22年のドルの動き

2021年12月22日 水曜日

早嶋です。

2021年は、covit-19の影響が全世界、全ての業種業態に広まり子供から大人まで関係なくその影響を受けた2年目の年でした。企業においてはデジタル化が一気に加速し、リモートワークが当たり前になりました。1977年生まれの私にとってもおそらく最もエポックメイキングな年になったと思います。

世の中全体の経済は、去年と比較して回復の兆しに。およそコロナ前の状況に戻りつつあります。一方で、世界のコロナ感染者は2.75億人で死者は536万人、オミクロン株が次のピークを起こしている状況です(21年12月22日現在、our world dataより)。covit-19から丸2年、変異株は感染力こそ高まったものの、弱毒性が確認されており来年には、集団免疫も確立されインフルエンザのような季節性のウィルスになることを望むばかりです。

多くの国々では、今後の経済を回復する目的で市場にキャッシュを回しはじめています。米国ではインフレが叫ばれていますが、その発生メカニズムが従来と異なる点があります。一つはコロナによる影響。2つ目はエネルギー問題、そして米中の関係性が崩れていることです。

まずコロナによる影響ですが、現時点ではコロナの回復が見え始め、長い間我慢を強いられていた人々の需要が旺盛になっているのですが、多くのバリューチェーンがストップしたために商品の供給が不足しています。この理由は、半導体のようにサプライチェーンが分断された影響で回復が遅い部品が様々あり、そのために製造が出来ない状態が続いていること。そして、輸入品においては各国のゲートを効率的に通過することが出来なくて海上や国境の前で待ち行列が出来ていること。この2点です。結果的にデマンドプル、つまり需要量の増大に供給が追いつかないために物価の上昇が起きているのです。

2つ目ですが、エネルギー問題が絡んでいます。各国は一連の異常気象を念頭に2040年から2050年の間に相当ハードな目標設定を行っています。結果的に従来のメインディシュだった化石燃料の生産量を絞り込み、エネルギー価格が高騰、これがまた生産を圧迫する結果になっています。当初、クリスマス需要に対して、商品が追いつかない状況は米国のみの報道でしたが、今は日本含めあらゆる国々でその現象が観察されています。

更にコロナの前から続いている米中の争いが加速しています。米国全トランプ大統領の4年間に中国からのサプライチェーンにメスを入れたために、それまで最適化されていた均衡が崩れ、結果的に部品の調達がかなり不安定な状態になっていました。製造業は部品が一つでも不足するとラインがストップされ再開できません。中国からの電子部品等の調達を否定すると多くの電子製品に影響が出て、結果グローバル企業のサプライチェーンが寸断。その下流であるローカル企業にも多大なる影響が出ているという現状なのです。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「22年末には利上げに適した状況に」と金利を上げる方向性を示しています。各国も上述の理由からインフレ気味ですから、過去の歴史を見ても米国の金利上昇に応じて世界中の人が資産をドルに突っ込む動きが加速すると思います。すると相対的に弱い国の通過は極端な話、暴落していくでしょう。



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