柳井さんのお話

2011年9月13日 火曜日

早嶋です。

先日、ボンド大学大学院MBA開講10周年の記念イベントに参加しました。そのイベントでユニクロの柳井さんから挨拶がありました。その時のメモです。

経営は知識を利用して実行します。その知識は自分だけではなく、周囲を含めて一緒に実行することに意味があります。その意味では知識があっただけでは役に立ちません。実行するためには、良く考えて、他の人間とどのように実行していくかをトコトン考えることが大切です。

MBAホルダーは時として、このことを忘れます。知識は誰でも持っています。教科書通りの考えをただ示すだけではNGです。知識は必要最小限でよいのです。それは状況によって異なるので、状況に合わせて使っていく、そして行動することに意味があります。知識を持っただけでは経営はできません。

成功のカギとしてあるのは想いです。このようなことを実現したい!その想いです。あなたが実現したい想いは何ですか?これをハッキリと持つことが大切です。

柳井さんは、考えること、想う事を大切にされています。状況が変われば自分達も変わらないといけない。従って、徐々に組織も個人も変わっていく。しかし、ただ状況に合わせるだけではなく、自分の想いを持ちながら、最終的にどうしたいの?どこに行きたいの?をしっかりと持った上で状況に対応していくことが大切です。

これは特に困難な状況にあった時に力を発揮します。困難を乗り越えるポイントも、出来ると思うことです。多くの人が出来ないことを考えます。しかし、それでは出来るための方法を考えないので、結果出来ません。それよりも出来ることをベースに出来るためのシナリオをトコトン考えます。そして、考えたらスケジュールに落としてしっかりと行動します。これがポイントです。

柳井さんの話は続きます。多くの人の基準値が低いことを指摘されていました。自分が結構上手くいっている!と思っていると。しかし大切なことは、上手くいっている基準を明らかにしておくことです。そして、その基準を高めていくことです。失敗に対してもかなりポジティブです。失敗してもよい、しかし死なない程度にする。ここで言う死は倒産です。会社ですから、ギブアップして倒産しなければ失敗を繰り返しても構わないのです。

むしろ、失敗したときに何故失敗したのか?これを深く考えて、次にうまく行くために結び付けるのです。これはフィードバックとフィードフォワードの考え方です。そして、考えてから行う。とにかく行う。ではなく、考えながら行い、行いながら考える。これに意味が出てきます。常に考えながら行動する。柳井さんのお話に考える、想うという言葉が実に沢山出てきました。

考えながら行動することで経営の勘が養われます。これはただ単に経験を積んだだけでは養われません。考え続けることが大切だと感じます。コメントの最後に次の2つを言っていました。

1)人生は一回しかない
2)その一回の人生も有限、かならず終わりがある

そのために、自分の人生はいい人生だったな、と努力することが大切。

いいお話でした。



コメント / トラックバック2件

  1. ぐるぐる より:

    よく結論を考えてから、始めよ、といいます。『7つの習慣』の1つも、落としどころを考えて始める、でした。では、結論をどこに置くか? これが、難しい。ともすると、手段の目的化に陥りやすい。
    何かで読み知ったのですが、ある方は、結論に、「自分の葬式」をイメージするとか。誰に参列して欲しいか。誰に涙を流して欲しいか。そんなことをイメージし、それに沿って、日常の行動を決める。葬式なんて、普通はウン10年後のことですが、そこから逆算し、日々の自分の行動指針とする、というのです。
    柳井さんの、人生は一度きり、しかも、その一度の人生も有限、というお話は、ほんと、死に際して後悔しないように日々を生きよ、ということですねぇ。
    経営というよりは、生き方の問題です。

  2. biznavi より:

    すばらしい経営者とお話をしていると共通して感じる事は、何か哲学的なはっきりとした思想があります。それが経営者の理念かも知れませんし、想いかもしれません。そしてそれが組織に伝わっていることが多いです。これがモチベーションになってチームの行動を良い方向に促す。そしてそれがブランドになり文化になる。みたいな。
    経営に関わる事は、いろいろな人の生き方に関わることですね。

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