早嶋です。
コンサルティングの仕事の多くは、経営者やクライアントの頭の整理です、特に早嶋の場合は。先日、3社共同で進めているプロジェクトのファシリテーションを行う機会がありました。それまで3社で集まることはあっても、3社が集まってビジネスの話を真剣に行ったのは、そのときが初めてでした。
議論した内容は、3社共通のゴールと各社の役割。そして、共通のゴールを達成するための通過目標の設定とそれを達成するための行動です。文字に書くと極めてシンプルなのですが、会議を始めると難航します。理由は、3社が持っている情報が微妙に違ったり、2社間で共有しているけれども残りの1社が知らない等々です。そして、各社自社の利益の追求を一番に考えているという理由もあります。これまで、このことが理由でお互いが疑心暗鬼になったり、勝手に進めたり、やらなかったり、ということが続き、プロジェクトは結成されたものの思うように進んでいませんでした。
はじめに行ったことは、そのプロジェクトが軌道に乗った場合、各社がともにWinになることの共有でした。そして、その姿は3社が協力をして初めて成功するということの確認でした。このイメージを膨らませ、そして具体的な数字や状況に落としていきます。つまり共通のビジョンを3社の代表を交えて確認していきました。それからです。各社がこれまで持っていた情報や確認したい質問事項、疑問に思っている内容を発言共有し始めたのは。共通のプロジェクトの場合、やはりWinWinの関係で進めています。その場合、効率敵に行う場合、互いが包み隠さず情報を共有することです。その状況が最も効率的に最も効果的な成果が出易い環境になります。
改めて共通のゴールの共有の大切さを感じました。
2011年9月 のアーカイブ
共通のゴール
ちょっとだけ見えるようにする
早嶋です。
頭で考えた事は、メモで良いから紙に書く事を進めています。メモの形式は、文章、箇条書き、単語の羅列、絵、図等々、形式は問いません。理由は、頭で考えたことはすぐに忘れるからです。
将来のビジョンを考えるという作業は、誰でも行うと思います。しかし、誰もが深く考えないで、その事を形式化しません。形式化とは、難しく考えないで、単にメモを取る程度でOKだと考えます。メモを残す理由は、次にその事を考えた場合、前回考えた時点からさらに深堀できるからです。しかし、メモが無ければ、またはじめから考えて深堀することができません。中には、前に考えたことを忘れてしまう事もあります。
頭の中の情報は、凡人にとってなかなか取り出しにくいのです。そのための補完の方法にメモがあります。頭の中の情報は、個人の暗黙値です。従って、本人もなかなか取り出す事ができません。そこで、個人の形式値にかえるのです。これはメモでも音声でも、何でも良いと思います。再現性さえあれば、次に見た時に考えが深化するからです。
個人の形式値にすることの利点に、もう一つあります。こうすることによって他者に伝え易くなります。つまり個人の形式値から組織の形式値へとかわります。伝える内容を視覚化しておくことで相手により正確に伝達し易くなるのです。
やりなおし消費
早嶋です。
消費者行動の中で近年言われる言葉。やりなおし消費。小さな頃に習い事を行っていたけど、不完全で終わらせていた。それを今、再び40代くらいからの大人が子供の頃に行っていた、或いは、やりたかった習い事を始めているのです。多くの習い事は1970年代、1980年代にかけて行われていたもので、水泳、剣道、クラシック、書道、そろばん等々。
人生、折り返しをすると何か新しい趣味を始めるには勇気がいる。しかし、昔取った杵柄があれば道は明るい。きっとそのような気持ちで気軽に始めることができるのでしょう。この世代は、人口分布の中では多い、従ってこれがビジネスになり得るのです。小さい頃と違い、道具にこだわれます。書道と言えば、道具はピン切り。小さい頃は1本1000円もすれば十分の筆に、今では数万円。上を見ればきりがない世界。道具を買うことで既に満足してしまう気持ちもよく分かります。
やりなおし消費は、習い事以外にも、過去行けなかった旅行や結婚式などにも当てはまります。今は比較的に生活にゆとりができて、20年とか30年前と比べて可処分所得が増えている。このような時期だからこそ、昔出来なかった事を今実現したい!こんな消費行動も増えている事でしょう。今こそチャンス!今を逃したら!お金は天下の回りモノ。使える制だが一斉にお金を消費する文化は経済にとってよいこと。
皆、どんどん使ってほしいものです。
小さなピースの文化と大きなピースの文化
早嶋です。
文化の定義をウィキで調べてみました。いくつかの定義があるようですが、総じていうと人間が社会の成員として獲得する振る舞いの複合された総体のこと、だそうです。従って、年齢や地域社会や血縁組織など、人間が属するグループによって固有の文化があり、組織の成員になるということは、その文化を身につけるということだと書いています。人間は同時に複数の文化に属し、また異なる文化が共存することも可能です。
文化。近年は昔に比べてずっと安価で手が届きやすいものになりました。例えば、本、映画、音楽、芸術、舞台、等々です。その他にも学習や娯楽、ニュースやインスピレーションも当てはまるかもしれません。昔のように文化に触れようと思ったら、覚悟を決めて長い時間かけて習得しなくても、気軽にそれぞれの文化の断片に触れることができるようになりました。
経済学者のタイラーコーエンの論文に、文化の普及や現代人の捉え方の変化について、アクセスのし易さをキーにしていました。アクセスのし易さ。距離や時間や難易度です。100年前のコンサートと言えば、その会場に行くまで半日から一日をかけていた事でしょう。長い道のりは、徒歩も含めて今よりも随分と苦労が伴ったと思います。従って、コンサートの価値はその苦労を大きく上回るものだったと思います。そして、ただコンサートを見て終了するのではなく、その後の社交の場としての意味も大きかったでしょう。現在はどうでしょうか?移動がかかったとしても車か電車。都市部であれば1時間程度の移動で楽々その会場についてしまいます。そして、そのコンサートが終わったら余韻に浸る間もなく、別の予定をこしている事でしょう。
本は昔は貴重で高価なものでした。買いに行くにも、どこにでも売っているわけではありません。でも、今ではコンビにでもアマゾンでも気軽に本と接することができます。場合によっては、図書館で好きな本を検索して、その場で内部を閲覧することだって可能です。持って行くときも、何冊も鞄に詰めて行く必要がなく、手元のツールにダウンロードしておけば、いつでもアクセスが可能です。これは音楽や芸術、様々なもののアクセスが可能になりました。芸術や美術であっても、その映像や動画であれば、簡単にアクセスできてしまうのです。
これらのポイントをアクセスと言う点でまとめると、アクセスが簡単であれば、文化は断片的で短く、小さいものを好む。アクセスが困難になると、大規模で傑作と言われるものを好む。タイラーコーエンは、このことをピースと表現し、小さなピースと大きなピースと称しています。
つまり、アクセスコストが高ければ、小さなピースの文化ははじかれる。小さなピースは選ぶに値しないので、結果的に大きなピースの文化が選択される。そして、アクセスコストが低ければ、大小様々なピースの文化が選択され、結果的に小さなピースが好まれる。
小さなピースの文化が好まれる傾向は近年急速にすすんでいると思います。例えば音楽。そのアーティストのCD全部を買うのではなく、最も気に入った1曲2曲をiPodに落として聞いています。ユーチューブで人気が出ている動画の時間もどんどん短くなり今では2分をきっています。ネットの広告やラジオの広告もどんどん、シンプルに強いメッセージになり、短くなっています。新聞の記事や1つのニュースの解説もどんどん短くなっています。ウェブでの記事も、スクロールして読んだり、クリックして読み進める記事が減ってきて、文字数自体が減っています。ワインの書評、本の書評、映画の書評、レストランの評判、商品の評判。このような口コミサイトや評判サイトが常に人気を博し、このんで読まれています。そして、その競争はますます激しくなっています。
では、人はなぜ小さなピースの文化に手を伸ばすのでしょうか?なんといっても気軽で、どんどん新しい事に挑戦し易くなります。様々な事をしながら、隙間時間に文化に触れることができます。移動の合間、仕事の合間、休憩の合間。人生のありとあらゆる合間にも小さなピースの文化だったら断片から初めても抵抗がありません。小さなピースなので、毎日何か新しい、わくわくする何かを感じる事ができるかも知れません。
このように考えると、現在の人々が多様化していることが良く理解できます。昔は大きなピースの文化だったので、傾向としては社会の成員毎その傾向や考え方、立ち振る舞いが異なってきました。しかし、現在のようにアクセスコストが低くなり、かつ様々な小さなピースの文化を個人の意思によって選択できるようになれば、それらが独自の文化を形成して細かくなるのも理解できます。識者の中には現在の文化がチームなものになっているとの声を聞きますが、その評価自体が昔の大きなピースの文化の枠にはまっているのかも知れません。
はっきりなんかわからない
早嶋です。
マーケティングはサイエンスか?アートか?左脳が重要か?右脳が重要か?学問か?否か?
感覚的に優れたビジネスを実施している人はいるでしょう。しかし、ある一定の規模を超えると限界がくるかも知れません。自分達が行っている行動を説明することができないので、組織で共有うることが出来ないからです。その意味でサイエンスは重要です。これは左の脳みそが活躍する部分で学問として取り扱われるテーマを多々参考にすることができます。
しかし一方で、顧客の非合理的な行動の裏に爆発的なヒットや継続的なビジネスの伸びが隠されていることも現実です。その意味でアートも重要です。これは右の脳みそが活躍する部分です。
ビジネスが体系的にまとめられた本を読んだり、経験がない中で知識を得ると大きな誤解が生じます。例えば、顧客は合理的な思考プロセスのもとに消費行動を行っていると考えがちです。しかし、自分の購買行動を見れば明らかなように決して理論で説明できない部分もあります。
一昔前の消費者行動の研究では、あたかも消費者は合理的な判断に基づき購入プロセスを行っていると考えられていました。しかし現在では、そのような意思決定のプロセスが働くことは常態と言うよりも、むしろ例外的なものとして扱っている場合が多いです。消費者の購買までのプロセスはかなり自動的で、習慣や何らかの因果関係、無意識の作用に基づいて行われています。そしてその行動は、消費者の社会的な背景、物理的な背景によって大きな影響を受けていることが言われています。
近年のマーケティングのキーワードに、消費者の思考プロセスの95%が無意識のうちに起こっている!があります。消費者がそもそも気付かない、不明確なままで消費行動を行っているという説です。実際、混沌としており、記憶や感情、思考やその他の認識プロセスが複雑に絡み合いながら購買行動がなされます。
となれば、これまでマーケターが信じてきた消費者への問いかけ、アンケート自体が疑問視されつつあるということです。何故、そのレストランで食事をしたのですか?と聞かれた消費者は実際は何故だが全くわからないことが多いのです。顧客自身が意識しても考えることができないことを、熟練のインタビューワーを介すことで、あたかもそれまで自分が考えていたかもしれないと勘違いして、話を切り出すのです。極端な話ですが。
これは、自分が何かを聞かれた時のことを考えると良く分かります。何故?という事に対して自分の言葉で分かりやすく第三者に伝えるということはよっぽど経験がある人でない限り、とても難しい作業だからです。
GMSとビール業界の戦い
早嶋です。
ビール業界の規模は2.9兆円。売上高に占める純利益の平均は2.4%です(H21年3月決算より)。この動向は、ビール会社大手5社のデータ値で、ここ5年程度の推移は横ばいです。ちなみにビールメーカーの売上高は1位キリンHD約1兆円、2位アサヒビール約9500億円、3位サントリーHD約5700億円、4位サッポロHD約3000億円、5位オリオンビール233億円です。
内訳は、ビール、発泡酒の出荷量は年々減少しており、分かりに第三のビールがのびています。現在、第三のビールは全体の3割の出荷量で既に発泡酒を上回っています。また、国内のビール需要が頭打ちを迎える中、ビール各社はカロリーオフ、等質ゼロといった健康志向のビールの投入、ノンアルコールビールの投入に力を入れています。
さて、そのような事業環境の中、ビール各社の成長は新市場としての海外、多角化が考えられますが、実際はどれも厳しいものです。加えて、近年はこれまで顧客であったはずの大型流通店が自社ブランドを作り展開しているという全く考えていなかった戦いが始まりました。
大手ビールメーカーは、大量広告を投入しながら商品販売を行いますが、大型流通店は、消費者との接点を活用して商品企画や改良に力を入れています。例えばイオンは価格を武器に品揃えの幅を広げています。例えば、セブン&アイHD味の刷新を繰り返しブランド確立を目指しています。
例えば、イオンが去年の6月に発売した第三のビール、PBですが単品の累計販売は1億6千万本。同社の第三のビールの店頭売上のシャア3割を占めるようになりました。そしてこの勢いは、4月にノンアルコール2種の展開、6月に糖質50%の商品を追加、8月に国内初のPBブランドのビール、バーリアルラガーを展開と、ビール業界にとっても目を離せない存在になっています。強みは価格の安さです。
大手ビールメーカーと違って、圧倒的な価格で、スーパーの最も良い場所に大量陳列して売ることができるため、消費者の手に取ってもらう確立があがります。大量宣伝こそしていませんが、スーパーでの認知はビールメーカーにとって驚異的です。製造も韓国の大手ビールメーカーに委託して、商品の需要予測をベースに生産しています。釜山から全国の9カ所の港に船で流通させ、周辺のスーパーに届けます。これによってネックとなる物流コストをも低減させ更なる低価格を実現しつつあります。
大手流通店の強みは、商品開発や改良にも生きています。各グループで実際にクレジットカード等で購入した顧客の購買履歴を基に抽出した顧客から直接グループインタビューを行っています。同じ商品を固定的に買う人、いろいろな商品を買う人、など抽出するのです。
これは明らかに大手ビールメーカーからすると脅威です。ビール、発泡酒の売上が低下する中、発泡酒はのびていると前述しましたが、ここにPBの競争が始まっているからです。しかもその競争相手はお得意先。基本的に全面対決は避けたいところでしょう。しかし、構造から価格で勝負する事はできない。しかも流通店の強みを生かして、一番いい場所に置く陳列。機能面を追加しても、流通店はデータマイニングを駆使して直接顧客に声を聞きながら商品開発をすすめる。とっても頭が痛いはずです。
第三のビールに限れば、既にPBが6%を占めています。第三のビールはビール業界の売上の3割ですので、ざっと9000億円。その6%ってことで540億円。そもそも第三のビールにシフトしている背景を考えれば、PBの比率が高まっていく事は目に見えています。2004年にサッポロが初めて第三のビールを市場に出したとき、このような異業種での戦いを想像していたでしょうか?ビール業界と大手流通店の戦い、今後も注目です。
リンゴと窓
早嶋です。
世の中の5%の人はリンゴのOSを使っています。その他の人はリナックスもあるでしょうが、ほとんどがウィンドウズです。早嶋もウィンドウズを長年使っていましたが、今年の3月頃からリンゴです。理由は、いろいろあります。たまたま、アップルストア天神店でワークショップを行うという切っ掛けがあった。周りの人たちが既にリンゴに移行していた。何となく、リンゴを操っている人はかっこいいと思っていた。様々です。
アップルというブランドは、少なくともユーザーからは極めて高いロイヤリティーを得ています。理由はどこにあるのでしょうか?ロゴ、ジョブス、どんなにソフトをインストールしてもスピードが落ちないとこ、直感的な操作、様々なソフト、OSやハードやソフトを1社で作っていること、等々。
実際は上記の理由とそれ以上でしょう。
アップルはかなり昔から脳が一番好きな活動にフォーカスしていたと言われます。それは、特定して、分類すると言う作業です。そして、アップルはその作業を手伝うという意思決定を行いました。つまり、消費者にとっての使い勝手の良さを一番に実現していく事に力を注ぎます。これまでテクノロジーは一般ピープルにとって近付き難くかつ、苦手という印象がありました。恐怖や不信さえ覚えたかも知れません。しかし、アップルはそれらの感情を全て払拭していきます。そしてそれを着実に目に見えるかたちで表現してきました。
その結果が、美しい完成されたデザインなのかもしれません。使い勝手がよい使用感。OS、様々なソフトと、全てにおいて一貫性を持ったプロダクトが完成したのです。アップルはそのアイデンティティの完成ををさらに高めるために、製品の流通も厳しくコントロールしていきます。それは同水準のプロダクトが存在したらプライシングにも反映します、もちろんプロモーションにも然りです。マーケティングミックスの全ての整合性にこだわりました。
それらの完成系は、誰もが一目見て分かるアイコンに育っていきます。誰がみても分かる形、ロゴマークやプロダクトのデザインをみるとあきらかです。
しかしながら、世の中は一度普及したプラットフォームから移行するためのスイッチにかなりのコストがかかっているのも否めません。誰もが何かの判断基準で全てが上であるモノがあったとして、そっちに移るとする行動が正としたら、きっとリンゴシフトはもっと劇的に増えるでしょう。でもこれは、単純な力学ではありません。一度慣れ親しんだ環境からは、なんらかの心理的なコストが上まり、そうそう簡単にスイッチできないのです。
リンゴと窓。このパワーバランスは早々崩れる事は無いのでしょう。
リクツって!でも大事!
早嶋です。
経営のモヤモヤをスッキリする!を掲げてから急に仕事の依頼が増えています。経営コンサルですよ!よりもキャッチーで、イメージができるのでしょう。アイデアや概念を広げるときは、具象で表現するよりも抽象で表現した方が、広がりがあがり、結果、クライアントのイメージに合致する、という事でしょう。いいことです。
先日、ご相談頂いた内容です。価格設定をどのように進めていけば良いのか?というのが当初のメインイシューでした。しかし、いろいろとお話を聞いていると、誰に対して、なぜ、何を、どのように?がバラバラで、まとまっていないことが分かりました。また、そのビジネスを行っている環境で、どんなところと比較されるのか?どんな環境下で経営するのか?自分たちの仕組みやコラボしている相手はどのような特徴を持っているのか?もあやふやな部分がありました。
話をしながら、経営者が考えていることを整理します。多くの場合、何か一つの視座に深くフォーカスされ、個別最適になっていることが多いです。我々シザールの仕事は、全体の流れをみたり、一度外に出て客観的な評価をしたり、モレを見つけたりすることです。一人やそのチームで考えて議論を進めると、多くの場合、考えが細部にフォーカスされます。シザールの視座は視座をご提供するの略称。しかし、特別な事をしている訳ではありません。
上記に書いた内容は、環境分析は、大きくマクロ的な発想とミクロ的な発想で切り分けて分析する。マクロ的な発想は政治や経済、社会や技術、環境やエコ、それから法律や規制の変化に着目します。ミクロ的な発想は、顧客や市場、競合や代替する商品、そしに自社のことに着目します。それから、商品や価格など何かを考える場合は、かならず市場セグメントのどこを考えているのか?ターゲットを明らかにして、自社のポジショニングを確認します。その上で、商品や価格や流通やプロモーションなどの要素を確認して、最後に全体の整合性を合わせていく。
これは、多分だれもが知っているマーケティングの大きな流れです。ちょっとした理屈、ちょっとした理論。しかし、実際に経営を行うと、そうは行きません。理屈や理論が通じなくて、全く違う問題が発生してビジネスがうまく行きません。それでもほとんどの相談内容は、ちょっとした理論をベースに整理するだけでも随分とやるべき事が整理されるのです。もちろん我々は、様々な理論に加えて、実際に過去経験したコンサルのケースや現在進行形で取り組んでいるクライアントの案件、それから定期的に行っているいくつかの勉強会で常に鍛錬を行っています。
うー、なんだか頭がごちゃごちゃしている!モヤモヤしてきた!一度整理してみたい!と思ったら、先ずは相談する前に、自分がいいなと思った本を開いて、その通りに自分の会社の経営を整理してみてください。ページ数で2枚とか3枚とかで大丈夫です。時間も2時間とか3時間もあれば大丈夫です。きっと、何かの糸口が見えると思いますよ。
柳井さんのお話
早嶋です。
先日、ボンド大学大学院MBA開講10周年の記念イベントに参加しました。そのイベントでユニクロの柳井さんから挨拶がありました。その時のメモです。
経営は知識を利用して実行します。その知識は自分だけではなく、周囲を含めて一緒に実行することに意味があります。その意味では知識があっただけでは役に立ちません。実行するためには、良く考えて、他の人間とどのように実行していくかをトコトン考えることが大切です。
MBAホルダーは時として、このことを忘れます。知識は誰でも持っています。教科書通りの考えをただ示すだけではNGです。知識は必要最小限でよいのです。それは状況によって異なるので、状況に合わせて使っていく、そして行動することに意味があります。知識を持っただけでは経営はできません。
成功のカギとしてあるのは想いです。このようなことを実現したい!その想いです。あなたが実現したい想いは何ですか?これをハッキリと持つことが大切です。
柳井さんは、考えること、想う事を大切にされています。状況が変われば自分達も変わらないといけない。従って、徐々に組織も個人も変わっていく。しかし、ただ状況に合わせるだけではなく、自分の想いを持ちながら、最終的にどうしたいの?どこに行きたいの?をしっかりと持った上で状況に対応していくことが大切です。
これは特に困難な状況にあった時に力を発揮します。困難を乗り越えるポイントも、出来ると思うことです。多くの人が出来ないことを考えます。しかし、それでは出来るための方法を考えないので、結果出来ません。それよりも出来ることをベースに出来るためのシナリオをトコトン考えます。そして、考えたらスケジュールに落としてしっかりと行動します。これがポイントです。
柳井さんの話は続きます。多くの人の基準値が低いことを指摘されていました。自分が結構上手くいっている!と思っていると。しかし大切なことは、上手くいっている基準を明らかにしておくことです。そして、その基準を高めていくことです。失敗に対してもかなりポジティブです。失敗してもよい、しかし死なない程度にする。ここで言う死は倒産です。会社ですから、ギブアップして倒産しなければ失敗を繰り返しても構わないのです。
むしろ、失敗したときに何故失敗したのか?これを深く考えて、次にうまく行くために結び付けるのです。これはフィードバックとフィードフォワードの考え方です。そして、考えてから行う。とにかく行う。ではなく、考えながら行い、行いながら考える。これに意味が出てきます。常に考えながら行動する。柳井さんのお話に考える、想うという言葉が実に沢山出てきました。
考えながら行動することで経営の勘が養われます。これはただ単に経験を積んだだけでは養われません。考え続けることが大切だと感じます。コメントの最後に次の2つを言っていました。
1)人生は一回しかない
2)その一回の人生も有限、かならず終わりがある
そのために、自分の人生はいい人生だったな、と努力することが大切。
いいお話でした。
ダイエットと経営戦略
早嶋です。
モノゴトの本質は、極めて単純明快な場合が多い。そして、その周りに人の感情や雑念や全く関係ない要素が絡み合っていて、あたかも複雑に見えることが多々ある。これは頭で分かっていても、実際に動くのは大変だ。とくに他者に対して提供することは可能だが、自分に対してだとめっぽう難しくなる。
ダイエット、人の活動をインプットとアウトプットに分けてみる、インプットはカロリーの接摂取で、アウトプットはカロリーの消費。太るという事は、どちらかのバランスがとれていないということだ。一番悪い場合は、インが多く、アウトが無い場合。次に、インが多い場合、アウトが少ない場合。これ頭で分かっていても、とてもコントロールするのは難しい。
理屈では、インとアウトのバランスだけど、蓄積は顔についたり、腕についたり、お腹についたりと、バランスが悪い。意識して、アウトしているのに、意識していないところに蓄積する。僕の場合は、お腹周り。先日、友人のプロレスラーにお腹周りのお肉を落とす方法を聞いてみた。がんばってもやっぱり大変な部位だと言っていた。そして、一言。年齢には勝てないよ!と。
これはコントロールできないのか?でも、よく考えるとインをコントロールしていない。好きなものはたくさん食べたい。ついつい大盛りと言ってしまう。大盛りはお店に対しては利益率アップにつながるし、顧客に対しては少しの価格アップでボリュームが倍になるというお得間を得られる。と勝手な理屈を並べて正当化する。でもこれ、はじめから別の議論。エネルギーを蓄積するか否かの問題であって、ビジネスの話は別世界だから。
例えば、このように、簡単な理屈の上に、新しい勝手な理論を結びつけて考える。そして、それが全く関係ない事としりながら、いつしか極めて因果関係がありそうになり、最後は何やら難しい話になって、ごちゃこぎゃになる。そして、やっぱりダイエットは大変だ!と。でも、本当は分かっている。単純にインを減らせばいいじゃん、って。
経営もダイエットも頭の中では、本質的な課題は分かる。でも、人から言われないとなかなか実行できない。だから経営にもコンサルタントがいて、ダイエットにもインストラクターがいる。結局、人に任せた方が良いものもある。それを分かっている人は、はじめから悩まないで、外部にアウトソーズする。そうすると、案外簡単に解決するかも知れない。
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