高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「部下・後輩が自ら働きたくなるサーバントリーダーシップの姿勢」です。前回サーバントリーダーシップについて、その成り立ちや特徴をご紹介しました。今回はサーバントリーダーシップ的な部下・後輩の指導方法についてお伝えします。
最初にサーバントリーダーシップのおさらいです。サーバントリーダーシップとは「奉仕型」のリーダーシップのことで、支援や動機づけ、権限委譲、働く環境を整えることで一緒に成果を出すリーダーシップのあり方です。つまりリーダーはメンバーのサポートに徹します。
リーダーシップと言うとチーム全体をまとめて率いていくイメージですが、育成や指導においてはその基本単位はあくまでも一対一の関係性です。サーバントリーダーシップにおいても、部下・後輩の育成は、それぞれの個性や特徴に合わせた育成方針や指導方法が大切です。
例えば、飲み込みの早い部下もいれば、じっくり考えて納得しないと行動に移せない部下もいます。一律に「早くやれ!」と指示しても、行動できる部下もいれば、できない部下もいるわけです。どちらにも特徴があり、どちらが良い悪いというわけではないでしょう。大切なことは、その部下の特性を知って、それに合わせた指導や育成方針をとることです。そのようなやり方なら部下は安心して、自ら率先して業務に取り組むことができるようになります。
また最近の新入社員や若手社員に見られる傾向ですが、価値観が多様化し、ひとつの価値観に偏った指導や育成は難しいということです。例えば、上司が自分の考え方に固執することやこれまでのやり方、過去の成功体験へのこだわりは、今の時代に合わなかったり若手社員には理解されないことが多いです。
会社が「お客様第一主義」を掲げていても、個人的には「自己の成長」に主眼を置いている人もいれば、売上や利益など「数字」にこだわる人もいるでしょう。会社としての基本方針に従うのは当然としても、各個人の価値観や目標も加味した育成方針や指導方法をとることが、サーバントリーダーシップのポイントです。そうすることで部下・後輩が自ら働きたくなるはずです。
さらに、普段からのコミュニケーションも重要です。特別なことではなく、毎日のあいさつやちょっとした雑談、立ち話、休憩時間などのコミュニケーションで人間関係を構築することは可能です。また定期的な面談、1on1ミーティングも有効です。また日報を使っていらっしゃる会社は充実したいですね。ただの業務報告ではもったいないので、交換日記として会社の方針や個人の考え方、抱えている課題など共有したいところです。
以上のように、部下・後輩の個別の特徴や強みをとらえた上で、それぞれの能力を伸ばす育成方針や指導方法を取り、成長をサポートするサーバントリーダーシップを取り入れてみられてはいかがでしょう。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
‘雑感’ カテゴリーのアーカイブ
部下・後輩が自ら働きたくなるサーバントリーダーシップの姿勢
今どきのリーダーとは?多様性の時代に求められるサーバントリーダーシップ
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「今どきのリーダーとは?多様性の時代に求められるサーバントリーダーシップ」です。変化の激しい時代、働き方も社員のニーズも多様化していますね。今の時代にふさわしいリーダーシップについて考えてみたいと思います。
さて、皆様は「リーダー」や「リーダーシップ」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?私がこれまで会ってきたリーダーやリーダーシップというと、リーダーになる人はメンバーの中で最も成績優秀だった人(特に営業マン)、その人が強い力や意思でメンバーをグイグイ引っ張っていく、チームを1つにまとめ上げることがリーダーシップ、といったイメージです。芸能界の「○○軍団」みたいなイメージです。
しかし、冒頭に申したように、今の時代は多様化の時代と言われます。色々な価値観、考え方、特性を持つメンバーを一律で引っ張っていく、リーダーの経験値(成功体験)に基づき画一的にメンバーを指導していくのは無理があるように思います。ましてや精神論や気合で指導する、強権的な命令は、即座にパワハラや離職につながりかねません。
そこで近年、日本で注目されているのが「サーバントリーダーシップ」です。サーバントリーダーシップとは、これまでの「引っ張っていく」タイプのリーダーシップに対して、「奉仕型」のリーダーシップです。「奉仕型」とは、支援や動機づけ、権限委譲、働く環境を整えることで一緒に成果を出すリーダーシップのあり方です。つまりリーダーはメンバーのサポートに徹します。
サーバントリーダーシップができた背景を説明します。1970年、アメリカのロバート・K・グリーンリーフが提唱しました。当時のアメリカはベトナム戦争やウォーターゲート事件によるニクソン大統領の辞任など、社会が混迷していました。リーダーというものに対して不満や不信が渦巻いていました。そこでグリーンリーフは権力や物欲への執着からではなく、人々が望む素晴らしい社会実現のため高い倫理観や精神を持つ信頼感あるリーダーのあり方を考えました。奉仕(servant)こそが求められるリーダーシップの本質であると説きました。
グリーンリーフはサーバントリーダーシップの特徴を10あげています。
1. 傾聴:メンバーが望んでいることをまずは聴く。そして何をすればメンバーの役に立てるか考える
2. 共感:メンバーの立場に立って、その気持ちを理解する。決して上からではない
3. 癒し:一緒にいて元気になれる存在であること。メンバーが本来の力を発揮できるよう導く
4. 気づき:メンバーが見えていないところを伝え、気づきをうながす。本質を見る力が求められる
5. 納得:立場で強要するのではなく、話し合いによりメンバーの納得を引き出す
6. 概念化:夢、目標、ビジョン、コンセプトを語り、メンバーを感化する。同じ目標を目指す
7. 先見力:過去、現在から直感的に将来の姿を想定する。正しい方向を向く
8. スチュワードシップ:自分の手柄よりメンバーのメリットを考える。私利私欲→利他
9. 成長への関与:メンバーの成長を促すことに積極的に関与する。サポートや育成する
10. コミュニティづくり:信頼関係、協調関係を作り、働きやすい環境を作り出す
次回はサーバントリーダーシップについて、具体的な取り組みをご紹介しつつ、どうすればメンバー個々の特性や能力を引き出すことができるのかお伝えします。
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今どきのOJTはテレワークが定着
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「今どきのOJTはテレワークが定着」です。新年度で新入社員を迎えられた方が多いと思います。新人育成の実践的な手段としては、昔も今もOJTが変わらないと思います。昨今のコロナ禍オンラインで仕事をすることは定着しましたが、最近はOJTもオンラインという企業も増えています。今回はオンラインでOJTをする時のポイントをまとめました。
まず今更ながらの説明ですが、OJT(On the Job Training)とは、新人が上司・先輩と一緒に実際に現場で仕事をしながら、フィードバックや指導を受け仕事を覚える育成手法です。実務能力を短期間で習得することができるメリットがあります。
今年の新入社員の方々は、いわゆる「Z世代」という世代の方が多いのではないでしょうか。一般的には1990年半ばから2010年頃までに生まれた人たちです。Z世代の人たちの特徴を色々耳にします。
Z世代の特徴で私が一番聞き実際に感じるところでは、「仕事に対する姿勢」の違いです。主観ですが、私世代(もう30年以上前の新人時代)は自分のことより仕事優先が当然でした。残業するのは当たり前、仕事が残れば休日でも出社し、私生活より仕事の付き合いを大事にしていました。
それとは逆にZ世代は仕事とプライベートのバランスを最重視するそうです。私生活に影響するまで仕事を頑張らないし、フレックス出勤やテレワークなど自由度が高い働き方を好みます。
特に学生時代をコロナ禍で過ごした今年の新人は、授業も友達付き合いもオンラインが当たり前だった世代です。コミュニケーション手段として対面よりオンラインやSNSなど通信を使った方が相手と上手く接することができる人が多いのかもしれません。
そんな時代背景も踏まえ、企業の中にはOJTもテレワークで行うことが増えています。そもそもこの3年間で普段の仕事や営業活動もテレワークが定着しましたので、新人育成もテレワークというのは当たり前なのかもしれません。
とはいえ、指導する側である上司・先輩はテレワークでOJTを受けたことがないでしょうから、ポイントや留意点を知っておいた方が良いと思います。今回ご紹介するポイントは3つです。
ポイント➀ 明確に指示を出す
通常のOJTなら、そばで状況に応じて細かく指示や指導することができますが、テレワークではそういうわけにもいきません。まして新人相手なので、より詳しく、細かに指示を出さなければ伝わりません。具体的には『6W3H』と言われる、What,Why,Who,When,Where,Whom,How,how much,How manyを明確に伝える工夫が必要です。またオンラインで画面越しに口頭で直接伝えるばかりでなく、メールで文字を使って伝えることも多くなりますのでわかりやすい文章を心掛けることも重要です。
ポイント➁ ホウ・レン・ソウのタイミング
そばで見ていれば、新人の進捗具合や業務の理解度、内容をその場で確認することもできます。しかしテレワークではそうもいきません。上司・先輩としてもどれぐらいできているのか、間違ったやり方をしていないか不安に思うところです。よって確認のために、新人がホウ・レン・ソウするタイミングを予め決めておくことが大切です。「このタスクについては、何時に進捗の報告をする」「今日の何時に途中経過を提出する」もしくは「何時間ごとに定期的に報告する」、など業務の指示と合わせ決めておきます。
ポイント③ コミュニケーションは上司・先輩から
新人にとってテレワークは孤独なものでしょう。会社の雰囲気も分からず、上司・先輩はもとより同期の仲間との交流も希薄になりがちです。仕事の質問や不安も相談しにくく感じている場合もあるかもしれません。OJTを担当している上司・先輩から積極的に声をかける、会話する機会を増やす努力が重要です。新人は、じっくり話すことができれば不安も解消されモチベーションも上がります。Z世代は「分からないことを自分から質問することが苦手」とも言われます。OJTの上司・先輩から積極的にコミュニケーションをとることをお薦めします。
以上、5月の新入育成の時期にテレワークでのOJTについて、ポイントをまとめてみました。参考になれば幸いです。
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最高だと感じた営業担当
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「最高だと感じた営業担当」です。皆さんもこれまで多くの営業マンと会ってこられたと思います。どのような営業マンを最高だと感じられましたか?その営業マンの何が最高だと感じさせたのでしょうか?
ここに、マクロミルパネル利用のインターネット調査(2017年11月、※自由回答を集計・編集(n=309)TORiX調べ)があります。(出典:高橋浩一著「無敗営業」)
「あなたが過去に出会った中で、最高だと感じた営業担当者の特徴を、具体的に教えてください」というアンケート調査を実施しています。どのような結果が出ているのでしょうか。
一番多くの人があげた最高の営業マンの特徴は、「わかってくれる・意図を把握してくれる・的確・明確」という回答でした。
ここから読み取れることはお客様が営業マンに求めているのは、「私」のことをわかってほしいということです。言い換えると、「私(お客様)が言わんとする(しかし上手く口に出して伝えることができないモヤモヤとした悩み)ことをくみ取ってくれる」営業マン、「私(お客様)がてかかえている問題をハッキリと指摘してくれる」営業マン、「私(お客様)ご自身も気付いていない問題を引き出すことができる」営業マン、だと理解しています。
そのような営業マンをお客様はお待ちなのです。
多くの営業マンが勘違いしていることがあります。それは、商品サービスの内容や性能、価格であったり、商品サービスに関する知識や情報量で、営業の成果が決まると考えていることです。いわゆるスペック競争ですね。
アンケートの結果を見ると一目瞭然です。お客様から見ると、知識が豊富だからと言って最高の営業マンと評価されるわけではないのです。先ほどのアンケート調査では「豊富な情報・知識」は8項目中最下位でした。
(ちなみに、第2位「提案力・説得力」第3位「迅速・早い・即答・機敏」第4位「誠実・誠意・真摯・正直・約束を守る・嘘をつかない」第5位「柔軟・機転・トンチ・融通が利く・臨機応変・スマート」第6位「粘り強い・努力・熱意・諦めない」第7位「気が利く・プラスアルファの答え・痒い所に手が届く」第8位「豊富な情報・知識」でした)
昔はお客様と営業マンの間に情報格差がありました。例えば冷蔵庫を買うにしても、お客様はどのメーカーの商品が、省エネ性能が良くて、どんな特徴があるのか、いちいちお店に行って売り場の営業担当に尋ねなければわかりませんでした。
しかし、今やネット検索すれば分からない情報はありません。しかもどこのお店が安いのか全国区で最安値も検索できます。
このようにお客様と営業マンの間に情報格差がなく、お客様はあらかじめ全て調べた上でご購入される時代、営業マンが知識武装しているのは当たり前です。その上でお客様が求めていらっしゃるのは、もっとパーソナルな事、つまり「私の問題解決」なのです。
「私」をわかってくれて、「私」にピッタリの提案や解決策を提案してくれる営業マンになるため、われわれはお客様を知る努力をしなければなりません。目に見えているモノ(顕在化)だけではなく、潜在化したお客様のニードや問題をくみ取るスキルが必要です。それを可能にするのが、私が研修やコンサルティングでお伝えしているセールスコミュニケーションの技法です。
次回は潜在化したニードを顕在化するセールスコミュニケーションスキルについてご紹介します。
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コミュニケーションは歪(ひず)んで伝わる
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「コミュニケーションは歪(ひず)んで伝わる」です。
このような経験はありませんか?
・ 「ちゃんと伝えたはずなのに…」部下が指示と違うことをやっている
・ 部下が「分かりました」と言ったから理解していると思っていたのに…
・ 上司の指示通り仕事をしたのに、「そうじゃない」と言われた
・ 上司は指示したと言われるが、「私はそんなこと聞いた覚えがない」
仕事でもプライベートでも、コミュニケーションにおいて誤解や真意が伝わらない(伝わらなかった)という経験は誰でもあると思います。
なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか?どうすれば避けられるのか、考えてみたいと思います。
私は研修で、誤解や真意が伝わらないことを「コミュニケーションの歪み」と言っています。
歪みが生じる原因は、話し手と聴き手の間に聴き手の価値フィルターが介在するからです。聴き手の価値フィルターを通過することで、話しの内容に聴き手の解釈が加えられるので、話し手と聴き手の理解が違ったり、真意が伝わらないということが起きます。
会話をしていて、話し手と聴き手で共通の知識や判断に関わることは、おおむねそのまま真意が伝わります、同じ価値観ですから。
問題は、「共通でない知識や前提」がフィルターを通じて違う形に変化して聴き手に解釈される場合です。この時、聞き手は自身の価値に応じて話し手の内容に自分の知識や自分の判断、自分の経験を加えて理解しています。
結果、話し手の意図が歪んで伝わり、「伝えたこと」と「伝わったこと」が同じにならないのです。
では、どのように歪みを起こさないようにコミュニケーションすればいいのでしょうか。
ここでは大きく2つ提案します。
1つ目は前提を合わせるということです。
先ほども話し手と聴き手で共通の知識や判断はそのまま伝わるということでしたので、そのような前提をつくってコミュニケーションすることが大切です。自分にとって常識だと思っていることが、相手にも常識とは限らないことは、常識ですよね。だから意識して前提を揃えておくことが必要なのです。
特に年齢による世代間のギャップは私も感じます。私の世代での常識が、今のZ世代の若者にとっては非常識ということは多々ありますが、その世代の方々がもう新人として会社で一緒に働き始めています。「今の若者は常識がない!」というのではなく、考え方や価値観のどこが共通で、どこら辺が違うのか、お互いにすり合わせたいところです。
ビジネスにおいては、自分達が何をやろうとしているのか、自分が求められている役割は何か、自分はどこまでの役割を担っているのか、と言ったことを普段からチーム内で、もしくは上司と部下の間で話し共通の認識(前提)を持つようにしましょう。
前提と言うと、言葉選びも含みます。相手がわからない単語、誤解されそうな曖昧な表現なども避けるべきでしょう。「そんなつもりで言ったのではなかった」というのはよくある事です。
2つ目は、話しに至った根拠・理由(背景、話の目的)に着目するということです。
話し手も聴き手も双方に言えることですが、結論(もしくは主張)だけでなく、その結論に至った根拠や理由まで話す(聴く)べきです。そもそも根拠や理由にこそ、話し手の真意が表れるからです。
上司は部下に指示を出す時に「○○しなさい」で終わらないということです。「なぜなら△△だからです」と根拠まで説明すると、聴き手である部下も納得して指示に従います。また部下の側も「上司は何を求めて指示を出しているのか?何を求めているのか?」と考えると、自ずとその指示の理由、つまり上司の真意を確認することになります。そこでお互いのコミュニケーションが歪みなく伝わります。
日頃のビジネスコミュニケーションにおいて、お互いの真意が伝わっているか、歪んでいないか、振り返りたいものですね。
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18歳と20歳のせめぎ合い
早嶋です。
成人式は各自治体で表現を変え、二十歳の集いや二十歳の会などとして、従来と同じように行われている。小学生では10歳を向ける時期にハーフ成人式というセレモニーが何かしら行われ、親はこの成長を感じる時を迎える。
が、成人の定義が曖昧で、投票は18歳に引き下げられたが、タバコやアルコールやギャンブルなどは従来通りの20歳で、少年法等のルールも20歳を軸に設定されている。一方でクレジットカードは18歳でOKで、パスポートも18歳になれば自分で取得ができる。つまり18歳から20歳の3年間が非常に中途半端な時期になっているのだ。
背景は、安倍総理が第一期の総理大臣のときに憲法改正の国民投票の動きが出た。その歳、憲法改正の原案は衆議院議員で作り2/3の賛成を得て、参議院議員で2/3の賛成を得る。そして最後は国民投票で51%の賛成をする手続きだ。しかし、当時国民投票の法律が無く、国民投票法ができた。その際に野党が全体最適を考えることなく投票は18歳でできると主張したのが今の背景だ。
この状況をクリアにするためには、成人の定義を明らかにして、18歳で成人を迎えるのであれば、全てのルールをここで統一すべきだと思う。一方で、成人式の日はおよそ15日前後が多く、この時期は共通一次試験と重なる。仮に18歳が成人だと皆それどころじゃないと思うかもしれない。そのため成人の日そのものを3月とか4月に設定するなど全体を議論することが望ましい。
「個人の成長」と「会社の成長」をすり合わせるリカレント教育
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは『「個人の成長」と「会社の成長」をすり合わせるリカレント教育』です。
前回、社会人基礎力について人生100年時代に求められる能力を解説しました。今回は人生100年時代を生きるための「学び直し」の重要性と、企業が成長するための人材育成についてご紹介します。
「社会人基礎力」についておさらいしましょう。(参照:https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/)
社会人基礎力とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。その後「人生100年時代」を踏まえ、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」と新たに定義しました(2018年)。
経済産業省では社会人基礎力をパソコンの【OS】に例え、社会人としての基盤能力である「社会人基礎力」を身に付けた上で、その【OS】上に【アプリ】としての「業界スキル」や「社内スキル」など業界特性に応じた能力を活用すべきとしています。人生100年時代の働き手は【OS】と【アプリ】を常にアップデートし続けることが求められます。
今回のテーマであるリカレント教育については、厚生労働省が次のように説明しています。
「学校教育からいったん離れたあとも、それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けていくことがますます重要になっています。このための社会人の学びをリカレント教育」と呼んでいます。
(参照:厚生労働省HPより抜粋https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18817.html)
人生100年時代では個々が主体的に自分のキャリアを作っていかなければなりません。新社会人時代、中堅社会人時代、中高年社会人時代とそれぞれのステージでどのような経験を積み重ねてきたか、何を学んできたか、どのように活躍すべきかなど、振り返りとフィードバックを重ねます。自分が既に持っている能力とまだ持っていない能力を見定め、今後各段階で求められる能力や経験が何であるかを認識しておくことが重要になってきます。
個人が長い社会人人生のなかで自らの能力や経験を積み重ねる一方、会社はそのような人材を確保しそれぞれが活躍できる場を提供することで企業として成長が可能になります。
その際に重要なことが、個人の成長と会社の成長のベクトルを合わせることです。技術革新やDXによる効率化など企業が向かう方向と、それに対応できる人材をリカレント教育で育成する、企業がやりたい事と個人ができることの方向性をすり合わさなければ生産性の向上は望めません。これが「働き方改革第2章」で求められることです。
労働人口減少により、人手不足に悩む企業や人材確保が上手くいかない企業が増えています。そのような状況でも、リカレント教育で仕事に必要な知識を増やし、スキルアップした社員を育てることで、少ない人数でも幅広い領域をカバーし、生産性を上げることができれば企業にとって大変なメリットです。
そのために国の施策で給付金や助成金、職業訓練を行っていますし、ベネッセやリクルート、博報堂など様々な民間企業がプロブラムを開発、提供しています。
皆さまも人生100年時代を見据え、個人の成長と会社の成長の両方を得られるリカレント教育を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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人生100年時代の社会人基礎力
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「人生100年時代の社会人基礎力」です。経済産業省の資料を基に社会人基礎力について説明し、人生100年時代に求められる能力を3つの能力・12の能力要素に分けて解説します。
まず「社会人基礎力」について説明しましょう。(参照:https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/)
社会人基礎力とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。その後「人生100年時代」を踏まえ、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」と新たに定義しました(2018年)。
経済産業省の説明資料では、社会人基礎力をパソコンの【OS】に例えています。つまり社会人としての基盤能力である「社会人基礎力」を身に付けた上で、その【OS】上に【アプリ】としての「業界スキル」や「社内スキル」など業界特性に応じた能力を活用すべきとしています。人生100年時代の働き手は【アプリ】と【OS】を常にアップデートし続けることが求められます。
必要とされる社会人基礎力は「3つの能力と12の能力要素」で構成されています。
能力➀前に踏み出す力(アクション):「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」
能力要素は「主体性」、「働きかけ力」、「実行力」です。「指示待ちにならず、一人称で物事を捉え、自ら行動できるようになることが求められている」と解説されています。
変化の激しい時代に、前例踏襲では解決しないことがますます多くなります。その時に失敗を恐れず、果敢にチャレンジする姿勢が求められます。さらに周りを巻き込んで目標達成するリーダーシップも必要です。
能力➁考え抜く力(シンキング):「疑問を持ち、考え抜く力」
能力要素は「課題発見力」、「計画力」、「想像力」です。「論理的に答えを出すこと以上に、自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力が求められている」と解説されています。
物事を筋道立てて考える論理的思考(ロジカルシンキング)能力が必要です。ムダなことをやっているヒマはないということでしょう。周囲の協力を得るためにも納得感のある解決策や計画は必須です。
能力③チームで働く力(Teamwork):「多様な人々とともに、目標に向けて協力する力」
能力要素は「発信力」、「傾聴力」、「柔軟性」、「状況把握力」、「規律性」、「ストレスコントロール力」です。「グループ内の協調性だけに留まらす、多様な人々との繋がりや協働を生み出す力が求められている」と解説されています。
価値観が多様化し、色々な考え方の人が協働する時代です。自分と考え方が違う人ともコミュニケーションをしつつ、一緒に成果を作り上げていかなければなりません。個を活かしながら、ルールを順守するコミュニティの一員として活躍するイメージです。
このように人生100年時代では、企業や社会との長い関りの中で活躍し続けるために3つの能力・12の能力要素が基礎力になります。
そして、3つの視点「どう活躍するのか(目的)」、「どのように学ぶか(統合)」、「何を学ぶのか(学び)」のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要と位置付けられています。
これからは自らの人生を自分で設計する、まさにライフデザインが重要であるということでしょう。逆の言い方をすれば、長い人生を自分らしく生きるためには3つの能力・12の能力要素が必要ですよということにもなりますね。
次回は社会人基礎力をリカレント教育の視点から読み解いていきます。個人の成長と企業の成長のすり合わせです。
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未来はリーダーシップにかかっている
高橋です。
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今回のテーマは「未来はリーダーシップにかかっている」です。古今東西、未来を先取りし備えてきた企業は繁栄しています。リーダーに必要な時代の先を読むスキルについてお伝えします。
私にとって初めて「未来を先取りした!」商品は、小学生の頃に発売されたソニーのウォークマンです。(田舎者の私がウォークマンを知ったのはきっと発売されてからずいぶん経っていたのでしょうが笑)ポケットに入るほど小さくて、外に持ち出せて、ヘッドフォンで聞く、当時のCMはおじいさんと金髪の女性がウォークマン片手にヘッドフォンをして踊っていました。確かに今までにないモノを感じ「カッコイイ!」と思いました。もう40年以上昔のことです。
「音楽を聴く=リビングのオーディオセットで聴く」が常識だった時代に、「音楽を外に持ち出す」スタイルが将来くるだろうと予見したのでしょうか、いくつか開発秘話が語られています。発売前は否定的な意見が大半を占めていて社内からも「こんなの絶対に売れませんよ」と言われていたそうです。当時会長の盛田昭夫氏は「自分のクビをかけてもやる決意だ」とまで言ったとか。それぐらいのリーダーシップがなければ、皆を率いて前例のないことにチャレンジすることは難しいのでしょう。結果が示すようにウォークマンは音楽業界に革命を起こし、ソニーには莫大な利益をもたらしました。
リーダーが未来を先取りし、それに備える方法はあるのでしょうか?その一つにシナリオ・プランニングという手法があります。
シナリオ・プランニングとは「起きる可能性がありそうないくつかの未来像を描き、その未来が実際にやってきたときに、柔軟に対応するための準備をする手法」と「シナリオ・プランニング」の著者Woody Wadeは定義しています。
世の中の「変化の兆し」を見逃さず、そこから数年後(10年程度の短期や30年先の長期)の世界を創造し、いくつかのシナリオを描きます。ポジティブなシナリオもネガティブなシナリオもあるでしょうが、もしそのような世界が現実となったとしたら、自社(自分)がとるべき戦略は何か?今から準備をするという手法です。
もっとも有名な事例は、ロイヤル・ダッチ・シェル社のケースです。シェル社は未来に起こりうるシナリオの一つに「石油危機シナリオ」を作成し、もし実現した場合に備え事前に体制を整えていたので1970年代の石油危機に対応できたといわれています。
逆に、スイス航空は中小のエアラインをどんどん買収していましたが、格安航空会社の参入を予見できなかったために業績悪化と多額の買収資金返済に苦しみ清算に追い込まれました。(2001年の同時テロによる需要激減の影響も大きかったですが、いずれにせよ予期しなかった二つのことが起こったということです)
リーダーは、世界がどこに向かっているかが見えなければ、ヒト(社員やステークホルダー)を導くことはできません。今起きていることにだけ目を向けたところで、対処療法で場合によっては手遅れになりかねません。
未来に起きることを予見し、色々なシナリオに備えることが、この激変の時代だからこそリーダーに求められるビジネススキルと言えるでしょう。ウォークマン開発のように、未来を創造し、困難に絶えずチャレンジすること、チームを鼓舞し前に進めることがリーダーシップの本質であると思います。
シナリオ・プランニングについては、また別の機会にその手法を詳しくご紹介することができればと思います。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
わかりやすい『伝え方』の3つのポイント
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「わかりやすい『伝え方』の3つのポイント」です。プライベートでも仕事においても、「なんでわかってくれないかなぁ~」とか、逆に「何を言いたいのかさっぱりわからない」などコミュニケーションでストレスを感じることがあると思います。そこで小暮太一著「伝え方の教科書」(WAVE出版)から、わかりやすく「伝える」ために大切なことを私流に3つのポイントにまとめてみました。「よくわかった!」となれば幸いです(笑)。
まず前提として、人が「わかった」という状態にはどのような条件が必要でしょうか。➀把握➁納得➂再現です。➂再現とは、相手の話しを聞いて自分ひとりで思い出して「こういうことだった」と再現できる状態のことです。この3つが揃うように伝えることが、わかりやすく伝える目標です。
相手がこの状態になるように伝えるための3つのポイントは、
➀自分の中で「結論」を明確にしておく→「誰に」「何を」伝えたいのか?
➁話しを正しい順番で組み立てる→テンプレップの法則
➂相手に合わせた表現を選ぶ→相手の立ち位置に立つ
順番に説明していきます。
➀自分の中で「結論」を明確にしておく
結論「何を」伝えたいのかを決めてから話し始めることが大切です。そして結論とその根拠がワンセットになっていなければなりません。また「誰に」伝えるのかによって、話すべき根拠の情報量は変わってきます。
例えば、証券会社の営業マンに「この銘柄が値上がりしますよ!」とだけ言われても、もちろんわかる(納得する)顧客はいないでしょう。そこに根拠を加えなければなりませんが、その根拠を投資経験豊富な顧客と投資初心者の顧客に話す時では、根拠の情報量を変えるべきです。株をよくわかっている顧客に一から説明したのでは話が長くなりかえって伝わりません。余計な情報を切り捨て、相手に合わせて結論とその根拠を短く伝えたいものです。
➁話しを正しい順番で組み立てる
話しの組み立て方には決まった型が有ります。今回はテンプレップ法を紹介します。
1.話のテーマ:「今日は○○について、お話しします」
2.言いたいことの数:「お伝えしたいことは全部で3つです」
3.結論:「まず一つ目にお伝えしたいことは、△△ということです」
4.根拠:「なぜなら、××だからです」
5.具体例:「例えば、・・・というデータがあります。また・・・という実例もありました」
6.もう一度、結論:「よって、△△と言えます」
「話しが長い」「途中で何の話しか分からなくなった」「要点だけ伝えてくれ」など指摘を受ける方は、話しの組み立てができていません。この順番で話しを組み立てると、わかりやすく伝わりますので試してみてください。
➂相手に合わせた表現を選ぶ
同じ言葉で伝えても、同じようには理解されないことがあります。「相手はわかっているだろう」の前提で話し始めることが、「わかりづらい!」結果を招きます。
言葉は人によって受け取り方が違うということです。「けいたいでんわ」という言葉から、スマートフォンをイメージする人もいればガラケーをイメージする人もいます。
また言葉の理解度も人によってまちまちです。先日、携帯ショップで老夫婦がスマートフォンの説明を受けていましたが、途中でご主人が怒り出しました。どうやら店員の説明が、カタカナ語が多く知らない単語ばかりで、横柄に感じたようです。若い店員にしてみれば当たり前の言葉も、ガラケーしか使ったことのない顧客にしてみたら説明不足で不親切に感じたのは当然だといえます。
相手に合わせた表現を選ぶためには、相手に関心をもつ、相手の立ち位置を理解するよう努めるなど話し手の工夫が必要です。言葉選びも、相手の理解度に合わせてわかりやすい言葉に変換することが大切です。
「話すように書くな 書くように話せ」といいます。文章なら構成を考え、主語述語を意識して書きますが、話す時はあいまいでも何となく通じているように感じます。しかし、それは錯覚です。話す時も、結論を明確に、話しの構成を整え、相手に合わせた表現を使って、話すことを心掛けなければわかりやすく伝わりません。今回は、はたしてわかりやすく伝わったでしょうか?!
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