安藤です。
EAPは、Employee Assistance Program(エンプロイーアシスタンスプログラム)の略称で、従業員支援プログラムです。米国でのEAPへの相談内容は、精神疾患・ストレス・人間関係・キャリア問題・ナンシャル問題など幅広い問題に拡がっています。日本では2000年に公表された「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針(「労働者の心の健康の保持増進ための指針」に改訂)」でEAPが事業場外資源として取り上げられ普及しました。 パフォーマンスを下げる要因(ストレス、精神疾患、ハラスメント問題、トラブルなど)への関わりと共に、パフォーマンスを高める要因(キャリアデザイン、ワークライフバランス、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル)への取り組みも行います。どのような問題に対しても、社員と組織の両者のパフォーマンスの改善・向上を最終目標として対応しています。
一般的には、EAPは専門家によって下記の2つのサービスが提供されます。
・職場の生産性、健全な運営の維持及び向上、またその組織ニーズの提言をする
・人間の行動とメンタル上の健康に関する専門家のノウハウを通じてサービス行う
(1)生産性に関わる提言を行い、(2)従業員をクライアントとして個人的な問題の整理や解決を援助します。個人的な問題は、健康(ウエルネス)、メンタル、家族、経済問題(借金など)、アルコール、 薬物、法律、感情、ストレス、など仕事の結果に影響を及ぼしうる様々な問題を意味します。
その項目はその組織の生産性に関わる問題やクライアント従業員の仕事に影響を及ぼしうる問題に個別に提言するアプローチです。具体的には下記の内容があります。
1.コンサルテーションを通じて組織のリーダーが問題のある社員への関わり方、職場の改善について、 あるいは社員のパーフォーマンス向上に有効な援助(サポート)や訓練を行う。
2. EAP利用促進を活発に推進する。対象者は従業員、その家族、そして、組織(課、グループ等)
3.個人的な問題により業務遂行に支障がでそうな従業員に対して、守秘義務を守り、タイムリーに問題の確認/アセスメントサービスを実施する。
4.業務遂行に影響の出ている従業員に対して建設的直面化、動機づけ、短期的介入を提供。
5.診断、治療についてはリファーを行い、援助、フォローアップを行う。
6.問題行動(アルコール、薬物、精神疾患、感情問題等)に関して医療保険等でカバーできるように顧客組織や従業員にコンサルテーションを行う。
7.組織の業績や個人の仕事ぶりに関わる効果の評価、見直しを行う。
最近の傾向として、EAPの現場で感じることは「コロナ禍で業務のやり方の変更など仕事量が増えた、オンライン化が進み会議が増え仕事時間が長くなった、仕事以外でのコミュニケーションが少なくなり業務のことで相談しにくい等」のメンタル不調の増加、また、30代~40代の方はキャリア形成についての悩みなど多岐にわたります。EAP外的資源活用は、パフォーマンスを下げる要因(ストレス、精神疾患、ハラスメント問題、トラブルなど)への関わりと共に、パフォーマンスを高める要因(キャリアデザイン、ワークライフバランス、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル)をサポートすることで、組織と個人の発展に繋げられると考えます。
私毎で恐縮ですが、この度、国家資格キャリアコンサルタント1級技能士(国家資格キャリアコンサルタント
指導者レベル)を取得しました。メンタル・キャリアの統合面でEAP活動の幅を広げるだけでなく、企業内でのキャリアコンサルタント取得の方々・目指していらっしゃる方の指導、また、資格に関わらずキャリアコンサルタント育成を検討されている場合は、お声かけ頂けたら幸いです。気軽に弊社にご相談くださいませ。
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EAP活用について
繊細な若者へのマネジメント
安藤です。
ここ数年、研修やカウンセリング・コーチングの後に、「最近の若者は主体性がない、繊細になった」という言葉をよく経営者、管理職、人事担当者の方々からよくうかがいます。
「電話が怖くて電話がとれない」、「ちょっと強く注意すると、すぐにこころが折れる」、「自分の意見を伝えらなない」などです。新型コロナウィルス禍で、リモートワーク、オンライン会議など新しい働き方の対応が求めれています。一方で、そのような状況の中で、上司と部下の意識の溝に対してどのように対策をしたらいいのか解決できないまま、若手社員の離職に繋がり、育成できないのが現状です。
若手社員が、受け身で、繊細になった背景には、彼らが育った社会環境も多く影響を受けていると考えられます。テロ、震災、異常気象、感染拡大等です。この激動の時代を過ごしている世代は、確実なものはなく「不安心理」が常にある状態であるということです。何も考えていない、気弱だから何も言えないのでなく自分を主張する、無理にNOを言わないという基本的態度になっているといわれています。次に、「同調圧力」です。児童期からパソコンや携帯電話、インターネットが普及している若い世代は、ネットリテラシーが高い反面、ネットいじめ・常に他者からの反応を気にする環境などの負の影響を受けています。SNSの発展によって、Netで自由に表現できる反面、発言が世の流れに沿っているかを気にしなくていけない時代に育っています。
最後に価値観の違いがあります。今の若い世代は外の世界に価値観をおかずに内に価値観を置く傾向があります。目に見える価値観、数で測れるものではなく、目に見えない価値観、存在そのものに価値観を置きます。職場においては、上司との「ワークライフバランス」についての考え方の相違、転勤を嫌がるなどもその理由と考えられます。もう少し詳しくいうと、若い世代と、中高年の管理職世代とは「ワークライフバランス」に対する意識の違いがあります。『何を大切にして生きるのか』という価値観が違います。キャリアに基づいた、生涯にわたってブレない自己欲求・自己が望む価値観の図るのに「キャリアアンカー」というものがあります。大半の若手社員は、仕事とプライベート、企業人として個人などどちらも大切に考え、熱心に仕事に打ち込む一方で、子どもが生まれると育児休暇を取得し、育児にもしっかりと関わりたい。よって、予定のない会社の飲み会や残業はきっぱり断る。仕事以外の自分の時間・生活を大切にしたい。有給休暇はしっかりと取得したいというのが、軸になっています。
若手社員の“やる気スイッチ”を押すには、今までの自分達が受けてきた動機付けや価値観、競争心をあおる等のやり方では通用しなくなっています。若手社員との関係を築いていくためには、一人ひとりとラポール(信頼構築)形成がまず先です。そのためには、傾聴スキル、言いにくいことを伝えるスキル・クッション言葉活用、
感情のコントロールをすることで信頼関係を築いていくことです。まずは、彼らの“内”なる部分で信頼を得ることが優先と考えます。
私毎で恐縮ですが、この度、国家資格キャリアコンサルタント1級技能士(国家資格キャリアコンサルタント
指導者レベル)を取得しました。企業内でのキャリアコンサルタント取得の方々・目指していらっしゃる方の
指導、また、資格に関わらずキャリアコンサルタント育成を検討されている場合は、お声かけ頂けたら幸いです。他、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が長くなり、社員の仕事ぶりや表情が見えづらくなっただけでなく、メンタルヘルス不調者への対応,ハラスメント対応,若手社員への対応等を強化していく必要ができきています。
若手社員との関係作り・コミュニケーションの取り方などでお困りの方は、気軽に弊社にご相談くださいませ。
「安い日本」〜構造的なデフレの果て〜
◇「安い日本」という衝撃
原田です。
「安いニッポン「価格」が示す停滞」という本を読みました。日本が置かれている環境は、ある程度はわかっていたことなのですが、こうしてデータと事例でまとめられると、かなりの衝撃を受けました。以下、本の要約と個人的感想です。
◇他国の価格は高い? ビックマックとディズニーランド
2021年現在、日本のマクドナルド、ビックマックの価格は390円です。一昔前、2010年の価格は320円でした。およそ10年で、70円値上げされました。とはいえ、まだまだリーズナブルな価格だと思います。
アメリカでは、2021年、その価格はおよそ590円です。日本より200円も高いです。なんと2010年の価格は、およそ330円でした。この10年で、250円以上値上げしています。
この10年で、なぜこれだけの差が開いたのでしょうか?アメリカでは、ビックマックはちょっとした高級品になったのでしょうか?
2021年、ディズニーランドの入園料は8,200円です。この6年で2,000円値上げしました。値上げはニュースで話題になりました。ファミリー層の悲鳴もよく記事に取り上げられました。でも、世界のディズニーランドはもっと高いのです。パリで約1万8千円、フロリダで約1万5千円です。「日本より狭い」と言われる香港でも約8,000円です。
他国は、この価格でお客さんが来るのでしょうか?中流のファミリー層では滅多にいけないところなのでしょうか?
◇「安い日本」ということ
これらのことは、日本の価格が世界的に見て、「安い」ということです。
日本は30年超デフレが続いています。日本の消費者は安いということを何よりも重視します。企業は消費者のニーズに答えるため、懸命に努力してきました。結果として、企業が価格転換するメカニズムが破壊され、物価が上がらないのです。そして当然、賃金も上がらないのです。
一方で、アメリカの物価は20年間、ほぼ毎年2%ずつ上昇してきました。結果、2020年の物価水準は、20年前の2000年の5割増しになります。
では為替(名目為替レート)の動きはどうだったのでしょうか?2000年も、2020年もおよそ1ドル110円で大きな動きはありません。そのため日本人が久しぶりに、アメリカに行くと、価格の高さにびっくりすることになります。一方でアメリカ人は日本の安さにびっくりします。相対的に日本人の購買する力が落ちました。為替が安くなった(円安)わけではなく、20年間にわたるデフレ傾向が原因だと言えます。
ここでは、「購買力」を簡単に、一個人が、一定の金額で様々なモノ、サービスを買うことができる力と定義します。そしてこの購買力を比較すると、日本の購買力は、アメリカの7割以下なのです。アメリカでは所得が上がっているので、ディズニーランドの入園料が上がっても負担感は高まらないのです。ビックマックもこれまで通り、リーズナブルな食事なのです。
日本は豊かな国だったのではなかったのでしょうか?「豊か」という概念をどう定義するかによりますが、ある程度の所得である程度の暮らしができるという意味では、日本は十分に豊かだと思います。しかし、世界と比較すると長期デフレによる物価の停滞、上がらない所得、そして企業の賢明な努力によって、世界の中でも個別の製品、サービスの価格の安さが際立つようになりました。こんな先進国は世界でも日本だけです。
他国から日本にやってきて大量の品物を購入する「爆買い」の背景は、日本の品質がいいということだけではなく、単に安いからなのです。海外からの旅行者、インバウンドの急激な増加の背景も同じです。彼らはとてもクオリティーの高い日本の製品、サービスを信じられないほど安く買えるのです。
◇「安い日本」の現状
「安い日本」は、世界の優秀な人材を獲得することができません。どの企業も喉から手が出るほど欲しいIT人材は、他国が高いお金で獲得します。さらには、日本から優秀な人材も他国へ流出していきます。
「安い日本」は技術も安く買われます。高い技術を持った中小企業が、中国系の企業に買収される事例も増えています。皮肉なことに中国系企業の支援を受けることで、日本の「ケイレツ」による下請けいじめから脱出できて、付加価値の高い企業になった事例もあります。
「安い日本」はリゾート地もお買い得です。コロナ禍のなかでも、日本のリゾート地を、他国が購入しています。億単位のコンドミニアムが普通に売れています。なぜなら世界と比べてとても安いからです。
「安い日本」は何より人材が育ちません。海外で活躍できる人材を育てたくても、海外大学の授業料、そしてその生活費が高いのです。これまでのように簡単に留学できなくなるでしょう。
そして日本人がグローバル企業や国際機関のトップに慣れないだけではありません。日本企業のトップも外国人が増えていくでしょう。結果として日本人が貧しくなっていくということです。
◇「安い日本」への対応策
デフレの悪影響は、もう20年以上前から盛んに論じられてきました。この本でも、日本型雇用を改め、人材の流動性を高めることや、賃金を上げることなどの様々な対応策が提案されています。
しかし、これらの対応策も大きな効果はないのではないかと個人的には思います。なぜなら本質的に日本人はディプレッション(停滞)を好んでいるということです。経済がインフレになり、賃金が上がっても、結局は物価も上がり、乱気流のような環境へ移るだけです。であれば、今のまま、緩やかに日々を送る方がいいということです。もちろんそれは危険な幻想ですが…。
結局は、国の政策に頼るのではなく個々の企業が局地戦で勝ちを得ていくしかないと思います。「安い日本」の中にも多くのビジネスチャンスはあります。安く仕入れて高く売るは商売の原理原則です。日本にはまだまだ高く売れる製品・サービスがたくさんあります。
また、モノ消費でなく、コト消費に対しては高いお金を払います。最近流行りの、フルーツ大福はインスタ映えもよく、1,000円近い価格です。大企業が、ステレス値上げに励むなかで、小さな企業のちょっとしたアイデアが、大きな商機を生み出します。
今は大きな変革期で、様々なビジネスが生まれています。停滞を抜け出す大きなチャンスだと思います。
以上、最後までご精読ありがとうございました。
新メンバーからの自己紹介(原田健)
この度、新しくビズナビ&カンパニーと提携させていただきます株式会社grit代表の原田健です。
下記の通り、アニメーション動画を使った新しいスタイルの経営コンサルティング、マーケティングツール作成を行っています。
これまで中小企業診断士として、戦略、マーケティングをメインに経営コンサルティングを行っていました。
コロナ禍のなか、中小企業の皆様にお役に立てるサービスを提供します。ホームページをご覧ください。
<㈱gritサービス案内>
<㈱grit ホームページ>
http://www.haraken-office.jp
今後ともよろしくお願いします。
心理的安全性とリスペクト行動
安藤です。
組織開発には主に2つのアプローチがあります。1つは、対話型組織開発そして、診断型組織開発です。対話型組織開発には、自分たちに起こっていること、自分たちの状態(思い・価値観・願いなど)を対話を通じて表面化していくことです。そして、その対話型組織開発にニーズとして「心理的安全性」が注目されるようになっています。その背景に考えられるのは、従業員の職場に対するエンゲージメントが日本は低く、個人が働きづらさや不安を抱えている人が増えていること、そして、イノベーションへの注目も紐づいているといわれています。そこで、組織を強くするためには、「心理的安全性」が必要であるという考え方もでてきています。
心理的安全性は、プロジェクト・アリストテレス(Project Aristotle )2015で、パフォーマンスの高いチームの特徴で述べられています。それは、誰かがアイディア、質問、懸念、失敗について発言した時、チームが恥ずかしい思いをさせたり、拒否したり、制裁したりしない、むしろ発言が期待されている、という確信している感覚(場)があること。であり、決して、心理的安全性はぬるい環境をつくっているのではない。と言えます。
そこで、心理的安全性と仕事の要求水準について、下記のように表されています。
①心理的安全性(低)X要求水準(低)=無気力チーム
②心理的安全性(低)X要求水準(高)=殺伐としたチーム
③心理的安全性(高)X要求水準(低)=ぬるいチーム
④心理的安全性(高)X要求水準(高)=学習し、高いパフォーマンスを出すチーム
現在④(学習し、高いパフォーマンスを出すチーム)を創っていくために、「聴く」スキルが注目を浴びています。「聴く」は、肯定的な意図を前提としています。
組織開発に対話が重視されている中で、良い対話とは、良く「聴かれる」ことによって生まれるということです。
①聴かれることにより、相手に受け止められたと感じる
②聴かれることのより、思考、感情、価値観が言語化される
③聴かれることのより、聴く力が高まり連鎖する
④聴くことが心理的安全性の場を成立させる
そして、コラボレーション(共創)を加速するためには、心理的安全性は欠かせません。その基本になるものは、リスペクティング行動です。リスペクティング行動には3つの要素があります。①相手に関心をもつ ②良いところを見つける ③相手を尊重する(認める)ことです。このリスペクティング行動はお互いのエンゲージメントを高めます。心理的な面から言うと、リスペクティング行動には3つの承認欲求があります。①結果承認欲求 ②行動(プロセス)承認欲求 ③存在承認欲求です。そのことが、帰属意識・愛着・誇り・居場所(私はここにいてもいい)などが、一体感や仕事に対する主体性を芽生えさせ、主体的なコミュニケーションからコラボレーションが生まれやすい職場環境を創っていきます。
私毎で恐縮ですが、この度、国家資格キャリアコンサルタント1級技能士(国家資格キャリアコンサルタント
指導者レベル)を取得しました。企業内でのキャリアコンサルタント取得の方々・目指していらっしゃる方の
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高年齢者雇用安定法~70歳雇用時代の到来~
安藤です。
2020年3月に改正高年齢者雇用安定法が成立しました。高年齢者雇用安定法は、少子高齢化が急速に進む中、働く意欲がある誰もが年齢にかかわりなくその能力を発揮できるよう、高齢者が活躍できる環境整備を図るための法律です。働く世代が今後も減っていく以上、高齢者が元気で意欲のあるうちは、少しでも長く働いて社会を支え、若い人達の負担を軽くするという理由があります。改正では、従業員の70歳までの就労確保を努力義務とする規定が盛り込まれ、2021年4月1日に施行されますが、今後の進捗状況を見ながら努力義務から義務化への検討に入ることも成長戦略で名言されています。そして、全ての企業が対象になります。もうあと1か月です。
これまでの高齢者用安定法は、高齢者雇用確保措置は、60歳未満の定年禁止(事業主が定年を定めている場合は、その定年年齢は60歳以上としなければならない。65歳までの雇用確保措置・定年を65歳未満に定めている事業主は、①~③のいずれかの措置を講じなければならない。①65歳までの定年引上げ ②定年廃止 ③65歳までそして、の継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)です。
多くの企業で、上記の③65歳まで再雇用を選択されているかと思います。理由は、再雇用というのは、社員をいったん定年退職させて賃金体系をリセットして新たな雇用契約を結ぶため、企業側からすれば、それ以降は、安い賃金で雇用することが可能になるためとみられます。今回の改正では、この65歳までの雇用義務はそのまま残ります。その上で、さらに65歳から70歳まで働けるようにすることが、努力義務として新たにプラスされることになります。そして、そのために新たに五つの選択肢から選ぶことになっています。
具体的には、最初の三つは、65歳までの選択肢とほぼ同じ内容です。①定年を70歳まで引き上げる。
②定年の廃止。③ そして70歳までの再雇用。これに対して、問題は、後の二つです。④業務委託契約を結ぶ ⑤会社が行う社会貢献事業などに従事するの業務委託契約というのは、いわゆる請負のことです。
会社の仕事を、個人事業主やフリーランスとして業務委託を受けて働く。⑤ の社会貢献事業というのは、会社などが社会貢献のために行っている事業、たとえば復興支援事業とか、こどもへの教育支援とか、そういった活動に参加して一定のお金を会社からもらう働き方です。日本商工会議所(2020年)などが発表した中小企業を対象とした調査では、最も多いのは③の再雇用で56.4%となっています。雇用でない業務委託契約も17.4%に上っています。
一方で、産業・組織心理学では、40~45歳の人生半ばの過度期、50~55歳の50歳の過度期を経て、55~60歳を中年の最盛期、60~65歳を老年への過度期と説明しています(レヴィンソン D.J.Levinson)。定年退職の時期(60歳~65歳)は、準備段階50歳代から含め、ライフサイクルから見ると中年期から老年期の移行期であると捉えています。この時期の変化は、既に身体的な衰えは40代から始まっており、家族関係や夫婦関係の問題も顕在化してくることがあります。職業面では、定年・引退によって地位役割が喪失し経済的にも収入が減少します。定年退職に伴う不安としては、①自分の生活を守っていくことに対する不安 ②帰属集団から離れていく不安③これまでの蓄積を無にされることに対する不満 ④自己実現の場を失う不安が上げられています。
今後70歳まで雇用にあたり、働く側からすると自身の働き方を、ライフシフトの視点で有形資産・無形資産を含めた生き方の視点も捉えながら、社会価値・個性価値・生活価値を整理して働き方を選択していくことも必要になると考えます。また、コロナ禍で益々、自律・自立型のキャリア形成、プロティアンキャリアの時代に
なってきています。70歳まで働くにおいても30代、40代からのキャリア形成、ライフシフトの視点は必須ではないでしょうか。
人的資源開発, キャリアドッグ,EAP,心理学を活用したコミュニケーション,EQ,メンタルヘルス等に ご興味・ご関心がある方は気軽に弊社にご相談くださいませ。
コンフリクト・マネジメント
安藤です。
ダイバーシティ―・複雑化する働き方の時代、異なる立場や意見の人々に配慮し、どのようにうまくやっていくべきか、今、注目されているのが「コンフリクト・マネジメント」です。また、パワハラ,社員の離職防止などもコンフリクトの状況をいかに読み解き、権力、感情、変化を理解して自分や組織の活性化していくべきかその点が要となっています。心理的安全性の視点でも同様です。更に、EQ(感情知数)の視点では、管理者、リーダーに求められるのは状況を読む解くスキルにあたります。
コンフリクト・マネジメントは、ロジックではなく感情の持ち方が大事という視点で、自分のパワーの考え方や能力を伸ばす方法を学ぶことで、職場のコンフリクトの場で活かせます。
コンフリクト・マネジメントの知識が組織で有益な点としては、①~④などが挙げられています。
①コンフリクトの建設的な交渉は組織内のリーダーシップ、意思決定、リソース、リスク管理の質を改善する。(オンブズマン)
②より強固な人間関係、チームワークを築くことで、会社の利益に貢献する。
③職場での理不尽な使われ方に我慢をする習慣を取り除き、職場でのコンフリクトに対処するための適応力
(コンフリクト・マネジメント)を学ぶことにより、当事者の対応力、関係性問題解決力を育成しより健康的、透明性のある職場環境をつくれる
④職場のコンフリクトが不満や燃え尽き症候群、うつ病、自殺などに進展することを妨げるロジックではなく感情の持ち方が大事という視点で、自分のパワーの考え方や能力を伸ばす方法を学ぶことで、職場のコンフリクトの場で活かす
コンフリクトに対して知性ある行動をしていると判断するにはどうしたらよいのかという視点で、6つの基準があります。①マインドフルネスを実践する ②戦略的であること ③感情を認識すること ④状況変化に対応すること ⑤時を意識すること ⑥規範的であることです。そして、コンフリクト・インテリジェンスを高め、
コンフリクトが良い結果をもたらすための行動基準には3つ(Aコンフリクトの状況、Bコンフリクト・マインドセット、Cコンフリクト・インテリジェンスに基づく戦略で実施されています。
具体的項目Aは、①感情ある責任 ②指令・監督 ③協調的依存 ④不幸な忍耐 ⑤独立 ⑥パートナシップ
⑦敵陣、 Bは ①仁愛 ②支配 ③サポート ④譲歩 ⑤自立 ⑥協調 ⑦競合 Cは ①現実的な仁愛
②建設的支配 ③賢明なサポート ④戦略的譲歩 ⑤選択的自立 ⑥協働 ⑦3Fに基づく競合です。
*3Fとは、公平(Fair)・ゆるぎない(Firm)、有効(Friendly)に基づいた競合を意味します。
状況をいかに読み解き、権力・感情・変化を理解して、自分や組織を活性化していくためのこれから必要な
マネジメントスキル“コンフリクト・マネジメント”をご案内しました。
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社会生活で重要な能力
安藤です。
今回は、「社会生活で重要な能力」です。
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。このコロナ禍で、リストラ、転職、
キレる若者たち、いま「安心社会」がなくなりつつあり、自分の将来にそして社会と経済に大きな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。不安は、無意識に“イライラ感”を増幅させ周りの方へも影響を与えています。そこで、今回は「社会生活で重要な能力」をテーマとしました。
新しい環境への適応戦略として「社会的知性の展開と、開かれた信頼社会への構築」を目指す必要があるといわれてきています。
「社会的知性」というのは、「社会的知能」とも言われています。知能とは頭の良さと同じ意味だと思われています。心理学では、頭のいい人、知能の高い人はどんな知的活動においても優れているという考え方があり、それを「一般知能因子」説と呼んでいます。しかし、いくつかの質的に異なる知能に分かれているという考え方もあります。それを多重知能と言います。ホワード・ガードナーが展開しました。知能は単一の能力ではなく、お互いの独立のいくつかの能力の総称であるとされています。
少し分かりやすくお話しすると、コンピューターの能力は、CPU(中央演算装置)の速度に大きく依存しています。コンピューターの能力は、かなりの程度、CPUの速さという一次元で比較することが可能です。一般的知能説というのは、人間の頭にもCPUのような情報処理のプロセサーがあって、知能の高低はそのプロセサーの能力に対応しているようなものだという考え方です。人間の頭には情報処理の一般的能力=一般的知能が備わっていて、人間の頭の良さ(=知的作業の効率)が決まってくるということになります。そして、知能指数というのはCPUの速度のようなものと考えることができます。これに対して、多重知能の考え方は、いくら早いCPUが搭載されているコンピューターでも、ハードディスクの容量が不足していては、出来る作業の種類が大幅に限られてしまします。コンピューターの能力というのはCPUだけでなく、ハードディスクの容量、メモリの大きさ、画面の大きさや見やすさ、通信機能など、互いの独立したさまざまな能力の総称だという考え方です。
私たちは、感情的に行動して後から後悔するような行動をとってしまうことや、単純な思い違いを起こしてしまうこともしばしばあり、いくらそうしないでおこうと思っても思い通りになりません。このような「非合理性」そのものが心の環境に影響しています。人間は入力した情報を記憶にためておいて、必要に応じて記憶を引っぱり出しながら、CPUに相当する意識を用いて情報の処理を行い、その結果をもう一度記憶の中に戻したり、身体の動きとして出力するというイメージかと思います。しかし、人間の脳は一つのCPUが全ての情報処理を行うパソコンのようなものでなく、単純な処理を専門に行う無数のマイクロチップを使った、並列分散処理型のコンピューターのようなものだということです。
ガードナーは、7つの知能(言語的知能、論理/数学的知能、音楽的知能、空間的知能、身体運動的知能、2種類のパーソナル知能)を挙げています。パーソナル知能というのは、自分の心や他人の心を理解する能力です。ガードナーがパーソナル知能を2つに分けているのは、自分の心を理解する能力と他人の心を理解する能力とが、ある程度独立した能力だと考えています。そこで、自省的知能、対人的知能と呼んでいます。
自省的知能は、自分の内面、とりわけ感情や情勢を適切に把握し、意識化して、その結果を行動の指針としてうまく利用する能力です。対人的知能は、他の人達の気質や気分や動機や意図、あるいは人格特性や、他の人達が考えたり感じたりしていることに気づく能力、つまり他人を理解する能力です。社会生活を送っていくうえで重要な役割を果たしています。このような不安な時代には、より一層、パーソナル知能を発揮したいものです。
キャリアドッグ,EAP,心理学を活用したコミュニケーション研修,EQ研修,メンタルヘルス研修ご興味・ ご関心がある方は気軽に弊社にご相談く
世界が一変
早嶋です。
covit-19への対応が進むほど世界中の国々は混乱を招き、政治リーダーの思惑とは反対に国々の中でも強力する姿勢から分断、対立姿勢になっています。
結果的に、
・自分の国が一番という自国ファースト
・ピンチの時の民主主義が機能不全になり分断や対立を加速化
・結果的に民主主義を標榜する国家が減少
という流れになっています。
実際、世界中の国々の政治リーダーをみると明らかです。
【北米と南米】
トランプ大統領を筆頭に、メキシコのオブラドール。メキシコのトランプと揶揄されますが景気減速、治安悪化、財政難は進みます。ベネズエラのマドロウ大統領。総選挙で6割以上を与党で獲得して実質の三権を掌握しています。ブラジルのボルソナ大統領。またまた熱帯のトランプと称され米国向けの鉄鋼輸出を制限して米国との関係を悪化させています。アルゼンチンのフェルナンデス大統領。ザ・バラマキ政権で財政悪化、既に9回目のデフォルト危機を迎えなんとか債務再交渉で危機を回避する状況。
【西欧】
英国のジョンソン大統領も何を考えているか見えません。EUを離れさせたくない組織と離れたい組織が引けなくなっています。今後、イギリスの中で独立運動が加速するでしょう。ポーランドのドゥダ大統領。メディアを統制して司法介入を行い権力を保持してEUと対立を深めています。ハンガリーのオルバン首相。権限を期間を無期限にして拡大する法案を可決させました。白人至上主義をうたい、一方で中国と距離を近くしています。
【東欧】
トルコのエルドアン大統領。新オスマン主義を掲げサウジやアラブ諸国との軋轢を大きくしています。ロシアのプーチン大統領。改憲は8割近くの国民が賛成を示し、2036年までの続投が可能になりました。ベラルーシのルカシェンコ大統領。辞任を求める抗議デモのなか新憲法制定後は辞任を表明していますがどうなることやら。
【中東】
イスラエルのネタニヤフ首相。やはり首相の在任期間を14年超えと最長に設定。司法への介入を図るなどで強権化を進めています。エジプトのシン大統領。リビア内戦に介入するトルコに対立姿勢を見せ、軍事介入を警告し緊張感が高まっています。サウジアラビアのサルマン国王。ムハンマド皇太子が国政の全権力を握り外交を展開してイランを明確に牽制しています。そしてイランのハメネイ最高指導者は米国のイラン核合意から一方的な離脱を示し、各国への対抗処置を段階的に打ち出しています。
【アジア】
タイのブラユット首相。王室と政府の関係強化により独裁化が進み、ワチロン国王への批判も高まっています。インドのモディ首相。RECP交渉から離脱して国家によるネット遮断回数を数多く行っています。中国の習近平国家主席。香港の取り組みはじめ、次は台湾掌握を見据えた行動の準備をしているかのよう。北朝鮮の金正恩委員長。世界がゴタゴタして露出が減っていますが相変わらず。韓国のモンジェンイン大統領。もはや、極右化、独裁化のオンパレード。フィリピンのドゥテルテ大統領。国民の支持率は91%と高いが南シナ海の資源探索を再開するなど中国と距離を近めています。ベトナムのエンフーチョン国家主席。共産党の一党独裁体制による徹底した頃bな封じ込めを行っているので今後いつか来た道が始まる予感です。そして日本の安倍さんから菅さん。。。
【アメリカと中国・・まずはアメリカ】
中でも世界のGDPの多くを占める米国と中国の動きはやはり注視したいですね。次期大統領の民主党バイデン。彼の当選に多くの国民が落胆して、同時に多くの国民が喜んでいます。というのも12月6日時点でバイデンが8,128万票でトランプが7,422万票と、どちらの票数も過去最高を上回るレベル。この内訳をみると既に米国が合衆国ではなくアメリカ分断国の先頭を突き進むことが言えると思います。
トランプの支持は白人、一方でバイデンの支持はアジア系、ラティーノ、黒人と明確に別れています。4年前の家計の状況を鑑みた時に良いと感じている層はトランプ支持、一方悪いと感じた層はバイデン支持。バイデンの支持層の46%は対抗者、つまりトランプ不支持が理由で投票してバイデンに対して支持をしていない始末です。そして収入では10万ドルを境に、10万ドル以上はトランプ、それ以下はバイデンと見事に票がわかれていました。
アメリアといえば本来は国際秩序の主導国家でしたが、既に大変な自体ですよね。左と右。支配層と反エスタブリッシュメント。様々な考えで分断対立が見て取れます。そうなると世界の警察の役割どころか内政に目を向けないといけなくなるので余裕は当然ありません。
元来、米国は自由貿易に対して寛容でしたが生活困窮層はもはや世界の経済云々よりも自分の今のことが大切。そしてますますうちに向きはじめているのです。これは構造的な問題でトランプ大統領で無くても今後はトレンドになると思います。
【アメリカと中国・・・そして中国】
一方の中国は、武漢から出たコロナに対して完全に封じ込めを成功したなど、他国からすると「ふざけるな!」という声が聞こえても度外視で内需が順調に回復しています。元々計画経済で自国を伸ばしているのもあり、2028年から29年前後でGDP規模で米国を追い越す可能が見えてきました。
そして2035年の目標は一人当たりGDPを中堅先進国水準にすることを掲げています。またコア技術においては重要なブレークスルーを実現とあります。
そして完全に長期政権になった習近平の元、海洋ルート、陸地ルート、及び周辺国への投資と経済支援を行い、実質中国の植民地化を目論む一帯一路をガンガンすすめています。この一環として新興国に対してはインフラ整備を手伝い資金提供と人材派遣を行いインフラを接収する取り組みを進めています。
一方国内では中国共産党の一党支配体制の基盤を確立して自由や民主主義などの思想を認めず国家と国民に対しての多様性を抑制しています。6月30日の香港国家安全維持法によって実質一国一制度に取り組み、新疆ウィグルやチベット、そして内モンゴルは漢民族化をすすめます。それから中国の名門大学では習近平の思想を必須化するなどの取り組みも進めています。
コロナの取り組みとしてはプラスに働きましたが監視カメラの映像やネット投稿などは当局の検閲が完全に行われるインフラが整っています。
【他の国々】
コロナが原因というより、結果的に国がそれぞれ成熟しはじめて、結果的にポピュリズムが進んだ。そこにコロナがひと押ししたのでしょうか。
世界は一変しています。米国に対して世界のリーダーを期待してもそれは難しいです。そしてEUは域内の対立と各国のコロナ対策で手も足もでない状態です。
ライフシフト
安藤です。
今回は、「ライフシフト」です。
ライフシフトといえば、有名なのは、2016年10月日本で発行されたリンダ・グラットン・アンドリュー・スコット著の「人生100年時代」です。人生戦略を考えなおす契機になったといわれています。60歳を過ぎて、あわててこれからどうしょうかと考える前に、不果実な時代だから先のことを考えてもしょうがないという前に、自分の人生を自分が主人公でどう生きたいのか、働きたいのかというのは、20代、30代から自分と向き合っていても早いとはいえません。
その背景には、第4時産業革命といわれている中、大きな2つの流れがあるからです。1つは、デジタルトランスフォーメーションです。AIとビッグデータ、IOT等でますます多くの職業が変革にあること。2つ目は、「持続可能な地球づくり」40億人に上る貧困層への支援や地球環境問題対応など、エゴからエコの時代という概念です。
また、寿命の長期化と労働人生60年時代ではなく70年から80年時代へ。以前は、寿命80歳で60歳で定年。20年は老後を楽しむという計算でしたが、これからは100歳の寿命で80歳まで働き残りの20年が老後になるという時代がやってきます。となると、人生で単純計算をしても最低は3回の転職は必然と考えられます。その時にスムーズに転職ができるようになる為には、または自立していくためにはどうしていくのか。何の分野のスキルで食べていくのか、自分の武器はなんなのか。市場価値をどう考えていくのか。そう考えると、ライフシフトは、述べた通り30代というこれからの世代の方にも大きく関係していくテーマと考えます。
書籍「ライフシフト」では、3つのステージ人生からマルチステージへの人生へ移行すると表現しています。教育→仕事→引退という誰もが同じような時間軸で過ごす3ステージの人生ではない。長寿化する長い時間軸では、エイジフリーの人生が可能になる。何度も学び直し、職業も変え、子育てに専念したり、さまざまな経験をしたりと、充電をたっぷりしながら、会社を超えた社会との関係を保ちながら生きていく。そんな多様な人生のエンジョイが可能になるわけだ。
また、シンギュラリティーが間近に迫る現代では、技術進歩に応じた学び直しは不可欠であり、充電と放電を繰り返す「知の連続再武装」を楽しめる学び直し能力こそがライフシフト時代には重要な条件になってくる。」と述べています。
ライフシフトには、「内的キャリア」は欠かせないと思っています。内的キャリアとは働きがいや生きがい、働くこと、生きることに関する価値観のことです。 内的キャリアはその仕事に満足しているか、やりがいがあるか、など本人にしかわからない基準で判断されます。 その内的キャリアを発見していくために必要なのが、多方面から自身を客観視するアセスメントです。また、今から無形資産 ①生産性資産(スキル・中前・評判など ②活力資産(健康・友人・愛など)③変身資産(自己理解・多様な人脈など)を意識したキャリア形成は必然かと思われます。
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