
満足度に置換える指標
2017年8月10日
早嶋です。
クライアント先で、既存顧客のレーティングを行っています。企業が顧客を評価するというのは失礼な話ですが、そもそもマーケティングのスタートは顧客を分けることからスタートします。その企業は、地方で数十規模の店舗を持ち、生活に根付いたサービスを提供する企業です。
行った分析は2:8の分析の2割にフォーカスした取組です。2割の顧客が売上に貢献しているのだけど、本当にその企業にとって優良な顧客と言えるか?という仮説からスタートしました。行ったことは、上位2割の顧客に対して、どの程度が企業にロイヤリティを抱いているかを様々な確度から分析しました。通常、企業が顧客に対して調査する指標は満足度です。その場合、◯◯に対して満足ですか?という指標をゴールに5段階等で満足度を調査します。しかし、私の仮説では、満足度が高いのに売上が低い、或いは利益率が低いという企業を結構な頻度で観察していました。従って、mROI(マーケティングコストに対しての投資効果)という観点から満足度は若干弱いKPIなのではと思っていました。実際、上位2割の顧客の満足度は低い顧客もいました。当然、満足度が高いのに売上貢献が低い顧客もいらっしゃいました。
そこで、満足度の代わりにおすすめ度という尺度で顧客から評価をもらい、それに対して売上や利益の相関を取る分析を行って来ました。このおすすめ度という尺度は、米国のベイン&カンパニーが推奨する指標でそこではNPS(Net Promoter Score)と称されています。ベインの事例では、おすすめ度を10段階で評価してもらい、再びその商品の購買をおすすめしたいか?を10段階で調査します(もし、その商材が競合が利用することで自社のポジションが下がるような場合は、自分と同じ課題を持つ中に対しておすすめしたいか?などと表現を変えて調査をおこないます)。上位の9、10をマークした顧客や企業をPromotoerとして評価し、それ以下は段階的に名称を付けています。
そこで同様の調査を行い、Promoterの売上や利益率とそれ以外の売上や利益率を比較した場合、正の比較的強い相関が見えました。サンプル数は40程度でしたので、確かではないと思いますが、満足度と利益率の相関、継続したいか?という指標と利益率の相関、おすすめ度と利益率の相関で最も高かったのがおすすめ度でした。ということは、企業のKPIの1つ、マーケティング指標の1つに満足度よりもおすすめ度を用いた方が、より経営効率を高めることができるのではという仮説が成り立ちます。
いずれにせよ、マーケティングのゴールは販売を不要にして、楽して経営が成り立つ仕組みを作ることです。特に小さな企業は、嫌な顧客に対して媚を売って、値切られるよりは、こちらから堂々と選ぶこともありなのです。一方、大企業はそうは言ってられません。その取捨選択をすると、企業が必要な売上や利益を確保できなくなるからです。
良い売上と悪い売上
2017年8月9日
早嶋です。
経験則に2:8の法則があります。私も好んで活用しますが、全体の2割りの売上に対して曲者がひそんでいることを近年よく思います。会社の売上は主要な顧客の2割で全体の8割を占める。売上が利益になったり、企業に対しての貢献度になったり、数字の対象は状況によっとことなりますが、経営に満遍なく散らばるということは無く、偏りが生じることの例えです。
行動心理学の大家、リチャード・H・セイラー氏は人は心の中にいくつかの会計勘定(メンタルアカウンティング)を持っていると提唱しています。その際の理論は、あぶく銭として得た100万円と努力して得た100万円は同じ金額であっても使い方が異なるという説明です。入手方法によって、その価値が実際は異なり、それをメンタルアカウンティングと称したのです。
企業の上位2割の顧客の売上にも色があると思います。例えるなら良い売上げと悪い売上です。良い売上は、その企業が提供する商品が、購買した企業の課題を解決して、その企業の売上を上げることに貢献しているものです。従って、顧客は企業にある程度のロイヤリティを感じ、継続的に購買するインセンティブがあります。
一方、上位2割であっても上記と異なる売上が観察されます。悪い売上です。これは、購買に対して満足ではなく、不満でもない状態です。しかし、仕方なくその会社と取引を続けている。なんとなく、他と比較しても代わり映えしない、しかし企業の商品を活用しないと自分たちの商売も回らない。積極的に購買しているのではなく、必要性に応じて購買している様子です。そのような場合は、金銭的な違いしか比較相手との違いで見いだせないので、値引きやオマケといったものを付けての提供などをしています。
企業が知らずしらず売上だけを目標指標に使用すると、企業にとっても価値の低い顧客に対して商品を提供することが自然とでてきます。最悪なのは売上はあるが、顧客のロイヤリティがついてきていない場合です。従って、売上に対して色分けをして良い売上げにこだわることが今後の生き残りのポイントになります。
電気自動車関連の成長
2017年8月7日
早嶋です。
日本電産の業績が伸びています。2018年3月期は連結で純利益の予想が1270億円です。内訳は電気自動車向けのモータ、センサ関連が伸びていることです。
2016年までの売上と利益は当社のWeb (※1)より分かります。売上のセグメントをみると。2007年頃から精密小型モータは3,000から4,000億を推移。2010年ころから車載、家電、商業、産業用のセグメントが大きく躍進して現在では精密小型モーターをしのぎ6,000億円の売上を上げています。
世界的には中国、ドイツ、フランス、イギリスなどが表明するように、ガソリン車は販売中止になり、電気自動車が主力になる予測が明確です。ガソリン車には機械的な部品が主力でしたが、電気自動車になると電子部品が主な部品になっていきます。そうすると、日本電産のような会社の成長が今後続々と出てくることが予測されます。
例えば、リチウムイオン電池では、セパレーターの供給企業である旭化成や東レ。正極材は住友金属鉱山や戸田工業。負極材は日立化成やJFEケミカル。電解液では三菱ケミカルや宇部興産です。
モーターの駆動用モーターでは、明電舎、日本電産、安川電機、日立オートモーティブシステムズ。レアアース磁石では信越化学工業、日立金属。電磁鋼板では新日鉄やJFEスチール。加えて充電インフラなどは日本ユニシスやトヨタ自動機器。インバーターは明電舎やカルソニックカンセイなどが躍進するのではないかと思います。
壁を乗り越える(問題解決力)
2017年8月6日
シニア・コンサルタントの原です。
地震や水害による災害が身近に起こっています。
災害により被災者の生活が困窮に陥るなど、人生が変化していくことにもつながっていきます。
私の実家も、平成2年の台風19号の被害に遭いました。それまでは、林業を経営していましたが、生活の基盤であった山林を失いました。
私は、家族や自分の人生が、今後どうなるのかと眠れない日々が続いたことを今でも思い出します。
その後、両親は、気落ちすることなく山林を開拓して、茶園とお米の加工業(ライスセンター)の経営にチャレンジしました。
茶園は、何度も苗木が枯れるなど失敗を繰り返しましたが、今では地域でナンバー1クラスの茶園に成長しています。
災害で荒れた山林の伐採作業、土づくり、植林、茶摘みなど、茶園づくりを通して新規開拓への苦労と失敗からの成功づくりを学ぶ機会となりました。
その間、私は大阪の夜間大学に働きながら通いました。夜間大学のメリットは、経営者に出会うきっかけも多く、大阪商人さん達からは商売に関する多くの学びや気づきを与えて頂きました。
卒業後は地元に戻り、サラリーマンしながら休日には、実家のライスセンターと茶園の作業を手伝ってきました。
そして、壁を乗り越えることに近い分野「問題(課題)解決力」に興味を持ち、BBT大学院に入学し大学時代と同様に、働きながら2年間の学びに取り組みました。
「光陰、矢の如し」と言いますが、災害から25年以上が経ちました。
こういった学生時代からの積み重ねと多くの仲間達のおかげで、現在の経営コンサルタントや研修講師を務めることができています。
災害などに遭い窮地に立たされた人達は、大きな壁を乗り越えています。乗り越えるには、資金や技術・知識も必要ですが、ゼロからではなくマイナスからスタートしていく精神力の高さと粘り強さが前提だと考えます。
そして、その根底には、「人や地域を守る」というミッション(使命)やビジョンがあるからこそ継続できるのだと考えます。
ピンチはチャンスなどと、決して軽々しくも言いたくはありませんが、問題解決を繰り返し壁を乗り越えることで、人間は大きく成長できる機会になるのだと実感しています。
パワーレンジャーとチームビルディング
2017年8月3日
早嶋です。
パワーレンジャーが公開されます。何のことかと言うと、日本版のゴレンジャーシリーズがハリウッド化されたのです。そう、赤レンジャー、黄レンジャー、桃レンジャーのあれです。毎回ワンパターンでそれぞれのヒーローが代わり番こに主役になって、最後はチームの力で悪に勝つ。
戦隊モノシリーズは、1990年台にアメリカに輸出され独自の進化を遂げてきました(今回の作品はアメリカらしく150億の制作費がかかっているようです。)。しかし、当時の輸出は壁が2つあったと言われます。1つは、ヒーローの一番の見せ所、名乗るシーンです。赤レンジャー、●●とか、青レンジャー、△△とか見せる場面で必ずそれぞれのヒーローが名乗り、ポージングをします。
合理的な当時の米国人からすると、その瞬間に打たれるぞ。ということで却下去れ続けられたそうです。しかし、それが徐々に見せ所であることが理解され、今では米国のヒーローも名乗る方向性に変化しています。実際、視聴者はそのシーンを自分で回想して、思い思いに変身ポーズとキメ台詞を口にしてあそんでいるのです。
2つ目は5人組ということです。スーパーマン、バットマン、スパイダーマン。米国初のヒーローは通常は1人。皆で力を合わせて問題を解決するなんてことが受け入れられなかったのでしょう。
しかし戦隊モノの基本はチームです。何かの理由で、互いに知らない、関係ないメンバーが集まります。チームとは言えない集まりが目的を認識して、自分の役割や責任を考える様になり、ジワジワ対立するメンバがリーダーの元意見の整合性をあわせ、チームへ変化します。敵対していた仲間も互いを認め切磋琢磨してチームと個々人がともに成長しながら悪に立ち向かいます。最後はチームの結束力や一体感が生まれ目的を達成する。そして、最終的には解散して各自がまた独自の歩みを始める。
考えるとよくあるパターンですよね。心理学者のタックマンが提唱するモデルにタックマンモデルがあります。チームは形成しただけでは機能せずに、混乱する時期を経て機能として動き出すという理論です。戦隊モノはまさにこのモデルに合致しているため人の心をつかみやすかったのでしょう。
加えて、5人もヒーローがいれば、様々なバックグラウンドがいて、必ず自分が共感するヒーローが出てきます。多様な人種や文化や思想の中で生きていく米国人に取って、この要素も受け入れられた背景にあるのです。
成長過程のトップが意識すべきこと
2017年8月1日
早嶋です。
成長過程の社長に多く見られる特徴が3つあります。自分のスケジュール管理ができなくなること。忙しいのが社長で、その管理を自分で行っている時についついダブルブッキングや穴が空く。基本的に、社長が参加しなければならない会議に穴が空けば、そこに参加した工数分が一気に無駄になります。
2つ目は、意思決定のバランスが悪く、細かい事業まで昔のように突っ込んでしまう。結果的に、全て自分が把握しないといけないと感じ、全てのボトルネックが社長になる。当然スピード感が薄れ、スケジュールも大幅にずれこみます。
最も多いのは、これでしょう。社長の考えは全て伝わっていると信じること。自分が考えていることが右手、左手、ないし社員に対して浸透しているという気持になってしまいます。しかし、実際は機能されている組織でもギャップがあります。成長過程のスピード感早い組織は流動的で何が何だか分からなくなります。最も重要な目的やビジョンは常に社長が言葉にして、幹部も同じレベルで話せる状況にしておくことが大切です。しかし実際は、伝わっていると勘違いして、それを前提に進めるため非効率な結果をうむのです。
1つ目に対して、スケジュール管理ができなければ、秘書を雇って、その部分のアウトソーシングをする。2つ目の意思決定に対しても、ある程度のルールを作り、現場に権限委譲する部分を明らかにする。そしてトップのビジョンは中途半端に語らずに、常に現場に出向いて自分の言葉で語りかけ、現場から帰ってくる返答に応じて組織の理解度を自分でチェックする。などは心がけるべきです。
特にスケジュールに関しては、長期的に確保している役員会や複数名以上の意思決定の場を、短期的なパッと飛び込んできた仕事で穴をあける。確かに、今のチャンスを逃すことも考えられるが、それだと計画性が無く、突発的に組織の仕組みになり結果、どのフェーズになっても追われている状況を自ら組織に作り出されることになるのです。
「ストレスチェック実施の活かし方」
2017年7月31日
シニア産業カウンセラー・THP心理相談員・キャリアカウンセラーの安藤です。
今回のテーマは、「ストレスチェック実施の活かし方」についてです。
2017年7月27日付け日本経済新聞に「ストレスチェック実施82%:厚労省調べ 義務化後も徹底されず」の記事をご覧になっていらっしゃいますか?
詳しくはこちらを →http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172107.html をご確認くださいませ。
業種別としては、金融・広告業が最も高く93.2%。全事業所の従業員のうち、78.0%が同時的までにストレスチェックを受けていました。医師による面接指導は32.7%。また、努力義務となっている集団チェックの実施は8割です。元々このストレスチェックの目的は、1.個人においては第一次予防として自身のセルフケアーに活かすこと、2.集団チェックは結果を踏まえて部署による多い・少ないなどストレスの現状を分析し、仕事の割り振りなども含む職場環境の改善取り組むことでした。
ストレスチェックは、メンタルヘルス対策の一環として実施されているのはご存知のことかと思います。そのメンタルヘルス対策の意義には、1)労働者の健康の保持促進 2)リスクマネジメント 3)労働の質の向上と事業場の生産性向があります!。
特に3)には、良好なコミュニケーションでの生産性向上、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が挙げられています。
組織分析の目的は、あくまでも職場改善、働きやすい職場づくりにありますが、どう活用したらいいのかわからないという声もあります。そこで、厚労省はやりっぱなし、分析で終わらない為に職場環境の改善方法や医師の面接指導に関するマニュアルを作成するとしています。現時点では、職場環境改善のためのツールとして、「職場環境改善のためのヒント集」や「メンタルヘルス改善意識調査票」、「従業員参加型の職場環境改善ワークショップ」が紹介されています!。
ストレスチェックは使い方次第で職場環境の問題点(仕事の量・質・職場でのコミュニケーションのあり方等)が明確になります。私自身も企業でのカウンセリング時には「ストレスチェック」を活用しています。「メンタルヘルス研修」においては、管理者(ラインケアー)研修で部下との面談にどう活用するか等指導させていただいています。それはメンタル不調の低減、そして生産性を上げるための風土づくりに活かすことができます。どちらにしても、何の為に、ストレスチェックを実施しているのかを周知し、これから ”職場改善” をするには、何を目指して、どんなスケジュールで目標と計画を策定していくことが必要ではないでしょうか。ぜひ、”ストレスチェック” を ”職場改善” に活かし生産性向上に活かしていただきたいと思います!
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
【個別相談】
「日ごろから攻撃的なタイプの部下がいます。苦手なこともありどう指導していいかわかりません」という
管理職の方からの相談です。部下の方は何方に対しても攻撃的でしょうか。まずは、その方の行動・態度を観察してみてください。攻撃的になっていない相手もいらっしゃるのではないでしょうか。その場合その人はどのように接していらっしゃいますか。次に攻撃的になっているのは自己防衛、または、不安・不満を抱えている場合もあります。その方に“傾聴”の姿勢で聴いてみてください。
第一歩として、お互いの関係性を変えることからスタートしましょう。
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仕事の目的を考えてみる。
2017年7月28日
早嶋です。
入社3年目、5年目の社員の意識って企業によってかなりの格差がある。次のような質問をするとおよそその会社の雰囲気やトップの考えやマインドがみえてくる。
「あなたは何のために働いているのか?」
最も多いのが「お金のため」、「家族のため」、「生活のため」。一方で、伸びている企業や活気がある企業は、これに加えて「自分がやりたいことを実現するため」と何らかの目的がある程度明確に帰ってくる。或いは、前者の答えであったとしても、それは何のため?と深掘りをするとかなり普段から考えている形跡が見て取れる。
当然、前者のような回答が多くあがる社員は、企業のミッションが何で、企業がどのような方向性に向けって仕事をしているのかを把握していない。それも当然。トップ自身や経営マネジメントも、それに対して方針がないからだ。中期的なビジョンを示すことなく過去の延長で生きている。なんとかなった時代は終わり。今後は、淘汰される。そう思った2000年頃から17年。実際はなんとななっていると何処かで今でも思っているのだろう。
大手企業の子会社や中堅の会社に加えて、非上場企業である程度のサイズ感の会社でも、この手の社員やマインドは多い。そしてその傾向は入社数年の社員の離職率の高さに現れてくる。ある程度仕事の全体がつかめる3年、脂が乗り始める5年目前後で経営方針がはっきりしない。かと言って自主的に活動をするとストップがかかる。意味がわからない。このまま自分の人生を見た場合、この会社にいても腐るだけ。そう考え、優秀な社員やマインドの高い社員は去っていく。残された社員は、そのことにも気が付かず、疑問を持たず、気がついたらゆでガエルになってしまう。
そのような会社が生産性の成果を全く考えずに、近年は働き方改革という標語を抱えて、定時に変えることを美徳とする。従来の仕事の仕方や考え方や効率はそもままなので、インプットの時間が短くなると当然ながら成果は下がる。そのヘッジを子会社や系列、外部の会社に丸投げする。従って、本質的な仕事のキモは内部からどんどんと外部に流出していき、いつの間にか仕事を取って、左に流すことが仕事になる。
まぁ、最終的にそのような会社は存在意義がなくなるので、崩壊する、或いは規模が小さくなる、或いはその業界で戦略的に伸びている企業の資本傘下になり、何も考えてこないで退化した社員は一気に淘汰される日々がやって来るのだろう。
時間管理の3つの落とし穴
2017年7月27日
早嶋です。
若手社員の時間の使い方について議論する機会があった。基本的に、1)工数の読みが甘い、2)リストアップ型の仕事に依存、3)目的が不明確で仕事のゴールイメージや完成形がない、という3点について課題が浮き彫りになった。
1)工数の読みが甘い。例えば、時間の管理についてどのような悩みや問題を抱えているかを議論した。多く上がったことが①「仕事以外に組合の取り組みや、女性活躍委員会への参加があり予定が読み辛い」、②「仕事を計画的に進めていても予測外のことが起きてしまいスケジュールがずれ込んでしまう」、③「仕事を進める上で、上司マターの事が多く途中で中断してしまう」、④「繁忙期があり、1月から3月はコントロールが一切できない」、⑤「問合せの仕事が多く、どうしても自分の仕事が後回しになってしまう」と言った具合だ。
例えば、①や②は初めての取り組みであれば致し方無いが、それを数年続けているのであれば、そのことを加味した計画が必要だ。通常の仕事を10と考え、予測外の仕事を過去の経験則から割り出して+3くらいあるのであれば、仕事の分量を13と捉えて始めから計画に加味しておくのだ。人の計画はかなり楽観的で、不足の自体が起こることを知っていても中々計画に入れないものだ。自分は大丈夫だとどこかで思ってしまっているのだ。
③のような現象に対して、突っ込んでヒアリングを重ねると大概が上司に投げるタイミングが遅いのだ。従って、上司も判断に困り、既に他の社員や外部の組織を頼って解決する方向性にいるかもしれない。予め業務の流れを理解していれば、上司の判断が必要な事象に対しては事前に耳打ちして仕事をするのが常識だ。が、若手社員となればそのようなことを自ら考えず1人で悶々と抱えこなそうとしているのだ。
④に関しては、これは完全に会社がコントロールする問題がおおい。明らかに仕事の負荷バランスが異なる場合は、ある意味諦めるか、そのようなものだとして受け入れるしかない。しかし、一定期間、そのようなサイクルが続く場合は別で、根本的な解決策を探す提案をしたり、相談を会社に上げるのが当人の役割と言うものだ。
⑤に関しては、多くの場合棚卸しや、問合せ対応に対しての標準化などをせずに、毎回もぐらたたきの様にただひたすらとこなすことに躍起になっている。クレジットカード会社のように、定期的に問合せ内容を整理して、大半の似たような問合せについては標準的な手続きを決めて置けばよいのだ。更に、そのような取り組みが一定期間続くのであれば、根本的に問合せがあることに疑問を持ち、そもそもの上流の仕事について改善を提案することも重要だ。
2)リストアップ型の仕事に依存。例えば月曜のはじめに机に座って、今日、或いは今週の仕事内容をリストアップする。そして、それらの仕事をやりやすい順番や好きな順番などでこなすようなスタイルだ。一見、何も問題はなさそうだが長期的な取り組みが無視される傾向が強い仕事のやり方になる。
リストアップすると、全ての仕事が同列にみえて来るので、どうしても直近の時間に縛られる、納期が迫っている仕事を優先的にこなし、長期的に時間をかけて取組まなければ成果が出ない仕事はついつい明日からということで後回しになるのだ。結果的に、その仕事は毎日、或いは毎週繰り上げられて、気がついたらリストアップすること自体を忘れてしまうのだ。そう、この手のスタイルで仕事を続けると、処理能力だけがあがり、将来的な伸びが全くなくなるのだ。
この手の仕事に対しては、先ずはリストアップする期間を1週間とか1ヶ月とか短い期間ではなく、半年から1年と少し時間の間隔を伸ばして行う。そして、リストアップした仕事に対して重要度と緊急度の2つの視点から評価を行い次の4つに仕事を仕分けする。
①重要度高い、緊急度高い
②重要度高い、緊急度低い
③重要度低い、緊急度高い
④重要度低い、緊急度低い
仕分けを行ったら、自分の仕事がどのような分布になっているかを観察してその意味を考えると良い。例えば、③や④の仕事が多いとしよう。もし入社歴がかなり浅い場合は仕方ないが、ある程度会社に属しているのであればこれらの仕事は見直しの対象だ。特に④の仕事に対してはする、しないを明確に決めてしまわないと時間なんていくらあっても足りなくなる。③のしおとに対しては、ルーティンでくるから、そもそもの仕組みを見直すべきなのだ。
①の仕事ばかりこなしている人も注意が必要だ。このような人は成績はそこそこだが将来の伸びが心配だ。いつも目の前の仕事に対して一生懸命過ぎて、先に対しての投資や準備を一切行っていない状態だからだ。考えてみると緊急性の高い重要度の高い仕事とは、過去に発生した仕事を現在進行系でこなしているだけで、今は良いが、将来に全くつながらないのだ。
そこで意図的に②の仕事を複数行いながら①に時間を割くのが私は良いと思う。ただ、②の仕事は先に説明したとおり、どうしても先送りしてしまうので、この仕事こそ1年分スケジュール帳を開いて先に予定を確保するのだ。そして、いざその瞬間がきた時に①や④の仕事が舞い込んでも先ずは無視して②の予定をこなすのだ。そして改めて①や④を行う。緊急度の高い仕事は、1時間や2時間遅れたところでどうにもならない事が実際多い。一方、②の仕事を計画しても行動を行わないとすると次から全く行わないことが習慣化して結果的に将来も今も仕事の能力や伸びが変わらない人材になるのだ。
3)目的が不明確で仕事のゴールイメージや完成形がない。例えば、上司からこの資料を来週の月曜までに纏めておいてくれ。とかいう仕事が振られた時に、目的や使途を全く尋ねないで安請け合いしてしまう。なんとなくイメージで浮かんだやり方が脳裏に残り、しばらく放置。そして月曜に近づく金曜の午後に、思いついた様にリストアップして猛烈に資料を整理していく。しかし盲点はここにある。そもそもの目的やゴールイメージがないため、最高に高度な、とっても手の込んだ資料を作ってしまうのだ。結果的に金曜の夜に残業をすることもある。そして自己満足を十分に満喫した後にメールで提出しておくのだ。
上司の反応は代替こうだ。良い資料だね。でもこの程度で良かったんだよって。そして、おいおい、早くそれを言っておいてくれよ。と。が、上司はそんなもんだ。指示をする際に、その理由や程度を明確に伝えて仕事をフル上司がいることは稀。従って、指示を受けた時点で目的や成果物のイメージを考え、取り掛かる前に上司に確認して置くことだ。するとどの程度の工数をかけるべきかの判断が出来るのだ。当然、その程度に応じて成果物にかける時間は異なってくるので無駄が削減されるのだ。
人間は、将来に対して楽観的になりがちで、自分の能力を過信してしまう。従って計画は常に甘くなることが常だ。そのため、いつも厳し目に納期を見て、スケジュールにバッファを持たせることが重要だ。そして仕事は長期的な仕事から先に計画してスケジュールを埋める。重要な緊急度の高い仕事に騙されてはいけない。最後に、常に作業については目的やゴールイメージや使途などを確認して、どの程度行えば良いのかを確認してから取り掛かることが重要だ。
レゴの商売
2017年7月25日
早嶋です。
週末、お台場にあるレゴ・ディスカバリーセンターに息子を連れて遊びに行きました。子供は大喜びですが、大人の視点、客観的な視点で見ればリピートはないし、年間パスのバリューも感じなたっかたです。商売としては成功でしょうが、ミッションとしてはどうなのかな?と思うばかりです。
理由は、入場料の割には、1)施設の老朽化を整備していない、2)子供だましの感がやはり否めない、3)営利目的に走り過ぎている感が否めない。です。
レゴのミッションは、『「Inspire and develop the builders of tomorrow(ひらめきを与え、未来のビルダーを育もう)」』ですが、お台場の老朽化した寂れた施設から、そのミッションが感じられることはありません。いたるところでキャッシュを得ようとする発想しか感じません。得たキャッシュを、再投資して子供の創発に投資するアイデアは皆無で、むしろ自社が利益を得て満足しているとしか思えません。
そもそもレゴのラインナップで、完成した商品が多すぎます。創造性を養う、閃きを与える、という本来の趣旨からして、かなりずれています。例えば、キャラクターとタイアップして、その世界観を創り出すことはよいのですが、子供は決められたモノしか作れなくなります。説明書を見て、そのとおり作り終了。本来のレゴは、基本的なパーツを組合せることで無限大の制作物が作れる商品です。であれば、基本的なパーツのバラ売りをもっと強化しても良いと思うのですが、一部の店舗でしかバラ売りはありません。むしろ出来上がった半完成品に近い商品のオンパレード、そしてその企画展開に力を入れて収益を上げています。
これでは、ミッションで言っている『私たちの究極の目的は、子どもたちが創造的に考え、体系的に論じ、潜在能力を引き出して未来の自分を形づくれるように、ひらめきを与えて育むことです。子どもたちには終わりなき可能性を追求してほしいと考えています。.』の思想から相当ずれている感覚を感じます。
レゴが、子供のことを考えることから利潤を追求しすぎているのは、名古屋のレゴランドからも見て取れると感じます。こちらのプライシングですが、とにかくキャッシュ化を急いでいるように思えます。現在の経営状況が苦しくてキャッシュをとにかく前倒しして得たいのでしょう。前売りと当日券の価格差があまりにも大きすぎます。このようなプライシングをするぐらいであれば、始めから当初の料金をもっと子供に優しい、ファミリーに優しい金額に設定すべきだと思います。
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