
日本ハムの戦略
2020年1月14日
早嶋です。
日本ハム株式会社は1945年設立、資本金が360億、直近の売上が1.2兆円の企業で国内首位、世界6位の食肉加工メーカーです。売上比率に占める割合(日本ハム総合報告書2019参照)は、
・食肉 57%
・調理加工品 18.9%
・ハム・ソーセージ 10.4%
・その他
です。
99年の売上は8,000億台でBSE問題などがありましたが凡そ20年の間、成長し続けています。日本ハムの特徴は食肉生産、加工、販売までを垂直統合していることです。豪州では生産肥育も手掛けています。一方、競合他社は商社が資料生産や原料調達を行い垂直モデルを補完する事業モデルです。因みに、
・三菱商事と伊藤ハム米久HD
・伊藤忠商事とプリマハム
・三井物産とスターゼン
・丸紅とエスフーズ
などで、他は全農グループが日本ハムと同じような事業モデルと言えると思います。規模では、
・日本ハム・・・1.2兆円
・伊藤ハム米久枝HD・・・8,500億
・プリマハム・・・4,100億
・スターゼン・・・3,500億
・エスフーズ・・・3,400億
・JA全農ミートフーズ・・・2,500億
です。
食肉加工メーカーとしてみると1兆円超えでダントツですが、国内の食品や飲料メーカーと比較すると、サントリーHDは2.2兆円、アサヒグループHDは2.1兆円、キリンHDは1.9兆円、明治HDは1.2兆円、味の素は1.1兆円、ヤマザキ製パン1兆円、コカコーラ9,000億円なので決して安泰の規模でもありません。
日本ハムの海外売上高比率をみると10%程度です。理由は、国内で垂直統合を進めた結果、他社のように商社との付き合いやネットワークが弱く海外進出の足かせになっているからです。
因みに他の日系メーカーの海外進出のパターンは、自力で海外の市場を開拓するか、M&Aをしてチャネルやブランドや事業ごと取得するかのどちらかです。日本ハムは結果的に国内食肉マーケットに特化して、かつ豪州で生産肥育をして処理して加工する拠点はもっている。ただ主に日本に輸出して第三国に輸出する仕組みはわずかです。
日本国内の人口推移をみれば明らかで、今後日本の胃袋は縮小しますので、日本ハムとしての海外への展開は必須です。もちろん、国内で食肉以外の取り組みを充実したとて、胃袋市場は同様に衰退ですので長期的には海外への展開を考えないことは衰退を意味することになると思います。
そのような中、日本ハムは植物性の材料を使う植物肉への市場参入を表明しています。これは大豆を主原料にしたハムやソーセージ風の商品を製造して販売する新規事業です。
動物保護や健康志向、動物を育てる際のエネルギーを鑑みた場合、植物肉の方向性は強まりますが、食肉大手の日本ハムとしては新事業を国内で始める限り大きな経営課題にメスを入れることにはならないと思います。
上述した通り、海外のチャネルを発掘するか、ブランドをM&Aするかなどの戦略を取らなければ将来的な企業価値は上がらないでしょう。
公務員の適正人数
2020年1月13日
早嶋です。
国家公務員の定員が2020年度末に30万人を超え3年連続で定員を上回ります。業務効率化を進める一方で働き方改革の一環として導入する育児休暇の導入や時短勤務を進めた結果、仕事が回らなくなりフォローする人員を増やしているという理由です。公務員の仕事の仕方が本当に効率的になにかに取り組む意識があるか、否かは別として、仕事を皆にわけ働き手を増やすことは良い方向性のようにも見えます。
日本は先進国からすると就業人口に占める公務員の割合が圧倒的に低いです。公務員とは公的機関に所属して職務を執り行う人を呼びますが、社会を維持するために公務を継続的に行うことは欠かせません。もちろん、公務員は公費で雇われるため経済観点で色々と議論の対象になります。
OECDの報告書、government at a glance 2017には雇用全体に占める公務員の比率を調査した資料があります。それによれば2015年時点の数字ですが日本は5.9%です。OECDの平均値は18.1%ですので少ないことが言えます。ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランドなどの北欧諸国は大きな政府の国で公務員比率も高いです。公務員として雇用することを福祉の一環として捉えているからです。
日本では行政改革の一環としてJTやJRやJPなどの公務組織の民営化が進められました。今後、日本は少子高齢化を迎え、確実に減少する労働人口で確実に増加する高齢者の面倒をみる必要があります。その一方で、介護や高齢者を支える仕組みは常に働き手が不足しており民営が行うと営利を追求するためサービスを受けれる人に偏りがでてきます。今生まれてくる子どもたちが10年、20年した時、彼ら彼女らは社会に出た瞬間から超赤字、超高齢者社会です。
そのことを考えたとき、今の仕組みが良いのか悪いのか。真剣に議論して明るい未来のために今からメスを入れることをはじめて行く必要があると思います。
ラグビートップリーグ
2020年1月12日
早嶋です。
ラグビーのトップリーグが12日、東京秩父宮ラグビー場等で開幕しました。去年王者の神戸製鋼はキャノンに7トライを奪い圧勝。パナソニックはクボタに快勝。昨年3位のヤマハはトヨタに競り勝ちました。
ラグビーワールドカップで日本はラグビー熱に盛り上がりましたが、引き続き盛り上がりを見せているようです。にわかラグビーファンは、全国のトップリーグに在籍しているワールドカップメンバを目当てに競技場に観戦にきています。往年のファンに混じって子供連れの家族や女性の姿が目立ちました。
私も家族と12日、NECグリーンロケッツと宗像サニックスブルースの試合を、去年ウルグアイとアイルランドが戦った博多のレベルファイブスタジアムに観戦に行きました。NECのチーム陣や常連っぽい観客からも、「やっぱり多いねー」という声がちらほら聞こえていました。
歴史は繰り返す⑥ 現在と将来
2020年1月11日
早嶋です。
現代貨幣理論MMTは、国はいくらでも借金ができる、従い経済刺激のため借金をし支出を増やし経済を成長させるという理屈です。この考えは雇用が不完全な国には有効でしょう。生産年齢人口に余剰があり人口が増加する国に向けた考えです。日本の場合、予測よりも急速に人口が減少しており出生人口は100万人どころか2019年には90万人を下回りました。そして65歳以上の高齢者の割合が世界最高の28.4%を記録しています。
先進国において人口と経済規模は強い相関関係があります。日本の直近の税収は60.3兆円。所得税が20兆円、消費税が18兆円、法人税が12兆円です。予算は100兆円ですので不足する40兆円は借金です。そして予算100兆円の中で社会保障は33兆円もあり、国債費は23.3兆円もあります。
プライマリーバランスをゼロにすると言いながらいつも借金を増やす国。将来を度外視したオジサンの発想です。だからと言って現状の税収を増やすには所得税か消費税か法人税にメスを入れるしかありません。所得税は原資である仕事をする数が減っているので上げるには税率を更に増やすしかありません。消費税は10%で18兆円。2倍の20%にしても最大36兆円です。法人税は世界的に下げる傾向ですが、仮に倍にしても24兆円です。もちろん2倍になれば確実に本社を別の国に移す大企業が続出するでしょうから非現実的です。
労働者数が激減し高齢者が増える。国の富を表すGDPは一人あたりの生産性と人口の積です。人口が減少する今、生産性を上げるしか富を得る方法はありません。生産性を上げる策としてイノベーションだのICTだのスローガンを掲げるわりには政治家や役人の数は激減しませんし何故か取り分が増えています。本質を議論して課題を追求しないのはやはり現実逃避です。働き方改革、政府主導の最低賃金のアップ、年金改革、女性の社会進出、財政健全化、物価2%アップを目指すインフレ目標。どれもピンときませんし日本の生産性ランキングは28位をみれば本質がずれているとしか言えません。
そうは言っても企業はこの現実を受け止め取り組むことでしょう。生産性を上げるシンプルな方法に規模の経済があります。日本企業はまだ成長期のようにプレーヤーが複数存在しています。従い、今後はますます合従連衡が進むことでしょう。中小企業の数も未だ360万社もあります。ここにも規模を追求するならM&Aは無条件に加速するでしょう。企業がこの動きをする中、自治体も統合をすべきです。都道府県市町村。明治のは廃藩置県の影響を未だに受け人口が減る中行政単位が多すぎます。県があり市がある。同じような役人が同じようなことをして重複して無駄が生じています。
本当に合理的に考えないと自分たちの子供の世代は大変な国になっています。みんなで現実をみて将来のために動かないといけないのです。
歴史は繰り返す⑤ 個人情報と富の分配
2020年1月10日
早嶋です。
近年の資本主義は格差が拡大する仕組みです。1900年代は資本は工場や設備や土地の購入資金でした。それが今は知的財産や知恵などの無形資産に変わりました。その違いを引き起こしたのがデジタルです。
そして、デジタルの住民を牛耳るプラットフォーマーの出現によって更に状況が変わりつつあります。個人情報はデジタル化された瞬間から資産に変わります。しかしそれは個人の資産ではなくなり、自然とあるいは個人があ知らぬ間に、つまり無意識のうちにプラットフォーマーと共有する状態になっています。そしてプラットフォーマーがその資産を活用して富を得始めているのです。
本来その富は個人も教授できればよいのですが、プラットフォーマーが結果株式を握っているため、富の分配は行われません。この動きに対して世間は声を上げはじめています。プラットフォーマーも個人情報の活用の方法を考えはじめています。徐々に個人情報の使用コストが高まっているのです。
しかし、見方を変えると少し勿体ないです。個人情報の総和を人間社会を良くする方行に使えば、結果的により人間らしい、環境にやさしい仕組みが安価にできると思います。例えば、健康に活用する、社会環境を良くする取り組みをする、交通などのインフラや都市計画の仕組みづくりに活用する、観光や物事の発見を通じてより良い社会を作る仕組みに活用する、など大義名分が明確な取り組みにはどんどん開放すべきだとも思います。
となると、個人情報の活用をしている企業は、上記のような取り組みをすることを義務付けられるか、それを行わないのであれば税なのか、個人情報を活用している個人への配分になるか分かりませんが、圧力がます方向になることもイメージできますね。
高級白物家電の限界
2020年1月9日
早嶋です。
白物家電の価格が上昇しています。日経新聞によれば10年前と比較して洗濯機は9割、エアコンや冷蔵庫は2割価格が上がっているようです。中国や韓国とテレビで競争している時に見向きもされなかった白物家電は今やメーカーの収益源になっているのです。
確かに得に洗濯機はドラム式洗濯機など高級路線に走っているメーカーが多く、家電量販店でも10万円後半の商品を多く見ますよね。白物が値上がりをしている中、テレビは反対に大幅に値段が安くなっています。10年前に比較すると5割下がっているようです。
これの違いは世界的な競争です。薄型テレビは国際競争にさらされ世界敵に価格が下がっているのです。そのため部品は汎用化され電源以外は世界共通。競合も中国メーカー、韓国メーカーなど非常に激しく日本のメーカーといっても技術優位に立てないため価格で勝負するしか無い業界になったのです。
白物家電が競争にさらされずむしろ単価が上がった理由は大きさと重さです。洗濯機や冷蔵庫は大きくて重たい。そのため完成品を輸入するコストがかさむことから海外勢が参入しにくかったのです。そこでガラパゴス日本の独特な品質追求のモノづくりが始まり、それが世界競争にさらされなかったのでメーカーは利益も確保し続けた。というのが背景です。更に国内の白物家電を作っていた東芝は一連の低迷で家電を整理した結果、パナソニック、日立、三菱などが大手として残り競争が緩やかになった背景もあると思います。
今後の白物はどうなるでしょうか?日本の可処分所得は低下していて白物家電の価格が高くなると、考えられるのは買い替えサイクルの長期化です。仮に価格が2倍になって、サイクルが2倍になったとしたら、人口は減っているのでメーカーは苦しくなります。実際、これだけ高機能が揃うとそろそろ天井を打ってもおかしくない時期かもしれません。
では、国産白物メーカーは、商品を海外にもって行けるか?ですが、難しいでしょう。一つは同じ理由で重さと大きさで、完成品を運ぶにはコストがかかります。もう一つは、機能が充実している高級白物家電を日本人は買いますが、海外、得にアジアの金持ちは白物家電を使わずに家政婦を雇っています。そのためわざわざ家政婦のために投資をしないため白物家電は日本独特の市場になっているのです。
大型白物家電の特需。令和になって緩やかに縮小することでしょう。
人材育成を阻む日本の現状
2020年1月8日
早嶋です。
追い越せ追いつけの時代はトップの国や地域や企業を模倣すれば良く、誰かが考えたことを正確に早くコピペすることで富を得ることが出来ました。しかし今は目指す姿がなく皆混沌としています。しかも矢継ぎ早に技術革新が起き業界構造が大きく変わりキャッチアップするのが大変な時代です。
そんななか、人材育成の手法は大きな変化もなく、職務を度外視した新入社員大量採用に重きを置き、戦略なきままに様々な経験を積ませてから配置を考えるという手法が蔓延しています。そして育成の手法も専ら育成能力を得に持つわけでもない先輩社員が名ばかりのOJTを繰り返すのみです。
内閣府の2018年度経済財政白書によると日本企業は1人あたりの人的資本投資の2/3をOJTに費やしています。人材教育はOJTとOFF-JTと自己啓発の3種類があります。中で企業が投資して行う人材育成はOJTとOFF−JTです。
OJTに力を入れているということは社外研修や職場を離れた研修に大きな後れを取っていることを意味します。厚生労働省の2018年労働経済分析ではOJTを除く企業の人材育成投資のGDPに占める割合を調べています。米国は2%弱、フランスは1.8%程度、ドイツは1.2%に対して日本は0.1%と極めて低い割合です。
企業にとって人材育成は将来の事業ポートフォリオ実現のための大切な手段です。過去の能力や知識を常に刷新し続け人材を強化することが企業の稼ぐ力や競争力を増加させることにつながります。しかし日本企業の人材育成は世界基準でみると明らかに後進国なのです。
では、なぜこのような状況になっているのでしょうか。考えられるのは企業戦略が脆弱なことです。経営者は常に将来の事業に投資をして、将来のキャッシュフローを増大させる責務があります。しかし多くの経営者は短期敵な思考で自ら既存のポートフォリオを変革することを積極的に行いません。人材戦略は企業戦略に紐づくので結果的に人材への投資もあまり考えられていないのです。
次に考えられるのは人事部門の専門性の低さです。グローバルカンパニーでは、人事の専門知識や学位を持つ人材が担うのが当たり前ですが日本は違います。言葉は悪いですが人事の知識や経験が乏しい素人がたまたま配属されて過去の模倣を繰り返すだけなのです。したがって未だに新入社員を採用して接遇研修や読み書きそろばんのようなトレーニングを繰り返すことに時間と資本を費やしています。
日本にある独特の人事制度も関係すると思います。年功序列や入社年次による雇用管理システムです。経済成長していた頃は、事業拡大とともに新しいポストが生まれました。そのためある程度仕事をしている人はそのポストにつかなければ仕事が回りませんでした。しかし成長が低迷してもその仕組が残っています。役割が変わらないのに年齢と共に役職が付き評価が高まるという実に不思議な仕組みです。
厚生労働省の2018年賃金構造基本統計調査によると日本企業の男性社員の賃金ピークは50歳前半で約43万円/月です。これは25歳後半の賃金の1.7倍に相当します。この悪しき制度がはびこるあまり若手が能力を発揮しても評価されないし、若手の能力を積極的に活用する思想も乏しいものになっています。もっというと能力に関係なく年齢で評価がなされるため何もせずに年を取るのをじっとまつ忍耐力の強い社員が増えるばかりなのです。
伝統的な日本企業は今でも戦後の新卒一括採用、大量雇用を信じています。そして信じられないことに職務を明確にしないままに未だに雇用を続けています。明確な人材育成方針が無いのは一般に幅広く経験を積ませてから配置を考えるという30年以上も前の考え方から脱しきれていない部分があるのです。
このような環境では間違いなく尖った能力を持つ人材や高度な専門性を持つ人材は育た無いでしょう。仮に職務を明確にして専門性の高い人材を一本釣りしようとしても、労働組合が許しません。自分たちよりも年齢の低い社員の給与が自分たちよりも高いことが理解できないのです。
こう考えると日本の組織は将来に渡って構造的に良くなる気配がしませんね。本来、現在のような環境下では職務を明確にした上でその能力を有する人材を採用するという手法に変えないと生き残れません。当然、その前提として企業は明確な進むべき方向性を明らかにして、達成のために不足する能力を採用と育成によって埋めていく考え方に転換することが重要です。今の考え方を変えない限り、今後も状態が良くなることは無いでしょう。
行動観察
2020年1月7日
原です。
グループインタビューやアンケートはよく活用される重要な手法なのですが、万能ではありません。そのため、司会者が正しい質問を行ってもニーズやノウハウ、課題の抽出には限界があります。そこで、限界を突破するために追加して有効な手法が「行動観察」です。
行動観察が有効な理由は2つあります。
1つ目は、「言語化されていないニーズやノウハウ、課題を抽出できることです。人間はほとんどの行動を無意識に行っています。ハーバード大学ビジネススクールのジェラルド・ザルトマン名誉教授の「心脳マーケティング(ダイヤモンド社/2005年)」によると、人間の行動のうち、自分で認識しているのは5%程度しかないと述べられています。
つまり、人間は自分自身の何気ない行動をすべて把握しているわけではないです。
さらに、自分のニーズを構造的に解釈して理解しているわけではないです。そのため、重要なニーズが存在していても、本人がそれを把握しているとは限らないです。行動観察では、人の行動をすべてつぶさに観察することにより、本人が認識していないニーズなどを知ることができます。
2つ目は、社会通念によるバイアスを排除できることです。アンケートやインタビューにおいては、社会的に「こうあるべきだ」と思われている方向に回答が影響されがちです。例えば、「日頃から料理をしていますか?」とアンケートやインタビューで聞くと、ほとんどの人は、「はい、料理をしています」と答えます。しかし、行動観察を行えば、日頃から料理をしているとは思えない事実が分かってきます。つまり、行動観察とは、社会通念に反する実態であっても把握でいるのです。
続いて、行動観察のステップについてです。行動観察のステップでは、現場に足を運んでそのフィールドでの人間の行動を詳細に観察し、実態を把握します。その場で気づいた事実について詳細なメモを作成します。
筆者は、グループインタビュー前には顧客モニターに商品の実体験を行って頂き、体験時のモニターの行動を観察します。気になった行動内容についてグループインタビューでヒアリングしながら深堀りしていきます。
例えば、司会者が「体験中、待っている間が退屈そうでしたね?」と質問すると、顧客モニターの方からは、「そういえば、あの時そう感じました。待ち時間がとても退屈でした。」などの本人が気づかなかった潜在的なニーズや課題を発見することができるのです。発見後は、グループインタビュー後のテキスト分析、分析結果後の改善策の提案というステップとなります。
エンゲージメント
2020年1月7日
安藤です。
エンゲージメントは、アップルやグーグル、ディズニーやザッポスなど、世界の成長企業が導入しています。
最近では、離職防止・生産性向上・組織の可視化・働き方改革・マネジメント力向上などを目的に エンゲージメント向上に取り組む日本企業も急増しております。
また、現在既におこなっている1on1や研修における効果測定および改善のために、エンゲージメントの可視化に取り組む企業様も数多くいらっしゃいます。
エンゲージメント(従業員エンゲージメント)という言葉が、従業員の状態を把握する概念として日本に展開されてから約10年程経っています。従業員エンゲージメントとは、企業が目指す姿や方向性を、従業員が理解・共感し、その達成に向けて自発的に貢献しようという意識をもっていることを指します。言わば、組織の目指すゴールに対する「自発的貢献意欲」を意味します。
従業員満足とは違います。相違点としては、従業員エンゲージメントは、会社が目指す方向性や姿を物差しとして、それらについての自分自身の理解度、共感度、そして行動意欲を評価します。しかし、従業員満足の場合は、所属する組織、職場の状況、上司、自身の仕事などについて、「従業員が自身の物差し」で評価します。
今までは、従業員は会社の帰属物であり、「会社・組織側の適切な施策により達成可能」という考え方がありました。これからは、従業員は、個々に経験や能力、スキルや意欲、興味関心を会社の成長ベクトルに向けていかに投入してもらうかが重要となってきます。そのためには、組織も魅力ある組織になっていくことが求められます。
ストレスマネジメントとエンゲージメントの関係については、取り組む仕事にストレスを感じない⇒興味・関心⇒ジョブクラフティング⇒エンゲージメントという流れになります。ジョブクフティングも最近のキーワードです。指示型でなく、仕事を自分で再定義・再構築していくことです。エンゲージ度を高める基本は、ジョブクラフティングです。
そして、これからの人材マネジメントにおける最大の焦点は、エンゲージメントです! 仕事の意義を議論し、よりよい方法を創造する雰囲気があり、シナジー効果を広げるという風土をどう構築していくかが重要になってきます。
エンゲージメントの促進には、上司との人間関係、上司の人間性が部下のエンゲージ・レベルと強い関係を持つと言われています。
エンゲージメントの促進などにご興味・ご関心のある方また、気軽に弊社にご相談くださいませ。
歯科医院に学ぶ本気の経営
2020年1月7日
高橋です
毎月この1か月間にお会いした人、会社の中から、私が選ぶ The most impressive Meeting(最も印象に残る出会い)を皆様にご紹介してまいります。
今月のテーマは「歯科医院に学ぶ本気の経営」です。
今回ご紹介するのは、開業して6年目あっという間に地域売上NO.1を達成し、すでに2店舗目を開業された歯科医院です。
この歯科医院の特徴は、医療機関でありながらその辺の企業よりはるかにビジネスリテラシーが高い点だと、私は思います。
まず「ビジネスリテラシー」について説明します。リテラシーとはその分野に関して知識や教養があるという意味です。「ITリテラシーの高い人材を育てる」や「日本人は金融リテラシーが低い」などの使い方をします。
「ビジネスリテラシー」とはビジネスにおける知識や教養という意味です。今回は➀対人スキル②ロジカル思考➂コミュニケーション力に分解し、この歯科医院の特徴をご紹介します。
➀対人スキル
この医院では徹底的な顧客志向を目指し、癒しとおもてなしを理念に掲げ全てにおいて実践しています。理念がお題目で終わっている医院や企業が多い中、この医院ではまさしく徹底しています。まず医院のしつらえ、インテリアが歯科に見えません(笑)カフェと見間違えるほどオシャレな空間と音楽で患者がくつろげるようにしています。また接遇マナーの講師による研修を継続的に導入し、スタッフ一人ひとりがおもてなしの接客を体現しています。歯科に来た気がしない心地よさ、自分が大事にされているなぁと実感できる、スタッフの対人スキルが高くなければできないうれしい体験です。
②ロジカル思考
この医院では、きわめてロジカルにマーケティングを行っています。すなわち商品戦略と顧客管理システム(CRM)の導入です。
商品戦略は他と差別化できる商品(施術)を開発し、いかに顧客に届けるかという戦略です。この医院では他の医院にはない画期的なホワイトニングに強みを持っています。スタッフも自信を持って勧めることができ、患者も満足しリピート率が高いので、医院の売上に貢献しています。そして定期的にキャンペーンを打つことでホワイトニングの顧客数を増やしています。
CRMはキャンペーンのみならず強力なツールになっています。CRMとレセプトコンピューターが連動し、患者一人ひとりの治療内容や履歴、前回来院時期、ホワイトニング購入履歴はもとより、直前キャンセルの履歴やキャンセル連絡の有無まで一覧表示されます。どの患者に、どのようなインフォメーション(キャンペーン情報や定期健診)を、どのタイミングで、どのように(ハガキかメールか電話か)出すか、患者毎に最適化された情報がCRM上に毎日ポップアップされますのでモレがなく、負担は最小限に、その分治療や顧客対応に時間と労力を向けることができるので、効率が良くスタッフの生産性が高いのです。
➂コミュニケーション力
そしてこの医院の特筆すべき点は、スタッフ全員参加のミーティングにあります。私はこのミーティングを見学させていただき本当に驚きました。「ダラダラ時間のムダな会議」「結局何も決まらない会議」などよく聞かれますが、それとは真逆の会議です。スタッフが主体的に取り組み、医院の今後の戦略、課題の発見と解決策の話し合いを進めます。全員が付箋を持ち、短い時間で意見を書き、張り出し、議論し、決定する。「共有→発散→収束→決定」という会議4サイクルがにこやかな雰囲気の中にも真剣に行われる会議を目の当たりにしました。
目指す方向が一つで、チーム一丸となって進む組織だからこそできる会議です。スタッフ間のコミュニケーション力の高さが際立っていました。
院長曰く「このような医院にすぐ成れたわけではない。たくさん失敗もして、人の入れ替わりに悩んだこともあった。でも理念を実現するためにあきらめずに続け、ようやく結果がついてきた」とのことでした。まさに、院長が本気で経営に取り組んだ結果でしょう。
『厳しいプロは、高い目標を掲げ、それを実現することを求める。』 (現代の経営)
『挑戦の大きなものでなく、容易に成功しそうなものを選ぶようでは、大きな成果はあげられない』(経営者の条件) by P・F・ドラッカー
セールスプロセス構築、営業研修、会議改革、人材育成、チームビルディングなどにご興味ご関心のある経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
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