保険とジョブ理論

2020年4月15日 水曜日

早嶋です。

保険商品の多くは、販売するまで一生懸命で、その後のフォローはほとんどない。あったとしても契約更新か、保険の手続きをするくらいでした。ジョブ理論でいうところのビックハイアで顧客のジョブの解決から程遠い商品だと思います。

その理由は販売インセンティブにありました。保険の手数料体系は通常、大きく分けて2つあります。1つ目は成功報酬で販売した初年度に受け取るインセンティブと2年目以降継続的に入る手数料収入です。ポイントは、初年度に入る料率が契約額の3%から5%と高く、2年目以降の料率は0.1%程度とぐっと下がります。従って保険の新規をどんどん契約しないとハッピーにならない設計になっているのです。

そのような中、りそな銀行は売って終わりを見直し、売ってからが始まり、というモデルにするために、販売手数料の料率を見直しています。初年度に受け取る料率を2%に下げ、その代わり2年目以降の料率を0.5%前後に上げてもらうのです。当然、保険会社は当初は驚いたことでしょう。

この狙いは当然、契約継続です。しかし、マーケティングの発想からしても、りそな銀行は顧客に寄り添う重要性を理解していると言えます。継続のインセンティブのり率が高まることで、営業も顧客と接点を持ち、積極的にコミュニケーションを取るようになるでしょう。実際、これまで放置している営業パーソンは急にコンタクトポイントを与えられても対応できませんが、今回のインセンティブの変更は、営業の行動を長期的に変えていくことは間違いありません。



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