はっきりなんかわからない

2011年9月22日 木曜日

早嶋です。

マーケティングはサイエンスか?アートか?左脳が重要か?右脳が重要か?学問か?否か?

感覚的に優れたビジネスを実施している人はいるでしょう。しかし、ある一定の規模を超えると限界がくるかも知れません。自分達が行っている行動を説明することができないので、組織で共有うることが出来ないからです。その意味でサイエンスは重要です。これは左の脳みそが活躍する部分で学問として取り扱われるテーマを多々参考にすることができます。

しかし一方で、顧客の非合理的な行動の裏に爆発的なヒットや継続的なビジネスの伸びが隠されていることも現実です。その意味でアートも重要です。これは右の脳みそが活躍する部分です。

ビジネスが体系的にまとめられた本を読んだり、経験がない中で知識を得ると大きな誤解が生じます。例えば、顧客は合理的な思考プロセスのもとに消費行動を行っていると考えがちです。しかし、自分の購買行動を見れば明らかなように決して理論で説明できない部分もあります。

一昔前の消費者行動の研究では、あたかも消費者は合理的な判断に基づき購入プロセスを行っていると考えられていました。しかし現在では、そのような意思決定のプロセスが働くことは常態と言うよりも、むしろ例外的なものとして扱っている場合が多いです。消費者の購買までのプロセスはかなり自動的で、習慣や何らかの因果関係、無意識の作用に基づいて行われています。そしてその行動は、消費者の社会的な背景、物理的な背景によって大きな影響を受けていることが言われています。

近年のマーケティングのキーワードに、消費者の思考プロセスの95%が無意識のうちに起こっている!があります。消費者がそもそも気付かない、不明確なままで消費行動を行っているという説です。実際、混沌としており、記憶や感情、思考やその他の認識プロセスが複雑に絡み合いながら購買行動がなされます。

となれば、これまでマーケターが信じてきた消費者への問いかけ、アンケート自体が疑問視されつつあるということです。何故、そのレストランで食事をしたのですか?と聞かれた消費者は実際は何故だが全くわからないことが多いのです。顧客自身が意識しても考えることができないことを、熟練のインタビューワーを介すことで、あたかもそれまで自分が考えていたかもしれないと勘違いして、話を切り出すのです。極端な話ですが。

これは、自分が何かを聞かれた時のことを考えると良く分かります。何故?という事に対して自分の言葉で分かりやすく第三者に伝えるということはよっぽど経験がある人でない限り、とても難しい作業だからです。



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