
原因論ではなくワクワクする目的論
2018年1月8日
シニア・コンサルタントの原です。
皆さんは、「アドラー心理学」という学問を知っていますか?
アドラー心理学とは、フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨頭」と称されており、アルフレッド・アドラー博士の創始した心理学です。
アドラー心理学をシンプルに説明すれば、「原因論」ではなく、「目的論」を考え、実行する心理学です。「原因が特定されたところで、必ずしも行動できるようにならない。どうすれば今よりも上手くいくのか?」に意識を向けています。
ある人がたずねました。「人生の意味は何ですか?」
アドラーは答えました。
「一般的な人生の意味はない。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ。」
アドラーのメッセージには、下記の意味が込められています。
他人からどう思われているかを気にかけ、「嫌われたくない」という思いで生きるのは不自由なことであること。
「分からない」、「できない」を恐れる必要はないこと。
人間関係は優劣のある「縦の関係」ではなく、対等な「横の関係」であること。
私は、自分で決めて行動するためには、自分の「欲望」に向きあう勇気が必要だと考えます。
脳科学の世界では、「欲望」を「ワクワク」と表現することが多いです。
行動したいなら、感情と行動を司る「ワクワクする脳」にアプローチする必要があります。
だからこそ、まずは「自分の欲望」が何なのかを知ることから始めるべきなのです。
2018年からは、「自分が本当にやりたいこと」を1分でも良いので、毎朝または就寝前に考えてみるという第一歩をお勧めします。
森のワクワク塾「まつば」便り(No1)
2018年1月7日
森のワクワク塾「まつば」便り(No1)
シニア・コンサルタントの原です。
私の専門領域の1つは、問題解決(課題解決含む)です。問題解決は、学校教育の科目では理科の考え方に似ていると言われています。
なぜならば、問題解決はテーマとなる問題を定義し、現状の事実を把握し、問題の原因と解決策となる仮説を考えます。そして、解決策の実験(検証)を行い成功すれば本格実行、失敗すれば再度の仮説を考えることの繰り返しだからです。つまり、理科の実験なのです。
私は、数年前に大分県耶馬溪町の古民家、山林、田畑を親戚から譲り受けました。昔から地域の由来名として「まつば」と呼ばれていたので、そのまま「まつば」と呼ぶことにしました。
「まつば」を売ってほしいという意見もありましたが、私は、せっかく譲り受けた想いのある資産を売ることは全く考えませんでした。それよりも、ビジネスや地域に役に立つ「場」として活用できないかと構想を考えはじめました。
昨年は、古民家の床下や屋根のリノベーションにより、問題解決の合宿の場、宿泊の機能を改善しました。
古民家以外では、庭木、池、田畑、山林、近くには川も流れ、自然豊かな環境が整っています。
更に、地域クラウドファンディングFAAVOを活用して、資金と仲間を募り実験的に体験イベントを実施しました。
2018年からは、問題解決力、仮説検証力の向上を目的に「まつば」の資産を有効活用し実験を繰り返します。
都度、森の中の実験に興味のある仲間を募集していきますので、ご参加を宜しくお願いします。
・地域クラウドファンディングFAAVOの活用事例
https://faavo.jp/oita/project/1797
■2018年「森のワクワク塾」スケジュール(予定)
3月:自然と調和した庭の池づくり、苔(コケ)の植栽
4月:高品質蜂蜜に必要な果樹の植樹
5月:山菜刈りと山菜料理
6月:蛍、昆虫の観察と実験
7月:川に生きる生物の観察と実験
8月:森の音についての実験1
9月:森の音についての実験2
10月:お米の加工と実験
11月:野生動物の生態と実験
※毎月1回、休日に実施します。内容は変更になる場合がございます。
世界経済の回復、日本はどうか?
2018年1月5日
早嶋です。
2018年の初投稿は辛口な考察です。
世界経済は緩やかに回復に向かっています。世界の株式市場も好調で富裕層や中間層の増加と共に資産運用も膨れ上がっています。日本を除く主要な各国の金融政策も正常化に進む兆しが見えてきました。一方で、日本のように企業と家計があまりお金を使わない現象が観察されはじめ物価や景気が刺激されにくい世界となっています。
国際金融基金の「World Economic Outlook Database October 2017」によると、世界経済は緩やかに回復していることが分かります。新進国や地域のGDPの成長率は2016年実績値と比較して2017年の見通しは成長を遂げています。これは新興国や地域、BRICsで見ても同じ傾向を観察できます。
一方で世界経済における新興国の存在感が高まり、世の中の経済は北米、EU、中国の三極体制になりつつあります。2015年実績で世界のGDPに占める先進国と新興国の割合は61:39で1980年代の80:20から比較すると新興国のGDPが進捗していることが分かります。
その大きな要因はやはり中国経済です。2015年実績で世界のGDPに占める割合は、米国24、EU22、中国15、日本6、その他33となっています。1980年代の中国は一桁の前半でしたので中国の近年の急成長がみてとれます。
PWCの調査レポート「Asset & Wealth Management revolution:Embracing Exponential Change」によると世界的に株式市場が好調です。先進国の高齢化や新興国における中間層の台頭によって、世界の運用資産は2025年に145兆ドルと現在の世界の国内総生産の約2倍に達する見通しです。
各種調査資料を見てみると、米国、英国、EU、中国、日本の金融政策で日本を除く他の主要国の金融政策は正常化に向かうことが推定できます。米国は正常化へ向かい、2017年10月のインフレ率が2.0%です。政策金利も1.00%から1.25%で2018年は3回程度の利上げを実施する見込みです。財政問題を挙げるとすると自動車、学生、クレジットの残高が高まっていることが懸念事項です。
英国は金融緩和政策の縮小を開始しました。2017年10月のインフレ率は3.0%で政策金利は0.50%です。昨年の11月に金融危機後はじめてのとなる政策金利の引き上げを実施しています。英国の財政問題としてはポンド安によって物価高と景気への悪影響があることです。
EUは2018年以降の量的金融緩和政策の縮小を決定しています。2017年10月のインフレ率は1.4%で政策金利は0.00%です。超低金利政策は維持で2018年9月以降の緩和延長を検討する方針が示されていました。
中国は金融緩和から中立の状態に移行しています。2017年10月のインフレ率は1.9%で政策金利は4.35%です。政策金利は短期市場の金利を高めに誘導して金融監督を強化しています。懸念事項としては地方債務残高が2016年末時点で260兆円規模まで増加していることです。こうして眺めてみると、日本は金融緩和を継続する方向を示し、他の主要国は金融政策を正常化に向けて進めていることが分かります。
世界銀行が出している資料を見ると2008年のリーマンショックを皮切りに世界の通貨供給量が世界のGDPを上回っていることが分かります。2015年時点の世界の通貨供給量は約88兆ドルに対して、世界のGDPは約75兆円でした。
超マクロ的な考察をすると世界の中央銀行はお金の供給を増やし続けましたが、企業や家計は内側に貯め込むばかりで外の経済に刺激を与えませんでした。これはこれまでの常識と異なり、お金が余っている状態を作っても人々が消費行動に走らなくなっているのです。
背景としては、やや粗い考察になりますが企業と家計で次のように考えることができます。企業や産業は、一昔に代表される重厚長大産業のように大規模な設備投資をせずにデジタル化、或はデジタル関連の産業が増えてきました。また、資産を所有する発想から、シェアすることで、複数で資産を共有するエコシステムが確立しつつあるのです。
同様に、家計や消費では、長寿社会に向け社会全体が老後に向けた貯蓄に励む思考が高まっているのです。また、若年層の失業率は高止まりをしており消費意欲の抑制になっているのです。
結果的に世界的に見ても企業も家計もあまりお金を使わない状況が続き、通貨供給が高まった状態であっても物価や景気が刺激されにくい状態になっているのです。
さて、そのようなマクロ環境下において日本はどのような状態になるでしょうか。仮に、現在の政府が進めている経済政策が続くと私は経済が悪化するのではと考えます。
現在の働き方改革において、政府は同一労働、同一賃金を打ち出しています。仮にこれが実現できれば、その賃金のベースは何と比較するでしょうか。世の中がスマフォ1つでつながってしまった世界では、賃金のベースは世界で比較することになります。もしそうなると、例えば、1時間当たりのタイピングの仕事は800円とか1,000円とかが正しいのではなく、世界の基準になった場合は、日本の料金が高すぎるとなり、結果、そのような仕事は海外にどんどん流出する結果を招くでしょう。
現在の生産性革命に対してです。基本的に日本国内の仕事はブルーカラーのように時間で仕事を確認できる内容と、ホワイトカラーの仕事に2分することができます。ブルーカラーの仕事に対しては機械化の導入が早くから進められているため生産性は比較的に高い状態になっています。従って、意図的に生産性革命の白羽の矢はホワイトカラーにフォーカスされます。
このように考えるとホワイトカラーの仕事も実は2種類あることが見えてきます。いわゆるマニュアルに落とせ、ある程度再現性が高い仕事です。極端な話、コールセンターや事務処理のような仕事です。そしてもう一つはその対極の企画やアイデア出し、戦略立案のように創造的に進めなければならない仕事です。
仮に生産性革命が進めば、後者の仕事は効率化や標準化が難しいことから前者の仕事に対して少ないインプットで同等、もしくはそれ以上の成果を出す取り組みがはじまります。これはホワイトカラーの仕事が大量になくなることを意味するのです。
更に、大企業を中心にホワイトカラーの創造的な仕事の区切りを全くなしに残業制限がかかっています。創造的な仕事は時間をかけたからといって良い成果が出る類の仕事ではありません。しかし、この区分けなく一律残業カットをすると大企業は創造的な仕事を外注してグループ会社か協力会社に投げる方向性になります。
仮に残業時間60時間の上限が定着したとすると、これまで支払っていた残業代が8.5兆円規模で経済からでていくことになります。この学区は日本のGDP比率で1.5%程度です。多くの家計調査が示す通りこれまで日本の家計は残業とボーナスが基本給のように捉えられてきたので、結果給与全体の原資が現象する方向になるのです。
そのために国は人づくり革命を両輪として挙げていますが、教育費の無償化が前面にあるだけで、どのような人材像を作る必要があるかの議論が薄いと思っています。総合して考えると、生産性革命によりホワイトカラーの失業が増えます。更に残業規制でベースとしての給与も減少します。結果、家計の所得が減るため、日本はデフレ脱却どころか更なる経済悪化を招く懸念があるのです。
世界経済は緩やかに回復していると言って、日本も明るいと考えない方が良いのです。これはマクロ環境と日本の現在の経済政策を見て総合的に考えた結果ですので、全て上記のとおり進むわけではありません。従って各自としては、自ら創造的に事業をつくる側にいて、定型業務として何かに置き換わられることがないような能力や知恵を常に身に付けアップデートし続けることが大切です。
参考資料: 各種資料、統計データ
QCとQAで上市を管理する
2017年12月21日
早嶋です。
国内製造業では、QC活動とかQCそのものは製造現場の世界でも良く聞く言葉です。クオリティ・コントロール、品質管理で、自社商品の品質向上や生産性の向上を目的とした活動事態を意味します。一方で海外の製造企業では当たり前のQAという概念が薄い、或いは欠落していると感じます。QAは品質保証と解釈され、ある商品に対して、第三者からの目線で製品やサービスの品質を検証確認して顧客に保証する活動です。
製造業が新商品を上市するタイミングで、企業内部でQCの観点で各種検査をクリアしたとします。しかし市場や株主再度の立場に立つQAが「◎◎の部分及び、△△の部分において上市するには■■の可能性があるので不十分」と判断します。つまり、上市するか否かを社内のトップである社長の判断と同時に、企業の長期的な取り組みやリスクを勘案して判断するQA責任者が決めるのです。
単一商品、単一事業、そこ出身の社長であれば、上市の判断はできるでしょう。しかし複雑な商品や事業を複数抱える企業のトップは、事業部で上がった判断に対して、何の根拠もなしにゴーサインを出すしか対応できない場合もあるでしょう。そのような懸念を汲み取り社長であってもQA担当者を無視することはできない仕組みです。QCは現場管轄で、QAは経営陣の管轄。上市に対しては時として社長よりも権限を持つこともあります。
そもそも日本企業の多くが多角化ビジネスです。先日話題に出した神戸製鋼も鉄鋼、アルミ・銅、建設機械、機械、エンジニアリング、溶接、電力と分野が異なる事業を7つ展開しています。記事や報道をファクトとした場合、取締回で不正問題が報告議論されているだから発表をするのがルール。明らかに会社に対して重大事項なので直ちに公開の義務があり、それを行っていないのはコンプラ違反です。
しかし、これはひょっとしてある程度の日本企業の縮図の可能性もあります。仮説です。事業部が複数多角化した企業は、それぞの事業部が部門最適化してしまい、他の事業部との関係を取らなくなり視野が極めて狭くなっているのです。
ある大手の人事制度では、たまたま新入社員の時に、社員の意思と関係なく鉄鋼事業に配属されると、その事業部の中で出世や転勤を繰り返し、能力が高い人材は課長、部長と出世します。従って、事業部のことは理解していますが、経営や会社全体のことを理解する機会や経験も無く役員や本部側の人間になる頃には40代後半、50代と年齢を重ねます。
入社して30年もどっぷり1つの事業部の極めて狭い世界で行った判断や取り組みが全てだと脳にインプットされていますから、その歳になって企業戦略、全体戦略といってもシナプスが活性化することも考えにくいのです。そうなると当然、全社最適よりも自分の出身事業部の繁栄を無意識に考えていきます。従って他の事業部よりも自分の部隊の関心が更に高まるのです。
極端な話、企業全体の経営活動を見る人間であっても、心の何処かでは自分たちの事業部を中心に考える。だから隣の事業部が成長して将来、その事業部から社長が輩出されることだけは阻止せねば。的な昼ドラマみたいな発想が現在進行形でバリバリ行われていくのです。まさに事業部同士の意味のない主導権争いです。
日本市場の多くは成熟か衰退です。従って、30年前に発足した事業部制にはかなりの限界があります。しかし、そのベースを変えずに時間が止まったかのような経営マネジメントを行っています。少なくとも、今後の日本の品質を考えた場合、素材メーカーや生産財メーカーは制度そのものの再設計とQCとQAという両輪の上市ルールを持つなどしなければ、今後も同じような問題がしばらく出てくるのでは無いでしょうか。
松竹梅の形骸化した検査
2017年12月19日
早嶋です。
日本企業の製造業を中心に今年は不正問題が多数露呈しました。中でも神戸製鋼はアルミ・銅事業から始まり、報道が進むに連れて主力の鉄鋼事業、機械事業と発覚。更に、それは組織ぐるみ、かつ長期にわたる不正であることが明かされました。また三菱マテリアルやその子会社、東レの子会社でも同様と見られる現象が発覚され素材企業大丈夫?と思わんばかりのニュースでした。
通常、工業製品や生産財として使用される部材等はその仕様を顧客と厳格に取り決めて購買契約を締結します。当然、出荷ごとに仕様を満たしているかを出荷側も検査し、同時に顧客側も受け入れ検査を行います。昔、制御メーカーに勤めていたころは、この顧客に受け渡しする製品の担当を幾つか担いましたが、その期間は納品後しばらくの間を含めてピリピリしていたのを思い出します。
が、今回の一連の報道や記事、他の方が書いている調査レポートを見る限りそのような検査等を一部行っていなかったのではと思います。過去20年間の成長が鈍化、低迷する中で日本企業はひょっとして効率とコストカットという指示命令が独り歩きして、現場レベルでも目的に反する取り組みが行われた。
例えば、受け入れrの検査に対しても納入業者毎に松竹梅を決めて松企業は無検査、竹企業は抜き打ち検査、梅企業は全数確認というような体制ができ、長い年月かけてそれが形骸化していき、松企業が新しい部材をインストールする際にも検査の体制があやふやになったのかもしれません。
子育て支援に1.1兆円
2017年12月18日
安藤です!
2兆円規模で進められている「人づくり政策」の多くは、子どもを保育所や幼稚園に預ける費用への補助や保育所の整備に約1.1兆円をあて、子育て世帯を支援する。大枠は固まっているようだが、細部は詰まっていない。
2兆円規模で進める政策の多くは2019年10月に予定する消費増税によう増収分の一部を活用する予定とされている。保育の充実(内閣府,厚生労働省)として、子ども・子育て支援新制度では,質の高い保育・教育の提供を行うこととしている。
平成28(2016)年4月1日時点の待機児童数は,23,553人と前年度と比較して増加する中,保育の受け皿拡大は喫緊の課題となっている。政府は,待機児童の解消を目指し,「待機児童解消加速化プラン」に基づき取組を進めている。
これを受け,平成28年通常国会において,子ども・子育て支援の提供体制の充実を図るため,事業所内保育業務を目的とする施設の設置者に対する助成及び援助を行う事業(以下「企業主導型保育事業」という。)等を創設するとともに,一般事業主から徴収する拠出金の率の上限を引き上げる等の「子ども・子育て支援法」(平24法65)の改正を行った。平成28年4月から開始したこの企業主導型保育事業により,5万人分の受け皿整備を進め,子ども・子育て支援の提供体制の充実を図っている。
また,保育の受け皿整備に対応した保育士確保を進めるため,処遇改善などの総合的な確保策を実施している。平成29(2017)年度予算においては,更なる「質の向上」の一環として2%相当(月額約6千円)の処遇改善を行うとともに,技能・経験を積んだ職員について,4万円程度等の追加的な処遇改善を実施している。
なお,平成29年6月には,今後も女性の就業率の上昇や,保育の利用希望の増加が見込まれる中,「子育て安心プラン」を公表し,待機児童解消に必要な受け皿約22万人分の予算3年分を平成31(2019)年度末までの2年間で確保し,遅くとも平成32(2020)年度末までの3年間で全国の待機児童を解消することとしている。さらに,平成34(2022)年度末までの5年間で,女性就業率80%にも対応できるよう,約32万人分の保育の受け皿を整備することとしている。
このような背景もあり、企業内託児所、院内保育所等、店舗内託児施設などを手掛けている企業では、規模が数年前に比べて4倍にも伸びており人材育成がおいついていないと相談を受けた。急成長に伴い、基本は業務を円滑にするためにヒューマンスキル向上し、情報共有していくコミュニケーションスキルは必須のようだ。
数字のギャプと心理
2017年12月15日
早嶋です。
国内外の高級ブランドショップが相次いで値上げをしています。サンローランやボティガが10月から11月にかけて一部商品を対象に値上げ。バーバリーもバックや衣料品の一部を値上げ。バレンシアガは紳士服を価格改訂。英国グラフは12月から8%、TASAKIも1月から数%の値上げ。
確かに10月頃から百貨店の外商メールから複数のブランドが数%から10%程度値上げをするのでその前に買いませんかメールがどんどん入っていました。
ドイツの生理学者にウェーバーがいます。品減の感覚に関する実験を行いました。100gの重りに1gづつ重りを追加して102g、103gと追加していきます。人は何グラムで重さを感じるかを調べる実験です。実験結果は一様では無い。でした。まぁ、この感覚は五感と同じで、人が刺激を受けて脳で処理した結果ですから納得です。
例えば、スーパーのレジ袋が10円から20円になったと知れば、高いと思うでしょう。10円の差よりも、2倍になったと思うでしょう。
例えば、ポテトチップスが90円から100円になったらどうでしょう。10円の差ですが、高いとは思わないでしょう。同じように電車の値段が200円から220円になっても高くなったとその時は感じにくいものです。
ということで、同じ金額でも高額であったり、金額のみせかたによって高いと感じたり、何も感じなかったりするでしょう。というのを考えるとブランドショップからすると、各ブランドショップが一斉値下げ!的な報道は止めていほしいでしょうね。そのために10%前後の微妙な値上げをしていて、気が付かれないようにしているのに。それを宣伝するかのように報道する。って。
ちなみに値上げは車業界でもありました。ベンツはAクラスなどの小型車を中心に1%程度の値上げを行います。それは大したことが内容に思いますが、Aクラスはエントリーで300万円から。つまり3万円程度の値上げです。3万円と捉えると大きいですが、300万円と比較するとそんなに感じない。まさに人の感覚は不思議なものがありますね。
政府の予算に対しても同じような感覚があるのかもしれないですね。100億、1000億単位で簡単に何か話している感じを受けますが、予算が全体で100兆円もあったら、たしかに小さな金額に錯覚してしまうのかもしれません。増税は仕方ないと思いますが、使いみちは精査してもらいたい。意味もないと思うような使いみちはやっちゃいかんよな、と思います。
ジョブ理論②
2017年12月14日
早嶋です。
環境分析を行う際に顧客や市場の分析は外せない。製品やサービスが売れるであろう性別や年齢などの属性を想定して相関分析を行うのが一般的だ。しかし、企業が本当に欲しい情報は相関関係だけだろうか。それは多分違くて、なんで買うのかという、因果関係が欲しいと思う。
例えば経済雑誌の行動くそうは40代男性管理職と分かったとしよう。これは調べなくても確かに、そうよねと思うくらい、相関性は高いだろう。では、これはそのまま因果関係として整理してよいだろうか。つまり、40代男性管理職だからその経済雑誌を購買すると。
しかし、それは一概には言えないはずだ。そう、伝統的な顧客分析は常に相関にフォーカスしており、もっと企業が欲しい因果関係を意外とあっさり無視していることに気がつくのだ。
これに対してジョブ理論をベースに考えると、どのようなジョブを片付けるために経済雑誌を雇用するか、とするのだ。すると片付けたいジョブは、情報収集、暇つぶし、格好良く見せたい、と言ったジョブが見つかるはずだ。とすると先の40代、男性、管理職との関係性はさほど重要にならないということがわかってくる。
ジョブ理論①
2017年12月13日
早嶋です。
ジョブ理論。イノベーションをどのように創出するか。あらゆる業界や企業が解を欲しい答えだ。元来、日本企業の方向性は徹底的に機能や性能を向上させることだった。結果的に日本品質が確立されたが、良くても高いと揶揄される。終いには上層部を忖度して現場レベルではやっちゃいけない改ざんの嵐だ。
欧州はもともとの戦略が明確で品質レベルを規定し、そのかわりに見た目や感情に訴えるデザインやブランドに特化することで高い利益率を得るビジネスを得意とした。
米国は同じように品質レベルを規定し、それらを標準化して無駄な商品エクステンションを行わず業界のプラットフォームを作る発想を持って事業を開発した結果、安く提供する仕組みを構築した。結果利幅が大きくなった。
日本の商品は良いが高い。そして企業にも益が残りにくい。欧州の商品はそこそこ良い。でもデザインが良い、ブランドがあるということで高い定価で売れた、結果企業には益が残った。米国は合理的なビジネスの結果、そこそこの機能でも収益が高い商売を続けることに専念した。そのような関係が続くなが、中国が全く異なる方向性から新たなビジネスを次々に生み出している。イノベーションだ。
中国は、もともとは国策企業がガンジガラメに事業を行っていた。従って、目立ったビジネスは生まれなかった。官僚の子供は幼い頃から帝王教育を受け、早い段階から海外で学び欧米と一部日本の良い考え方を吸収した。そこにもともと宿っている中国のビジネスセンスがマッチして、業界や企業の常識、枠組みを超えたところで、国と関係ない個人が次々に兆の規模のビジネスを誕生させている。
ではでは、機能とデザインとブランドの3つが商売繁盛のパラメーターか。多分、簡単な理屈で片付けることは難しい。しかし、学者は常に物事を帰納的に捉え、何らかの演繹的な理論が見いだせないかを研究することを生業としている。ジョブ理論は、理論というよりはまだまだ経験則や法則に違いと思うし、従来のマーケティング発想や顧客発想に近いが、それを「ジョブ」と比喩でおいたのが素晴らしいと思う。さすがだ。
ジョブ理論の理屈はこうだ。ヒトは「片付けなくてはならないジョブ(用事や仕事)」を片付けるために商品(製品やサービス)を「雇用(購買して使用)」すると考えるのだ。これまでは、顧客のニーズやウォンツという極めて概念的な言葉で表現されたものをジョブと捉えたのが面白い。また一部ではソリューションと言われてまたまた難解になり、何かITの投資をしないと手にはいらないのではないかという妄想まで生まれていた。しかし、ここをジョブのために雇用するという極めてシンプルな表現に置き換えることで、様々な思考の切り口を整理し、変えていくことを提案している。
イノベーションの定義を、ヒトが片付けようとしているジョブを何であるかを突き止め、その問題を解決するために雇用できる製品やサービスを作ること。と定義し直したのだ。これまでイノベーションは、その名の通り、革新的な技術や革新的な考えとか訳され、A=Bみたいな言い回しになっただけで、具体的に何をするんだ、的なことを論じることはなかった。或いは、イノベーションは世の中を変える何かという理解は深まったが、それは具体的に言うと何を表すか、などをシンプルに解く人はいなかった。しかしジョブ理論の定義は極めてシンプルでわかりやすいと思う。
例えば、マーガリン。バターの対抗馬として生まれた。バターは動物由来の脂肪を使っているのに対して、マーガリンは植物性の脂肪を使うために安い。というのがマーガリンのこれまでの説明だった。が、ジョブ理論をベースに考えると、ヒトはなぜ商店でマーガリンを買うのか、ではなく、どのようなジョブを片付けるためにマーガリンを雇用するのか、と言い換えるのだ。
例えば、朝の忙し時期に、硬いパンの上に載せてパンを食べやすくする、と考えることができる。となれば、その場合の競合は、はじめから柔らかいパンであり、マヨネーズやオリーブオイルだって考えられる。そのように発想するとマーガリンは冷やしても固まってはいけないという開発方針がうまれるのだ。そうしなければマーガリンは雇用されないからだ。
この考え方は競合と代替として歴代の戦略先生が事例として出している。しかし、理論が難しくて同時に考えるのはなかなか難しかったのではないだろうか。競合は、その業界で直接的に形が同じで、顧客が解決する内容は同じ。代替は、業界に関係なく形も違う、でも顧客が解決する内容は同じ。でも、これをジョブと雇用と整理するだけで業界や商品の特徴などを知らなくても、自由な発想がうまるのだ。つまり、経営的なセンスやバックグラウンドが無くてもイノベーションについての議論が自由にできるのだ。
先のマーガリン、上記のような質問からは別のジョブも片付けることができる。例えば、調理中に食材が焦げないようにすることだ。このように考えるとバターだけがライバルではなく、焦げにくいフライパンそのものも注目することができる。そう考えると、フライパンと一緒に雇用される可能性があるので熱に対してすぐに溶けるという機能はあったほうが喜ばれる。
つまり、マーガリンをバターの対抗馬として考えた場合は、多分味にしかフォーカスしないと思うが、ジョブと雇用を考えることで、固くならない、溶けやすいという別の方向性も開発のポイントとして追加されるのだ。
脱ドンブリ勘定
2017年12月9日
早嶋です。
中小企業で数値目標を設置する企業は多いですが、殆どがドンブリ勘定しています。例えば、売上と利益の目標はあるのですが、その目標を事業部毎に細分化して管理している企業は少ないのです。大企業の社員からすると当たり前でしょうが、当たり前のことをちゃんと行うことは案外と難しいのです。
例えば、K事業、P事業、S事業、M事業の4つの事業を展開している企業をAとします。Aは2018年度の目標設定を売上15億、営業利益を13.5%の2億と目標設定しました。根拠を聞くと、過去5年間の売上が15億前後で営業利益が1億前後と変化がなかったから来年からは信用を増したいとのことで営業利益を倍にしたいという理由です。
リーマンショック前後の売上は17億を超えており、営業利益は2億円を達成していた実績もあり、経営者は難しくないとの自信を見せています。また、近年の生産性向上を全社員に普及しており、達成は可能だと話しています。
そこで社長に質問をしました。K、P、S、Mのそれぞれの売上目標と利益目標はいくらですか?と。すると、しばらく考え込んだ挙句に帰ってきません。設定していないのです。毎月の月次を見ると、部門ごとの売上は明確に管理されているのですが、K、P、S、Mと事業毎のコスト管理はかなりざっくりしていてドンブリ勘定になっています。
また、KとMは企画や営業を一緒に行い、PとMは製造と企画と営業が一緒に事業を行っています。従って、それぞれの事業で経費をどの程度使っているのか?などは正確に把握出来ないといいます。また、A社は本社とは別に視点が7箇所あり、そこにかかる固定費や別の経費は本社で一律に管理しているため、エリア毎の経費もよくわかっていません。
そこで手をつけた作業は数字の按分です。K、P、S、Mと本社というくくりでざっくり分けました。そして、4つの事業が過去数年間でどの程度売上を計上したかを整理しました。また、その事業の売上を上げるためのコスト構造を1つ1つ整理して紐解き、本社共通や一部共通していた経費も過去の流れ等を鑑みて按分するルールを決めて管理していきました。
すると、Kは1億(売上は5億)、Pは1.5億(売上は5億)、Sは0.5億(売上は1億)、Mが△1億(売上は4億)の営業利益を出していることがわかりました。そして、本社経費が1億かかってることがわかりました。
全体の営業利益は、KとPとSが稼いでいるのですが、Mが1億の赤字を出し、本社経費が1億かかっているため、結果的に営業利益が1億になったという内訳だったのです。それぞれの事業の中身を見れば、Mの事業は将来の投資を含めているので赤字であることは理解されていましたが、0.5億程度との認識でした。また、本社経費は少ない人数でかなりだぶついていることもわかりました。
そこで、2018年は売上を2017年と同じと考えた場合でも、経費をセーブして利益を明確に2億出すことを目標にしました。具体的には、Mの営業利益を△0.5億に押さえて、本社経費を0.5億で運営することです。また、K、P、Sもコスト管理を徹底して見直したところダブリが多くあり合わせて0.5はセーブすることがわかりました。
と、少し内部の数字を細かく見ただけで実に1.5億のセーブが出来たのです。もちろんシミュレーションの世界で、今回は売上に対して一切触れていませんが、それでも目標を設定して、細分化するだけで、事業の見通しは少しは良くなるのです。ドンブリ勘定のままではなく、来年こそは戦略にもとづいて数値管理を徹底していきましょう。
最新記事の投稿
カテゴリー
リンク
RSS
アーカイブ
- 2026年1月
- 2025年12月
- 2025年11月
- 2025年10月
- 2025年9月
- 2025年8月
- 2025年7月
- 2025年6月
- 2025年5月
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年5月
- 2011年4月
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年11月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2009年2月
- 2009年1月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年9月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年6月
- 2008年5月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2008年1月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年8月
- 2007年7月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月
- 2007年3月
- 2007年2月
- 2007年1月
- 2006年12月
- 2006年11月
- 2006年10月
- 2006年9月
- 2006年8月
- 2006年7月
- 2006年6月
- 2006年5月
- 2006年4月
- 2006年3月
- 2006年2月
- 2006年1月
- 2005年12月
- 2005年11月
- 2005年10月
- 2005年9月
- 2005年8月
- 2005年7月
- 2005年6月
- 2005年5月
- 2005年4月










