原です。
誰でも「なりたい自分」になれます。
自分の「やりたいこと」は何でしょうか。
自分の「やりたくないこと」は何でしょうか。
「やりたいことをやりきった」と思える人生にしたい人は、今すぐ一歩を踏み出しましょう。
そのためには、まずは目標となるロールモデルを見つけ、意志決定と行動することが必要です。
ロールモデルは憧れですが、「なりたい自分」という目標を立て追うという行動をすることで憧れが現実になります。
ロールモデルを見つけ追う中で、ロールモデルと「なりたい自分」はイコールではなくなります。完全にロールモデルと同じ人になる必要はなく、「なりたい自分」になるために、成長しなければいけないことは多く発見できます。だから、ロールモデルは一人ではなく、何人いても良いです。ロールモデルを見つけることができると、やりたいこと探しに迷走したり、回り道をしたりすることが少なくなります。
私の姉と兄は、小学校から親のすすめで書道とそろばん教室に通っていました。
一方で私は、子供心に「強い人間(選手)」に憧れがあり、空手道場、サッカーチーム、野球チームに所属するなど姉や兄とは違う方向に進みました。
それから、大都会の暮らしに憧れがあり大阪の大学に行き、アルバイト先で大阪商人に出会い中小企業の経営者に憧れをもち、地元に帰り地域中小企業経営をサポートする経済団体に就職し社会人をスタートしました。そして、仕事以外では海外で活躍する人にも憧れがあり、休日にはアジア国際交流の社会貢献活動に取り組んできました。
社会人生活の中では、第一線で活躍している経営者、経営コンサルタント、専門家、社会活動家、文化人など自分の目標(なりたい自分)となる複数人の貴重なロールモデルに出会いました。
そして、私の場合は、サラリーマンを辞めビジネスパートナーの協力により、福岡で独立して経営コンサルタントや研修講師、狂言師事と「なりたい自分」を実現してきました。
また、地元では古民家や農地を受け継ぎました。その後、想定外な自然災害に遭い農地は壊滅しましたが、ロールモデルを見習い、昨年から原農園を復興させ自然との調和のある持続可能な生活を実現することができました。
私は、来年50歳になります。
歴史ドラマの1シーンでも見られる「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり(幸若舞:敦盛より)」と言う有名な詞があります。この時代、詞の一つには、人間の人生はせいぜい50年と解釈されています。現代は、人生100年などとも言われ昔に比べて人生は長くはなっていますが、人生は不確実です。
貴重な人生という時間と生命を大切にして、来年も新規の目標の実現に向けてチャレンジしていきます。
‘問題発見・課題整理・問題解決’ カテゴリーのアーカイブ
やりたいことをやってみる
ルールを変えてみると仕事や生活が楽しくなりますよ。
原です。
ルールと言えば、仕事では就業規則や社内規定、慣習的なものなどがあります。
スポーツでも、ルールはあります。例えば、サッカーでは、ゴールキーパー以外は、ボールを手で触ってはいけない。野球では、「9人×9人で試合をする。」というルールがあります。
私も、小学校時代では、休みの日や休み時間には、野球をして遊んだことを思い出します。ただ、小さな学校でしたので、9人×9人の人数が集まりません。
そこで、6人×7人など人数を変えてみました。さらに、人数が少ないので審判は、
キャッチャーがする。キャッチャーに負担をかけないために、盗塁はなし。ファウルボールを取りに行く時間がもったいないから、ファウルは1打席で3回まで。3回を超えるとアウトなど、自分たちでルールを変えていました。
ルールを変えることにより、スムーズに試合を楽しむことができました。
もしも、「野球のルールは決まっているので、ルールに従いましょう!」という固執した考え方だけでしたら、私たちは野球を楽しむことはできませんでした。
あるいは、野球のルールを活用して、サッカーのように足で蹴るルールを取り入れたスポーツは何でしょうか?キックベースボールです!
バレーのルールを活用して、サッカーのように足で蹴るルールを取り入れ、場所も体育館内ではなく砂浜で試合をするなどルールを変えて誕生したスポーツは?ビーチバレーですよね!
仕事では、通勤ラッシュを避けるために出退の勤務時間を変えてみると?フレックスタイム制の誕生。
そもそも、通勤しないで仕事をするとしたら?テレワークの誕生。
会議の方法を集合方式ではなくオンラインに変えてみると?ZOOM会議の誕生。
食事を店舗ではなく、アプリでの注文と宅配にすると?ウーバーイーツの誕生。
都会での暮らしだけでなく農園作業や田舎暮らしも楽しむとしたら?2拠点暮らしの誕生。
資金調達を金融機関や補助金などだけでなく、一般の方から集めると?クラウド・ファンデイングの誕生。
このように、ゼロからルールを作るのではなく、既存のルールを少し変えてみるだけでも、仕事のルールが変わります。仕事が楽になり効果もあるならば、変えられるルールは変えてみるという発想も必要であると考えます。
囚われのない素直な心で聞く
原です。
ビジネスを取り巻く環境の変化が早く複雑な時代、顧客の声は、企業の問題解決やマーケティング活動が顧客重視の傾向になればなるほど、貴重な情報源ととらえられるようになってきました。
私の最近の経営相談でも、「顧客の声をもっと自社のビジネスに活用したいのですが、具体的にどのようにしたら良いでしょうか」という相談を受けることが増えてきました。
私は、これまでに多数の「顧客の声」を活用したマーケティング調査に取り組みました。そして、企業の製品開発・サービス開発や改良、自治体政策課題研究など多様な問題解決の解決策提案に役立てています。
調査結果から明らかに見えてきたことは、企業側が提供している商品やメッセージに対して、消費者が誤解しているケースがとても多いのです。
企業側が「知っていて当たり前」、「伝わって当然」と思っていることも、顧客は意外と分かっていないものです。
つまり、企業側と顧客側にギャップ(誤解という問題)があるのです。
ギャップが生じているなら、それを解決しなくてはいけません。そのためにはどうすれば良いでしょうか。
問題点は、「あるべき姿」と「現状」のギャップを分析することで発見できます。まずは、「現状を知る」ことから始めます。つまり、「顧客の現状を知ること」なのです。顧客は、何を意識しているのか、何に価値を感じているのか、企業側が商品や広告を通じて伝えたメッセージをどのように感じるのか。そのように意識し感じる理由はなぜなのか。これらの顧客の現状を知ることが、ビジネスの問題を解決するための第一歩となります。
顧客の現状を知るには、グループインタビューなどの顧客の声を聞くことが「素直な」方法です。
松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)創業者の松下幸之助氏は、次のように述べています。
「世間、大衆の声に、また部下の言葉に謙虚に耳を傾ける。それができるのが素直な心である。それを自分が正しいのだ、自分のほうが偉いのだということにとらわれると、人の言葉が耳に入らない。周知が集まらない。いきおい自分一人の小さな知恵だけで経営を行うようになってしまう。これまた失敗に結びつきやすい。素直な心になれば、物事の実相が見える。それにもとづいて、何をなすべきか、何をなさざるべきかということも分かってくる。なすべきを行い、なすべからざるを行わない真実の勇気もそこから湧いてくる。」(引用:「実践経営哲学」著者 松下幸之助)
私は、大学生の頃から松下幸之助氏の著書を何度も読み返しています。
インタビューで顧客の現状や実態を把握することは、問題を発見し、それを効果的に解決していくための土台となります。インタビューの重要性、有効性を認識し、机上で悩む前に「素直に顧客の声を聞く」姿勢がとても大切です。
自分の中の情熱と使命感を発見する
原です。
私は、企業や地域社会ビジネスの問題解決に取り組んでいますが、最初のテーマ設定に悩む人が多いと感じています。
問題解決には、時間、コストなどの労力がかかります。せっかく取り組むなら成果を出したいと慎重になります。
慎重になるのも良いのですが、テーマ設定だけに時間をかけ過ぎ、その先の問題や課題発見、解決策に進まないことがあります。
これでは、問題は解決できません。
テーマ設定では、第一印象として心に引っかかる、悩んでいる、あるいは興味が湧くなどを思いつくまま全て書き出してみてください。そして、その中から、特に自分が情熱や使命感を感じる順に優先順位を並べ替えます。
情熱の有無は、テーマを見たときに好き、面白い、得意、考えるのが楽しい、好奇心が湧いてくるといった興奮を覚えるかどうかで判断できます。
その問題を解決したい気持ちが湧いたり、世界にとって価値が高い、本質的に意味があると感じたりするのなら、情熱を持っていると言えるでしょう。
また、使命感とは、運命や義務感を感じるかどうかです。具体的には、自分ならやれると思う、過去の人生の点とつながる感じがする、傍観者になってはいけない気がするなどです。
私毎では、数年前に地元実家付近が山崩れに遭い、集落が全滅し友人や知人を失いました。
災害直後には何もできずにいました。しかし、使命感も感じました。その後、短期的な目標として、クラウドファンディングを公開しプロジェクトを実行しました。
さらに、長期的な目標テーマを「持続可能な生産消費形態を確保する」と設定し、「人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然との調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。」ことをターゲット目標に掲げました。
具体的な実行内容は、「①復興チームとの荒れた田畑を再開発、②花を植え土壌づくりと蜜蜂の育成、③自然生態系を確保し天然の蜂蜜を生産、④廃棄物の再利用によるオーガニック農園開発、⑤森林資源の再利用」です。
まだまだ未達成ですが、都市と里山の2拠点生活により「持続可能な自然と調和したライフスタイル」の実現と普及に今後も取り組んでいきます。
柔軟なつながり関係と地域社会
原です。
地域とゆるくつながる考え方として、最近注目を集めている考え方が関係人口です。今までは、地域と人の関わりとして、定住人口、交流人口というキーワードが注目されてきました。
最初の「定住人口」については、人口減少による限界集落や自治体の消滅危機が叫ばれているので、定住人口が注目されるのは当然のことです。少しでも人口を増やしたいという観点から、UIJターンによる移住を最優先の政策として自治体で優劣が競われることになります。実際、UIJターンの希望者は増えています。
続いて「交流人口」については、すぐに思い浮かぶのが観光です。特徴あるイベントや地域の特産品づくり、コト体験などをうまく組み合わせると観光客増につながり、地域おこしの打ち手になることも多いのです。
しかし、地域についての選択肢が定住人口、交流人口しかないと考えると関わり方が限定されてしまいます。定住・移住は良いことではあります。ただ、定住・移住して、その地域に深く関わるのでなければ、その地域について意見が言えない。よそものにいろいろと言われたくないという考えにつながるのであれば、地域と柔軟にゆるくつながることができなくなってしまいます。
さらに、多くの自治体が競って定住・移住政策を打ち出したとしても、限られたパイ(人口)の奪い合いとなり、どこかの地域の定住人口が増えその他の地域の定住人口が減るというゼロサムゲームとしての限界があることも事実です。また観光をきっかけにその地域に関心を持ち、定住・移住することもあるでしょう。ただ、関わり方というのは観光だけではないはずです。ミレニアル世代などの若者世代では、社会貢献の意識が高まっており、地域へも何らかの貢献をしてみたいとの希望があります。そこで、観光以外の選択肢が望まれるわけです。
このような社会の変化の兆しを反映して、総務省の研究報告書では関係人口という考え方が提唱されました。報告書で関係人口は長期的な定住人口でも短期的な交流人口でもない。地域や地域の人々と多様に関わる者と定義されています。そして具体的な関係人口の種類としては、近居の者、遠居の者、何らかの関わりがある者が例示されています。
関係人口の関わり方の具体例として、特産品購入、寄付(ふるさと納税など)、頻繁な訪問、ボランティア活動、2拠点暮らし、多拠点暮らしを挙げています。
多様な関わり方を自由に選択し、定住・移住でもなく、交流・観光でもなく、地域の仲間として貢献したいという気持ちに沿って行動している人も増えています。
従来は、複数の地域に同時に関わることには否定的なイメージがあったかもしれません。1つの地域に住みその地域に尽くすのでなければ、居住の意味がない。そうでなければ、いい加減だという批判的な考え方です。しかし、2拠点暮らしや多拠点暮らしのように、複数の地域のファンになり、複数の地域に貢献しても、本来、何ら問題はないはずです。これは、社員の兼業・副業を嫌い、1つの企業だけに忠誠を尽くすべきとする従来の考え方と似ています。
また、多拠点暮らしをする人にとっては定住・移住が最終ゴールではないというイメージも分かりやすく伝わります。多様な選択肢があってもいいけれど、やはり最終的に必ず定住・移住してほしいとなれば、真の意味で選択肢が増えたとは言えないでしょう。定住・移住をゴールとせず、探究人としてさまざまな地域を訪れ、それぞれに貢献していく。その生き方にも価値があると肯定されれば、安心してゆるく地域とつながることができる柔軟な社会が創造できるのではないでいょうか。
自然災害の続発と生活に不安な社会
原です。
今、日本は地震・津波・豪雨災害が集中的に発生する大災害の時代に入っています。地殻変動が活発になる時期を活動期と言いますが、1994年に地震学者の石橋克彦氏が、日本列島が活動期に入ったと著書「大地動乱の時代―地震学者が警告するー」を出版されました。そして、出版の翌年に起きたのが阪神・淡路大震災でした。
それ以降、ほぼ毎年地震が日本で続き、東日本大震災が2010年に起きました。
東日本大地震は、約1100年前の大地震の時とほぼ同じ津波領域でした。また、この大地震を起点にして前後50年に起きた自然災害を調べると18年後に南海トラフ地震が起きたほか、富士山が噴火しています。プレートが動き、直下型地震が集中的に起きる時期は50年から100年続くと言われていますが、東日本大震災後も熊本、鳥取、大阪、北海道胆振東部地震が起きました。
さらに、温暖化の影響による豪雨災害も毎年のように起きています。特に、農山村を流れる河川に隣接した地域では、都市を流れる河川とは異なり、一般には治水施設の整備水準は低く、豪雨時には河川氾濫による浸水や流出被害の発生の危険性が高いです。また、土石流危険渓流や急傾斜地崩壊危険箇所などが存在することも多く、豪雨発生時においては、崖崩れ、土石流等の土砂災害の危険性も存在します。このような地域においては、急峡な地形が間近まで迫るなどの地形的特徴により、局地的な豪雨が発生しやすく、加えて、その流出特性から河川の水位上昇が急激に生じやすいのです。
このような局地的な集中豪雨はその予測や観測が難しく、それに伴う河川洪水や土砂災害の発生を事前に予測し、流域住民に対して早期の段階で避難勧告・避難指示などの避難情報を伝達することは現状では困難な場合も多いです。また、突発的かつ局所的に生じる土砂災害に関しては、その発生を察知してからの対応では間に合わないことが多いだけでなく、一次的な被害を免れたとしても、農山村の河川流域では道路や通信網の寸断により孤立状態が生じる危険があります。
私も出身の農山村地域の水害や山崩れによる1次災害と2次災害により、家族、友人、知人を失っており、自然災害の恐怖とそこで生活していく住民の不安を身近に感じています。
このようなことから、農産村地域で生活するには不安事項となり、都市からの人口移入どころか都市へ移出していくことにつながります。
私は、都会と農山村での2拠点生活を実践していますが、大地震だけでなくコロナ感染により都会には住みにくくなり、一方では、山や川の海の津波などの災害を直接に受ける農山漁村も住みにくくなっています。
自然災害は、日本だけでなく世界的な現象であり、SDGsは一時的な流行のキーワードで終わることなく、世界中の国、自治体、企業、組織、人々が長期的に取り組むべき重要課題です。そして、「人」中心の視点から、「人☓自然(地球)」に視点を変え、SDGsの目標に対してできることをビジネスやライフで実行し続けることが必要です。
創造的地域社会
原です。
ここ数年、都市と地方を取り巻く環境や価値観が大きく変わりました。
社会や経済活動のグローバル化が進むのと同時に、人々の「心の豊かさ志向」は広がりを見せつつあります。
特に、東日本大震災以降、「コミュニティ」や「つながり」というキーワードが多く使われるようになりました。
また、現在のコロナ禍では、都市から地方や里山への移住や会社の移転の動きも一部で見られます。
戦後の日本経済成長と物の豊かさを追い求めてきた結果とは引き換えに、失いつつある心の豊かさを取り戻そうとする力が社会のあらゆる所で求められているようにも見えます。
日本は近代から現在に至るまで、人と地域の関係が大きく変化してきた国です。
戦後は地方から都市部への人口移動、雇用構造の変化が経済成長を後押ししてきました。
それに伴い、人々の社会への帰属意識が大きく変化してきました。経済成長と都市化のプロセスで、日本人の帰属意識は「会社や組織」という職域と「核家族」という生活域で過ごすことになり、ワークの場とライフの場に分離しました。
そして、それらをつなぐ場と言える地域やコミュニティの存在感は希薄になりました。
長年、日本人は働く場を自分自身の拠り所とし、自分がどの会社や組織に所属しているかが重要でした。
しかし、脱成長や脱工業化・脱炭素社会が共通認識となった現在、そうした帰属意識は揺らぎ始めています。
日本は経済成長を終え、終身雇用など日本的な働き方の時代も終わり、更には少子高齢化社会の問題が現実のものとなってきたからです。
定年まで働き、それ以降の余生をどう過ごすかが人生の大きな課題であり終活というキーワードも聞くようになりました。
職域から離れたところで、自らの心豊かさが高まる居場所を求める人々も見られますが、帰属意識が高い人ほど、その居場所を築いていくことはとても難しいと思います。
一方、私が実践している都市と里山での2拠点暮らしから学ぶべきことは多いです。
人口減少と超高齢化が進行する中で、過疎化していく中山間地域の里山では限られた地域資源を活かし、知恵と創意工夫で小さなビジネスや新たな価値観を持つ若者などによる社会的起業などの取組みも創出されています。
成熟社会での「あるべき姿」が求められている今日、従来の経済至上主義の価値観とは異なる新たな「創造的地域社会の価値」を再構築していく機会にもつながります。
そして、創造的地域社会への形成は、既存の地域共同体ではなく、ゆるやかなコミュニティが同時に創出しつつあります。
人口減少が進み、高齢化率が50%を超えるほどの超高齢化と過疎化の中、地方や里山の創造的な取組は、日本の未来の先進事例になると思います。
人口増加と経済成長の時代における日本社会のキーワードは「経済発展、工業化、都市化」でした。
しかし、人口減少と脱経済成長の時代は、「地域の自立、創造性、ゆるやかなコミュニティ」といった言葉をキーワードとして聞くようになりました。
つまり、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄の経済システムに基づく工業化や産業化を超えた新たな経済システムが求められると考えます。その際に「創造性」は重要な思考スキルとなるでしょう。
例えば、大量生産=大量消費による「経済成長の限界」に突き当たった欧米の都市では、既に「欧州文化首都」事業など文化資本の活用や創造的人材の誘致による再生の試みが成功を創り出しており、日本においても、金沢市、横浜市、神戸市などでアーティストやデザイナーやクリエイター団体、企業、大学、住民の連携によって創造都市政策が推進されてきました。
このような、世界や日本における創造都市の推進の中で、国内の地域ではその考え方を応用して、創造地域を目指す地域イノベーションへの取組も創出されています。
今後の日本は、大都市が小都市や里山とwin-winの関係を構築することで、日本全体がより創造的に進むことが社会全体の新たな発展につながるのではないでしょうか。
意味は無い
早嶋です。
養老孟司さんの話の中で、感覚所与の話題が出てくる。これが実に興味深い。例えば、学校の黒板にチョークで青と書いた状況を想像してみてください。「青」と、まぁこんな感じでしょうか。
おそらく、このブログを読んでいる人は僕と同じ40代前後の方々でしょうから、青という言葉のイメージをアタマの中に取り入れたと思います。一方で、ヒト以外の動物と何らかの方法でコミュニケーションができたら、彼ら彼女らは、白いチョークで書かれているだから感じの意味はさておき、白い何かというイメージをアタマの中に取り入れるでしょう。
白い文字でも、赤い文字でも感じで「青」と表現すると、ヒトはアタマの中で解釈して青という概念を想定します、少なくとも日本の教育を受けていれば。しかし、動物はアタマの中で解釈することが出来ないので見た情報そのものを捉えるのです。これが感覚所与です。
例えば、震災直後の地震が来ると、多くのヒトは恐怖を覚え、避難経路の確認や情報収集といった行動を取ったと思います。これは感覚所与を受けてすぐに行動をしているのです。その際、脳に刺激を与えながら得たインプットを処理して判断して行動を起こします。しかし10年経過して、たまに地震を感じると、その行動のフィードバックを整理すると、そろそろ大丈夫ということで慣れてしまい、結果、10年前のような行動をしなくなるのです。
自然界では常に想定外の刺激が外部環境からやってくるので、アタマで考えて処理するのでは遅く、取り入れたインプットから意味を考えずにすぐにアウトプットを繰り返します。しかし、そのような行動を繰り返し行うとヒトは学習し始めて、インプットとアウトプットの差分を比較するようになるのです。ITにおけるいわば、フィードバックループのようなものです。そして、そこにギャップが生じていれば、つまり得たインプットを解釈してアウトプットしたけれども効果が薄かったなとなれば、徐々にそのインプットに対してはアウトプットしなくなり結果的に慣れてしまうのです。
つまり変化があれば人は行動をするでしょうが、その変化がづっと続けば慣れてしまい、何もしなくなるのです。この感覚所与はありとあらゆる感覚に生じます。つまりヒトが持つ五感です。
大学1年生、2年生の夏、富士山8合目の白雲荘という山小屋で長期のバイトをしていました。当時のバイトの仕事の中で辛かったのがトイレ処理です。今では信じられませんが、トイレはそのまま山の斜面に垂れ流していました。バイトの仕事は、たまにその現場に言って人工物を取り除くという仕事です。はじめは最悪だと思おっていましたが、実際行う中で慣れてきてその強烈な変化に対して慣れてしまったのです。
田舎で用を足すときのぽっとん便所。あれも今は無いのでイメージできないひともいるかも知れませんが。はじめのうちは匂いがきつくて出来ませんでしたが、徐々に慣れてきて鼻が鈍ってしまいます。これもヒトの慣れなのでしょう。
チョークで書いた青の話に戻ります。自分を振り返ると、小学校や中学校や高校と記憶優位の勉強を進めていたときは、先生が言ったこと、すなわち正解と無意識に捉えていました。しかし、今同じようなことを聴いた場合は、すぐに「ん?」それって本当なのか?片方の意見のみの情報で反対する側の意見はどうなっているんだ?と何らか受け取った情報に対して違和感を覚えるようになりました。昔は、先生が神様、正解と思っており、その情報が慣れてしまったら、全てを受け入れるようになったと思います。今は、受け入れても異なる世界が無数に有ることを知りました。したがって意識的に外部からの刺激があった場合、あまり考えないで行動していることに対しては時々振り返りをしています。
養老さんの話の中に、このような話題が出てきて、「感覚所与は意味あると思うものに限定して最小の世界を作り出す、そして世界を閉じ世界を満たす」という表現を使って話されています。非常に納得できることです。自分の興味があるものに関して意味を捉え、それ以外の外部からの刺激は無視するということです。その結果、自分で小さい世界を作り出し、無限に広がる世界の中で起きていることはそのヒトにとって全く関係なくなるのです。
話は飛躍しますが、結果的にヒトは概念の世界を作り出し、ヒトの世界を自分たちで限定し始めました。それが文明の世界で、今では都市の世界になっています。そして、ある時意味の無いものに触れた瞬間に、その意味を考え始め、自分が理解できないことに苦しむのです。
でも、本来は、意味があるか否かの意味さえもなく、意味が有るものを勝手に自分の中で意味があると思いこんでいたに過ぎないのです。自然の中を有るきまわれば、すべてのものに注意を向けて考え込むかと言えばそうでは無いと思います。しかし都市の現代社会の中に、ぽつんと大きな岩があったら、ヒトはその岩を排除する方向に動くでしょう。交通の妨げになるからです。でも自然の中を歩いていても、そのような行動をしないのです。
それは、最終的にヒトが定義した意味のあるもの以外の排除によって、自分たちの世界を作ったつもりになったからです。でも実際は、世の中のすべてのモノが意味があると捉えるよりも、意味は無いと捉えた方が自然なのです。すると九に、思考がすーっと楽になることが多々あります。
ソクラテスの無知の知。知らないことを知っていれば、全てにおいて興味がわく。勝手に脳が働いて楽しいことに満ち溢れる。意味がないことを前提に排除するのではなく、自分たちで意味付けをする世界を知る。することで常に考えて動き始めることができる。
ただ、上記の度がすぎると脳に対して負荷がかかり始めるので、意味を見出して考えなくなるという選択肢をヒトは選んだのかもしれません。
自然環境保全と地域デザイン
原です。
地域が自然への環境保全に取り組むことに国民は力を貸してほしいです。
海外では、非営利の環境保全財団の活動が活発であると聞いたことがあります。
財団が基金を募り、集まった基金で必要な自然環境を買う。または、借り上げて維持していくことが必要です。
自然環境保全への取組の理由は、以下のとおりです。
私は都市と里山の2拠点生活をしています。
たまに、大都市に行くと空気の異様な匂いと水のひどさに呆れてしまいます。
しかし、住み慣れた都市住民の多くは、そのひどさに気づかないと言います。
人間の五感という機能そのものが崩されているのではないかと思います。
当たり前ですが、水や空気は大事なものであり、それが都市の発展や所得から生まれるものではなく、山や森、川、海から生まれるものであることは誰でも知っています。
それにもかかわらず、その大事な山や森や川や海の自然を遊休地と指定し、無駄な開発に取り組むことで、地域は貴重な価値である自然環境を失っていきました。
国などが取り組んでいるツーリズムとは、自然環境を価値あるものと認めたうえで都市との文化的・経済的交流を活性化させていくことが目的のはずです。
しかし、価値となる自然環境を悪化させてまで経済環境を追及した結果、農村地域は地域資源という価値を失い、都市は得るはずの価値を失っているのです。
経済原理の上に乗っかっただけの計画は、自然の姿を保全し、循環させる力を衰弱させていきます。
必要なことは、非営利の財団による自然環境の保全を同時に進めていくこと。それと、地域デザインの構想力なのです。そうすれば、市場を使って自然を守るという発想により生態系サービスという地域ビジネスが創造できるのではないでしょうか。
私は、「空気と水は汚いもの」ではなく「空気と水は美しいもの」という当たり前のことを取り戻し、都市と里山の双方が価値共有を得るために、里山の農園再開発後には山の保全や植林活動も微力ながら継続していきます。
横受け関係のある地域内経済力
原です。
大手資本を中心に垂直的に組織されてきた下請関係は、グローバル化による企業の海外進出などにより揺らいでいます。
このような中、地域内では、優れた技術やノウハウをもちながらも取引先を失った下請け企業が多数残されることになります。地場産業の再構築を図るためには、これらの経営資源を活かし、新たなネットワークを結び直すことが必要となります。
地域の企業が相互にネットワークを組み、下請け関係ではなく「横受け関係」を創り出せば、相互取引の中で仕事と資金が回り雇用や税収効果も高まることになります。
この税収の増加を自治体が地域内に追加的に再投資すれば、地場企業の地域内経済力はさらに高まっていくことになります。
ここで、地域内経済力が高まる考え方の小さな取組事例を紹介します。
私は、都市と里山での2拠点暮らしにより原農園を兼業しています。
多くの知人からは、「原さん、原農園の農産物をお客さんに直接販売しないのですか?原農園の顧客コミュニティを作れば?」などのご意見を頂きます。当然、私も考えたことがあるアイデアです。
しかし、「私がお客様を囲い込むのは、お客様と原農園が喜ぶだけだな。微力ながらも地域経済にも貢献できないだろうか。地場企業にも貢献できないだろうか。どうせなら、お客様・地場企業さん・地域生産者(原農園含む)の三者にメリットがあると良いな。」と考えました。
だから、独自でお客様を囲い込み直販するのではなく、地場の農産加工会社と連携し、顧客調査、開発・加工・販売・アフターフォローに取り組む横受け関係を重視していくことを意思決定しました。
こうすれば、横受け関係の強みを活かし付加価値を高めることで遠方など多くのお客様にも喜んで頂ける。地元の農産加工会社も喜んで頂ける。私も人と自然に優しい農産物の栽培に集中でき健康で心豊な2拠点暮らしが継続できる。地域生産者や兼業農家が増えることで持続可能な地域社会の維持にもつながると考え、原農園の生産物は自給自足分以外は地場企業との横受け関係にしていく計画を立てました。そして、数年前から週末の兼業農家でも持続可能な70アール(約7,000㎡)の災害にも強い農園再開発に取り組み、2021年春には再開発を完了させることができています。
また、地場企業の商品は、地場市場の上に生まれ育つものです。
地域生産者の再投資が可能となるように、地場の加工業やサービス業が比較的高価格で買い取る仕組みが地域内産業関連を作る取り組みとなります。
私は長年、地域産品のブランド化にも取り組んできましたが、お客様や地場企業との信頼関係を築いた地域産品は、一時的な流行ではなく長期的かつ安定的に適正価格で購入して頂けるとても強い商品となることを体験しています。
さらに、マーケティングを都会で経験し、地域の食品加工会社や食品流通会社で働きたいという若者も増えています。この若者たちに事業承継の機会を増やし、失敗を恐れずに新しいビジネスを再創造していく人財育成も地域には必要です。
つまり、横受け関係のある地域内経済力とは、単独で全てを囲い込もうとせず、人と人との関係を意識的に創り出す地域形成の基本的な考え方なのです。
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