早嶋です。
売り上げ=客数×客単価
上記の式より、”売り上げ増加”を行うには、?客数を増加するか、?客単価を増加するかと2つの方法が考えられます。?客数を増加するには、1)新規顧客を増やす、2)既存顧客を維持する、3)リピート顧客を増やす、が考えられます。
では、実際に新規顧客を獲得するには?多くの企業は、新規顧客を獲得するときに、値引きやお試しクーポンといった”おまけ”を使うことがあります。最近、この販促プログラムによって獲得した顧客との企業に対するロイヤリティを分析した論文を読みました。その内容によれば、新規顧客を獲得するために有効と思われている販促戦略が逆効果を招いている、ということです。
この調査方法は、とある銀行の新規顧客に対してアンケート調査を行い、口座開設の理由を分析します。そして、1年後、その顧客がどうなっていたかを更に、調査します。
結果、新規顧客の70%が口座開設の時に銀行からの”おまけ”が理由で口座を開設してる。この顧客を「Firm-determined customer(FDC)」とし、自らの意思で口座を開設した顧客を「self-determined customer(SDC)」とします。1年後、SDCの顧客はFDCに比べて2倍以上の利益を銀行にもたらし、離反した割合は、FDCに比べて8割も低いという結果が得られたそうです。このような調査をいくつかの業界で行った結果、同様にSDCはFDCと比較して、企業にとって大きな利益をもたらしてくれる事が明確になりました。
この結果から考えられることは、強引でインセンティブに頼ったマーケティング戦略では、一時の効果は得られるが、企業との長期的な関係には向いていない。考えれば、当たり前なのかも知れないが、これを科学的に調査しているところに非常に興味をもちました。企業として重要なことは、戦略を目的によって使い分け、長期的なリレーションを構築するほうがライフサイクルではやはり企業に大きな利益をもたらすということ。顧客を生涯価値で考える事の重要性を改めて感じました。
2006年2月 のアーカイブ
販促プログラムの落とし穴
マーケティングROI
早嶋です。
ROI(return on investment)は財務分析では一般的。投下した資本がどれだけ利益を生んでいるかを測定する指標です。
この考え方をマーケティングの世界に活用し、マーケティングの費用対効果を測定する企業が増えています。(総じてマーケティングROIとか、mROIなどと呼びます。)
情報システムの発達とともに、数年前では難しいとされていた測定が可能になり、mROIと市場シェア、売り上げ、利益などとの相関関係を定量化できるようになったのがmROIの普及に関係しています。また、アカウンタビリティ(説明責任)の要求からmROIを高く維持するための責任者としてCMO(chief marketing officer)は注目を集めています。
ハーバード・ビジネス・レビューによれば、調査対象のCMOのうち80%以上がmROIの測定結果に不満を抱いているとの事。mROIの効果測定方法がより正確になり、活用しやすくなるにつれて、CMOの不満が募っているそうです。
なぜmROIにジレンマが発生しているのか?この答えは、マーケティング効果が期待に届かず、さらには悪化しているという事に起因しています。同誌の調査では、マーケティング活動の84%が凡庸なもので、ブランド価値や市場シェアを引き下げている。これは、販促活動が利益に貢献していないことを意味します。mROIの測定結果は、良いどころか、かなり悪かった。このことにCMOは不満を持っていたのです。
測定する事に躍起になっても仕方がない、重要なのは数値に振り回されるのではなく、なぜこのような悪い結果になったのかを十分に検討することです。正確な測定によって、あいまいなターゲッティング、甘いポジショニング、月並みの広告、ありきたりの商品・サービス、不適切な資源配分などが今後詳しく測定・検証できるようになるでしょう。mROIを測定することで取っている戦略に修正を行い、マーケティングの予算の最適化が図れます。mROIは実にすばらしい考え方であり、今後、積極的に企業は導入を進めていくと感じます。
ロッテショッピング
早嶋です。
「IPO」のタイトルで紹介しましたロッテショッピングが明日、上場します。ロンドン株式市場に上場する公募価格は40万ウォン(額面5000ウォン)です。(1/27発表)
この公募価格は、韓国の有価証券市場の上場銘柄のうち最高価格。(コスダックを含めると6位)ロッテショッピングは企業価値が非常に高く評価されており、ライバル企業の新世界の株価が40万ウォン台後半で取引されているのが好材料になっているようです。
明日の価格が楽しみです。
危機管理
早嶋です。
先ほど、郵便箱の中に、一枚のはがきを見つけました。松下電器からの葉書。
「松下電器より心からのお願いです。安全に関わる重要な内容ですので、ご開封のうえ、ぜひともご確認いただきますよういま一度お願い申しあげます。」
これは、昨年末におきたFF石油温風機及び石油フラットラジアントヒーターに関して、一連の事故に対しての対策の1つです。去年の12月2日に山形にて事件がおきたあと、松下の対応は、先例のないほど徹底したものです。これは、今後のPL(Product Liability)のスタンダードとなるものだと感じました。
年末は、1年で最も稼ぎ時で、各社が年末商戦を繰り広げる中、松下はTV・ラジオ・新聞で問題商品の回収と告知を繰り返していました。人身事故に対しての松下の非難は、短時間で沈静化され、寧ろその対応に松下の信頼は高まったとさえ思えるほどです。松下のブランド失墜に成りかねない事件に対しての対応は、今後の業界標準となるでしょう。
ホームページ・リニューアル
早嶋です。
ビズ・ナビ&カンパニーのホームページを新しくしました。
http://www.biznavi.biz/
よろしくお願いします。
ロウアーミドルの衝撃
早嶋です。
日曜日に、大前さんの「ロウアーミドルの衝撃」を読みました。本日は、書籍の紹介です。本自体は、真っ赤なカバーに大きめのカバーが付いていて、印象的です。
内容は、日本の階層が2極化しており、8割はロウアーミドル(中流の下)。社会の地殻変動と比喩し、所得の2極化がもたらす影響をビジネス、政治、経済の切り口で解説しています。
以下、簡単な要約です。
●日本の8割はロウアーミドルで、世帯年収が300万から600万以下と成っている。
●ロウアーミドル社会では、低価格・ハイセンスの両面を持つ、”なんちゃって自由が丘企業”が伸びる。また、ニューラグジュアリー思考に代表される一点豪華主義やアッパークラスを狙った路線も考えられる。
●ただし、ロウアーミドルクラスでも、生活(住宅・車・教育)を見直すことで5000万円の自由に使える所得が発生する。ここから、日本人の生活が豊かにならない理由の一つに”規制と市場の閉鎖性”と”日本人の偏見”という展開に入る。
●それから、ロウアーミドルクラスの人たちが、”ノイジーマジョリティー”として、”規制緩和”を訴えなければ日本は変革しないと、事例を詳細に説明して説く。
●また、ITの本格導入を徹底すれば、行政コストが1/10ですむことを解説。
●最後に、日本の教育制度についてまとめ、税金の話でまとめる。
前半部分が、ロウアーミドルの定義で、本指摘に関しては興味をそそられました。後半部分は、前著である「平成維新」でも述べられている話なので、大前さんの本を読まれている方にとってはそうだよね、といった感想を持つでしょう。
ジャック・ニクラウスの差別化
早嶋です。
現在連載中の日経新聞、「私の履歴書」ジャック・ニクラウスから。
彼が生涯の師としている人物、ジャック・グラウトは、幼少のジャックに対して、”いいぞ、ジャッキー坊や。その調子でふりまくれっ”と、決して短所を矯正するのではなく、長所を伸ばす教え方をしていました。このコーチ方法によって、”ゴルフの楽しみと、何よりも自身を植えつけてもたった”とジャックは感じたそうです。
ジャックは、長所を更に伸ばすことをやっていたので、とにかく身体を目一杯使い、大きなスイングを心がけました。”若い時はとにかく身体を伸ばして、長いボールを打つことを覚えよう。まっすぐ打つことは後で学べばいい。”
このことは、ジャックがトッププロになった時に証明されたと記しています。グラウトとともに作り上げたスイングが繰り出すボールの弾道は高く、長い。難攻不落のコースが多いプロゴルフの世界において、これが有力な武器になったと。
ビズ・ナビで行っている中小企業を対象としたコンサルティング・コンポーネント、Biz.ic(ビジック)も、クラウトの思想と同じく、企業の弱みよりも、強みを更に強化していくことにフォーカスし、企業の経営レベルを高めるコンサルティングを提供しています。
ジャック・ニクラウスがそうであったように、日本企業が、強みを伸ばしていき差別化していくことで、日本の活性化につながればと感じました。
女の戦い
白梅です。
東レパンパシフィックテニス女子シングルス準決勝
ヒンギス選手がシャラポア選手を6-3,6-1の
ストレートで下しました。
こんなに熱中してテレビ観戦をしたのは久しぶりです。
スポーツはノンフィクションなので面白い!
足の故障で3年半のブランクがあったヒンギス。
最初は、シャラポアの188センチの長身を生かしたスピードとパワーのある
サービスを攻略するのは難しいのではないかと思っていましたが、
頭脳プレイとテクニックで自分のペースに巻き込み、
以前より上手くなったテニスを魅せてくれました。
ヒンギスは、かつては求めているものがナンバーワンだったり、
タイトルをとることだったかもしれないが、
今は「自分のために楽しんでやる。テニスが楽しい!」と言っているそうだ。
3年半のブランクを乗り越えた自信と表情にも余裕が感じられ、
25歳の大人の女性として内面から出るものなのか、美しかった。
もうすぐ、トリノオリンピックが始まるが
フィギアスケートの女の戦いにも目が離せない。
スープが主役
早嶋です。
土曜日の休日が久々とあり、夜更かしを楽しんでいます。
最近のお気に入りは、お昼にスープカレーです。スープカレーは、札幌が発祥ので、初めて札幌に登場したのが40年ほど前だそうです。2000年頃に、マスコミで紹介されるようになり、スープカレーが巷で騒がれています。2001年にS&B食品がスープカレーの人気に注目し、レトルトカレー「札幌で大人気!スープカレー」をコンビニを中心に全国に発売しています。それ以降、ポツポツとスープカレーのお店が登場しています。
札幌とカレーの関係は深く、「Boys, be ambitious!」で有名なクラーク博士が、バランスの取れた食事として推奨したのがライスカレーでした。事実、北海道大学の前身の札幌農学校の寮即に、”生徒ハ米飯ヲ食スべカラズ。但シライスカレーハ是二非ズ”と記したそうです。
最近、コンビにの棚には驚くほどの種類のスープが置かれています。何れもお湯を注いで3分。中でも春雨スープがかなりの幅を優先しています。2004年度の即席スープ分類シェアによると、インスタントが40%、ついでカップ入りが25%と、カップ入りのスープシェアはやはり増加しています。注意目するところは、購入層。コンビニ利用の7割が男性といわれる中、スープ関連の需要は女性客が中心。即席スープの購入層は80%以上が女性で20代、30代が目立つ。その中で3割が会社員、2割が専業主婦。
やはりスープの社会進出は、女性の社会進出と相関性が高いようです。そういえば、スープストックトーキョーはいつも女性客でにぎわっており、お店に入るのに抵抗を感じてました。スープと女性の関係はとてもとても強いのでしょうね。
BRICs
早嶋です。
1月末の話です。大手コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が発表した世界の最高経営責任者(CEO)1400人を対象とした調査に、約7割がにブラジル、ロシア、インド、中国で事業拡大を計画しているとありました。
ご存知の通り、これらの4カ国はそれぞれの国の頭文字を取ってBRICs(ブリックス)と呼ばれます。米ゴールドマン・サックス証券が2003年10月に発表した投資家向け報告書「Dreaming with BRICs:The PAth to 2050」の中で使用され以降、広く使われている造語です。
そもそも、どうしてこの4カ国が注目されるのか?大きな理由を挙げるとすると以下の4つです。
①人口
中国は約13億人で世界1位、インドが約10億5000万人で2位、ブラジルは5位、ロシアは7位。BRICs4カ国で世界の人口の45%を占める。
②国土
ロシアは世界1位、中国は2位、ブラジルは5位、インドは7位。
③鉱産資源
いずれの国も鉱山や石油などの資源に富んでいる。
④GDP
生産性の改善に伴う一人あたりのGDP上昇がいずれの国でも顕著。
企業経営者が注目すれば当然、投資の対象としても注目されています。個人投資家の資産運用対象として、中国に続き、インド、ロシアなど先進国に比較してリスクは高いものの、高い経済成長力による成果を期待する投資家の間では人気のようです。
先の「Dreaming with BRICs:The PAth to 2050」によれば、現在のペースで経済発展をつづけると、2039年までにBRICS4カ国のGDP(国内総生産)の合計が、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア(現在のG6)のGDP合計を上回り、2050年には、GDPの順位が、中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシア、イギリスの順になると予想しています。
最近では、BRICsのSをSouth Africaとして南アフリカの注目もあります。米ゴールドマン・サックス証券の2005年の予測では、BRICsに続く経済大国予備軍「N-11(ネクスト・イレブン)」として韓国、バングラディシュ、エジプト、インドネシア、イラン、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム、メキシコの11カ国を示しています。
BRICsと違って、人口や国土面積は大小様々で、現段階の経済力も韓国から最貧国のバングラディッシュまでバラつきがありますね。
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