原です。
ビジネスを取り巻く環境の変化が早く複雑な時代、顧客の声は、企業の問題解決やマーケティング活動が顧客重視の傾向になればなるほど、貴重な情報源ととらえられるようになってきました。
私の最近の経営相談でも、「顧客の声をもっと自社のビジネスに活用したいのですが、具体的にどのようにしたら良いでしょうか」という相談を受けることが増えてきました。
私は、これまでに多数の「顧客の声」を活用したマーケティング調査に取り組みました。そして、企業の製品開発・サービス開発や改良、自治体政策課題研究など多様な問題解決の解決策提案に役立てています。
調査結果から明らかに見えてきたことは、企業側が提供している商品やメッセージに対して、消費者が誤解しているケースがとても多いのです。
企業側が「知っていて当たり前」、「伝わって当然」と思っていることも、顧客は意外と分かっていないものです。
つまり、企業側と顧客側にギャップ(誤解という問題)があるのです。
ギャップが生じているなら、それを解決しなくてはいけません。そのためにはどうすれば良いでしょうか。
問題点は、「あるべき姿」と「現状」のギャップを分析することで発見できます。まずは、「現状を知る」ことから始めます。つまり、「顧客の現状を知ること」なのです。顧客は、何を意識しているのか、何に価値を感じているのか、企業側が商品や広告を通じて伝えたメッセージをどのように感じるのか。そのように意識し感じる理由はなぜなのか。これらの顧客の現状を知ることが、ビジネスの問題を解決するための第一歩となります。
顧客の現状を知るには、グループインタビューなどの顧客の声を聞くことが「素直な」方法です。
松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)創業者の松下幸之助氏は、次のように述べています。
「世間、大衆の声に、また部下の言葉に謙虚に耳を傾ける。それができるのが素直な心である。それを自分が正しいのだ、自分のほうが偉いのだということにとらわれると、人の言葉が耳に入らない。周知が集まらない。いきおい自分一人の小さな知恵だけで経営を行うようになってしまう。これまた失敗に結びつきやすい。素直な心になれば、物事の実相が見える。それにもとづいて、何をなすべきか、何をなさざるべきかということも分かってくる。なすべきを行い、なすべからざるを行わない真実の勇気もそこから湧いてくる。」(引用:「実践経営哲学」著者 松下幸之助)
私は、大学生の頃から松下幸之助氏の著書を何度も読み返しています。
インタビューで顧客の現状や実態を把握することは、問題を発見し、それを効果的に解決していくための土台となります。インタビューの重要性、有効性を認識し、机上で悩む前に「素直に顧客の声を聞く」姿勢がとても大切です。
2021年10月6日 のアーカイブ
囚われのない素直な心で聞く
職場に活かす心理学
安藤です。
仕事でのマネジメント・人間関係構築に活用できる心理学を2つ記載いたします。
1つは、「語用論」です。もともと語用論には、言葉とは用いる場面や発する人、受け取る相手によって意味合いが異なっているということを示しています。例えば、「できていないよね」という言葉一つとっても、ピリピリした上司―部下の関係で、上司が部下に向かって「できていないよね」と言えば、「できていない」という意味や能力を否定されているように捉えられるかもしれません。それに対して、親友から「できていない」といわれたとしたら、もっと「できていないところを指摘してくれている」という意味で捉えるかもしれません。同じ言葉でも“文脈” によって意味合いが違います。このような語用論的理解が、文脈の理解において重要視されます。文脈とは、物事を前後の状況(文脈)に合わせて臨機応変に認識することです。前後の文脈や置かれた状況によって、認識する意味が変化することを文脈(コンテキスト)効果と言います。 人間は感覚器官から情報を得ると、それまで蓄積した経験や知識をもとにそれがなんであるかを認識します。一般的な例からすると、文字の場合、線分や輪郭の組み合わせからパターンに当てはめて「何の文字か」を判断しています。別の見方をすると、語用論から少し外れるかもしれませんが、受け取る相手によって意味合いが異なるということは、互いの関係性も関係していると考えます。日頃からどのような関係を築いているのか、信頼関係があるのか、そんな観点からも捉え方が変わるのではないでしょうか。
2つ目は、ダブルバインド理論です。ダブルバインド理論(二十拘束理論)は、グレゴリー・ベイトソン(Bateson.G)らが、パロアルト・グループの研究での概念です。ダブルバインドは、あるメッセージ(言語的)と、それとは矛盾するメタメッセージ(非言語的)を同時に与えられることのよって、混乱する状況に置かれることを言います。
例えば、事務所で部下Aさんを上司が呼ぶ時に笑顔で呼ぶとします。そのAさんが、近づいてくると上司が不快な表情をしていたり、威圧的な態度になったりすることがあると部下Aさんは、自分がどのような態度をしたらよいのかわからなくなります。 ここで最も影響をうけるのが非言語コミュニケーションです。コミュニケーションには、「情報」と「情報に関する情報」の2つのレベルがあります。別の例でお話をすると、「あなたの話をきいているよ」といいながら、パソコンに視線を向けて、それをいじっている状態だったらどう思うでしょうか。「話を聞いている」という言語的情報と、「~ながら」でしか聞いていない」という非言語的情報の2つのレベルのコミュニケーションが同時に行われています。このように、非言語的コミュニケーションによって、人間関係における問題となることは少なくないのではないでしょうか。
*非言語コミュニケーションとは、他者とコミュニケーションを図る上で、表情や顔色、声のトーン、話す速度、身振り手振り、視線などのことです。また、服装や髪型、香りなども非言語コミュニケーションとして影響しているといわれています。
コロナ禍で在宅勤務が増えており、聞きたい事が直ぐに聞けない。そのために、業務が進まずに支障がでているなど、コミュニケーションの問題が多くなっているようです。そのようなことも含めて、コミュニケーションの問題・課題、他
人材育成・開発に関して、気軽に弊社にご相談くださいませ。
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