
後継者問題の本質
2014年11月6日
早嶋です。
中小企業、小企業、零細企業の事業承継がここ数年問題視されている。後継者がいなくて、後を継ぐ人がいなく、なくなく清算せざるを得ないと。そして、なんとなく少子高齢化だからねという風潮で仕方がないこととして捉え、本質を理解しようとしない。
が、この考えは、はじめからわかっていること。後継者がいるかいないかは、会社を清算する直近に分かる問題ではなく、会社をスタートした時点で予測出来ることだからです。会社の寿命は基本、経営者の寿命よりも長いので、自分が経営者ではなくなる時期が必ずきます。
従って、親族内にその対象がいれば、早い段階から次期経営者に育てるための教育や経験を積ませるし、そのつもりがなければ、社員から次のトップマネジメント候補を探し、株式の移動をどうするか検討しておきます。いずれの準備も、自分が経営者であれば、どのくらいの期間が必要かは容易に想像がつくことです。
それが無理なら、サラリーマン社長を調達するか、外部に委ねるかを考えます。その時に、どのような手続きが必要で、どのようなことをしなければいけないか、その時点で分からなくても、疑問が分けばいくらでも調べて知識武装はできます。そして、どうしようもなくなった最後のオプションが清算になります。が、清算というオプションは、会社を設立するときの何十倍という労力があることも知っておく必要があると思います。
JMAAが取り組んでいる事業承継に対してのM&Aのスキームは、親族内承継が不可な場合に、一気に清算というオプションを考えるのではなく、親族外継承を行う選択肢がある、ということです。当然、万能な手法ではないのですが、選択肢を考えていない方に対して認知活動を行いながら実現を促しています。親族外の継承を考えた場合も、直ぐに実現できないし、実現出来る会社かどうかは、本質的にその経営者が過去行ってきた行いによって規定されます。
しかし、このM&Aするというオプションは、通常は、事業に失敗したというネガティブはイメージが強くて、なかなか普及しません。得に中小企業、小企業、零細企業の認知は少ないです。が、これも勉強不足だと思うのです。実際に経営を行うのであれば、出口を考える時に、どのような方法があるのかを知る視点さえあれば自ずと知ること。そして、その時に、悪のイメージの代表手法であるのっとりという手法が可能なのは、上場してる企業のみであるということを理解します。つまり、非上場企業のM&Aを実施する場合は全てのケースが100%友好的なM&Aになるのです。
事業承継問題の本質は、準備不足、ということになるのです。従って、今の経営者は、将来自分が同じ立ち位置にならないように、備えていくことが教訓になります。現在、その状況に陥っている人は、いち早く、その状況を整理して把握して、解決策のオプションを示せる人に相談することをおすすめします。
上司の質
2014年10月12日
早嶋です。
頭ごなしに失敗したことを起こる上司と、次に改善すべきポイントを整理させる上司では、部下は後者のほうが伸びます。同じ組織で、おなじ程度の新人を2つのチームに振り分けた時、前者の新人はいつまでたってもミスが減らず、進捗が乏しいのです。一方、後者の新人は徐々に失敗がなくなり、行ったとしても高いレベルの失敗になり、仕事の能力が日々向上しているのがわかります。
前者のマネジメントについた部下は常に行動を抑制されビクビクしているような気持ちになるのでしょう。逆にこのような指導のあり方をしてる上司はそのことを認識して、自らの行動を変えることが次へのステップの課題になるのです。
強みに焦点をあてる
2014年10月11日
早嶋です。
部下や組織の指導に対して、できなかったこと、失敗した時に、そのマネジメントの質が現れます。かりに、そのマネジメントが失敗したことにフォーカスしたら、その組織は失敗をおそれ、成長する方向性を失います。しかし、マネジメントが失敗したことよりも、その中でも出来たことに注目して、次に行えるための方法を考えさせることや、自身も若い時に同じような失敗をしたことを共有するマネジメントであれば、逆に失敗した人は、それをどのように次に結びつけるからを考えます。
このようなやりとりをすると、失敗した本人が一番次から気をつけることになります。頭ごなしに起こることはつまり、弱みに漬け込むことです。当たり前ですが、どのような人や組織であっても弱みにつけこまれるよりは強みにフォーカスされたほうが次につながりやすくなります。失敗した時、本人がその認識を行っているのであれば尚更弱みにつけ込むことは逆効果をまねきます。
このようなマネジメントスタイルを取っている組織は、その部下も新しい新人やスタッフが入ってきた時に、同様の行動を取るようになります。これはやがて組織の文化として定着して、その組織がイノベーションや新しいことにもチャレンジしやすくあんる雰囲気ができるのです。
独立するための素質
2014年10月10日
早嶋です。
開業して10年以上のドクターと話しをしていて、彼らに共通の質問をしています。「資格を持っていてもいわゆる開業医として向かない、できないドクターはどの程度いますか?」これに対してのドクターの見解は様々ですが、1割から3割り程度のドクターは向かないとある程度見解が揃っています。そして、その理由を聞くと、ここはかなりの部分で一致しています。
応用が効かない。融通が効かない。ガチガチの頭をしている。例えば、新米のドクターに対して経験豊富なドクターがアドバイスをすると、僕は学校でこのように習いましたと。学術の世界と臨床の違いを理解せず、頑ななタイプは伸びないといいます。これは経営の世界でも同じで、MBAなどで習得した知識をそのまま現場に持ち込むタイプの経営者なりコンサル志望はかなりの確率で役に立たないと思います。
それはある意味素直さが欠けているのかもしれません。これはスキルというよりはセンスの問題で、その道の人がいう内容を少し噛み砕いて、これまで自分が認識してきた内容との誤差を知り、その応用度合いを柔軟に広げてみる発想の人は素直と言うのかもしれません。
報告書
2014年10月9日
早嶋です。
大企業の問題解決ワークショップを行っている時に必ず話題になるのが報告書作成による業務効率の低下。ひどい組織では、上司に提出するために書式を変えて同じような報告書を複数作成する必要があるとか。
これらの作業は上司からの指示になっているため、ボトムでどのくらいの時間が失われているかについての議論は極めて浅い、若しくはされていない。
仮に、組織の中で二重に作成している報告書に毎日10分の営業が費やしているとします。営業が500人いると1日に5000分の工数を無駄にしている事になります。およそ83時間。大手企業の時給を5000円と換算すると、1日当たり415,000円のロス。年間の実働を250日としたら約1億のロスが生じています。これらのロスは直接利益を損ねることになりますから売上換算をすると利率5%の企業であれば実に20億円相当の売上になりますね。
ざっとしたフェルミ推定ですが、規模が大きい会社はそのような無駄、業務の効率低下を定期的に見なおすことが必要だと思います。
本来の報告書の役割は、企業の効率をあげ、無駄を省き、仕事を円滑に進めるためにあると思います。それが、報告書作成に時間を取られ、本来の業務に時間を避けなくなってしまう。まさに本末転倒です。
このような組織は報告書の意味を考えずに、作成して提出することが規範、つまり絶対的に守らなければならないルールになっています。従って書くがわも何となく無駄に気がついても、実際に声をあげません。
2014年のノーベル物理学賞
2014年10月8日
早嶋です。
ーーーー
2014年のノーベル物理学賞を、省エネで長寿命の次世代照明に使われる青色の発光ダイオード(LED)を開発した3人に授与すると発表した。LEDは1960年代に赤や緑が開発されたが、光の三原色のうち青は素材の結晶作りが難航し「20世紀中は無理」と言われた。名古屋大教授だった赤崎氏は、天野氏とともに世界中の研究者が手を引いた窒化ガリウムの結晶化に挑戦。実験を繰り返し、結晶を作ることに成功。89年、世界で初めて青色LEDを実現した。その後、日亜化学工業(徳島県)の技術者だった中村氏が窒化ガリウム結晶の大量生産技術を独力で開発し、明るい青色LEDを作った。中村氏は青色半導体レーザーも開発し、それぞれ世界で初めて製品化された。
ーー引用終了ーー
青色発行ダイオード(LED)によって実例化された事例は多々あり、これまでほど日常生活にインパクトを与えた発明は珍しいと思います。
■実用化された例
・屋外の大型ディスプレーや信号機
・DVDより大容量のブルーレイ・ディスク
・白色LEDは、白熱電球や蛍光灯に替わり急速に普及、高い節電効果を挙げている。
今回の受賞は、当たり前のように普及していた商品が実は日本の高い技術力が背景にあることの証明になったと思います。
また、見習うべきは20世紀中には無理と言われた開発に対する研究者1人ひとりの情熱でしょう。
グーグルはあらゆるモノを整理することに取り組んでいます。
トヨタは交通事故ゼロ実現に向けて取り組んでいます。
ソフトバンクは、人生最大の悲しみである孤独を減らすために情報革命で人々を幸せにすることに取り組んでいます。
経営者にとっても20年40年先を見据えた、そんなことは不可能だ、的な想いを払拭する構想を具現化するためのイメージをもつ。
そして、その実現に向けて、経営の方向を舵取る。
ということが改めて重要だと感じました。
総合スーパーの衣料品
2014年10月7日
早嶋です。
ーー引用ーー
イオンが3日発表した2014年3~8月期決算は、消費増税や天候不順で主力業態の総合スーパーが振るわず、連結営業利益が433億円と前年同期比41%減った。
既存店売上高は2~3%減で、中でも利益率の高い衣料品が落ち込んだ。
総合スーパーは食品から衣料品、日用雑貨まで何でもそろう半面、圧倒的な低価格や、高価格でも付加価値を求める「消費の二極化」に対応できていないとされる。
ーー終了ーー 10月4日 日経新聞 朝刊記事
衣料品の落ち込み以前から課題ですよね。イオンも、イトーヨーカドーも以前から衣料品の売上に関しての課題を持っていました。イトーヨーカー堂においては積極的に衣料品単体のTVCMを透過していましたよね。にもかかわらず売れない。
顧客の脳ミソに食品メーカー、生活用品というポジションが強いのでしょね。売り場を見ても雰囲気、空間などが食品や生活用品の延長になっていて、顧客目線ではない気がします。衣料品売り場は、男性用、女性用、子供用に分かれているようで明確ではない。ターゲットを意識しているか分からないような空間がある。中途半端な感じを受けます。
衣料を中心に販売しているルミネやパルコは基本的に売り場やフロアが明確に別れており、ターゲットに特化した雰囲気、空間を創っています。
総合スーパーの売場は天井が高くて、ターゲットも総合。非常に殺風景です。商品の品ぞろえと価格を調整しても、提供する空間や全体の雰囲気が合わなければ顧客の脳ミソに響かないのでしょうね。
研修の活用
2014年10月6日
早嶋です。
研修の取り組みで戦略思考や問題解決思考をトレーニングする機会が多數あります。これらは方程式を問いたら必ず答えが出るというものではなく、どのような状況の時にどのような判断をすることで、より自分の目標に近づくかを考える考え方を提供するものです。
従って、公文式のように毎回明快な解を提供するものではありません。あくまでも考え方であり、スキルというよりはセンスを身につける内容に近いかもしれません。
とは言っても、毎回チップスにして100個位の技や考え方や手法を提供します。全ては単独で独立しているものではなく、全体の考え方に結びつくものです。どれを使っても、結果的に思考を広げ、思考を掘り下げることにつながります。従って、自身の視点を広げ、他社の考えを整理しながらゴールと現状のギャップを見出して、それを埋める方法を考えていきます。
何から始めればよいか?とかんがえる前に、このような考えの一つでも実際に頭を動かして取り組むことで、徐々に思考がゴーの状態になり、次第に思考力が強化されます。
フィリピン・マカティ市の飲食店展開の考察
2014年10月2日
早嶋です。
フィリピンの街並みでも基本は、新しくて高級な店よりは大衆寄りの店の方が人が入っていて、実質的な経済活動が垣間見れた。これはモールやショッピングを含む。
途上国のビジネスは、ターゲット世代が若いこと、セグメントが先進国のように広くないため、単品で勝負すると集客に苦戦する。従って、日本では単品勝負している飲食店もアラカルトのメニューを豊富に提供している。一人あたりのGDPが伸びている時期はアラカルトで多數のメニューで展開した方が無難ということ。
これは別途、マレーシアのように多民族国家の場合も同様。何人かで食べにきても複数メニューの提示があった方が選びやすくリピートされやすい。単品メニューをフルサービスのレストランで提供するにはGDPの成長を待った方が良い。
加えて、地元料理や地域にしかないレストランは賑が薄く、米国流が基本的に賑わっている。フィリピンの特徴は、他の文化をそのまま受け入れていて、自国のこだわりがかなり希薄に感じられる。地元料理や自国料理などの原点回帰はやはり成熟していく国の特徴と言える。これはメニューやレストランだけではなく街の建築や作りにも同様の心象を持った。
他のアジアでは少なくとも食においては日本食に憧れやクールな印象を持っているが、フィリピンは断然アメリカと言った感じだ。ちなみに、いくつかは観察出来てもヨーロッパは皆無。基本は、大味、アメリカのがさつさがより強調された飲食店が賑わっている。
それからフィリピンの特徴は米。ファーストフードやレストランにいくと必ずご飯はいらないかと聞かれる。極端な場合、頼まないでもご飯が出てくる。従って、小麦を主食として食す文化が浸透していない。中華は流行っているが麺を中心としたメニューが少ない。イタリアンもピザは人気だがパスタの品数が少ない。
フィリピンの飲食店はかなり米国の影響を受けている。本来、島国で海に面している国なので魚の捕食が多く薄味になって良いと思うが、フィリピンは気候の影響が強いのか、我々日本人からするとかなり濃い味。更に、米国の影響を受けてか、ケチャップ、BBQソース、ハンバーガー、ピザなどのレストランがこぞって軒を連ねる。
フィリピンは間食やおやつを食べる文化がある。主食としては米だが、おやつにはドーナッツのようなやはりアメリカ文化の象徴がかなり受け入れられている。日本では信じられないほどモールの中にもドーナッツを中心としたカラダに悪そうな甘いお菓子が多數販売されている。そして、実際にパクパク食べている姿が多數観察できる。
米国流は街作りにも垣間見れる。モールを中心に街が展開している点だ。インフラの開発で駅や地下鉄の開発が後手になっている、そのため、先に巨大モールが形成され、その周辺に住宅施設が充実していく。モール周辺は栄え、モールを離れると急にスラムの街並みに戻る。マクロで見てみるとモールの集積が都市となり、都市と都市の間は栄えていないスラムが広がる、そんな感じだ。
このような街の作りになっているため、モールの中は同様なセグメントが集まっているため比較的にマーケティングが容易にできる。モールや都市ごとに集まるセグメントがある程度整理されているからだ。
一方、このような作りで街が展開されると交通インフラの要は車になる。本来は車での移動が増えるとロードサイド型のレストランが注目され開発されて良いのだが、フィリピンは人口が集中しすぎて、他の列車や地下鉄のインフラが整備されていない結果、車の絶対量が多く慢性的な渋滞になっている。この場合、渋滞が完全に解消されない限りロードサイド型のレストランは成功しないだろう。これはたのアジアではインドネシアも同様。但しインドネシアの場合、人口、車の絶対量が多いのに加えて、道路設計の悪さもある。
モールや各都市を歩いていて感じるのは若さだ。他のアジアは案外と年齢が上の人と若い人が同じ場所に集積している(得に香港や台湾はその印象が強い)が、フィリピンは若い世代が集まっている印象。マニラ周辺にフィリピンの人口が殆ど集積していることを鑑みても圧倒的な若さを感じる。
フィリピンの食事情から考える10年後は健康被害だろうか。もともとからフィリピンの料理は味が濃く塩見が強い。ここに加えてアメリカ流のハイパーカロリーフードが日常食に浸透している。街並みを歩いている若い人は身長は高く無いが、横に膨らんでいる。いわゆる肥満体型がかなり散見できる。加えて、内臓に炎症があるのだろう、顔に吹き出物ができている方々が圧倒的に多い。脂質のとりすぎで内蔵がかなり悪くなっている印象だ。今は若いから問題が無いだろうが、他の先進国以上に彼ら彼女らの健康被害は甚大なものになると予測できる。
からと言って今すぐは健康ブームはやってきそうにない。被害が出始める5年、10年のスパンで他の先進国が行ったような健康にお金をかけ始めることがファッションとなりやがて切実な課題となってやってくることは間違いない。
ブルネイ
2014年9月25日
2014年9月22日
文責:早嶋聡史
【ブルネイ】
ブルネイ・ダルサラームが正式名称。殆どを石油とガスで成り立っているアジアでもリッチな国。大きさは三重県くらいとどの本にもあるが、福岡と大分の間位の大きさと理解したほうが九州の人にはピンとくる。しかし、小さい国土の大半は未開拓のジャングルであり、栄えている都市部は空港と首都がある西側の3地区程度でにすぎない。人口は35万人から40万人と読む本、聞く人によって誤差がある。約7割がマレー系で中華系が1割り程度、混血も多數いてブルネイという国ができている。
ブルネイは絶対君主の国で、ボルキア国王が軍、首相、国防大臣、財務大臣等を兼務。ブルネイ国は石油とガスで潤う国で、王様な常に世界の金持ちランキングに名前が乗っている。ビル・ゲイツが現れる前は世界一の富豪としてポジションをキープしている時期もあった。
【庶民の給与・生活】
一般庶民の給与は公務員で4万円から10万円程度。多くのブルネイ人の給与所得は10万円以下だそうだ。しかし、何故か局長クラスになると公務員であっても月給が数百万というクラスもいるみようだ。庶民派、お金を貯蓄する概念が弱いのか、給料をもらうと月の半分くらいでパッと使ってしまし、後半はほそぼそと暮らしていると、現地の人が数人言っていた。繁華街では偽物商品も結構多數あり、取締などは皆無。車や家電の購買は超低金利の10年ローンなどで購入し月々の支払は少ないという。
庶民が手にする現金は少ない一方で、病気になった場合は国が保証し、重病の場合などはシンガポールでの治療も保障されている。この場合、旅費に加えて看病中の生活費を個人とその家族まで支給するという。また。学費などもかからず、シンガポールの大学に合格すると学費と生活費がブルネイ政府から保障されるという手厚さ。
車の登録が25万台から30万台あるので、ほぼ国民一人に1台所有の計算。街を走る車の殆どが日本車。ガソリンの価格は破格でハイオクでも40円程度。経由はその6割程度。水やジュースよりもはるかに安い。
【ギャップと実際】
IMFの統計を見る限り、ブルネイの一人あたりのGDPは4万ドルを超えているので日本と変わらないと読み取れる。しかも国の経済は石油と天然ガスの輸出により潤っているため、政府が医療、社会福祉を無償で提供し、さらに個人に対しての所得税、住民税などはかせられない。
庶民の生活もさぞ豪盛だろうと思い街に出てみると、マレーシアやインドネシアの田舎町そのもの。道や建物のインフラは整っているが皆が金持ちである雰囲気はなく、至って普通の人々が普通の生活を過ごしている。大理石の建物にベントレーとかフェラーリとかに乗った生活を皆がしているふうな印象を持っていったが全く違った。
街を歩いている人や村を歩いている人に声をかけて聞くと、全て国が面倒を見てくれるけど、給料は高くないよと。実際、街に流れる時間はのんびりで、競争をする概念が垣間見れない。 長い間この生活をしていて、不自由が無いのでカイゼンするとか、イノベーティブなことをおこなうとか、より良くするという発想は無いのでしょう。
【オイル&ガス】
ブルネイには3箇所の電力発電所がある。天然ガスを使って直接ガスタービンを回して発電している。総合電力発電の仕事は丸紅が請負ってGEと一緒になって開発している。電力事情は更に安定する模様。
天然ガスは主に日本に輸出していて、そのユーザは東京電力、東京ガス、大阪ガス。ブルネイLNGは政府が50%、シェルと三菱が25%の出資で立ちあげている。
【宗教】
イスラム教が国の宗教。お祈りの時間になると、道路が普通に駐車場のようになり、皆モスクでお祈りをしている。その時間はいたるところから経典やイスラム独特の音が流れ、お祈りの雰囲気を味わうことができる。
イスラム教徒いうことで、左手はdirtyという位置づけ。握手するときや、何かを渡す場合は右手を使うことが必要。また、タバコやお酒や娯楽を求めることは不可能。高級ホテルであってもお酒を出すところは無い。当然、ブルネイ国内でお酒やタバコを入手することはできない。一方、外国人が入国時にお酒やたばこを持参することは許されていて、入国時に幾つか簡単な手続きをするとよい。自分で持参したお酒を自分だけが飲むのであれば問題ない。但し、公の場での飲酒は認められていない。
ちなみに、現地の人、数人に夜は何をしているのかと訪ねたところ、皆口をそろえて暇だと。多くはネットかコーヒーを飲んで過ごしているという。様々な文化にまみれている我々にとって見ると、この生活がずっと続くというのは理解できないだろう。ネットで何をしてるかといえば、最近はSNSで友達とチャットしているという。
イスラム世界のネットワークは広く、噂が瞬時に広がると聞いたことがある。この状況では確かに、その広がるスピードは昔のそれと比較して、かなり早く広範囲になったのではないかと推測した。
【食文化】
ブルネイの食べ物というのが無い。マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイなどの影響が強い。川や海に面しているが魚が豊富で安いわけでは無い。物価が日本と余り変わらないせいもあるが、食事を楽しむという国では無い。一応、ガイドブックにはサゴヤシを使った料理が紹介されていたが、日常的に食べているのを見たり、レストラン等で進めるお店も殆ど無い。
労働面を含め、フィリピンとの関係が深いせいか、フードコードには常にジョリビーがある。現地のローカルフードやエスニック料理には行列がなくとも、ジョリビーは人が結構群がっている。イスラム衣装を身につけている家族も、他の食事よりもジョリビーをありがたがって食べている印象。
国の豊かさの割にはおいしいレストランが皆無。繁華街にある数えるくらいのレストランも、洗練されているわけではなく食事を楽しむという風習事態がないと思うほど乏しい。概して食事は屋台やフードコートなど、比較的安価な店が賑わっている気がする。食材はけして悪いわけではないので、もっと調理を工夫すると美味しくなるのにと思ったが、その気持がそもそも無いのでしょう。
【観光誘致】
将来のガスや石油の枯渇に備えて、国をあげて観光誘致をしているという情報があるが、実際はあまり危機意識がないため、スローガンに終わっている印象。観光は、空港から車で20分の立地にある首都のモスクとちょっとした町並み、水上タクシーと水上にある集落を見る程度で、後は熱帯雨林にいる生き物観察程度。首都と言っても歩いて30分とか1時間もあれば十分に1周できるサイズ。
国土の7割以上が熱帯雨林なので、エコツアーと称した観光を売っているが、空のアクセスがそもそも悪いし現地でのアクセスも非常に悪い。例えば、国の中でタクシーが40台程度しかなく、空港以外は事前に予約をしなければ捕まらない。半日程度のエコツアーがあるというが、どこでそもそもブッキングするのか、現地にいても中々情報が入らない。
エコツアーに次いでブルネイの一大観光施設となっているJerudong Park、いわゆるテーマパークがあるようだ。こちらは国王の47歳の誕生日にちなんで建設されている。首都のBandar Seri Begawanから車で30分位の立地。こちらのテーマパークは東京ディズニーランドの開発に従事したエンジニアが手がけているという。入園料は1ドル、ライドパスは15ドル。
首都のBandar Seri Begawanにあるモスクは現在の29代国王の即位25周年にあわせて約8年をかけて建設されている。設計はなぜか韓国の現代建築家ということで、工事は全てイスラム教徒がおこなっている。モスクの中は男女2つの礼拝所があり6000人が同時に礼拝できる規模。異教徒も礼拝時以外は見学ができて、内部の写真撮影は禁止されている。Bandar Seri Begawanのシンボル的な建物で夜は緑色の光を使ってライトアップされている。
ブルネイは、イスラム世界のリゾートを目指しているようだ。であれば、ウォーターフロントの町並みをもっと開発する。熱帯の雰囲気を存分に味合える空間を整備する。など、工夫をしたほうが良いと思うが、実際の取組み度合いが見えにくい。かりに、イスラム以外の観光客が来ても、お酒、タバコや他の娯楽施設が全くないので1日もいたら飽きてしまうと思う。仮にレストランに最高の食事があってもお酒がなければ進まないという方は多いだろうから。
そういう意味で、完全にイスラムのポジションを確立することができれば、近隣のイスラム圏を呼びこむことはできると思う。が、やはり本気度を感じない。豊かな国は、将来に備えると言っても実感がないのだろう。
【ゴージャスなホテル】
The Wmpireという超ゴージャスなホテルがある。Bandar Seri Begawanの海に面した立地で空港から20分程度の距離。星の数は自称7つ。ロビーを出ると海に面した吹き抜けが広がる。総大理石で一体いくらかけて作ったのだろうと思うほど豪華な内装とインテリア。施設には複数のプールや工夫を凝らしたプライベートビーチとレストランとゴルフ場があり、ザ・リゾートという感じ。
壁や床の大理石の多くはイタリアの職人による仕上げでモザイクなども圧巻。が、ここもイスラム圏でありアルコールは一切提供されない。最高の部屋で最高の食事をとっても、アルコールがなければ海外のセレブたちは寄りたがらないと思う。
このホテル、前大統領であるビルクリントンも宿泊したという。彼が利用した部屋は部屋の中にプールがあり、ジャクジーがありとスイートの域を超えている。ちなみにレートは一泊22,000Bドルなので200万円程度。スイートで20万円くらいからで、最もリーゾナブルな部屋でもB450ドル程度。
【世界一の水上住宅】
water village。日本語ではなんと表現するかわからないので水上住宅と記す。約3万人が生活していて、water villageの規模としては世界最大。実物を見る前は浮草の上にでも住んでいるかと思ったが、実際は大きく異る。川にコンクリートの杭を何本も打ち、それに板をたわして家を建てている。水上に普通の家が建っているのだ。電気、水道、電話などのインフラは整ってあり、それぞれの家は木で出来た橋のようなボードウォークのようなモノでつながっている。川はボートで移動するか、水上タクシーのようなボードがすぐに捕まり移動にも不自由はない。water villageには学校やモスクやガスステーションや病院まであるので、一つの街がそのまま川の上にあるという状況だ。
water villageは首都と隣合わせの川にあり、水上タクシーで5分、10分の時間でブルネイで最も栄えている街にいくことができる。考えて見たら最高の立地条件だ。
元々は漁師がwater villageを形成して住み始めたようだが、今の住民の多くはいわゆるサラリーマンで、水上タクシーを使ってBandar Seri Begawanに通勤している。また、彼らのほとんどは自家用車も保持していて、川の近くに普段は車を駐車している。政府は、water villageの住民に対して陸上で生活するようにすすめているが、誰も移動しないことを考えると、その生活が非常に心地が良いことがよく分かる。実際にwater villageの通路を歩いてみると、風通しがあり、熱帯のジャングルの中でも最も良い立地条件かもしれないと実感した。
ちなみにブルネイの地上にある平均的な住宅で50坪程度の敷地で新築価格が10万ブルネイドル程度。新たにwater villageに家を立てることは認められていないようだ。
【首都最大の繁華街ガドン地区】
Bandar Seri Begawanの中心地はオフィスビルが多く、夕方頃には急に人気がなくなる。一方、そこから車で10分くらい移動した所にガドン地区がある。ここがいわゆる首都最大の繁華街である。と言ってもホテルに隣接するモールが1つと、小さな繁華街が幾つかある程度。35万人の人口と言ってももう少し栄えていてもいいのにと思うくらい小さい街だ。モールの中は得に高級品があふれているわけではなく、ごく普通にあるモールで地下が食料品、1階から3階が衣料品やショップや電化製品などがあり、4Fがフードコートになっている。
【ビジネス】
ブルネイの電気代は家庭用と工業用で異なる。が、政府関係者の話ではブルネイ政府との交渉によって無料に近くなるという。ブルネイ政府は積極的に投資を行っており、交渉の中でブルネイに寄与するポイントを明らかにすると良い。
将来的な石油とガスの枯渇を考え、経済の多角化を進めている。領域は農業、海業、林業、エコ環境が最も投資されやすい分野。
ブルネイは製造業や加工業というビジネスは職人が小規模で行っているレベル。なのでブルネイ政府の援助を受けて進出すると間違いなく一人勝ちになる。一方で、人口規模が少ないので内需は見込めない。また、立地条件を考えると輸出コストはかさむ。工場の誘致には本気度は高いようで、既に政府が整備している工場団地が10以上はある。政府とのコネクションを作って、近隣に輸出するというモデルを考えれば、小規模であれば勝算はあるかもしれない。
日本とブルネイは2008年に日本ブルネイ経済連携協定(EPA)を発足して両国の貿易関係を深めている。主とする貿易は石油とガス。ブルネイに進出している主要な日系企業は三菱グループなど少数。94年までは直行便があったが、現在はシンガポール、香港、バンコク、クアラルンプール、マニラ、ホウチミン経由でしかいけない。
飲食やエステ等はブルネイのハラル認証がある。ここで実績をつくり他のハラル認証を取るとい組を行う。つまりプロモーション目的に進出するとせれば規模は小さいが、発展の可能性は考えられる。
【口座開設】
タックスフリー天国という理由からブルネイで口座を開設したい人は多い。手続きとして、仮に日本人がブルネイの銀行口座を開設するとしたら会社を設立する必要がある。外国人が個人口座を直接開設することは出来ない。
【会社設立】
会社設立は外国人でもかなり簡単。現地の手続きごとを自分たちのみで行うのは難しいが、タックスヘイブンでの法人を租税回避等の目的で開設する企業は多い。現在、1700から1800程度の海外の企業が設立されている。その内500社程度は、ヘッジファンドや信託会社。
首都のBandar Seri Begawanには会社設立から運用維持までのサポートを総合的に提供する会社が11程度ある。今回、訪問した会社はその中で3番目の規模。500程度のクライアントが世界中にいる。
会社設立を行う場合、既に上記のようなサービス提供会社が箱を用意しており、一人株主、一人役員の会社を直ぐにでも登記できる。その後、手続きを行い、銀行とのミーティングを終えて銀行口座を開設する。全てのパッケージをサービス会社に委託した場合、初年度のフィーが2000ドル程度、以後ランニング費として年間1600ドル。サービス会社のランニングには、登記上の住所やその他諸々の更新手続きが含まれている。銀行、保険、信託などを除けば、どのような仕事でもOKな定款を作ってくれ柔軟なビジエスが可能。もちろんモラルに反するビジネスは例外だが。
Bandar Seri Begawan地区で小さなレンタルオフィスを借りる家賃が安くとも3万円程度なので、ペーパーカンパニー、租税回避、他国からの受け会社設立目的であれば、サービス会社を通じて行った方が金銭的メリットも安全性も高い。自分たちでゼロから行う場合は、オフィスのレントフィーや諸手続きで年間のランニングは簡単に1600ドル以上になるはず。もちろん、サービス会社をとしての設立であれば、現地の従業員の雇用やディレクタークラスを実際に雇う必要もない。
ブルネイで会社を作りたいのであれば、上記のようなサービス会社とコンタクトを取り、状況を説明後手続きは、1)パスポート、2)現住所を示す公的な証明書、3)お金を準備して終了。今回の内容だけであれば、今後はSkypeなどで現地のサービス会社とミーティングを行い書類を揃え、その後3日から6日程度で会社設立の許可が降りると思う。最後は銀行口座を開設という流れ。
我々が開設できる口座は、ローカル銀行と国際銀行の2行。ローカル銀行の一番の預け主は国王であったり、一応ブルネイの中ではサービス窓口も豊富で、何かと便利なので、特別国際業務ばりばりでなければローカル銀行がお勧め。口座開設の最低貯金額もローカル銀行は50万円で済む。国際銀行は300万円以上を常に口座に入れて置かなければ、月々のメンテナンスコストを100ドル程度支払わなければならない。
会社開設後、上記のサービス会社と一緒に、銀行でミーティングを済ませ審査を受ける。その後3週間から6週間程度で銀行口座も開設される。断られることはほぼ無いという。
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