
パナマ運河のプライシング
2016年3月12日
早嶋です。
「2016年第一四半期にパナマ運河の拡張工事が終わる。」去年の11月に都内でパナマ運河庁の長官が発言しています。そろそろ新運行ルートの活用が始まります。エネルギー問題が常に国の政策とリンクする日本にとっては、パナマ運河の拡張工事の目処が付くことは朗報ですね。
そもそもパナマ運河は何がポイントななのを整理してみました。世の中がグローバル化して瞬時に情報のやり取りが出来るようになっても、ものの動きは一定の成約条件があります。ビットの限界費用はゼロに近づきますが、アトムの移動は常に制約の対象です。小さいものであれば列車や飛行機がありますが、バルク単位、トン単位で容積が大きい物や重たいものはやはり船での流通が主になります。
パナマ運河が重要な地域は、北米東海岸とアジア・日本を繋ぐルートです。特に、この路線において日本が注目すべきはLNGです。東京ガスや商社などはこれまで、北米やヨーロッパ諸国と比較して割高なLNGを扱いざるを得ませんでひた。しかし北米からの割安なシューエルガスの輸入が日本にとって硬直したエネルギー構造に風を通すチャンスとなります。
全長約80kmのパナマ運河の特徴は、大西洋と太平洋を結ぶ物流の要でありながら、スエズ運河と違って航行できる船の大きさに制限がありました。そこで2007年から拡張工事が始まります。当初、2014年に完成予定でしたが、工期が遅れて今の時期になっています。
完成後のパナマ運河は、これまでのコンテナ船では2.6倍の容量が運べ、ばら積み船は2倍の重量の運行が出来るようになります。そしてLNG輸送船も新たに航行が出来るようになります。これまでLNG船と同等の規模の船が米国東海外から日本に行くためには喜望峰回りが主流でした。日数は45日必要でした。また、スエズ運河を使えば日数の短縮ができましたが通行料が高くて割りに合わない。それがパナマ運河の開通によって25日の日数に短縮されるのです。
これによってLNG線の年間の往復回数を増やすことが出来るようになります。また燃料費、用船費などのコストも削減できるようになります。しかし今のところパナマ運河の料金がどの程度に設定されるのかによって、上記の考え方が異なってきます。パナマ運河は過去において料金の設定が不安定で値上げを行うことが多々あったからです。
しかし、これは墓穴をほった形になっています。不確実性が高いところに対しては企業は常にヘッジを考えるからです。そして近年の温暖化の影響により欧州とアジアを結ぶルートに北極海の活用が可能になったのです。時期は7月から11月と限定されますが、船舶の航行できるようになったのです。これまでの欧州と日本の輸送距離を考えると、スエズ運河経由と比較しても6割りも短縮できるのです。これによってノルウェーから東京電力にLNGを運ぶ実績ができています。また、ロシアの北極海沿岸でもLNG生産と輸出計画があります。
日本にとってはLNGの調達先が増えるのでプラスですが、パナマ運河にとっては誤算でしょう。また、近年の原油価格の暴落によって、その価格と連動して値段を決めているアジアやオーストラリア産のLNG価格も下がっています。これは米国産のLNGの価格差が詰まることを意味して、計画当初ドル箱だと期待した北米東海岸とアジア・日本におけるシェールガスの運行の需要の減少に繋がるかもしれません。これまパナマ運河にとっては痛いところです。
中国がかつてレアアースの価格を一方的に跳ね上げ、世界から暴利を貪ろうとした時、日本をはじめとする国々はレアアースの代替を急ピッチで開発するインセンティブを余儀なくされました。結果、それらの代替ができ、今ではレアアースが昔ほど必要とされなくなりました。中国はレアアースの値段を下げますが、全体のパイが小さくなったので価格が安くても買い手が昔ほどつかなくなったのです。
さて、パナマ運河。昔の教訓と今の状況を見てどのようなプライシングをするのでしょうね。LNGに対しては11月のスピーチでは往復割引を設定するとありますが、まだまだその部分はグレーです。
東芝に関するキャノンと富士フィルムの心境
2016年3月10日
早嶋です。
ロイターのニュースで東芝とキャノンと富士フィルムの状況を考えました。ワクワクしますね。
http://jp.reuters.com/article/toshiba-canon-idJPKCN0WB0MF
東芝はキャノンに独占交渉権を与えメディカルの売却を進めたい意向。東芝メディカルの医療機器に関する考え方の根底には、患者さんの体の内部に機器を入れないということ、ということで、
●画像診断装置(MRI、CT、PET診断、X線診断システム、超音波診断)
●検体検査機器
●整体センサー
の3部分で約4000億の売上、約300億の営業利益を出している。
※以下、数字は各社Webやこれまでの新聞等から拾っています。直近2015年の情報です。ある程度丸めています。
中でも画像診断装置についてはCTのシェアは国内ではダントツトップの約6割のシェア(次いでシーメンス、GE、日立、フィリップス)、MRIのシェアは国内では16%程度のシェア(GE、シーメンスが約3割、次いでフィリップス、東芝、日立)、超音波診断装置に対しても国内では日立、GEがともに約3割のシェアで東芝は3位の2割のシェアと国内の主要画像診断機のシェアは他の国内メーカーより圧倒的に良い成績です。
医療機器の世界の市場は35兆円オーバーで日本、西欧、北米、その他先進国で8割、BRICsと他の途上国で2割を占め、先進国は7%から8%程度の市場の伸び、新興国は9%から14%程度の伸びで、どちらの市場も成長まっさかりです。
従って、国内の市場で日立以外の医療機器メーカーが参入しようと思っても、そもそも出来ない、或いは再編がまだまだ進まない市場でした。参入するには医療機器の開発に加えて商流を押させる必要があり、自前で今から行っていたとしても、これだけの市場と魅力ですから古参の企業に一蹴されます。再編が進まない理由も市場自体が伸びているので互いにシェアを維持することでも売上は伸びていきます。ある程度のポジションがあれば他社を蹴落としてまで競いません。また、参入している企業に東芝のように超重大な事業が無い限り売却する意思は無いでしょう。
従って、キャノンや富士フィルムなどの光学機器メーカーとしては是非とも東芝に資本を入れて一気にこの分野に参入したいところですよね。ちなみに過去、同様にオリンパスの案件がありましたね。
ここからは東芝メディカルの画像診断機器のビジネスを中心に考えます。国内は東芝と日立がプレーヤーとして有力ですが、世界市場を考えた場合CTはシーメンスとGEで合わせて5割を占め、東芝が17%、フィリップスが11%、日立が4%です。
MRIの世界シェアはシーメンスとGEで合わせて5割を占め、フィリップスが15%、東芝が10%、日立が7%です。
超音波診断装置ではGEが22%、フォリップスが19%、東芝が14%、シーメンスが14%、日立が4%。
なので日本チームで世界で戦うのであれば日立がM&Aすることで日本企業が世界での優位性を高めることは可能です。が、今回名乗りを上げていないのか、紙面の報道に無いことをみると1)競合の日立さんだけには資本参加になりたくないという東芝メディカルの意思がある、2)キャノンや富士フィルムがより高く買ってくれるとよんだ、のかだろうと思います。
独占交渉権を得ているキャノンの売上は約3.7兆円、営業利益が3700億程度。オフィス機器が7割、カメラ・レンズが2割、産業機器が残り1割弱の構成です。直近20年の売上を見るとピークは2007年で4.5兆の売上、7000億の営業利益でしたので、期間を長くみると低迷しているといえます。
全体の構成の中でオフィス機器の売り上げはステイ、カメラ機器の売り上げは減少、産業機器は若干の成長というポートフォリオです。
オフィス機器の中で複写機複合機は世界で2位ですが、レーザープリンターやインクジェットプリンターは競争が激化して低価格化が今後進んでいく方向性。加えてプリンター事業の売上は事業部門や部単位で契約をしてリース契約というビジネスモデルから、顧客企業の拠点を一括受託して契約するMPSという方式に近年転換しています。そしてMPSでのシェアは国内では富士ゼロックスとリコーが圧倒的に強く、世界でもこの2社が力をつけています。
そう考えると光学機器メーカーとしては新たに新分野のポートフォリオが欲しいところでしょうが、キャノンは出遅れているという状況が見えてきます。或いは、他の光学機器メーカーよりも成績がよかったが故に、他の光学機器メーカーの事業ポートフォリオ再編の動きに追従しなかったのかもしれません。幸か不幸か、ビジネスはゴーイングコンサーン。今は良くても5年先を考えて動くのが戦略です。
他の光学機器メーカーはここ10年程度で自社の事業ポートフォリオの再編を模索、或いは一気にカイゼンしています。
リコーの戦略は全体の規模が大きいものでは無いので事業を商業・産業印刷に強化してMPSに集中して成果をあげています。
富士フィルムは医療・ヘルスケア事業を中核事業として成長させ、他にも電子部品や素材にも強みを持っており素晴らしいポートフォリオを構築しています。また富士ゼロックスを資本参加に加えオフィス機器も順調です。
コニカミノルタはオフィスと医療機関向けのソリューションにフォーカス。
カメラの競合であるニコンもマイクロスコープや理化学機器、医療機器などの強化を検討しています。
オリンパスは内科用の内視鏡で世界トップのポジションになり、半導体にも強みを出しています。
ということで、キャノンは医療分野や理化学機器分野の強化を勧めたくてウズウズしていたに違いありません。上記を総合的に考えるとキャノンかニコンが最も高値で買いたいはず。が、ニコンはキャッシュがありません。従って独占交渉権を先ずはキャノンに示して、ダメだった場合に富士フィルムに持っていくという流れは天晴ですね。
キャノンの時価総額は現時点で4.4兆円ですから、実際の企業の業績からしても高めです。今回の東芝メディカルの売上は4000億で営業利益が300億。M&Aのスタート価格としては10倍の3000億前後でしょうが、東芝はどうしても7000億円を欲しいとしている。損金の穴埋めをしたい、しかも3月末までに。
一方、キャノンとしてもこのチャンスは他に無いのでここでMAできなかったら事業ポートフォリオの不安を持ち越しになる。ですから倍払っても今株価が高くて市場が気がついていないから良いよね。ということで一番ドキドキしているのでは無いでしょうか。
また、仮にキャノンとの交渉が失敗したら、富士フィルムはかなり強い立場で交渉が出来るとおもいます。MAできれば更に医療分野が盤石になる。しかしキャノンよりも状況は良い。加えて今期末までの独占交渉件を握る最後の企業になる。東芝は来期に持ち越すよりはキャッシュを手にしたい。富士フィルムは条件を強めに示していた背景には、上記の考えがあったのかもしれません。
独占交渉権は3月18日まで。この動きは非常にエキサイティングな交渉となるでしょうね。
戦略的な営業って・・
2016年3月7日
早嶋です。
ここは戦略的に値引きをして、是非、取りに行きましょう!なんてかっこいい言葉を使って、いつものように営業サイドが値引きをしています。これって結構まずいですよね。
そもそも戦略的に値引き!というぐらいだから、その値引きは企業戦略にどのようなシナリオにもとづいて紐づくのか?と質問したくなります。もちろん回答は帰ってきませんが。
なんとなく皆が思っている。競合他社含めて商品(製品やサービス)に違いがなく、決め手はただただ値段だけになってしまうと。したがって値段を下げることに対して何の抵抗もなくなってきます。
が、一度値下げをしてしまえば、その価格は二度と上げることはできません。そして、ジリジリと自社の利益を圧迫していくのです。仕事は忙しいのにボーナスがでない。それは当たり前、原資である利益が無いからです。
上記の場合、規模に対して商品展開をしすぎている。顧客ターゲットを度外視した営業をしている。技術サイドが強すぎてマンモスのような商品になり結果売れない。等々、いずれにせよ直近の行動でどうにかなる問題は少ないです。結果的に企業が戦略なしに商品に力を入れすぎた結果です。
だったらどうする?直近は過去定価で購入してくれた顧客の分析を行って、そのセグメントにフォーカスするようにリソースを集中する。根本的には企業の戦略をゼロから見直す必要があります。
いいかげん売り方を変えていかなければ、これだけ成熟した市場においては、一気に他の全くことなるビジネスモデルによって一瞬にして消え去られることになるかもしれませんね。
マツダのミニバン撤退
2016年3月3日
早嶋です。
マツダがミニバン撤退という意思決定を決めた、良い決断だと思うし、私はもっと車種を絞っても良いと思う。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6192923
例えば、直近のマツダと自動車業界のリーダーであるトヨタを比較してみます。それぞれの情報は、企業サイトから、車種はサイトにある種類を数えておおまかに記述しています。
■トヨタ
売上27兆 営業利益2.7兆 車販900万台 車種100種
平均単価300万円/台
1車種ごとの売上270億円/車種
参照:http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/financial/high-light.html
■マツダ
売上3兆円 営業利益2,000億 車販140万台 車種30種
平均単価214万円/台
1車種ごとの売上100億円
参照:http://www.mazda.com/ja/investors/financial/highlight/
これ単純に考えるとマツダはトヨタの1/10の売上なのに車種は1/3です。従って、1つの車種にかかる経費、例えば販売や開発やメンテナンス等々を考えるとやはり多すぎですよね。
マツダはSUVとクリーンディーゼル。そしてロードスターのイメージが強く、そこにもっと資源をフォーカスしても良いのでは?と感じます。
繋がりのイノベーション
2016年2月29日
原です。
イノベーション・モデルのパターンの中に、顧客エンゲージメント・イノベーションがあります。簡単に言えば、「心をつかむ交流をどのようにして促進するか」です。
つまり、顧客の心の奥深くにある願望を理解し、その理解を踏まえて顧客との間に意味のある繋がりを築くことです。
購入型クラウドファンディングは成長市場で、2016年末には、33億円規模になると予測されています。購入型クラウドファンディングの特色に、リターン(お返し)というルールがあります。このリターンは、繋がりを築くための成功の鍵であると実感しています。
具体例では、ある1人の男が、「お酒の飲めるマンガサロン」を開店したいというプロジェクトを考えました。その想いの理由は、「自分はマンガが好きだ。できればお酒を飲みながらマンガ好き同士で語り合いたい。語り合える場を創りたい。」でした。しかし、その想いを実現するためにはお金が必要。その資金調達手段としてクラウドファンディングを活用して目標金額を集めることに成功しました。
そして、支援金をして頂いた支援者の皆さんへのリターンの内容は、マンガサロンへの招待券など、支援者がマンガサロンに来て楽しい時間を過ごせる時間と場の提供を準備したのです。支援者の皆さんにとってのメリットは、このマンガサロンで楽しい時間を過ごせるという参加権を得ることです。一方、プロジェクト起案者のメリットは、資金調達による想いの実現です。
さらに、資金調達だけでなく、ファンづくりにも繋がりました。マンガサロンを創りたいという想いとマンガサロンで楽しい時間を過ごしたいという顧客との間に共感という繋がりを築くことに成功したのです。
「心を掴む交流をどのようにして促進するか」イノベーションへの大切な問いです。
イクメン職場の壁厚く
2016年2月29日
安藤です。
今回は、『イクメン職場の壁厚く』(日本経済新聞1月26日掲載)についてです。
育休妨害・嫌がらせ1割経験、働き方がカギに!という見出しでした。
ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
育児休業などを取得する男性が職場で嫌がらせをうける「パタニティ(不正)ハラスメント」が子育てをめぐる新たな問題になっているという内容です。
具体的な例を挙げると、大手企業で研究職として働く30代の男性は、同僚の面前で上司から咎められた。妻と共働きで3人の子供を育てる男性は、育児を理由に提示より早く退社するフレックスタイム制の勤務を会社から認められていた。しかし、上司が男性の退社後の時間帯に職場の定例会議を開くようになった。上司は、「職場のメンバー間に協調性を持たせるため」と説明し、男性の欠席理由に耳を貸さなかったという。(引用:日本経済新聞1月26日)
政府は、少子化対策・生産労働者の減少策として、女性活躍推進を掲げ女性が働きやすい環境づくりに力を注いでいます。その策に関連して働く男性が、育児に積極的に参加できるように育児休業を取得することができるように、社会の風土を変えようと『イクメンプロジェクト』を行っています。
詳細はこちらを⇢『http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/06/tp0618-1.html
しかし、制度があっても取りづらい風土があり2%しか活用していない。それでは、
女性が働きやすい環境づくりには程遠いとうことです。制度と環境づくり両輪でやっていかないと女性活躍推進は難しいのが現状です。
そこで、『イクメン』を促進するために上司の意識を変えていただく必要があります。
『イクボス』の促進です。「イクボス」とは、男性の従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や上司のことです。 子育てに積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶのに倣い、そのイクメンを職場で支援するために、部下の育児休業取得を促すなど、仕事と育児を両立しやすい環境の整備に努めるリーダーをイクボスと呼びます
これからの企業には、『イクボス』への促進が必要ではないでしょうか?
㈱ビズ・ナビ&カンパニーでは、『イクボス研修』または、女性の部下の指導についてお悩みの方へのカウンセリングも行っています。
何かお困りのことがありましたら、㈱ビズ・ナビ&カンパニーへご相談くださいませ。
脱HOWありき思考
2016年2月23日
早嶋です。
ものごとはWhy、What、Howの順番で考えるのが定石。と分かっていても、多くの場合、Howありきで考えてしまう。
Why:目的やありたい姿
What:現状と目的やありたい姿のギャップ
How:上記を解決する方向性と具体策
これは日常生活から仕事の場面までありとあらゆるところで観察されます。
例えば、ダイエット。
最もHowありきで考えられるモノ。なんとなく青汁とか腹筋マシンとかダンスをするためのCDとかに手が出ます。が、そもそも何故痩せるのか?というありたい姿が不明確でかつ現状とのギャップが見えないので、どのくらいの期間でどれだけ、そして何故やせるのかがないままにHowを求めてしまう。結果、購入した時点で満足してしまう。世の中の肥満は増加して、世の中のダイエット業界のビジネスも肥大する。矛盾ですよね。
例えば、貯金。
最近の若い人は、兎に角不安。なので少しでも将来のためにと思い少ないお金を貯蓄に回す。が、そもそもどうなりたいのか?に対してクリアでない。かりに本当にお金の心配をするのであれば日本円ではない通過も選択するでしょうが、そこまでは考えないでとりあえず取組10年、20年思考を停止する。もしアタマがクリアになっていれば、そもそも今のペースで貯金したとて足りない。だったら今のアタマに投資して将来稼ぐ素材にならないと。というような別の選択肢も出せないまま。悲しい。
例えば、報告書。
元々は、本部が組織の活動を把握してフィードバックをとる。組織は、企業の目的を達成させるために、それらを分析してより良い仕事をしやすくする仕組みを作るなどに活用していた。が、徐々に形骸化してフォーマット通りに書かなければハンコが押されないというHowありきになってしまう。その作業に意味がなければ一度ゼロリセットしても良いと思う。が、誰も何も考えない、言わない。そんなことにも気が付かない。
例えば、会議の1時間。
全ての会議が何故か1時間。何のために、何故行うのか?だから誰を呼ばなければならないのかの議論が無いまま、とりあえずの1時間。報告であろうが、議論であろうが1時間。結果、常に中途半端な時間を過ごす。統計では世の中の仕事をしてるヒトは仕事の3割を無駄な会議に当てているという。もっと大切にするものがあると思う。
毎回は大変だが、ポイントポイントで、で目的はなんだっけ?と確認するのは良い作戦です。
海外進出での不整合な戦略
2016年2月18日
早嶋です。
多くの日本企業はグローバル企業と違った戦略を取ってきています。それは、明確に自社のポジションを定義せずに優れた人材と他社が模倣出来ない技術を駆使して自社の強みを磨く安定した経営です。
この経営手法は日本が未だ経済成長を遂げていた時代の名残があると思います。複数の企業が同じ業界に集い、ある程度それぞれの企業が差別化しながら、それなりに激しく競争をするのです。前提が差別化する競争であり、そのため差別化する技術、それを提供する人材に磨きをかけてきました。
しかし経済の成長に陰りが出始めることで一変します。国内の経済低迷の中、そこそこの企業規模がある会社は市場を海外に求めざるを得なくなります。国内だけのパイでは自社の社員を食べさせることが難しくなったからです。
方向性としては間違いないのですが、国内と同じような戦い方で挑みました。ある程度製品ラインナップを揃え、全方位的に攻め、それぞれのセグメントで差別化を試みようとするのです。
しかし海外、特に中国やインドや東南アジアなどの新興国では、消費者のボリュームゾーンを拡大する企業が台頭してきます。彼らの戦略は普及品をボリュームゾーンで売ってシェアを取りに行くことです。販売シェアを高め小売に対して交渉力を高め更に沢山販売する。徹底的に消費者のブランド認知を確保していく。
日本以外の市場では、比較的良い商品を安価に提供するか、徹底的に差別化した商品を一部に対して高く売っていくかのポジションを明確にした企業が成功を納めていました。それに気がつかないでポジションが不明確なまま、差別化とコストの両方を追求する。しかも全方位に攻め込む日本企業は常に競り合いに負けてしまいます。
日本での成功体験をそのまま海外に持込み、日本でのネームバリューが海外でも同等に使えると勘違いするかの如くの戦略。何年たっても一向に販売量を伸ばすことが出来ません。それにもめげず差別化とコストを追求する戦いを全方位に広げているのです。
日本での戦い方が通じない場合は、自社のポジションを明らかにして、自社の立ち位置を明確に受け入れて、日本とは違った戦い方をしなければならない。中々気が付かずに現場ではいつもコストで負けているといい、技術部隊は更に差別化をしなければ売れないと悪循環が続きます。
その土壌での戦略がマッチしていないのです。
日本の台所事情
2016年2月16日
早嶋です。
現在、日本の借金は1000兆円あります(参照1)。これに対して、債務償還費や利払費用が毎年24兆円かかっています。国の年間予算の24%が借金の返済等に当てているのです。
参照1日本の借金:
http://www.takarabe-hrj.co.jp/clockabout.html
日本の予算は毎年凡そ100兆円で所得税が16兆円、法人税が11兆円、消費税が17兆円で合計55兆円です。残りは他の税収と借金で凡そ40兆円を毎年借金しています(参照2)。
参照2日本の国家予算:
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/201509/201509_1.pdf
これ普通に考えて返せないですよね。年収550万円の家が毎年借金返済を240万円行っている。生活は年収1000万円ですが、苦しいので借金を毎年更に400万円行っている。そして既に借金は1億ある状態です。
今後日本の経済は母体となる子どもや労働人口は減少します。従って、企業の勢いは強くならないので法人税、所得税は伸びることは難しい。当然、経済が弱くなれば消費税も増税しなければ伸びません。
つまり私達の若い世代を踏まえて、次の世代になっても借金は返せないでしょう。なのに、日本の国債は、海外からの買いが集まっています。理由は、少なくとも海外の投資家からすると日本の国債は日本人が保有している安全資産と考えているからです。実際は、個人が銀行に資産を預け、銀行は国債を買って運用しているわけですが、外国人投資家はその実情は見えていないのです。
国が言っているプライマリーバランスをゼロにするためには、3つの手法しかありません。
ひとつ目は、国の国家予算を100兆円から60兆円にすることです。するとこれ以上借金は増えなくなります。が、1000兆円の借金があるかぎり60兆円の予算のうち上述のように24兆円を返済等に充てる必要があるから36兆円が真水の予算です。実質不可能ですね。
ふたつ目は、国の収入を60兆円から100兆円に増やすのです。仮に増やすとしたら消費税以外の税収は考えにくいですね。1%上げると2.5兆円の税収増という試算をベースに、税率が高くなってもその条件は変わらないとしても40兆円の増加は16%アップになります。つまり8+16=24%の消費税を取らなければならない計算です。このくらいの消費税をとっている他の国はいくつかありますが、10%でグダグダ言っている現状を見るとやはり難しいですよね。
3つめは、借金をチャラにして毎年支払っている24兆円をなかったことにすることです。すると国の収入60兆円に対して支出が75兆円ですので、1つ目と2つ目のオプションを組み合わせれば現実的なラインになるという考え方です。
この場合は、日本人の個人金融資産の一部を充ててチャラにするということが考えられます。現在1700兆円の個人資産があり、その半分は現預金です(参照3)。資料を見れば、ここ2000年当時で1400兆円だった個人の金融資産が2015年当時で1700兆円になっていることがわかります。若い人はお金が無いと言っていますが、日本全体をマクロで見ると個人ではお金を持っているのです。
現在日本人の平均年齢は80歳以上。と考えるとバブルの終了の1990年頃から当時60歳程度の人たちが年金やそれまで稼いだお金を使わないでひたすら貯蓄に回していると考えられます。このお金をチャラにするという内容です。
今の政治構造では難しいでしょう。60歳以上の人口が多くて、かつ投票率が高いからです。自分たちが不利になる政策に賛成しないでしょう。でも、米国の大統領候補、サンダースさんのような政治家がいつかでて、若い人に対してリーダーシップを取ることができれば、若い人の力で過去の先輩方が残した積み上げ借金に対してデフォルトを起こすことも可能かもしれないですね。
参照3日本の個人資産:http://www.garbagenews.net/archives/2067203.html
いずれにせよ、日本の台所事情は悪い。かなり悪いということを念頭に将来を見た場合、それなりの対策は見えますね。お金があれば、他の通過で運用するか、不動産や物的資産に置き換えるというポートフォリを取るべきですね。また、信用がある人はある程度借金をしておくことも必要だと思います。ハイパーインフレになれば、一緒に借金もチャラになるし、デフォルトになっても同じ現象です。お金が無くても、政治にしっかり興味を持って投票をすることは基本ですね。
アイデアの出し方
2016年2月3日
早嶋です。
アイデアを出すことに対して、多くの方々が自分にはできない、難しいことだと思っています。
よくあるのが、
1)正解を気にするあまり、発想が出来ない。
2)すぐに自分の考えを抽象的にまとめがち。
3)他人の意見と自分の意見を同じだと勘違いする。
4)自分のルールを無意識に使っている。
5)ことばにしないでアタマの中だけで作業をする。
1)正解を気にするあまり、発想が出来ない。
全てのことに対して◯と☓があると思ってしまっています。きっと、小学校から始まった義務教育のマイナスの効果でしょう。自由に発言しても先生から間違いというレッテルをはられると、怖くて発言することが嫌になります。しかし、自由なアイデアにそもそも正解などあるはずがありません。
2)すぐに自分の考えを抽象的にまとめがち。
アイデアを沢山出す人ほど、ちょっとした、些細な違いを気にして、具体的にアイデアを広げていきます。一方で、多くの人が抽象度が高い概念で発想をとどめ、それ以降、自分のアイデアを具体化していく作業を怠ります。
3)他人の意見と自分の意見を同じだと勘違いする。
人は自信が無い時に、人のアイデアに巻かれるものです。従って、本当はちょっと、あるいは結構違うアイデアなのに、誰かのアイデアと自分のアイデアが同じと勘違いさせることで心の安定を得ようとします。
4)自分のルールを無意識に使っている。
この領域で、この制約条件でものごとを考えなければならない。と勝手に思っている場合です。そして、その無意識に考えているあまりに、自分が縛られているルールの存在を知りません。ですから、気がつくことがなく、その枠組の中で思考を張り巡らせています。
5)ことばにしないでアタマの中だけで作業をする。
考えることをアタマの中だけで行うと、意外といろいろとアイデアが出ていることに気が付きますが、いざ言語化するとできていない。これも脳みそが勘違いしている場合が多いです。実際に、視覚化して書いてみて、その家庭で更にアイデアが収束と発散を繰り返し、じわじわと養生される感じです。
では、どうやったらいいの?私が思うに、一番重要なことは、先ずは自信を持つことです。自分のアイデアは出るんだ!って。
次に、アイデアの質を周りの人と比べないことです。昨日の自分や過去の自分の考え方と比較して、それよりも前進したら良しとします。良いとか悪いとかは相対的なもので早い段階に比較してくじけて自信を失う必要などありません。
そして、常にアイデアを言語化して見えるようにしていきます。ずっと自分の考えを言語化して見えるようにしていれば、自分の考え方の癖や方向性が見えてきます。そうなるとしめたもの。自分にとっての新しい考え方とは、その癖や方向性の対局の考えを持てば良いのです。
最後に、アイデアはいきなりでて終了するものではありません。常に考えて意識している。それを繰り返しているから沢山アイデアが出ているのです。人は他人の苦労なんて見えませんので、アイデアを出す人はすぐにひねり出すと思ってしまいます。そんな人は多分いないでしょう。継続することがやっぱり重要ですね。
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