空車回送利用

2006年3月12日 日曜日

早嶋です。



福岡には、片道290円で乗れる新幹線があります。博多駅と博多南の約8.5kmを結ぶ博多南線です。元来、この区間は那珂川町にある新幹線の車両基地に新幹線を移動するための回送路線でした。



これを沿線住民の声で空気を運ぶ回送列車を利用できないかということで、当時の国鉄と運輸省に陳情を重ね国鉄分割民営化後の1990年、博多南線として客扱いが開始された背景があります。



博多南駅から、福岡都心までバスやマイカーで移動すると、渋滞等の影響もあり1時間程度かかります。それが新幹線の回送を利用できるようになると、わずか10分程度の所要時間となりました。運行は、新幹線の回送扱いということで徐行運転のようですが、そこは新幹線。徐行でも120km/hと在来線特急の最高速度です。



日経新聞によれば、現在での1日の利用は6000人程度。元々、空気を運び収益が無かったこの路線、今では年間にざっと13億円(6,000人×290円×2往復×365日)の収益となっていることになります。これは、空車回送を効率的に利用している好例です。運行をしているJR西日本と業務を行っているJR九州は、地元の住民の声に感謝しなければなりませんね。



空車回送を効果的に利用できる例は、JRに限らず、運送、バス、タクシーなど幅広く考えることが可能です。とある都内のツアー観光バスは、空港まで行くツアー客を降ろした帰りに、その時間体に空港につく団体向けに、都内までの運賃を市場の半額程度に設定して乗車サービスを提供している会社もあります。



引越し屋さんでも、同一方面に運送する荷物を混載することで、利用料金を下げて提供しています。もともと、乗っても乗らなくても、運んでも運ばなくても、それにかかる固定費は同じ。であれば、格安にしてもサービスを提供した方が良いという面では、飛行機の割引制度も空車回送を効果的に利用した例として考えることができますね。





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