デジタル機器

2013年11月15日 金曜日

早嶋です。

デジカメの売上が減少しています。ニコンとキャノンの決算説明会資料を確認すると、コンデジの販売が大幅に減少していることに加え、レンズ交換型も落ちています。CIPAのデータを参照してもレンズ交換型は国内では伸張ですが、海外では前年比8割り程度の結果です。

ニコン2Q決算
http://www.nikon.co.jp/ir/ir_library/result/pdf/2014/14second_all.pdf

キャノン2Q決算
http://www.canon.co.jp/ir/conf2013q3/conf2013q3j.pdf

CIPA
http://www.cipa.jp/data/pdf/d-201309.pdf

レンズ交換型に参入しているメーカーにとって、レンズ交換型はここ数年伸びる事業と認識していたと思います。従って、実に嫌な兆候でしょう。今後は、カメラに関する認識やコンセプトを変える必要があるのでしょうね。実際、ニコンの社長も新たなコンセプトの商品を発表したいと言っています。同様に各社も新しいコンセプトを打ち出しています。

Nikon President Eyes Smartphone Users as Compact Sales Fall
http://p.tl/Magq

サムソン
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1306/21/news054.html

ソニー
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201309/13-0912/

デジカメも機能を重視して、レンズ交換型を購入するような本物志向のユーザーを狙って機能重視の商品を展開してきました。特にレンズ交換式は本物志向というキーワードをベースに、今でもやり過ぎ感を出した商品展開を行っています。また、ミラーレスの登場に女性ユーザーの獲得を狙いターゲット層を広げるという題目のもと、様々な商品ラインナップを展開しています。

が、この本物志向のユーザー層は企業の規模に対してニッチすぎる市場です。勿論、市場がゼロになることはありません。意味していることは、大企業にとっては本物志向のユーザーが少なすぎるということです。大企業が利益を得れる規模としては、普通の人が使うくらいの市場がある必要があるからです。

その普通の人の写真を撮る行為が、スマフォの内臓機能の一つとなったのです。改めて専用の機材を持ち運んで撮るなどのシーンが徐々に薄れ、多くの人はスマフォなどのデバイス一本にまとめたい、結果的に無意識にスマフォや代替デバイスを選択することになったのです。

この動きはビデオカメラも同様です。従って、これまでの売上はますますスマフォに奪われていくことでしょう。

写真や動画を撮る機会は圧倒的に増えたが、その機器が毎回異なるのではなく、撮りたい瞬間に意識せずに上手に取れる。というコンセプトが受け入れられる、というか自然にそうなったのでしょう。スマフィオやそれに代替されるデバイスに内蔵されるカメラやセンサーの技術はぐんぐん良くなる。それがそのうち、もっと身につけるモノで身近なもの、例えばメガネや時計など。そのようなデバイスにもカメラなどの機能が当たり前についてくる。

結果、専用の機器はプロや一部の本物志向の顧客以外は、やはり興味を失せる商品になるでしょうね。となれば当然市場のパイはグッと小さくなる。大企業が活動できる営利の規模ではなくなるので、小さくても行うか、その部分を切り離した運営にするか、撤退するか。そんな選択肢になると思います。



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