ステークホルダーに対してのブランドの効果はどのようなものがあると思いますか?
企業を取り巻く方々を広くステークホルダーと称しますが、ここでは1)従業員、2)投資家、3)将来の従業員、4)社会、と位置付けます。
1)投資家に対するブランド効果です。
企業にとっての投資家は、ネット社会の到来で大きく変わったと思います。株主なのですが、短期的な投機を繰り返し、利益を出せば満足!という株主が増加しているためです。
しかしながら、こんな環境下であるこそ、企業価値という言葉が浸透していますね。その中のブランドも然りです。これは強いブランドは永続的にかつ安定的にキャッシュを生み出すとともに、事業リスクが低いからです。確固たるデータはありませんが、経験則ではこの関係に正の相関を見出すことができるでしょう。
強引に解釈するとブランドが持っている無形資産としての価値が株価の変動を抑え、結果的に資本コストを引き下げる効果があるのです。もちろん顧客に対してのブランド価値の向上が企業価値を高めていることにもつながります。
ここでB2B企業とB2C企業のブランディングについてコメントします。投資家にとって、B2B企業のブランディングとB2C企業のブランディングについては意味合いが異なるかもしれません。一般にB2B企業は社外への情報発信が少ない、もしくは下手くそなため、一部の顧客企業にしか知られていません。さらに独自技術や企業の強みをうたったところで、技術に疎い投資家には響きにくいでしょう。そのためにB2C企業以上に丁寧な投資家に対するコミュニケーション戦略がモノを言うのです。
IRにおいても、そっけなく財務情報を提示するだけではなく、キャッシュの源泉となる企業戦略やブランド戦略の記述は必須です。財務という定量的な指標に加えて、定性的な感性に訴える表現も必要でしょう。そして、世の中にどのように役に立っているのか?などの社会性などを訴求するのも良いでしょう。短期的に投機をする株主だって、ブランドのオーナーとして応援したくなる気持ちを持ってくれるかもしれません。ブランディングは投資においても重要な意思決定の要素なのです。
イヒ!でお馴染みの旭化成は2002年に社名を旭化成工業から旭化成に変更し、グローバルブランドをAsahiKASEIに定めました。タグラインにBreakthroughを導入して、企業がイノベーションカンパニーである事を宣言しています。
旭化成の一連のブランディング活動は、2004年に日本IR協議会のIR優良企業賞を受賞し、日本証券アナリスト協会の情報開示優良企業ランキングで数多く連続で科学業界部門の1位を獲得しています。ポイントは、マイナスの情報であっても積極的に投資家に開示し、説明責任を果たしているところです。
旭化成のブランディングは投資家に対しての格好の事例と言えるでしょう。
早嶋 聡史(はやしま さとし)
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2009年8月4日 のアーカイブ
ブランドの効果 ~投資家~
2009年8月4日 火曜日
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承認する⑤
2009年8月4日 火曜日
早嶋です。
今回も、コーチングの基本スキル「承認する」のうちの「誉める」(相手の変化や成長に気づき、フィードバックする)です。
人間の大脳皮質の神経細胞というのは生まれたときは約140億あったものが20歳くらいから破壊されはじめ、その数は一日に2~3万個だそうです。そして中年になると1日に10万個が破壊されていくそうです。
フル稼働で使いすぎると、15万から20万個がダメージを受けるそうですが、じゃあ、ぼーっとしたほうがいいかというと逆に、30万から40万個も破壊されます。
二日酔いの場合は150万個も破壊されるそうです。そしてマイナスの心理を持ち続けると、なんと300万個も破壊されるそうです。
今週は、何をお伝えしたいかというと、誉めることのほうが、叱ってストレスを感じるよりも、誉める方も、誉められる方も、神経細胞にはいいということです。
今日のやってみよう:
『脳細胞はストレスでかなり破壊されることを理解し、その歯止めになること
をしよう!』
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