両極端の立場を往復する

2020年10月7日 水曜日

原です。

私は、研修講師や経営コンサルタントとして問題解決を思考する立場であります。一方、農薬不使用・有機栽培の原農園を現場でプロデュースする立場でもあります。
このように、思考と実践での両方の立場に立てる視点は、哲学者ヘーゲルが唱えた「弁証法」の考え方からです。

両極端の立場とは、以下のような内容です。
・作り手(メーカー)と買い手(消費者)
・理論と実践
・論理と感情
・抽象と現場
・マクロとミクロ
・自然生態系と経済至上主義

上記以外にも多様な例があると思いますが、両極端の視点を持つことで、その時々で必要な立場に立ってビジネスを進めることができます。
私は多数の企業コンサルティングや研修講師に取り組んでいますが、稀な人を除けば、多くの経営者は社員の立場にはなりきりませんし、多くの社員は経営者の立場にはなりきりません。多くの作り手は消費者の立場になりきりません。だから、両方を経験できることは自分自身の視野が広がるなど貴重な価値となります。
多くの現場の人たちは、理論や概念を学ぶと「抽象的」と主張します。一方、理論や概念化する多くの人たちは、現場の主観的な意見であり「論理的でない」と主張します。
どちらか片方が正しいという偏った考え方ではなく、概念化や抽象的なことと現場での実践という両極端な領域を融合することで、新しいヒントや非常識なアイデアが生まれる可能性があると考えます。

「自然生態系と経済至上主義」を例でコメントすると、目先の利益だけを追求するなどにより自然生態系は破壊され続けています。しかし、今を生きることが精一杯で人生を考えるまで余裕のない人達が多くなっている時代です。当然、自然生態系のことまで考える余裕はないでしょう。オーガニックや食は大切だと言ってるだけでは、本物の食糧は減少し続けます。
一方、私は子供の頃から自然生態系を実践で学んできました。昔の田んぼは「緑のダム」と言われていましたけど、現在の多くの田んぼは、自然の緑が少ない。稲刈り時期には赤トンボも飛んでいないほど自然生態系が壊れています。
だから、私は弁証法の考え方で自然生態系と経済性の両極端を往復しながら、「本物の食糧」を作り食べていく「農のある豊かな暮らし」を実現化しています。




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