上で発信し、SNSなどにより拡散しながら顧客を獲得していくことが可能な時代です。
なので、多額の費用をかけずに済むどころか、顧客の獲得にまでつなげることが可能なテストマーケティングが実践できます!
このようなことから、購入型クラウドファンディング市場も、2015年の32億円から2016年は58億円にまで成長しています。
是非、御社の新商品開発やサービス企画のテスト・マーケティングとして、購入型クラウドファンディング(FAAVO)を活用してみませんか?
クラウドファンディングの仕組み、テスト・マーケティングの活用方法については、弊社ビズ・ナビ&カンパニーまでご連絡を宜しくお願い致します。
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『最新のテストマーケティング手法』
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●内容 商品開発や企画サービスのテストマーケティング手法
・クラウドファンディグとは
・FAAVO事例紹介
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●参加費 3,000円/人
●申込 メール、電話、FAXにてご連絡下さい。
TEL092-761-6130 FAX092-671-6075
メールアドレス:info@biznavi.co.jp
LCCは主要空港にシフト
2017年3月27日
早嶋です。
地方空港の国際便の減少、運休が相次ぐニュースが報道されている。ここ数年は茨城空港や静岡空港の国際便が増えていたが、2020年の東京オリンピックに備えて首都圏の国際便の誘致が進んでいることが理由だそうだ。
一方LCCの搭乗率は80%がペイラインなので、地方よりも首都圏の空港が搭乗率が高くなりLCCも主要空港へシフトをしたいというニーズもあるのだろう。
調べてみると春から夏のダイアで日本を離着陸する国際便は全体で昨年比の4%アップで4728便。成田は3%増、羽田は6%増、枠を拡大した新千歳空港は35%増、那覇もアジアに近い理由で18%増と主要空港では軒並み増便となっている。
一方LCCがよく利用していた茨城は19便が6便に、静岡も全体で20%減。地方の空港は、爆買いツアーが一巡したこと、越境ECへのシフトで買い物目的ではなく体験や文化を感じることが目的になると安さより利便性が増すというのも理由だろう。
しかしそもそもこれはLCCの議論ではなく、地方を含めてこの狭い日本に100ヶ所程度(※1)の空港がある事自体が問題だ。どこかが空港を誘致すると相次いで俺も俺もと空港を作っている。結果、当たり前だがはじめから赤字の垂れ流しで酷いところは太陽光パネルを敷き詰めてエネルギーファームと化している。
国会では総勢で小学校問題のミクロを取り組んでいるが国のことを大局的に議論し調整する役割は無いものか。
※1:http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000310.html
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