早嶋です。
時代が変わりました。従来は、顧客とコンタクトをとり、顧客情報を管理するコストが高く、店舗系ビジネスはその管理や集客を店舗に一任していました。しかし今は高校生が簡単にプログラムした程度で顧客を管理するアプリやライン等のツールを使って顧客とダイレクトにコミュニケーションできる仕組みがあります。それも企業の金額感からすると随分と安価です。それなのに、100店舗前後の店舗ビジネスを運営する本部は今でも店長任せ、スーパーバイザ任せの集客です。Webやデジタルマーケティングを本部が行い、店舗は来客の対応に徹するといのが構築できる時代になっているにもかかわらずです。
提言です。店舗の顧客管理の仕組みをゼロベースで刷新し、1年間でデータを集め直し、そのデータを利用して100店舗の店長が100通りの集客をするのではなく、本部が責任を持ってデータを分析してここにフォローする仕組みを作る。というのがスマートです。Webと顧客IDとGPSとライン等のコミュニケーションツールを使って、顧客の来店状況、商品の活用状況から適宜適切なマーケティング策を考えて本部がダイレクトに顧客にアプローチするのです。顧客のデータを取るなどの活動も店長が積極的にしなければ出来ない従来の発想を捨て、サービス利用時にレジで会計をする時に自然とデータが収集する仕組みに切り替えます。店長は、その日に来店する顧客のデータが事前にわかり、重要顧客に対しては、どのような接客をすると良いのかを毎朝仲間とミーティングして日々の接客サービスに没頭する仕組みに切り替えるのです。そして、その実現も実は難しくないのです。
現状の落とし穴はパッチワーク的に動いているITシステムです。複数のベンダーが部門最適で仕組みを入れており、しかも連動していない。そのためデータを駆使してなにかしようにも、データの整理や連携を店頭で行わなければなりません。無駄な時間がかかり結果的に目の前のお客様の接客サービスに没頭するという極めて正しい行いになるため、データ活用がすすまないのが現状です。
本部はそのような仕組みを一度捨てて、サンクコストとして処理してください。両利きの経営では無いですが、創造する。維持する。だけでは企業は伸びず、破壊するという行為を行わねければ刷新はできないのです。
上記の取組とともに実現すべきは組織の改造です。従来は顧客の動向は店舗でしか判断できなかったので店長がいて、スーパーバイザがいました。しかしDX化して現場のデータを本部で吸い上げるようにすれば、基本100店舗の店長は皆スタッフで良く、指示はダイレクトに本部から行えるようになります。そのため店長が不要になるか、スーパーバイザが不要になるか、あるいは両方が不要になります。
店長として成績を上げていた数名、現場で長年キャリアを積んで様々な取組をした社員数名。実質的な仕事が出来ているスーパーバイザ数名を本部に集めます。そしてITと経営のことを理解している責任者は、仕組みを構築しながら、彼ら彼女らの話を取り入れて実質的に現場で使える仕組みを構築します。
店舗ビジネスで良く観察できる失敗事例は、本部スタッフのインテリが現場の経験がなく、勝手にシステムを構築することです。そのため現場からは不平や不満が出まくる。更にシステムを一気に完成させようとする発想を持っています。どうではなく、全体の構想を明らかにしながらも、現場の困りごとを解決し、自社の方向性に進むような仕組みを上記の選抜チームとともに仕様をつくり現場でテストしてを1年の中に数回繰り返し、その後に一気に展開させるという発想で仕組みを構築していくのです。その後も、顧客のデータや店舗の売上推移をみながら適宜自動化できる分はIT担当に任せ、現場でしか出来ない接客サービスを特定して、そこに社員の資源を投下する発想をもつのです。
ぜひ、15年以上の歴史を持つ店舗ビジネスの経営者、スーパーバイザ、店長は昨今のD2Cの事業ケースを10社分くらい研究すべきです。基本的には店舗は集客せずに、本部がITを活用してデジタルで集客をする。リピート等の仕組みは店長とデジタルツールで顧客を管理していく。店長は店の売上に責任を持つのではなく顧客の推奨度や満足度と言った指標で管理をして、店長の評価は売上ではなく店舗スタッフの成長や行動に対して評価をします。昔と違って店舗がコンタクトポイントとなり別の店舗で売上が発生したり、Webで売上が発生するからです。店舗売上で店長を管理した瞬間から店長は部門最適になります。そのため参入が浅いD2C企業は、はじめから店長に収益責任を持たせないのです。
2021年10月30日 のアーカイブ
店舗から本部が集客機能にシフトしよう!(店舗事業2)
2021年10月30日 土曜日
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