20分と30分

2010年1月18日 月曜日

通常、歯科医院の予約時間の基本単位は30分です。多くの歯科医院で調査したところほぼ、30分間隔で予約を入れています。

そこでお手伝いしている歯科医院で理由を聴いたところ、特に無かったので、時間の検証をしました。結果、次のような事が起こっていました。

1.30分では長すぎて、残りの5分から10分はブラッシングや歯石取りの時間に充てていた。
2.30分では短すぎる場合、60分の予約を取っていた。結果、上記のように時間があまり、ブラッシングや歯石取りの時間に充てていた。

ブラッシングや歯石取りの時間は、患者さんにとって、気持ちが良い時間なので問題は無いのですが、この仕事を全くのサービス、つまり無料で行っている事が分かりました。しかも、このサービスを虫歯の予防の時は、お金を頂いて提供している事も分かりました。

つまり、提供してるサービスが、患者さんに取って実はお金を払わなければならないサービスという事をお伝えせずに提供している。という事態が起きていました。この場合、例えば今後虫歯の治療が終了して、予防のために定期的に来院して頂いた時のサービスにお金を払うの?といった動機になることも考えられます。また、患者さんによっては、ブラッシングとかしないで早く帰りたい!と考えていたかたもいたと思います。

そこで予約時間の基本単位を見直しました。30分から20分にしたのです。これまで30分の予約で短いと思ったら、20分の2セットで40分の時間を取ってもらうようにしました。多くのドクターやスタッフが、30分では短いけれど、40分あれば問題ない。30分では短いけれど、60分は長すぎた!といっていたからです。また、30分では長すぎる時間でも、20分くらいでちょうど良い!とも言っていました。

結果、この時間単位にしてオペレーションをまわしたところ、予約の人数がおよそ1.4倍になりました。また、予防につながるブラッシングや歯石取りを希望する患者さんがいた場合、お金を頂いたサービスである事を明確に伝えていったため、治療が終了しても、定期的に来院してくれる患者さんも増えたのです。

30分の予約時間を20分にしただけ。しかし、その時間で何を提供するべきか?お客さん、ここでは患者さんの気持ちになって考え、更に、歯科医院のオペレーションを見直すことで、収益の改善が認められたのです。因みに、この取り組みは09年の初めに行い、1年の検証を得た結果です。



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