M&Aを行う、これから行う実務担当者に向けてのメッセージ、その1

2021年4月25日 日曜日

早嶋です。

何度かに分けて、これから、或は既に企業のM&A担当者として実務を行っている、或はこれから行う担当者に向けてのメッセージです。協会の取組を紹介しながらも、考え方やとりみ方、そして騙されない考え方や失敗を防ぐ取り組みについて紹介しています。

一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会は11年目を迎えます。これまで1,000名以上、130回以上にわたりM&Aアドバイザーの育成講座2日間を開催してる中でM&Aアドバイザーの考え方や実務がかなり変わってきています。11年前、国内においても中小企業が戦術としてM&Aを行うことが当たり前になり、かつその際のアドバイザーの不足を懸念して立ちあがたのが当協会のきっかけです。そのため11年間継続的にM&Aを行うFAの育成とその認知を行ってきました。

一方でここ数年、大企業のM&A担当者の参加が急激に増加しています。受講理由の多くは、「体系的なM&Aの流れを理解把握したい。」です。例えば他社が行っているM&Aの講座は、おおよそ次の通りです。M&Aの実務の流れに沿って、それぞれの担当者や業界の大御所がセミナー形式で話をする。定期的に同様のサービスを提供する組織の講座の研究をしていますが、大枠は同じように感じます。

例えばDDだとその専門家が話し、契約に対しては有名弁護士事務所の所長が話すという感じです。実務を今後行いたい、自分で会社を売却したい、企業の担当者でM&Aの実務をはじめる方にとってポイントの話は理解できる内容になっていますが、全体の流れや筋が分からないという不満が常に出ていることを当初から突き止めていました。我々の講座が受け入れられる理由でしょう。
 
アドバイザーの役割は全体の流れと勘所を抑え、ポイントポイントは適材適所で専門家と一緒に進め、M&Aの契約を滞りなくまとめることです。その流れと勘所を学んでいただきたい一心で講座を作っています。更に、実際に実務を行うと、話を耳で聞いただけではやはり対応できません。実際に行うと資料が集まらなかったり、思うような交渉ができなかったり、聞いたこともないような概念を言われたりと、常にケースがことなります。そのために会員制度を取りながら、毎月2回定例情報交換会とリアルタイムのケースについてのQAを続けています。あくまでも我々の協会の目的は実務を行う方々を増やすことにあります。

但し、大手企業やはじめてM&Aを行う方々にとって未知のせかいですし、M&Aと聞くだけで構えると思います。そこで多いのが、何となくそれっぽい会社に任せてしまい、言い方が悪い言葉を使えば、丸投げしてしまいます。当然、投げられた方は責任を持って解決するでしょうが、人材の事業と同じ。買いの相談が来た場合は、持っているたまやアクセスできそうな案件を紹介して売買を成立したいインセンティブが強くなるでしょう。売り手のアドバイザーに付いた場合は、売り手の心情をあまり把握せずに売り急ぐこともあるでしょう。しかし、売り手や買い手がある程度M&Aの一連の流れやメカニズムを理解できれば、そのようなことは簡単に防ぐことができるようになるでしょう。

協会の講座を受けて頂ければ、そのような考え方や勘所を抑えて頂くことが可能です。そして実務を迎えるタイミングでは、その勘所が指針となって役立つことでしょう。



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