リンゴと窓

2011年9月18日 日曜日

早嶋です。

世の中の5%の人はリンゴのOSを使っています。その他の人はリナックスもあるでしょうが、ほとんどがウィンドウズです。早嶋もウィンドウズを長年使っていましたが、今年の3月頃からリンゴです。理由は、いろいろあります。たまたま、アップルストア天神店でワークショップを行うという切っ掛けがあった。周りの人たちが既にリンゴに移行していた。何となく、リンゴを操っている人はかっこいいと思っていた。様々です。

アップルというブランドは、少なくともユーザーからは極めて高いロイヤリティーを得ています。理由はどこにあるのでしょうか?ロゴ、ジョブス、どんなにソフトをインストールしてもスピードが落ちないとこ、直感的な操作、様々なソフト、OSやハードやソフトを1社で作っていること、等々。

実際は上記の理由とそれ以上でしょう。

アップルはかなり昔から脳が一番好きな活動にフォーカスしていたと言われます。それは、特定して、分類すると言う作業です。そして、アップルはその作業を手伝うという意思決定を行いました。つまり、消費者にとっての使い勝手の良さを一番に実現していく事に力を注ぎます。これまでテクノロジーは一般ピープルにとって近付き難くかつ、苦手という印象がありました。恐怖や不信さえ覚えたかも知れません。しかし、アップルはそれらの感情を全て払拭していきます。そしてそれを着実に目に見えるかたちで表現してきました。

その結果が、美しい完成されたデザインなのかもしれません。使い勝手がよい使用感。OS、様々なソフトと、全てにおいて一貫性を持ったプロダクトが完成したのです。アップルはそのアイデンティティの完成ををさらに高めるために、製品の流通も厳しくコントロールしていきます。それは同水準のプロダクトが存在したらプライシングにも反映します、もちろんプロモーションにも然りです。マーケティングミックスの全ての整合性にこだわりました。

それらの完成系は、誰もが一目見て分かるアイコンに育っていきます。誰がみても分かる形、ロゴマークやプロダクトのデザインをみるとあきらかです。

しかしながら、世の中は一度普及したプラットフォームから移行するためのスイッチにかなりのコストがかかっているのも否めません。誰もが何かの判断基準で全てが上であるモノがあったとして、そっちに移るとする行動が正としたら、きっとリンゴシフトはもっと劇的に増えるでしょう。でもこれは、単純な力学ではありません。一度慣れ親しんだ環境からは、なんらかの心理的なコストが上まり、そうそう簡単にスイッチできないのです。

リンゴと窓。このパワーバランスは早々崩れる事は無いのでしょう。



コメント / トラックバック2件

  1. ぐるぐる より:

    コンピュータソフトの世界では、クラウドが普及すると、スイッチングが容易になりますよね。
    SaaSという、インターネット経由の、ソフトウエア利用サービスがあります。米セールスフォース社は、このSaaS経由で、ソフトを提供しています。提供するソフトを、あえて、自分で仕上げるイージーオーダー服にしているそうです。フルオーダーは顧客仕様に基づくシステム開発、既製服はパッケージソフトです。フルオーダーでないので、それほどコストも掛けていない。
    顧客としては、自分で仕上げているだけに、使いやすくジャストフィットしているし、労力を注ぎ込んでいるので、乗り換えづらい。そこまで狙った戦略だそうです。
    佐藤一郎という、情報学の先生の話でした。興味深い話でした。

  2. biznavi より:

    セールスフォースのクラウドは、大企業であれ個人であれ、同じ品質の商品を使えるのも魅力ですね。今後は、ハードではなく、魅力的なソフトがただに違い感覚で使用できるようになる。フリーミアのモデルも当たり前のように浸透しています。我々中小企業者にとっては優位な環境になっていますね。

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