思考の勘所

2022年1月1日 土曜日

早嶋です。

(帰納と演繹と推定)
思考のツールは、モノゴトを観察し事実や事例から導き出される傾向をまとめて結論を出す帰納。その逆で、一般的、普遍的とされる前提条件を用いて、より個別な、特殊な結論を出す演繹。この2つがベースになり、何かの観察事項から推定することができるようになるのだと思います。その程度にもよりますが、全体感を持って将来のことを考える力は大前さんは、構想と呼んでいます。

帰納と演繹はやや言葉が難しいので、私は具体と抽象と言い、これらを行き来する中で思考が温まり、徐々に転用できるようになると考えています。そして常に全体感を持って考えることで、気がついたら構想力が過去の自分よりは少しはマシになっているのです。

既に5年、10年以上も繰り返し同じような事業モデルで収益を上げている取組は、思考を抽象化して過去をベースに演繹的に考えることで構想することが可能でした。しかし、今の世の中のように、大きな変化があり過去の延長ではどうにもならない場合は、今起きている個別具体なユニークな現場の事象を具体的に観察してその意味を考える、いわゆる帰納的な思考をベースに構想することが大切だと思います。

(ゴールイメージを持つことが構想の始まり)
事業を行っていく際に最も大切な思考は、ゴールイメージを持つことでしょう。しかし、これはいきなり難しくて、この思考をつくることこそが構想です。そのため、はじめのうちは自分でゴールをつくるのではなく、誰かを模倣したり、とりあえず数字や規模を代替的にゴールと捉えて始めることをおすすめします。

自分の中で今を基軸に一定時間経過した後の在りたい姿があれば、現状との自分を比較するとギャップが生じます。これは問題です。そして再度その問題を定義した後に、その問題って、つまりどんなことだろうな?具体的には何を意味するのかな?と整理していき、問題を解決するための鍵はどこに在るのだろうか?と整理します。その後に、ここかな?と思った分に対しては、なんでそれが出来ないのか?あるいは、どうしてそのようなことが起きているのか?と因果関係を特定します。そして最終的に、問題を解決するために解決すべき需要な課題を1つから複数特定して課題とします。そして、最後にその課題を解決するための大きな方向性を整理して、それぞれの細かい具体的な取組を考えるのです。

解決策を示した後は、当然にその取組をどのようなスケジュール感、どのような資源(ヒト、モノ、カネ、時間、情報)を活用して行うかを考え、計画を作り、実際に実行しながら行動と結果を検証します。目的は在りたい姿の実現ですから、この時点で細かくKPIを設定して、そのKPIを達成することが目的にならないように、常に今考えている行動は仮説なんだよね。という意識が大切になります。

経営を行う場合、様々なケーススタディは、自分の思考を整理する際の事例になるので、直近では帰納的、演繹的な思考を強化する勘所になるし、業種業態に関係することなく、様々な失敗成功事例を見ておくことは将来の構想力を強化することにつながります。

そのために、経営戦略、マーケティング、経済、組織論、財務会計などのベーシックな学問があり、それらをツールとして思考を強化する論理思考、問題解決、創造思考などが整備されています。ポイントは、これらをそれぞれ独立の学問で終わらせるのではなく、自分が構想するために、そしてその構想した取組を実現するためのツールなんだという意識のもと、学習したら少しづつ試して自分の武器にすることが大切なのです。



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